4-20 EXPO
一ヶ月ぶりの新記事アップとなります
遅くてすみません
その前にちょっとプチ情報を…
ネタりか11/24の記事より
(゚∀゚)……!!(諸事情によりコメント略)
やめてええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!(;´Д`)
ということで、本題に入ります
一ヶ月ぶりということで、クソ長いです
------------------------------------
「EXPO」は1991/9/5リリースのアルバムである
TM NETWORK時代から数えて8枚目、
「終了」前のTMNの最後のオリジナルアルバムとなる
チャートでは1位を獲得し、64.8万枚の売上を記録した
これはTM史上2番目の記録だが、その評価は別章で触れたい
ジャケットは「月とピアノ」のコンセプトを反映して、
宇宙空間に月とピアノが描かれている
ピアノは宇宙船になっていて、真ん中の窓にはTMN3人のシルエットが見える
この設定は「humansystem」の時にも考えていたという
CD本体にも、実はピアノの絵が描かれている
なお「Tour TMN EXPO」の会場は、
この宇宙船が地球のステージに降り立ったものという設定だった
紙カバーの中のブックレット型ライナーノートの表紙には、
宇宙船の内部の様子が描かれている
そこには明らかに小室・ウツ・木根と思われる3人がいるが、
木根の手が機械だったり、頭から謎のコードが出ていたり、
よく見ると結構シュールな絵である
さらに謎のロボット(ガルボア?)と黒人もいる
ロボはともかくとして、黒人、
お前いったい誰だ!?

宇宙船の中
ジャケットの「EXPO」ロゴも、微妙にデザインされている
ちなみにこのロゴ、後に「毎日就職EXPO 2006」で露骨にパクられた
企画者がTMNファンだったのだろうか
興味のある方は、Googleの画像リンクを見ていただきたい
アルバムタイトルは音の博覧会を意味しており、
多様な楽曲を収めた内容を反映している
世代的に1970年の大阪万博も念頭にあっただろう
小学生時代の小室が冨田勲の演奏を見て、
シンセサイザーに魅了されたきっかけのイベントである
ブックレット一ページ目、曲目を書いた目次の部分には、
各種アトラクションが並んだ絵が描かれ、
「TMN EXPO PAVILLION MAP」と書かれている
TMNの構想するところでは、
ピアノ形の宇宙船で宇宙にあるEXPO会場へ行く感覚だという
「TMN EXPO PAVILLION MAP」の下には、
12の収録曲をそれぞれパヴィリオンに見立てるという、
「EXPO」の構想を示している
最後の文章はひどい英語で書かれているが、
ネイティブチェックなどなかったのだろうか
メンバーの写真も入っている
サイケデリックな雰囲気の微妙な衣装で、
当時から、これはどうなんだろうと思った(特にウツ)
この衣装は「EXPO」のプロモーション時、しばしば使われた
「Tour TMN EXPO」でも、
これに似た雰囲気の衣装が使われている
レコーディングは「Rhythm Red Tour」ファイナル1991/3/13から1日だけ開けて、
3/15から始まり、6/10までの3ヶ月間行なわれた
リリース3ヶ月前には終了していたことになる
歴代アルバムの中でもかなり余裕を見たスケジュールだが、
アルバムリリース前にプロモーションの期間を確保していたためだろうか
レコーディングでは肩に力をいれず、
自然にできたとメンバーは言っている
ロンドンのエンジニアと徹底した音作りにこだわった「CAROL」や、
海外の大物を含む多くのゲストミュージシャンを呼んだ「Rhythm Red」と違い、
レコーディングは日本のスタジオで行ない、
演奏の中心はメンバーと葛城・浅倉・阿部・久保など、
気心の知れたミュージシャンたちだった
その点で良くも悪くも気楽なレコーディングだったのだろう
ただ完全に身内のみで作ったアルバムというわけではなく、
エンジニアとしてニューヨークからAkioとGary Wrightの二人を招いている
小室は1989年、「Running To Horizon」「Gravity of Love」のリミックス依頼のためにニューヨークまでShep Pettiboneに会いに行った時にGaryとも会っていた
その時に一緒に仕事をしたいことをアピールされていたので、
「EXPO」で登用することになった
その結果このアルバムでは、
当時のニューヨークのサウンドを反映することができたという
「We love the EARTH (Ooh, Ah, Ah Mix)」「Love Train (Club Mix)」など、
シングル曲のハウスアレンジは彼らに依るところが大きいのだろう
後のシングル「Wild Heaven」のミックスも彼らが担当している
アルバムのレコーディングは、
サビだけできていた「We love the EARTH」を完成させるところから始まったが、
その後はツアーで疲弊していたウツのノドを休ませるため、オケの作成に集中した
この間ウツは、ノドを治すために病院に通ったと言う
ボーカル録りは4月後半から開始された
最初に録ったのは「Rhythm Red Tour」で披露済みの「Tomorrow Made New」だった
また4/20・21の小室ソロライブ「THINK of EARTH」で披露された「Think of Earth」も、
楽曲は早くからできあがっていたと見られる
この2曲に共通するのは、プログレ的要素とスペーシーな雰囲気である
「EXPO」のコンセプトである「月とピアノ」が、
地球を俯瞰する視点を含意していたことを考えれば、
スペーシーな雰囲気は出てきてしかるべきだが、
小室も当初は「EXPO」で宇宙的雰囲気を強調するつもりだったと言っている
とすれば、初期に出来たこの2曲は、
当初のコンセプトを反映した音であることが予見できよう
「Tomorrow Made New」は、曲も歌詞も「Rhythm Red Tour」から大きく変えられている
この曲では70年代ロックの雰囲気を出すため、
イントロからピアノではなくハモンドオルガンが強調されており、
原曲よりもプログレ的雰囲気が増しているように思う
原曲と比べて、テンポも多少速くなっている
作詞は原曲と同様に坂元裕二だが、まったく別のものに変わっており、
宇宙的な雰囲気のフレーズが多く散りばめられている
これは原曲にはなかった要素である
たとえば「幼年期の終わりから 生まれ変わるStarchild with Love」という部分などは、
小室が傾倒したSF作家Arthur C. Clarkeの「幼年期の終わり」や、
スターチャイルドが登場する「2001年宇宙の旅」を前提にしているのだろう
またサビに「God is watching you Moonage Daydreamer」とあるのは、
「俯瞰する視点」のキーワードを意識している
「Think of Earth」はピアノをメインとした音や、
「地球のことを考える」というタイトルから見ても、
「EXPO」のテーマソングと言える
歌詞については以前詳しく触れたので、
改めて触れることはしないが、
長大なイントロ(約8分中4分)はPink Floydをイメージしたプログレ的アプローチによっているという
モデルは明らかに「Shine on You Crazy Diamond」だろう
以上2曲はアルバムの最後に収められており、影も薄いが、
「月とピアノ」のコンセプトをもっとも直接表している部分でもある
さらにその前に収める「月はピアノに誘われて」も、
「月とピアノ」を前提にしたタイトルで、ピアノをメインに作られている
