2-13 YAMAHA X-Day
いよいよ(?)紙ジャケットのTMアルバムが発売されましたね。
購入した方はいらっしゃるでしょうか。
当時のシールとかカレンダーとかのミニチュアが入っているようで、コレクターの方は購入する価値があるかもしれません。
何か面白い発見などあったら、教えてください(他人任せ)。
では本編に入ります。
---------------------------------
1986年頃からTM NETWORKとYAMAHAの関係が深くなってきたことは、すでに述べたところである。
そのためこの頃からTMは、しばしばYAMAHAのイベントに関わった。
・1986/8/3札幌共済ホール「YAMAHA EAST WEST '86」
・1986/9/23中野サンプラザ「YAMAHA Light Music Contest '86」
・1987/11/1日本武道館「YAMAHA Band Explosion」
以上のイベントでは、TMがゲスト出演し、数曲の演奏を行なった。
他にもYAMAHA関連ではないが、1987/10/10には広島で「FMフェスティバル'87」に出演したらしい。
80年代のTMは様々なイベントに出演したようである。
ただしこれらのイベントでは、それほど凝ったアレンジがされていたわけではない。
基本的にツアーの音源が使われたり、オリジナルの演奏が行なわれた。
例外は「EAST WEST '86」の「Nervous」で、他に無いイントロが使われているくらいだろう。
なお札幌共済ホールの「EAST WEST '86」は、TMの公式記録では「YAMAHA STAGE FLIGHT」とも、「YAMAHA STAGE LIGHT」ともされているが、前者の「YAMAHA STAGE FLIGHT」が正しい。
当時北海道地区で行なわれていたアマチュアバンドコンテストである。
「EAST WEST '86」の北海道地区大会が「YAMAHA STAGE FLIGHT」だったということだろうか。
なお札幌イベントに参加した方の提供資料では、このイベントは「YAMAHA EAST WEST '86 HOKKAIDO GRANDPRIX」と題しており、チラシにはTMがゲスト出演することも明記されている。
「YAMAHA Light Music Contest (LMC) 」は、YAMAHA主催のアマチュアバンドコンテストだったが、1987年から別のアマチュアバンドコンテスト「Popular Song Contest」と統合され、「International Popular Music Festival Band Explosion」となった。
TMは1986年「Light Music Contest」と1987年「Band Explosion」に二年連続ゲスト出演した。
ただしTMメンバーは審査をしたわけではなく、ゲスト出演で演奏を行なうだけだった。
さて、一連のYAMAHAイベントの中で特に興味を引くのが、1986/11/29~12/7のイベント「YAMAHA X-Day」だろう。
本イベントは1984年5月から連年開催されており、TMがライブを行なった時のイベントの正式名称は、「第5回YAMAHA Digital Fair '87 YAMAHA New X-Day」と言った。
キャッチフレーズは「いつもここから、新しい音。」
「YAMAHA X-Day」の趣旨はYAMAHAの製品発表会であり、展示やデモンストレーションが行なわれた。
新製品にいち早く触ることができる点で、プレイヤーには魅力的な機会だった。
会場ではミュージシャンのセミナーやミニライブも企画され、1986年にはTM以外にカシオペアの向谷実・櫻井哲夫・神保彰のライブも行なわれている。
TMには「音自由・夢自在・魔法団」というよく分からないキャッチフレーズがついており、以下のような紹介文があった。
なお翌年1987/10開催の「YAMAHA X-Day」では、TMの出演はなかったが、向谷実・小室哲哉・井上鑑・松武秀樹・飯島真理によるYAMAHA DX7Ⅱのセミナーが開催されている。
1986年の「YAMAHA X-Day」は、東京サンシャイン文化会館と大阪MIDシアターで、それぞれ土日に開催された。
大阪は日曜日12/7公演が2公演あり(ポコ太さん情報による)、東京も11/30日曜は2公演あったとすれば、計6公演ということになる。