コンセプトに即する限り、
地味なラスト3曲が「EXPO」の中心となるべきである
しかし実際には、どう考えてもこのアルバムの印象は、
ハウスでありクラブサウンドである
もちろん「音の博覧会」というキーワードも出していた以上、
多様な音を含めることは決まっていたのだろうが、
それにしても中心は「月とピアノ」にまつわる楽曲となるのが本来の形だろう
おそらくアルバムを作成する過程で、小室の関心が色濃く出るようになり、
結果として当初のコンセプトから逸れてしまったのではないか
もっともそうは言いながら、
このアルバムのハウス楽曲はかなり聞き応えがある
「We love the EARTH (Ooh, Ah, Ah Mix)」「Just Like Paradise」「Crazy For You」などは、
TMN最後の光芒を放つ作品だった
木根は「Rhythm Red」に続いて「EXPO」でも、
「月はピアノに誘われて」でボーカルを取っているが、
(あと、実は「I Hate Folk」も)
さらに「Think of Earth」では、小室もボーカルを取った
メンバー3人全員の歌が入っている唯一のアルバムである
「I Hate Folk」ではウツが作詞・作曲を担当している
TM史上、これ以外にウツが楽曲製作に関わったのは、
TM NETWORK作詞の「Innocent Boy」と
ウツ作曲の「Another Meeting」のみである
ただ「I Hate Folk」は冗談で作った曲なので、
期待して聞くとバカを見る
「月の河」は木根の作詞・作曲である
この曲はCDでは「I Hate Folk」とセットにされ、
「月の河/I Hate Folk」として収録されている
作曲はともかくとして木根の作詞は、
小室との共作詞である「Give You A Beat」と、
終了時発表の「Another Meeting」、
2007年発表の「N43」以外にない
この「月の河/I Hate Folk」は制作陣から見ても、かなり異色作だった
「月の河/I Hate Folk」以外の11曲中では、
「大地の物語」「月はピアノに誘われて」が木根作曲で、
他は小室作曲である
作詞は「月の河/I Hate Folk」とインストの「EXPO」を除き、
小室哲哉と坂元裕二で5曲ずつを担当している
小室はカメリアダイアモンドタイアップの3曲と、
「Think of Earth」「Just Like Paradise」を担当した
アルバムの顔とテーマソング、そして小室の趣味丸出しの一曲ということになる
注目すべきは、「終了」以前のアルバムで唯一、小室みつ子の作詞がないことである
(再始動後では「SPEEDWAY」の例がある)
ただし全面的にみつ子を排除したわけではなく、
本来アルバムに収める予定だった「Wild Heaven」はみつ子作詞である
だがみつ子の影が薄いことは事実で、
TMNは詞の面で新境地を目指していたのかもしれない
レコーディングされながら未収録に終わった楽曲には「Dreams of Christmas ('91 NY Mix)」もあったが、
これは「Wild Heaven」と合わせて後にシングルとしてリリースされた
また木根は「月の河」以外にもう一曲フォーク曲を作っていたという
「Love Train」については、
「We love the EARTH」と同様に、
ニューヨークハウスアレンジの「Club Mix」が収録される予定だった
しかし結局アルバム代表曲としての位置を考えてオリジナルが収録され、
「Club Mix」は収録されなかった
「Club Mix」イントロはパーカッションのみで始まり、
その後音数が徐々に増えていく作りである
2番の途中からはオリジナルに近くなるが、
1番では音数が非常に絞られており、
ボーカルが同じでもオケの派手なオリジナルとは、
かなり異なる雰囲気となっている
このアレンジは当時「EXPO」購入者用のプレゼントだった
「EXPO」についているシールを送ると、
「Love Train (Club Mix)」のシングルCDかビデオを、
抽選でもらうことが出来たのである
後に2004年、「Welcome to the Fanks!」特典ディスクに収録されたが、
それまではファンの間でのコレクターズアイテムだった
プレゼントビデオでは、最初に「EXPO」、ついで「Love Train」PVが流れ、
さらに「EXPO」「Tour TMN EXPO」に関する小室インタビューが続く
途中では「あの夏を忘れない」をBGMにウツのイメージ映像も入る
収録楽曲にも触れよう
一曲目「EXPO」は2分程度の幻想的なインストで、SEに当たるものである
これはTMNがメッセージを吹き込んでから逆再生したもので、
メンバー3人のタイムカプセルとして作られたものという
「Rhythm Red」以後レコードが発売されなくなったことを受け、
逆回転のできないデジタルメディアCDの限界を利用した、一種のお遊びである
今ではPCを使うことで、
逆回転再生(つまり元音源での再生)をすることが容易であるが、
シンセとピアノの音を背景とした3人の声は何を言っているのかよく分からない
「サウンドチェック」「丘を越えゆこうよ~」などが断片的に聞こえる
ここから直接つながる形で、
「We love the EARTH (Ooh, Ah, Ah Mix)」に移る
ポップスサウンドだったオリジナルの雰囲気を、
ハウス調に一変させたアレンジで、
GaryとAkioによって当時のNYサウンドが取り入れられたものである
ウツは「We love the EARTH」について、
「Ooh, Ah, Ah Mix」の方が好きだと言っている
私はオリジナルも大好きなのだが、
このアレンジもかなり秀逸だと思う
なによりもオケが大胆に変わっているが、
長いイントロの後にサビが入るなど、
曲の構成自体も変化している
最初のサビの後には長い間奏が入り、
一番のAメロが始まるまで3分もかかる
オリジナルのボーカルを用いた「Dress」のリプロダクションと違い、
「Ooh, Ah, Ah Mix」ではコーラスも一部変わっている
全体としてコーラスの存在感が強く、
サビでもコーラスのみのパートが多くなっている
「Ooh, Ah, Ah Mix」というミックス名の由来も、
コーラスを強調した点にあるのだろう
ついで「Love Train」のオリジナルが入る
シングル2曲を事実上の冒頭に置き、
シングルでファンになった人が入りやすくしているのだろう
4曲目は「Just Like Paradise」である
「Rhythm Red Beat Black version 2.0」に続く全英語詞の楽曲である
ハウスを意識していたことも、両曲に共通している
小室のニューヨークハウスへの関心を最も直接反映しているのはこの曲だろう
クールな音は「EXPO」期のTMNの新境地を示している
TMNによるクラブサウンドの到達点と言っても良いかもしれない
「We love the EARTH (Ooh, Ah, Ah Mix)」や後述の「Crazy For You」とともにこの曲で取り入れたのは、
ハウスで用いるループベース・ループドラムであった
こうしたダンスミュージックの手法は、
trfなど後の小室のプロデュース作品でも活用される
小室はこの曲で、ハウスサウンドに乗せたラップを試みている
コーラスでは黒人3人を目立つ形で起用し、
ニューヨーク的な雰囲気を出そうと奮闘した
ウツのボーカルはあまり多くなく、
黒人コーラスも含めた多国籍な声の遊びとして作ったと言う
なおこの曲は2015年「30th Final」で新アレンジが披露され、