なお「Fanopedia」などデータブックでは、大阪の会場がMIDIシアターとされているが、これはMIDシアターの誤りである。
YAMAHAの新製品発表会の集客イベントと言うことで、TMのミニライブは当日会場で整理券を手に入れれば無料で入場できたらしい。
「All-Right All-Night」「Fanks "Fantasy" Dyna-Mix」「EARTH」など、この頃TMは多くの商品の発売が重なっており、TMにとってはそのプロモーションの意味もあったと思われる。
注目すべきは、演奏曲に大変特徴的なアレンジがされていることである。
YAMAHAイベントということもあり、特にシンセを強調した音色で、サンプリングボイスも多用している。
多少しつこ過ぎるアレンジで、やりすぎな感もあるが、シンセ好きにはたまらないライブだろう。
小室はこのライブを「ビート・ダンステリア」と称している。
このライブでは、シーケンサのチェイン機能を使って、自動的に曲のデータを呼び出す設定を用いることを試みている。
だがこの時の実験の結果、翌年のツアー「Fanks! Bang The Gong」では、トラブル時の復旧の問題を考えてチェイン機能の利用をやめ、曲のデータは手動で行なうことにしたのだという
(「TM NETWORK重箱のスミ!」より)
このオートチェイン演奏の試みは、YAMAHA QX3を導入した1987年の「Kiss Japan Tour」で実現した。
「YAMAHA X-Day」の楽曲アレンジは、生楽器を抑えてシンセを前面に出した点で特殊な面もあるが、一部には「Fanks! Bang The Gong」に受け継がれるものもある。
その意味では1986年から1987年への橋渡しの意味を持つライブだったといえるだろう。

サポートは山田亘と西村麻聡で、松本孝弘はいない。
なんとギターは木根のみだ。
ここらへんからも、このライブがどれほどシンセメインかが分かるだろう。
衣装は「Fanks “Fantasy” Dyna-Mix」の使いまわしである、
以下ではこのイベントの内容を簡単に書いておこう。
オープニング、電子音が鳴り響く。
「DiDiDiDi…」という女性の声と、「Hey Hey Hey…」と男性の声のサンプリングボイス、さらに「X-Day X-Day X-Day…」のサンプリングボイスも登場し、エレクトリックなオケの前奏が長く続く。
それが1分半ほど続くと、聞きなれた「Nervous」のイントロが聞こえてくる。
ここで初めて曲名が分かるほど、インパクトのあるオープニングだ。
ウツがステージに登場。
しかし踊り続けるだけで、歌はまだ始まらない。
うわーしつこっ!(笑)
歌が始まると、ウツは冒頭のサビの部分だけを歌い、その後間奏を挟んでから一番に入る。
Aメロ、Bメロの後もサビに入らず、またサンプリングボイスの嵐。
その間、ウツはNervousダンスを踊り続ける。
サンプリングボイスが終わると、やっとウツが「So Nervous So Nervous…」と歌い出す。
サビ後の間奏もまた長く、1分以上もある。
2番もほぼ同様であるが、サビまでは歌わず、Bメロまで歌った後はサンプリングボイスを流して曲を終える。
史上何度も演奏された「Nervous」の中でも最も強烈なこのアレンジは、次のツアー「Fanks! Bang The Gong」では採用されなかった。
(そもそも「Nervous」が演奏されなかった)
以後この曲が演奏される時はオリジナルに忠実なアレンジが採用され、「YAMAHA X-Day」バージョンは封印された。
この時のアレンジが形を変えて復活したのが、1988年「CAROL Tour」の時である。
この時はもう少しクドさを落とし、聞きやすいアレンジとなった。
「Nervous」の最後は「X, X, X-Day」のサンプリングボイスで終わりついで聞き慣れたイントロが流れる。
FANKSバージョンの「Rainbow Rainbow」だ。
演奏は「Fanks Dyna-Mix」と同じである。
アウトロのシンセ音が長く続き、次の曲のイントロへつながる。
一瞬では何の曲か分からないが、しばらくすると聞きなれたフレーズが聞こえてくる。
「金曜日のライオン」だ。
しかし雰囲気が原曲とは全然違う。
テンポが落ち、ミディアムテンポに変わっているのだ。
原曲と打って変わって、落ち着いた雰囲気だ。
この曲のイメージを一新する、素晴らしいアレンジだと思う、
以後もこの曲が演奏される時は、1993年のウツソロ「Live Butterfly」まで、もっぱらミディアムテンポで演奏されるようになる。
「終了」ライブ「TMN 4001 Days Groove」で原曲通りのスピードで演奏したのは、実に久しぶりのことだったのだ。
ここでMC。
これも「Fanks Dyna-Mix」のアレンジである。
しかし上から「Hey Hey Hey」「No No No」「X, X, X-Day」など、サンプリングボイスが加わっている。
また二番の後の間奏では、定番の小室のラップが入った。
このライブではウツは「Passenger」のサビを歌わず、会場に歌わせた。
これは以後演奏される時も同様であった。
「Fanks Dyna-Mix」では、サビでウツの声が出ないという問題があったが、それを歌わないという逆転の発想で解決したのである。
「Fu! Fu!」と、ウツの煽り。
「Come on Let's Dance」「Hey Hey Hey」など、サンプリングボイスが鳴り響く。
「Come on Let's Dance」だ。
アレンジされた長いイントロの中、ウツ・木根・西村が並んで踊る。
アウトロも長く派手である。
「Nervous」と並んで、全体的にくどいほどに派手にアレンジされている。
「Come on Let's Dance!」でカットアウトするところは、「Fanks Dyna-Mix」と同じである。
ついで最新シングル「All-Right All-Night」。
この時が、完成バージョンで演奏した最初である。
このイベントの最大の目的は、この曲のプロモーションと言っても過言ではない。
それだけにオリジナルに忠実な演奏である。
最後は「All-Right! All-Right!」のサンプリングボイスで締め。
最後は「You Can Dance」。
こちらもオリジナルアレンジだ。
この曲はそもそもがライブ向けということもあり、サンプリングボイスが加えられたり間奏が長くなったりする以外、今まで目立ったアレンジがされたことはない。
最後の締めで、ウツが「どうもありがとう」と言ってライブは幕。
メンバーは退場する。
12/6の大阪MIDシアター公演では、ウツがつまずいて西村に抱きついてライブが終わるという一幕もあった。
なおこのイベントが東京・大阪で行なわれていたのと同時期、1986/12/1、福岡のディスコマリアクラブ開店イベントをTMが担当した(ただし開店は11月半ば)。
セットリストは「YAMAHA X-Day」と同じだが、「Nervous」のサンプリングボイスが「X-Day X-Day…」ではなく、「MARIA MARIA…」だったらしい。
開演直前には防災用シャッターが誤作動で下りるというアクシデントがあったが、このためかえって会場が盛り上がったという。
小室はこの時のイベントが印象的で、この頃レコーディングしていた曲に「Maria Club」と名付けた。
「Self Control」に収録されたあの曲である。
(2007/3/27執筆 2008/10/22・2014/1/12・2017/2/3・4/22加筆)
購入した方はいらっしゃるでしょうか。
当時のシールとかカレンダーとかのミニチュアが入っているようで、コレクターの方は購入する価値があるかもしれません。
何か面白い発見などあったら、教えてください(他人任せ)。
では本編に入ります。
---------------------------------
1986年頃からTM NETWORKとYAMAHAの関係が深くなってきたことは、すでに述べたところである。
そのためこの頃からTMは、しばしばYAMAHAのイベントに関わった。
・1986/8/3札幌共済ホール「YAMAHA EAST WEST '86」
・1986/9/23中野サンプラザ「YAMAHA Light Music Contest '86」
・1987/11/1日本武道館「YAMAHA Band Explosion」
以上のイベントでは、TMがゲスト出演し、数曲の演奏を行なった。
他にもYAMAHA関連ではないが、1987/10/10には広島で「FMフェスティバル'87」に出演したらしい。
80年代のTMは様々なイベントに出演したようである。
ただしこれらのイベントでは、それほど凝ったアレンジがされていたわけではない。
基本的にツアーの音源が使われたり、オリジナルの演奏が行なわれた。