4/22には「Just Like Paradise 2015」として配信された
これは現時点(2017年)で最新のTM楽曲である
「Jean Was Lonely」は、アルバムでも最後に作られた作品である
TM NETWORKぽい作品として作ったらしい
楽曲自体はラテン系で乗りやすい雰囲気だが、
同時にウツのボーカルスタイルをアピールすることも意識している
ウツも歌いやすかったという
この曲では、ピアノで始まるイントロが高揚感を誘う
「Just Like Paradise」の次で違いが際立つというのもあるだろうが、
アルバム全体でもかなり乗りやすい曲になっている
有名なエピソードだが、曲名は本当は「Jane Was Lonely」だった
しかしメンバーが間違えて「Jane」をジーンと読んでしまい、
それに合わせて「Jean Was Lonely」に変更されたという
(歌いづらいというウツの意見で変更ともいう)
歌詞は坂元で、
前の恋人への思いを振り切れない女性への思いを描いたものである
「ジーンは孤独だった」というタイトルは、
恋人と別れて一人になった女性を描いたものだからで、
「Was」と過去形なのは、現在は主人公と恋愛関係だからだろう
この曲で印象的なフレーズとして、
「JEAN 悲しみと悲しみ重なるときに JEAN マイナスとマイナスプラスになるさ」
というのがあるが、おそらく主人公の男性も失恋をしているのだろう
傷ついた二人の傷跡をなめあうような関係を、
このように表現しているものと思う
6曲目は「Crazy For You」
「EXPO」を語る上でもっともよく触れられる曲だろう
当時アルバムの宣伝時にも、よく言及された
TM NETWORKの作品を通覧しても、トップクラスの異色作である
楽曲のオケは当時のクラブを意識した音である
小室が影響を受けたVan Mccoyの感覚で作ったというが、
Madonna「Vogue」終盤のオケも意識しているように思われる
(ポコ太さんのご指摘による)
なおドラムは小室が叩いている
TMN期とプロデューサー期の架け橋的存在である「Too Shy Shy Boy!」(1992年)など観月ありさ提供曲に近い雰囲気である
ライナーには「Crazy Laugher」として伊集院光の名前があり、
当時ラジオで人気を博していた伊集院光とのコラボレーションだった
具体的には曲中に絶え間なく入っている笑い声を担当している
オケには男性・女性のコーラスも入っているが、
ウツは歌手としてではなく、声優としてこの曲に登場する
つまり、曲を背景にウツが恋人役の女性とセリフを交わすのである
ある意味で、アルバムでもっともウツが目立っているのはこの曲である
小室は日本語によるラップミュージックの一つの形として考えていたと言う
セリフは坂元によるものである
曲中劇のストーリーや雰囲気は、
当初ハードボイルド風のものだったらしいが、
小室の意見で、ライブ後の架空のロックスターと恋人との一夜に変更された
さらには、盗撮っぽい下世話な内容、
フィクションとノンフィクションの境界線的なもの、という注文もついた
ただセクシーシーンはカットされた部分もあったという
なお女性側の声優は、素人の一般人である
この曲で試みたのは、ドラマと音楽の融合だった
当時のトレンディドラマブームの渦中の人である坂元裕二を作詞家として抱えていること、
ウツがドラマに挑戦した経歴などを考え、
このような発想に至ったものだろう
成功かどうかはともかく、試みとしては面白いと思う
小室としては、体は音楽に乗るけれど、
耳は話を聞いてしまうというのをやってみたかったという
ただしこの試みは、「Crazy For You」が最初ではない
小室は1990/8/1中山忍「箱入り娘」に収める「ホタル」で、
オケを背景に歌手がセリフを朗読するという試みを行なっている
これは永山耕三・坂元裕二と一緒にやったものだった
永山は東京ラブストーリーの演出家で、以後しばらく小室と関係を持つ
小室はこのような人脈で行なった試みを、
「Crazy For You」でさらに発展させ実践したのである
この曲は小室とウツが一番楽しくレコーディングできたと言っている
一方で木根はこの曲にまったく関わらず、
知らない間にできていたという
この曲のセリフはライナーには書いていないので、
以下に起こしておこう
決して笑ってはいけない プッ…( ゚,_ゝ゚)
(本記事ももさん・律さんコメントにより訂正)
なおこの曲は、オケの秀逸さもあり、
また楽曲のコンセプトになじめないファンも少なくなかったので、
セリフのないインストバージョンを希望する意見が昔から多かった
これは2009年リリースの「The Singles 2」初回限定版で、
「Crazy For You (Instrumental)」としてリリースされた
ここまではハウス・クラブ的雰囲気が濃厚な楽曲が続いたが、
これ以降の後半部分は、比較的聞きやすい落ち着いた楽曲が続く
多様性を備えた博覧会としての位置づけは、
後半部分に依るところが大きい
まずは「月の河/I Hate Folk」
「月の河」はフォーク、「I Hate Folk」はメタルの曲だが、
この二曲がくっついて1トラックになっている
最初はドアを閉じる音とともに「月の河」で始まるが、
再びドアを閉じる音が入ると同時に「I Hate Folk」になる
このドアの開け閉めを挟んで、
フォークとメタルの二曲が交互に入れ替わるという構成である
やがて両曲は主導権を争って、同時並行で進行するようになる
両曲の音はスピーカーの左右に割り振られており、
右から「月の河」が、左から「I Hate Folk」が流れる仕様である
「I Hate Folk」の全歌詞は、
「It’s cute. O.K. Gyuhhh! I hate folk. I love metal. TMN DAME!」
というもので、明らかに冗談で作っただけの曲である
1・2回だけ練習してすぐにレコーディング本番に入ったという
なお「OKギュー!」は、有名なウツの口癖である
「I Hate Folk」の歌は、実は木根である
歌と言っても、笑いながらセリフを言ったり絶叫したりするだけである
木根は絶叫していたら顔が痛くなったらしい
ギターは葛城、ドラムは阿部、ベースはウツが担当したが、
小室は、ウツのベースが意外とうまくてびっくりしたといっている
「Tour TMN EXPO」のメタルパビリオンでも、
ウツはベースを担当している
「月の河」は、ガロのようなフォークをイメージした曲である
フォークソングにふさわしく、シンセやエレキは用いず、
楽器はウツの生アコギや、ハーモニカ・ウクレレで構成されている
練習を2・3回やってすぐ本番だった
木根としては本気で作った曲なのだろうが、
おそらくはTMNにフォークを入れることの是非も問題にされ、
「I Hate Folk」と合わせてお遊び曲とされてしまったのだろう
この曲は現在まで、完全な形での商品化はない
ただ後に木根は、ソロアルバム「Running On」で、
この曲をセルフカバーしている(もちろん完全版)
木根はレコーディングスタジオからの帰りに川沿いの道を走っていた時、
川に映る月を見て詞にしたという
月をどのように歌詞に絡ませるか考えた上での発想だろう
歌詞は恋人を自転車に乗せて、
川沿いの道を走っている情景を描いたものである
実にフォーク的で、木根のバックグラウンドを見るようである
自転車を登場させたのは、
高田渡の「自転車にのって」をヒントにしたという
8曲目の「あの夏を忘れない」は、
歌謡曲的な楽曲として作られたものだろう
歌詞は、ひと夏の恋を思い出す男性の思いを歌ったものである