例外は「EAST WEST '86」の「Nervous」で、他に無いイントロが使われているくらいだろう。
なお札幌共済ホールの「EAST WEST '86」は、TMの公式記録では「YAMAHA STAGE FLIGHT」とも、「YAMAHA STAGE LIGHT」ともされているが、前者の「YAMAHA STAGE FLIGHT」が正しい。
当時北海道地区で行なわれていたアマチュアバンドコンテストである。
「EAST WEST '86」の北海道地区大会が「YAMAHA STAGE FLIGHT」だったということだろうか。
なお札幌イベントに参加した方の提供資料では、このイベントは「YAMAHA EAST WEST '86 HOKKAIDO GRANDPRIX」と題しており、チラシにはTMがゲスト出演することも明記されている。
「YAMAHA Light Music Contest (LMC) 」は、YAMAHA主催のアマチュアバンドコンテストだったが、1987年から別のアマチュアバンドコンテスト「Popular Song Contest」と統合され、「International Popular Music Festival Band Explosion」となった。
TMは1986年「Light Music Contest」と1987年「Band Explosion」に二年連続ゲスト出演した。
ただしTMメンバーは審査をしたわけではなく、ゲスト出演で演奏を行なうだけだった。
さて、一連のYAMAHAイベントの中で特に興味を引くのが、1986/11/29~12/7のイベント「YAMAHA X-Day」だろう。
本イベントは1984年5月から連年開催されており、TMがライブを行なった時のイベントの正式名称は、「第5回YAMAHA Digital Fair '87 YAMAHA New X-Day」と言った。
キャッチフレーズは「いつもここから、新しい音。」
「YAMAHA X-Day」の趣旨はYAMAHAの製品発表会であり、展示やデモンストレーションが行なわれた。
新製品にいち早く触ることができる点で、プレイヤーには魅力的な機会だった。
会場ではミュージシャンのセミナーやミニライブも企画され、1986年にはTM以外にカシオペアの向谷実・櫻井哲夫・神保彰のライブも行なわれている。
TMには「音自由・夢自在・魔法団」というよく分からないキャッチフレーズがついており、以下のような紹介文があった。
それは目覚めたままの夢、夢の中のリアリティ。
FANKSの旗をかさすTMネットワークが、ヤマハ・ニューデジタルギアをえて、
一大ミュージック魔法団に変身。
SUPER DX&RXがドライブすれば、オーディエンスはデジタル呪文のとりこ。
なお翌年1987/10開催の「YAMAHA X-Day」では、TMの出演はなかったが、向谷実・小室哲哉・井上鑑・松武秀樹・飯島真理によるYAMAHA DX7Ⅱのセミナーが開催されている。
1986年の「YAMAHA X-Day」は、東京サンシャイン文化会館と大阪MIDシアターで、それぞれ土日に開催された。
大阪は日曜日12/7公演が2公演あり(ポコ太さん情報による)、東京も11/30日曜は2公演あったとすれば、計6公演ということになる。
なお「Fanopedia」などデータブックでは、大阪の会場がMIDIシアターとされているが、これはMIDシアターの誤りである。
YAMAHAの新製品発表会の集客イベントと言うことで、TMのミニライブは当日会場で整理券を手に入れれば無料で入場できたらしい。
「All-Right All-Night」「Fanks "Fantasy" Dyna-Mix」「EARTH」など、この頃TMは多くの商品の発売が重なっており、TMにとってはそのプロモーションの意味もあったと思われる。
注目すべきは、演奏曲に大変特徴的なアレンジがされていることである。
YAMAHAイベントということもあり、特にシンセを強調した音色で、サンプリングボイスも多用している。
多少しつこ過ぎるアレンジで、やりすぎな感もあるが、シンセ好きにはたまらないライブだろう。
小室はこのライブを「ビート・ダンステリア」と称している。
このライブでは、シーケンサのチェイン機能を使って、自動的に曲のデータを呼び出す設定を用いることを試みている。
だがこの時の実験の結果、翌年のツアー「Fanks! Bang The Gong」では、トラブル時の復旧の問題を考えてチェイン機能の利用をやめ、曲のデータは手動で行なうことにしたのだという
(「TM NETWORK重箱のスミ!」より)
このオートチェイン演奏の試みは、YAMAHA QX3を導入した1987年の「Kiss Japan Tour」で実現した。
「YAMAHA X-Day」の楽曲アレンジは、生楽器を抑えてシンセを前面に出した点で特殊な面もあるが、一部には「Fanks! Bang The Gong」に受け継がれるものもある。
その意味では1986年から1987年への橋渡しの意味を持つライブだったといえるだろう。

サポートは山田亘と西村麻聡で、松本孝弘はいない。
なんとギターは木根のみだ。
ここらへんからも、このライブがどれほどシンセメインかが分かるだろう。
衣装は「Fanks “Fantasy” Dyna-Mix」の使いまわしである、
以下ではこのイベントの内容を簡単に書いておこう。
オープニング、電子音が鳴り響く。
「DiDiDiDi…」という女性の声と、「Hey Hey Hey…」と男性の声のサンプリングボイス、さらに「X-Day X-Day X-Day…」のサンプリングボイスも登場し、エレクトリックなオケの前奏が長く続く。
それが1分半ほど続くと、聞きなれた「Nervous」のイントロが聞こえてくる。
ここで初めて曲名が分かるほど、インパクトのあるオープニングだ。
ウツがステージに登場。
しかし踊り続けるだけで、歌はまだ始まらない。
So Nervous So Nervous So Nervous So Nervous So Nervous So Nervous So Nervous So Nervous So … ChanChanChanChanChanChanChan… So Nervous So Nervous So Nervous So Nervous So Nervous So Nervous So Nervous So Nervous So … ChanChanChanChanChanChanChan… X-Day X-Day
うわーしつこっ!(笑)
歌が始まると、ウツは冒頭のサビの部分だけを歌い、その後間奏を挟んでから一番に入る。
Aメロ、Bメロの後もサビに入らず、またサンプリングボイスの嵐。
その間、ウツはNervousダンスを踊り続ける。
サンプリングボイスが終わると、やっとウツが「So Nervous So Nervous…」と歌い出す。
サビ後の間奏もまた長く、1分以上もある。
2番もほぼ同様であるが、サビまでは歌わず、Bメロまで歌った後はサンプリングボイスを流して曲を終える。
史上何度も演奏された「Nervous」の中でも最も強烈なこのアレンジは、次のツアー「Fanks! Bang The Gong」では採用されなかった。
(そもそも「Nervous」が演奏されなかった)
以後この曲が演奏される時はオリジナルに忠実なアレンジが採用され、「YAMAHA X-Day」バージョンは封印された。
この時のアレンジが形を変えて復活したのが、1988年「CAROL Tour」の時である。
この時はもう少しクドさを落とし、聞きやすいアレンジとなった。
「Nervous」の最後は「X, X, X-Day」のサンプリングボイスで終わりついで聞き慣れたイントロが流れる。
FANKSバージョンの「Rainbow Rainbow」だ。
演奏は「Fanks Dyna-Mix」と同じである。
アウトロのシンセ音が長く続き、次の曲のイントロへつながる。
一瞬では何の曲か分からないが、しばらくすると聞きなれたフレーズが聞こえてくる。
「金曜日のライオン」だ。
しかし雰囲気が原曲とは全然違う。
テンポが落ち、ミディアムテンポに変わっているのだ。
原曲と打って変わって、落ち着いた雰囲気だ。
この曲のイメージを一新する、素晴らしいアレンジだと思う、
以後もこの曲が演奏される時は、1993年のウツソロ「Live Butterfly」まで、もっぱらミディアムテンポで演奏されるようになる。
「終了」ライブ「TMN 4001 Days Groove」で原曲通りのスピードで演奏したのは、実に久しぶりのことだったのだ。
ここでMC。
Yeah? こうやってみんなとは、すっごく久しぶりで、なんかとっても、なんともいえない気分で、とっても嬉しいです(ニヤリ) なんかいいね、こういう感じのライブも。みんな顔が一人一人見えるし。今日はもう、思いっきり踊って、倒れちゃおうか、もう。「Passenger」!