いかにもトレンディドラマ作家だった坂元の作品である
歌いやすい曲で、ウツがこの頃一番好きな曲として挙げていた
2000年「Log-on to 21st Century」や2015年「30th Final」など、
意外なところで演奏される曲でもある
木根は、田原俊彦が歌っても良いのではないかと思ったという
小室はTM NETWORKのエッセンスを残したとも言っているが、
「Childhood's End」期に近いといえば近いかもしれない
この曲、当初は「EXPO」の次の2曲目に収録する予定だった
つまり本来の構想としては、
「EXPO」→「あの夏を忘れない」→「Love Train」という曲順で、
カラオケ向け楽曲を最初に並べる構成だったことになる
おそらく「We love the EARTH」は、
「Just Like Paradise」や「Crazy For You」など、
ハウス系楽曲と一緒にまとめられていたのだろう
だが小室はこの曲順に納得できず、
2回の曲順変更を行なって、現在の曲順に落ち着いた
次の「大地の物語」は木根バラである
カメリアダイアモンドCMタイアップ曲第三弾で、
「EXPO」の顔の一つとも言える曲である
木根バラがこのように扱われたことは今までなかった
この曲ではギターが活躍するロックバラードを目指していたという
メンバーはこの曲のギターを、
Queenのようなメロディアスなギターと言っている
ギターの見せ場は特に間奏部分であろう
当初木根は小室からF1のラストに掛かるイメージの曲を注文されたが、
結局普通のバラードになったと言っている
ウツのイメージでは、「Reasonless」の流れにある曲だという
歌詞は小室だが、
この曲もカメリアダイアモンドシリーズの他の2曲同様、
そのままでは理解が不能である
たとえばサビの部分を見てみよう
前半2行など、歌で聞くと良いフレーズにも聞こえるのだが、
よく考えると何を言っているのかよく分からない
ただ前章で見た「Love Train」の例を想起すれば、
大地を「君」と読び、女性を愛する気持ちと環境保護の精神を重ねあわせていると解釈できるだろうか
「月はピアノに誘われて」
木根バラ2曲が続く
TMNの木根ボーカル曲第二弾である(全二曲中で)
木根としてはニューミュージックのイメージで作った曲だという
ボーカルのディレクションはウツが行なった
「Looking At You」と並び、木根ソロライブで頻繁に演奏される曲である
曲名から分かる通り、
「月とピアノ」というテーマを前提に作られた曲である
同時期に刊行された木根の小説のタイトルでもある
歌詞には「月」「ピアノ」という言葉が頻出するし、
音についてもピアノがメインの役割を果たしている
「Think of Earth」とともに、
「EXPO」テーマ曲的な位置の曲と言って良い
歌詞は、月が照らす夜の恋人たちの様子を歌ったものである
「Tomorrow Made New」については、
個人的に「Rhythm Red Tour」バージョンが好きで、
手が加えられたこのバージョンはあまり好きではない
何よりも歌詞の響きが、圧倒的に「Rhythm Red Tour」の方が良い
「Starchild with Love」など、
コンセプトを反映させたものだったとしても、
どうも音の響きとしてしっくりこない
「EXPO」テーマソング的位置のバラード「Think of Earth」は、
地球を俯瞰するイメージで作られたという通り、雄大な雰囲気の曲である
「EXPO」の曲順は何度か変更されたと書いたが、
おそらく「Think of Earth」だけは終始ラストだったに違いない
それほどラストの位置にはまっており、
他の位置は考えられないと思う
(2009/11/28執筆 2011/1/13・2017/11/24加筆)
遅くてすみません
その前にちょっとプチ情報を…
ネタりか11/24の記事より
しかし、そんな小室に朗報が届きそうだ。大阪府警が今月、東証2部上場の某企業に対し、同社の社長を株価操縦容疑で逮捕したのだ。
「さらに同社の関係先を強制捜索しており、その中には小室の高額の借金を作る原因となった詐欺師や仕手集団も含まれているんですよ」(芸能事情通)
(゚∀゚)……!!(諸事情によりコメント略)
さらに、小室は本業の方でも、ビッグプランが進行中なのだという。なんと、ここにきて小室とボクシング界の亀田一家が合体しそうだとささやかれているのだ、WBC世界フライ級タイトルマッチを目前に控え、小室が応援に回ったとなれば長男・興毅にとっても、最大の援軍となるはず。
「宿敵・内藤大助戦を前に、すでに亀田パパと小室が会い、今後お互い応援し合うことで一致したようです」(ボクシング関係者)
今後の展開次第では、「小室が亀田家の応援歌を作る可能性もありそうですよ」(前同)
やめてええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!(;´Д`)
ということで、本題に入ります
一ヶ月ぶりということで、クソ長いです
------------------------------------
「EXPO」は1991/9/5リリースのアルバムである
TM NETWORK時代から数えて8枚目、
「終了」前のTMNの最後のオリジナルアルバムとなる
チャートでは1位を獲得し、64.8万枚の売上を記録した
これはTM史上2番目の記録だが、その評価は別章で触れたい
ジャケットは「月とピアノ」のコンセプトを反映して、
宇宙空間に月とピアノが描かれている
ピアノは宇宙船になっていて、真ん中の窓にはTMN3人のシルエットが見える
この設定は「humansystem」の時にも考えていたという
CD本体にも、実はピアノの絵が描かれている
なお「Tour TMN EXPO」の会場は、
この宇宙船が地球のステージに降り立ったものという設定だった
紙カバーの中のブックレット型ライナーノートの表紙には、
宇宙船の内部の様子が描かれている
そこには明らかに小室・ウツ・木根と思われる3人がいるが、
木根の手が機械だったり、頭から謎のコードが出ていたり、
よく見ると結構シュールな絵である
さらに謎のロボット(ガルボア?)と黒人もいる
ロボはともかくとして、黒人、
お前いったい誰だ!?

宇宙船の中
ジャケットの「EXPO」ロゴも、微妙にデザインされている
ちなみにこのロゴ、後に「毎日就職EXPO 2006」で露骨にパクられた
企画者がTMNファンだったのだろうか
興味のある方は、Googleの画像リンクを見ていただきたい
アルバムタイトルは音の博覧会を意味しており、
多様な楽曲を収めた内容を反映している
世代的に1970年の大阪万博も念頭にあっただろう
小学生時代の小室が冨田勲の演奏を見て、
シンセサイザーに魅了されたきっかけのイベントである
ブックレット一ページ目、曲目を書いた目次の部分には、
各種アトラクションが並んだ絵が描かれ、
「TMN EXPO PAVILLION MAP」と書かれている
TMNの構想するところでは、
ピアノ形の宇宙船で宇宙にあるEXPO会場へ行く感覚だという
「TMN EXPO PAVILLION MAP」の下には、
The center pavillion contains the main theme.と書かれており、
The other pavillions portray the various tracks.
There are twelve pavillions in all.
To which pavillions you open the door first, is your freedom of choice.