これも「Fanks Dyna-Mix」のアレンジである。
しかし上から「Hey Hey Hey」「No No No」「X, X, X-Day」など、サンプリングボイスが加わっている。
また二番の後の間奏では、定番の小室のラップが入った。
このライブではウツは「Passenger」のサビを歌わず、会場に歌わせた。
これは以後演奏される時も同様であった。
「Fanks Dyna-Mix」では、サビでウツの声が出ないという問題があったが、それを歌わないという逆転の発想で解決したのである。
「Fu! Fu!」と、ウツの煽り。
「Come on Let's Dance」「Hey Hey Hey」など、サンプリングボイスが鳴り響く。
「Come on Let's Dance」だ。
アレンジされた長いイントロの中、ウツ・木根・西村が並んで踊る。
アウトロも長く派手である。
「Nervous」と並んで、全体的にくどいほどに派手にアレンジされている。
「Come on Let's Dance!」でカットアウトするところは、「Fanks Dyna-Mix」と同じである。
ついで最新シングル「All-Right All-Night」。
この時が、完成バージョンで演奏した最初である。
このイベントの最大の目的は、この曲のプロモーションと言っても過言ではない。
それだけにオリジナルに忠実な演奏である。
最後は「All-Right! All-Right!」のサンプリングボイスで締め。
最後は「You Can Dance」。
こちらもオリジナルアレンジだ。
この曲はそもそもがライブ向けということもあり、サンプリングボイスが加えられたり間奏が長くなったりする以外、今まで目立ったアレンジがされたことはない。
最後の締めで、ウツが「どうもありがとう」と言ってライブは幕。
メンバーは退場する。
12/6の大阪MIDシアター公演では、ウツがつまずいて西村に抱きついてライブが終わるという一幕もあった。
なおこのイベントが東京・大阪で行なわれていたのと同時期、1986/12/1、福岡のディスコマリアクラブ開店イベントをTMが担当した(ただし開店は11月半ば)。
セットリストは「YAMAHA X-Day」と同じだが、「Nervous」のサンプリングボイスが「X-Day X-Day…」ではなく、「MARIA MARIA…」だったらしい。
開演直前には防災用シャッターが誤作動で下りるというアクシデントがあったが、このためかえって会場が盛り上がったという。
小室はこの時のイベントが印象的で、この頃レコーディングしていた曲に「Maria Club」と名付けた。
「Self Control」に収録されたあの曲である。
(2007/3/27執筆 2008/10/22・2014/1/12・2017/2/3・4/22加筆)
この記事へのコメント
本当にうらやましいです
このライブは、今後未発表映像の商品化があっても、絶対に入らないでしょうねえ
この時の「やりすぎ」な音、是非ステージで味わいたかったです
この頃のTMって、いつブレイクするかっていう爆発寸前の感じがありますよね
露骨に弾いていないところも多いんですけどね(笑)
この映像、資料用の定点カメラではなくズームしたり客席が映ったりとカメラワークが出来ていたので当時TVで放送されたのでしょうか?マスターテープとか残ってないのかな…。
デビュー40周年となる来年ソニーがまた便乗商法を展開すると思いますが、資料として価値が高い映像・音源が一つでも商品化されることを切に願っています。
いつもこれくらいやりすぎでやってほしいと思っています。
youtubeの映像は多分YAMAHAで撮影したものと思います。
私は確認していませんが、おそらく楽器店でプロモーション用に流していたものと思っています。
もう少し後にEOSが発売されると、小室さんによるEOS関連イベントの動画がいくつも作られますが、これも多分店頭プロモーション用動画と思います。