12の収録曲をそれぞれパヴィリオンに見立てるという、
「EXPO」の構想を示している
最後の文章はひどい英語で書かれているが、
ネイティブチェックなどなかったのだろうか
メンバーの写真も入っている
サイケデリックな雰囲気の微妙な衣装で、
当時から、これはどうなんだろうと思った(特にウツ)
この衣装は「EXPO」のプロモーション時、しばしば使われた
「Tour TMN EXPO」でも、
これに似た雰囲気の衣装が使われている
レコーディングは「Rhythm Red Tour」ファイナル1991/3/13から1日だけ開けて、
3/15から始まり、6/10までの3ヶ月間行なわれた
リリース3ヶ月前には終了していたことになる
歴代アルバムの中でもかなり余裕を見たスケジュールだが、
アルバムリリース前にプロモーションの期間を確保していたためだろうか
レコーディングでは肩に力をいれず、
自然にできたとメンバーは言っている
ロンドンのエンジニアと徹底した音作りにこだわった「CAROL」や、
海外の大物を含む多くのゲストミュージシャンを呼んだ「Rhythm Red」と違い、
レコーディングは日本のスタジオで行ない、
演奏の中心はメンバーと葛城・浅倉・阿部・久保など、
気心の知れたミュージシャンたちだった
その点で良くも悪くも気楽なレコーディングだったのだろう
ただ完全に身内のみで作ったアルバムというわけではなく、
エンジニアとしてニューヨークからAkioとGary Wrightの二人を招いている
小室は1989年、「Running To Horizon」「Gravity of Love」のリミックス依頼のためにニューヨークまでShep Pettiboneに会いに行った時にGaryとも会っていた
その時に一緒に仕事をしたいことをアピールされていたので、
「EXPO」で登用することになった
その結果このアルバムでは、
当時のニューヨークのサウンドを反映することができたという
「We love the EARTH (Ooh, Ah, Ah Mix)」「Love Train (Club Mix)」など、
シングル曲のハウスアレンジは彼らに依るところが大きいのだろう
後のシングル「Wild Heaven」のミックスも彼らが担当している
アルバムのレコーディングは、
サビだけできていた「We love the EARTH」を完成させるところから始まったが、
その後はツアーで疲弊していたウツのノドを休ませるため、オケの作成に集中した
この間ウツは、ノドを治すために病院に通ったと言う
ボーカル録りは4月後半から開始された
最初に録ったのは「Rhythm Red Tour」で披露済みの「Tomorrow Made New」だった
また4/20・21の小室ソロライブ「THINK of EARTH」で披露された「Think of Earth」も、
楽曲は早くからできあがっていたと見られる
この2曲に共通するのは、プログレ的要素とスペーシーな雰囲気である
「EXPO」のコンセプトである「月とピアノ」が、
地球を俯瞰する視点を含意していたことを考えれば、
スペーシーな雰囲気は出てきてしかるべきだが、
小室も当初は「EXPO」で宇宙的雰囲気を強調するつもりだったと言っている
とすれば、初期に出来たこの2曲は、
当初のコンセプトを反映した音であることが予見できよう
「Tomorrow Made New」は、曲も歌詞も「Rhythm Red Tour」から大きく変えられている
この曲では70年代ロックの雰囲気を出すため、
イントロからピアノではなくハモンドオルガンが強調されており、
原曲よりもプログレ的雰囲気が増しているように思う
原曲と比べて、テンポも多少速くなっている
作詞は原曲と同様に坂元裕二だが、まったく別のものに変わっており、
宇宙的な雰囲気のフレーズが多く散りばめられている
これは原曲にはなかった要素である
たとえば「幼年期の終わりから 生まれ変わるStarchild with Love」という部分などは、
小室が傾倒したSF作家Arthur C. Clarkeの「幼年期の終わり」や、
スターチャイルドが登場する「2001年宇宙の旅」を前提にしているのだろう
またサビに「God is watching you Moonage Daydreamer」とあるのは、
「俯瞰する視点」のキーワードを意識している
「Think of Earth」はピアノをメインとした音や、
「地球のことを考える」というタイトルから見ても、
「EXPO」のテーマソングと言える
歌詞については以前詳しく触れたので、
改めて触れることはしないが、
長大なイントロ(約8分中4分)はPink Floydをイメージしたプログレ的アプローチによっているという
モデルは明らかに「Shine on You Crazy Diamond」だろう
以上2曲はアルバムの最後に収められており、影も薄いが、
「月とピアノ」のコンセプトをもっとも直接表している部分でもある
さらにその前に収める「月はピアノに誘われて」も、
「月とピアノ」を前提にしたタイトルで、ピアノをメインに作られている
コンセプトに即する限り、
地味なラスト3曲が「EXPO」の中心となるべきである
しかし実際には、どう考えてもこのアルバムの印象は、
ハウスでありクラブサウンドである
もちろん「音の博覧会」というキーワードも出していた以上、
多様な音を含めることは決まっていたのだろうが、
それにしても中心は「月とピアノ」にまつわる楽曲となるのが本来の形だろう
おそらくアルバムを作成する過程で、小室の関心が色濃く出るようになり、
結果として当初のコンセプトから逸れてしまったのではないか
もっともそうは言いながら、
このアルバムのハウス楽曲はかなり聞き応えがある
「We love the EARTH (Ooh, Ah, Ah Mix)」「Just Like Paradise」「Crazy For You」などは、
TMN最後の光芒を放つ作品だった
木根は「Rhythm Red」に続いて「EXPO」でも、
「月はピアノに誘われて」でボーカルを取っているが、
(あと、実は「I Hate Folk」も)
さらに「Think of Earth」では、小室もボーカルを取った
メンバー3人全員の歌が入っている唯一のアルバムである
「I Hate Folk」ではウツが作詞・作曲を担当している
TM史上、これ以外にウツが楽曲製作に関わったのは、
TM NETWORK作詞の「Innocent Boy」と
ウツ作曲の「Another Meeting」のみである
ただ「I Hate Folk」は冗談で作った曲なので、
期待して聞くとバカを見る
「月の河」は木根の作詞・作曲である
この曲はCDでは「I Hate Folk」とセットにされ、
「月の河/I Hate Folk」として収録されている
作曲はともかくとして木根の作詞は、
小室との共作詞である「Give You A Beat」と、
終了時発表の「Another Meeting」、
2007年発表の「N43」以外にない
この「月の河/I Hate Folk」は制作陣から見ても、かなり異色作だった
「月の河/I Hate Folk」以外の11曲中では、
「大地の物語」「月はピアノに誘われて」が木根作曲で、
他は小室作曲である
作詞は「月の河/I Hate Folk」とインストの「EXPO」を除き、
小室哲哉と坂元裕二で5曲ずつを担当している
小室はカメリアダイアモンドタイアップの3曲と、
「Think of Earth」「Just Like Paradise」を担当した
アルバムの顔とテーマソング、そして小室の趣味丸出しの一曲ということになる
注目すべきは、「終了」以前のアルバムで唯一、小室みつ子の作詞がないことである
(再始動後では「SPEEDWAY」の例がある)
ただし全面的にみつ子を排除したわけではなく、
本来アルバムに収める予定だった「Wild Heaven」はみつ子作詞である
だがみつ子の影が薄いことは事実で、
TMNは詞の面で新境地を目指していたのかもしれない
レコーディングされながら未収録に終わった楽曲には「Dreams of Christmas ('91 NY Mix)」もあったが、
これは「Wild Heaven」と合わせて後にシングルとしてリリースされた
また木根は「月の河」以外にもう一曲フォーク曲を作っていたという
「Love Train」については、
「We love the EARTH」と同様に、
ニューヨークハウスアレンジの「Club Mix」が収録される予定だった
しかし結局アルバム代表曲としての位置を考えてオリジナルが収録され、
「Club Mix」は収録されなかった
「Club Mix」イントロはパーカッションのみで始まり、
その後音数が徐々に増えていく作りである
2番の途中からはオリジナルに近くなるが、
1番では音数が非常に絞られており、
ボーカルが同じでもオケの派手なオリジナルとは、
かなり異なる雰囲気となっている
このアレンジは当時「EXPO」購入者用のプレゼントだった
「EXPO」についているシールを送ると、
「Love Train (Club Mix)」のシングルCDかビデオを、
抽選でもらうことが出来たのである
後に2004年、「Welcome to the Fanks!」特典ディスクに収録されたが、
それまではファンの間でのコレクターズアイテムだった
プレゼントビデオでは、最初に「EXPO」、ついで「Love Train」PVが流れ、
さらに「EXPO」「Tour TMN EXPO」に関する小室インタビューが続く
途中では「あの夏を忘れない」をBGMにウツのイメージ映像も入る
収録楽曲にも触れよう
一曲目「EXPO」は2分程度の幻想的なインストで、SEに当たるものである
これはTMNがメッセージを吹き込んでから逆再生したもので、
メンバー3人のタイムカプセルとして作られたものという
「Rhythm Red」以後レコードが発売されなくなったことを受け、
逆回転のできないデジタルメディアCDの限界を利用した、一種のお遊びである
今ではPCを使うことで、
逆回転再生(つまり元音源での再生)をすることが容易であるが、
シンセとピアノの音を背景とした3人の声は何を言っているのかよく分からない
「サウンドチェック」「丘を越えゆこうよ~」などが断片的に聞こえる
ここから直接つながる形で、
「We love the EARTH (Ooh, Ah, Ah Mix)」に移る
ポップスサウンドだったオリジナルの雰囲気を、
ハウス調に一変させたアレンジで、
GaryとAkioによって当時のNYサウンドが取り入れられたものである
ウツは「We love the EARTH」について、
「Ooh, Ah, Ah Mix」の方が好きだと言っている
私はオリジナルも大好きなのだが、
このアレンジもかなり秀逸だと思う
なによりもオケが大胆に変わっているが、
長いイントロの後にサビが入るなど、
曲の構成自体も変化している
最初のサビの後には長い間奏が入り、
一番のAメロが始まるまで3分もかかる
オリジナルのボーカルを用いた「Dress」のリプロダクションと違い、
「Ooh, Ah, Ah Mix」ではコーラスも一部変わっている
全体としてコーラスの存在感が強く、
サビでもコーラスのみのパートが多くなっている
「Ooh, Ah, Ah Mix」というミックス名の由来も、
コーラスを強調した点にあるのだろう
ついで「Love Train」のオリジナルが入る
シングル2曲を事実上の冒頭に置き、
シングルでファンになった人が入りやすくしているのだろう
4曲目は「Just Like Paradise」である
「Rhythm Red Beat Black version 2.0」に続く全英語詞の楽曲である
ハウスを意識していたことも、両曲に共通している
小室のニューヨークハウスへの関心を最も直接反映しているのはこの曲だろう
クールな音は「EXPO」期のTMNの新境地を示している
TMNによるクラブサウンドの到達点と言っても良いかもしれない
「We love the EARTH (Ooh, Ah, Ah Mix)」や後述の「Crazy For You」とともにこの曲で取り入れたのは、
ハウスで用いるループベース・ループドラムであった
こうしたダンスミュージックの手法は、
trfなど後の小室のプロデュース作品でも活用される
小室はこの曲で、ハウスサウンドに乗せたラップを試みている
コーラスでは黒人3人を目立つ形で起用し、
ニューヨーク的な雰囲気を出そうと奮闘した
ウツのボーカルはあまり多くなく、
黒人コーラスも含めた多国籍な声の遊びとして作ったと言う
なおこの曲は2015年「30th Final」で新アレンジが披露され、
4/22には「Just Like Paradise 2015」として配信された
これは現時点(2017年)で最新のTM楽曲である
「Jean Was Lonely」は、アルバムでも最後に作られた作品である
TM NETWORKぽい作品として作ったらしい
楽曲自体はラテン系で乗りやすい雰囲気だが、
同時にウツのボーカルスタイルをアピールすることも意識している
ウツも歌いやすかったという
この曲では、ピアノで始まるイントロが高揚感を誘う
「Just Like Paradise」の次で違いが際立つというのもあるだろうが、
アルバム全体でもかなり乗りやすい曲になっている
有名なエピソードだが、曲名は本当は「Jane Was Lonely」だった
しかしメンバーが間違えて「Jane」をジーンと読んでしまい、
それに合わせて「Jean Was Lonely」に変更されたという
(歌いづらいというウツの意見で変更ともいう)
歌詞は坂元で、
前の恋人への思いを振り切れない女性への思いを描いたものである
「ジーンは孤独だった」というタイトルは、
恋人と別れて一人になった女性を描いたものだからで、
「Was」と過去形なのは、現在は主人公と恋愛関係だからだろう
この曲で印象的なフレーズとして、
「JEAN 悲しみと悲しみ重なるときに JEAN マイナスとマイナスプラスになるさ」
というのがあるが、おそらく主人公の男性も失恋をしているのだろう
傷ついた二人の傷跡をなめあうような関係を、
このように表現しているものと思う
6曲目は「Crazy For You」
「EXPO」を語る上でもっともよく触れられる曲だろう
当時アルバムの宣伝時にも、よく言及された
TM NETWORKの作品を通覧しても、トップクラスの異色作である
楽曲のオケは当時のクラブを意識した音である
小室が影響を受けたVan Mccoyの感覚で作ったというが、
Madonna「Vogue」終盤のオケも意識しているように思われる
(ポコ太さんのご指摘による)
なおドラムは小室が叩いている
TMN期とプロデューサー期の架け橋的存在である「Too Shy Shy Boy!」(1992年)など観月ありさ提供曲に近い雰囲気である
ライナーには「Crazy Laugher」として伊集院光の名前があり、
当時ラジオで人気を博していた伊集院光とのコラボレーションだった
具体的には曲中に絶え間なく入っている笑い声を担当している
オケには男性・女性のコーラスも入っているが、
ウツは歌手としてではなく、声優としてこの曲に登場する
つまり、曲を背景にウツが恋人役の女性とセリフを交わすのである
ある意味で、アルバムでもっともウツが目立っているのはこの曲である
小室は日本語によるラップミュージックの一つの形として考えていたと言う
セリフは坂元によるものである
曲中劇のストーリーや雰囲気は、
当初ハードボイルド風のものだったらしいが、
小室の意見で、ライブ後の架空のロックスターと恋人との一夜に変更された
さらには、盗撮っぽい下世話な内容、
フィクションとノンフィクションの境界線的なもの、という注文もついた
ただセクシーシーンはカットされた部分もあったという
なお女性側の声優は、素人の一般人である
この曲で試みたのは、ドラマと音楽の融合だった
当時のトレンディドラマブームの渦中の人である坂元裕二を作詞家として抱えていること、
ウツがドラマに挑戦した経歴などを考え、
このような発想に至ったものだろう
成功かどうかはともかく、試みとしては面白いと思う
小室としては、体は音楽に乗るけれど、
耳は話を聞いてしまうというのをやってみたかったという
ただしこの試みは、「Crazy For You」が最初ではない
小室は1990/8/1中山忍「箱入り娘」に収める「ホタル」で、
オケを背景に歌手がセリフを朗読するという試みを行なっている
これは永山耕三・坂元裕二と一緒にやったものだった
永山は東京ラブストーリーの演出家で、以後しばらく小室と関係を持つ
小室はこのような人脈で行なった試みを、
「Crazy For You」でさらに発展させ実践したのである
この曲は小室とウツが一番楽しくレコーディングできたと言っている
一方で木根はこの曲にまったく関わらず、
知らない間にできていたという
この曲のセリフはライナーには書いていないので、
以下に起こしておこう
決して笑ってはいけない プッ…( ゚,_ゝ゚)
(本記事ももさん・律さんコメントにより訂正)
ウツ「あ、もしもし? 僕」
女 「遅い!」
ウツ「今さ、青山通りなんだ。あと、5分で着くから」
女 「11時に来るって言ったよ」
ウツ「アンコール、鳴り止まなくてさぁ」
女 「いいよ」
ウツ「なんで?」
女 「来なくていいよ。ほかの人来てるし」
ウツ「そうか。じゃ、Uターンするよ」
女 「ウソだよ!」
ウツ「知ってる」
(場面変わる)
ウツ「今交差点曲がったから… あと500m」
女 「うん」
ウツ「あと300m」
女 「うん」
ウツ「あと200m… あ、見えてきた。13階だったよね?」
女 「待って。今灯かり消してみる」
ウツ「ふっ。モールス信号じゃないんだから。なんてサイン?」
女 「Crazy For You」
(場面変わる)
ウツ「カーテン閉めて」
女 「ねえ、車、どこ停めた?」
ウツ「ガード下の、ほら、街灯がまばたきしてる」
女 「あそこ、目立つよ?」
ウツ「サングラスしてきた」
女 「してても分かる」
ウツ「誰かいるのかな」
女 「いるかもよ? 私知らないから、見つかっても」
ウツ「誰も見てないさ」
女 「え?」
ウツ「ん?」
女 「だって、私が告げ口するもん」
ウツ「誰に?」
女 「フォーカス」
ウツ「言えば?」
女 「ウソだって」
ウツ「言ってもいいよ」
女 「すぐいじめるぅ!」
ウツ「いじめてないよ。それ、消えるの?」
女 「ライト? 消えるけど?」
ウツ「今、消して」
(場面変わる。長時間の間奏)
女 「海の中にいるみたい」
ウツ「ん?」
女 「ほら、この部屋、テレビ終わってるから」
*放送終了後のテレビの砂嵐が海中の光景に見えた?
ウツ「ああ」
女 「ねえ、明日もあるんでしょ?」
ウツ「あるよ」
女 「私、行ってもいいかな」
ウツ「ああ」
女 「すごい汗」
ウツ「バラード一曲分だよ」
女 「ふふっ」
ウツ「水、飲みたいな」
女 「うん、ちょっと待っててね。…ダメ! シーツ貸して」
ウツ笑い
女 「行ってもいいよね。私、まだ見に行ったことないし」
ウツ「なかったっけ?」
女 「ないよ。誰と間違えてんの?」
ウツ「それじゃ、どこで会ったんだっけ」
女 「忘れたの?」
ウツ「忘れてないけど」
女 「はい、水」
ウツ「サンキュ」
女 「そうやって、私のこともすぐ忘れるんだ」
ウツ「忘れたら…」
女 「忘れたら?」
ウツ「忘れたら、もう一度出会えるさ」
(場面変わる)
女 「もう?」
ウツ「明日、早いんだ」
女 「チェッ」
ウツ「おやすみ」
女 「忘れ物だよ」
ウツ「なに?」
女 「これ、鍵! もう来ないつもり?」
ウツ「明日、見に来いよ。名前言ったら入れるようにしておくからさ。マネージャー知ってるよね?」
女 「うん。一万人の中に一人?」
ウツ「目が合ったら、手を振るからさ」
女 「合うわけないよ! ねえ、明日の夜は来れる?」
ウツ「ステージの上からサインを送るよ」
女 「なんて? ねえ、なんて?」
ウツ「Crazy For You」
なおこの曲は、オケの秀逸さもあり、
また楽曲のコンセプトになじめないファンも少なくなかったので、
セリフのないインストバージョンを希望する意見が昔から多かった
これは2009年リリースの「The Singles 2」初回限定版で、
「Crazy For You (Instrumental)」としてリリースされた
ここまではハウス・クラブ的雰囲気が濃厚な楽曲が続いたが、
これ以降の後半部分は、比較的聞きやすい落ち着いた楽曲が続く
多様性を備えた博覧会としての位置づけは、
後半部分に依るところが大きい
まずは「月の河/I Hate Folk」
「月の河」はフォーク、「I Hate Folk」はメタルの曲だが、
この二曲がくっついて1トラックになっている
最初はドアを閉じる音とともに「月の河」で始まるが、
再びドアを閉じる音が入ると同時に「I Hate Folk」になる
このドアの開け閉めを挟んで、
フォークとメタルの二曲が交互に入れ替わるという構成である
やがて両曲は主導権を争って、同時並行で進行するようになる
両曲の音はスピーカーの左右に割り振られており、
右から「月の河」が、左から「I Hate Folk」が流れる仕様である
「I Hate Folk」の全歌詞は、
「It’s cute. O.K. Gyuhhh! I hate folk. I love metal. TMN DAME!」
というもので、明らかに冗談で作っただけの曲である
1・2回だけ練習してすぐにレコーディング本番に入ったという
なお「OKギュー!」は、有名なウツの口癖である
「I Hate Folk」の歌は、実は木根である
歌と言っても、笑いながらセリフを言ったり絶叫したりするだけである
木根は絶叫していたら顔が痛くなったらしい
ギターは葛城、ドラムは阿部、ベースはウツが担当したが、
小室は、ウツのベースが意外とうまくてびっくりしたといっている
「Tour TMN EXPO」のメタルパビリオンでも、
ウツはベースを担当している
「月の河」は、ガロのようなフォークをイメージした曲である
フォークソングにふさわしく、シンセやエレキは用いず、
楽器はウツの生アコギや、ハーモニカ・ウクレレで構成されている
練習を2・3回やってすぐ本番だった
木根としては本気で作った曲なのだろうが、
おそらくはTMNにフォークを入れることの是非も問題にされ、
「I Hate Folk」と合わせてお遊び曲とされてしまったのだろう
この曲は現在まで、完全な形での商品化はない
ただ後に木根は、ソロアルバム「Running On」で、
この曲をセルフカバーしている(もちろん完全版)
木根はレコーディングスタジオからの帰りに川沿いの道を走っていた時、
川に映る月を見て詞にしたという
月をどのように歌詞に絡ませるか考えた上での発想だろう
歌詞は恋人を自転車に乗せて、
川沿いの道を走っている情景を描いたものである
実にフォーク的で、木根のバックグラウンドを見るようである
自転車を登場させたのは、
高田渡の「自転車にのって」をヒントにしたという
8曲目の「あの夏を忘れない」は、
歌謡曲的な楽曲として作られたものだろう
歌詞は、ひと夏の恋を思い出す男性の思いを歌ったものである
いかにもトレンディドラマ作家だった坂元の作品である
歌いやすい曲で、ウツがこの頃一番好きな曲として挙げていた
2000年「Log-on to 21st Century」や2015年「30th Final」など、
意外なところで演奏される曲でもある
木根は、田原俊彦が歌っても良いのではないかと思ったという
小室はTM NETWORKのエッセンスを残したとも言っているが、
「Childhood's End」期に近いといえば近いかもしれない
この曲、当初は「EXPO」の次の2曲目に収録する予定だった
つまり本来の構想としては、
「EXPO」→「あの夏を忘れない」→「Love Train」という曲順で、
カラオケ向け楽曲を最初に並べる構成だったことになる
おそらく「We love the EARTH」は、
「Just Like Paradise」や「Crazy For You」など、
ハウス系楽曲と一緒にまとめられていたのだろう
だが小室はこの曲順に納得できず、
2回の曲順変更を行なって、現在の曲順に落ち着いた
次の「大地の物語」は木根バラである
カメリアダイアモンドCMタイアップ曲第三弾で、
「EXPO」の顔の一つとも言える曲である
木根バラがこのように扱われたことは今までなかった
この曲ではギターが活躍するロックバラードを目指していたという
メンバーはこの曲のギターを、
Queenのようなメロディアスなギターと言っている
ギターの見せ場は特に間奏部分であろう
当初木根は小室からF1のラストに掛かるイメージの曲を注文されたが、
結局普通のバラードになったと言っている
ウツのイメージでは、「Reasonless」の流れにある曲だという
歌詞は小室だが、
この曲もカメリアダイアモンドシリーズの他の2曲同様、
そのままでは理解が不能である
たとえばサビの部分を見てみよう
瞳には青い空 左手に風が吹き
君の右手には僕の想いを
荒れはてた大地から輝きを見つけ出す
君の微笑みを大切にしたい I love you
前半2行など、歌で聞くと良いフレーズにも聞こえるのだが、
よく考えると何を言っているのかよく分からない
ただ前章で見た「Love Train」の例を想起すれば、
大地を「君」と読び、女性を愛する気持ちと環境保護の精神を重ねあわせていると解釈できるだろうか
「月はピアノに誘われて」
木根バラ2曲が続く
TMNの木根ボーカル曲第二弾である(全二曲中で)
木根としてはニューミュージックのイメージで作った曲だという
ボーカルのディレクションはウツが行なった
「Looking At You」と並び、木根ソロライブで頻繁に演奏される曲である
曲名から分かる通り、
「月とピアノ」というテーマを前提に作られた曲である
同時期に刊行された木根の小説のタイトルでもある
歌詞には「月」「ピアノ」という言葉が頻出するし、
音についてもピアノがメインの役割を果たしている
「Think of Earth」とともに、
「EXPO」テーマ曲的な位置の曲と言って良い
歌詞は、月が照らす夜の恋人たちの様子を歌ったものである
「Tomorrow Made New」については、
個人的に「Rhythm Red Tour」バージョンが好きで、
手が加えられたこのバージョンはあまり好きではない
何よりも歌詞の響きが、圧倒的に「Rhythm Red Tour」の方が良い
「Starchild with Love」など、
コンセプトを反映させたものだったとしても、
どうも音の響きとしてしっくりこない
「EXPO」テーマソング的位置のバラード「Think of Earth」は、
地球を俯瞰するイメージで作られたという通り、雄大な雰囲気の曲である
「EXPO」の曲順は何度か変更されたと書いたが、
おそらく「Think of Earth」だけは終始ラストだったに違いない
それほどラストの位置にはまっており、
他の位置は考えられないと思う
(2009/11/28執筆 2011/1/13・2017/11/24加筆)
この記事へのコメント
いつも楽しく拝見しています。
ANOTHER MEETINGも木根さんの作詞だったような…
これからも楽しみにしています。
EXPOは後の小室先生の活動に
リンクしている部分が結構ありますね。
・エレクトロダンスミュージックへの本格的な目覚め
EUROGROOVE、TRF等…
・原曲の大胆なリミックスの
スタジオアルバム収録音源としての発売
(それ以前にこれは全盛期の(特に)シングルでの常套手段…)
・音楽ジャンルのバラつき・コンセプトの齟齬
華原朋美・鈴木あみの一連のアルバム
(フォーク・R&B・ハウス・クラシック等がごちゃ混ぜ…)
・外部プロデューサーの召喚
安室奈美恵「GENIUS 2000」「break the rules」
・インスト中心・歌詞少
TRF「WORLD GROOVE」より「私が望むもの…あなたが欲しいもの」
・メインヴォーカルの全面的な変更
globe Feat.
Kiss Destination「AMARETTO」より「DON'T GIVE IT UP」
興味。これらの音でウツが歌ったらどうなるんでしょう?
(簡単に言えば久保こーじ氏、RANDY WALDMAN、
DJ DRAGON、DJ KOO、全盛期のミキシングエンジニアの全面参加)
かなり壮大な出来になりそうです。
それにしても…サイゾーの記事が(悪い意味で)カオスでした。
ご指摘ありがとうございます
うっかりしていました
こういうところのミスはできるだけ避けたいので、大変助かります
早速訂正いたしました
感謝いたします
>feさん
EXPOの楽曲製作がプロデューサー期の小室さんの前提になっているというのは、しばしば言われることですね
TM再結成前も、小室さんが改めてEXPOを聞いて、良く出来ていると改めて評価したとか聞いたことがあります
続きも期待しております(^^)
…最近「ガラパゴス携帯」という言葉を聴くと、TMNを連想してしまうのです。私だけでしょうか…(揶揄ではなく突出してる、という意味で!)
それでは、また。
Crazy For You のセリフ、一部違うような気がします。
女 「海の中にいるみたい」
ウツ「ん?」
女 「ほら、この部屋、キレで埋まってるから」
「テレビ埋まってるから」じゃないでしょーか?
キレで埋まるって、どんな部屋かわかんないし…。
女 「うん、ちょっと待っててね。…ごめん、シーツ貸して」
ウツ笑い
「ダメ、シーツ貸して」(ウツがシーツ貸してくれなくて→だからウツが笑う)じゃないかなと…。
女 「うん。一万人の中に一人?」
これは「一万人の中 の 一人?」ではないかと…。
確かEXPOツアーの冒頭でもこのセリフが流れたような気がします。(DVDで観ただけなので、記憶曖昧ですが。。。。)
EXPOが人生で初めて買ったCDで、大好きな曲なので突っ込ませて頂きましたが、確かに、オトナになって聴くと、寒いですね。。。(でも、好き。)
EXPOから、やっとリアルタイムなの記憶があるTM史になりますが、今後の更新も楽しみにしています。
頑張って書いてくださいね!
「Crazy For You」ってライブ(EXPOツアー?)のとき、伊集院さんだけでなく、観月ありささんの笑い声も使ってたような気がします。
あと宇宙船の黒人は、当初、木根さんと小室さんがプロデュースする予定だったオーストラリア人(マイク)のことだと、勝手に思ってました。でも黒人ならオーストラリア人の可能性は低いですよね…。
Crazy For Youのセリフ、「海の中にいるみたい」のあとは、「ほら、この部屋テレビ終わってるから」ではないでしょうか。
暗い部屋の中に砂嵐の光が映って幻想的な雰囲気になってたんじゃないかと思うのですが・・・。
いつも本当に楽しみにしてます。
第4部と言わず、何とか終了までお願いします。
TMは突出しているというか、孤立しているというか、人気の割にはフォロワーが少なかったですよね
XとかBOOWYと比べて評論家にバカにされるのはそこらへんにも一因があると思うんですけど(あとTKブームの反動?)
でもそれだけに、他に代替できない音楽を出してくれていたんだと思っています
>トラやんさん
はじめまして
観月ありさの件、初耳でした
資料を探してみますね
マイクは白人かなぁ…と想像していました(根拠なし)
はじめまして
Crazy For Youのセリフは色々と怪しいところもあり、ここで訂正していただけて大変嬉しいです
「ごめん」は話の流れから見ても「ダメ」ですね
その方が雰囲気ありますしね
「キレで埋まってるから」は、他のサイトでもいろんな説があるみたいです
私も意味がわからんなあ…と思っていました^^;
ここは律さん・アザラシさんの説で行こうと思います
ご提案してくれたのにごめんなさい
>律さんアザラシさん
「テレビ終わってるから」の解釈、なるほど!と思いました
テレビをつけたまま二人でいちゃついていたら、もう放送が終わっていたんですね(それまで夢中で気付いていなかった?)
大変納得しました
ご指摘どうもありがとうございました
最近このブログを見つけ、興味深く読んでいます。
ところで「Crazy For You」のセリフについて載っていますが、4月にリリースされた宇都宮さんソロライブDVD「Timesmile」で演奏された際にセリフが字幕スーパーで出ていました。
あと個人的に長年疑問を持っていることがあります。それは「Just Like Paradise」の“I love your moon, I love your smile~”のパートとサビの“Baby dance with me through all night~”の部分を歌っている男は誰?ということです。ライブでは宇都宮さんが全部歌っていますが、CDでは違う人が歌っているような気がします。
初投稿でいきなり長文を書き失礼しました。もしよろしければ教えてください。
Crazy For Youのセリフ、確かにTimesmile DVDに出てましたね
ちょっと直しておきました
ただ最後のところ、「ステージにいるからサインを送るよ」は「ステージの上から~」で間違いないと思います
多分これは当時の原稿に基づくわけではなく、後からM-tresスタッフが文字起こししたものではないでしょうか(SPIN OFF 2007のドラフェスマジックワードも間違えていますし)
Just Like Paradiseは、私は基本的にウツと思っています
EXPOでは男性コーラスとして Wornell Jonesが登用されていますが、多分彼の声は「That's right」のところと思います
ただBaby dance with me~は、ウツともう一人(Wornell?)の声を重ねている気がします
青い惑星さんに不評のCHILDHOOD'S ENDのジャケットも可愛くて好きです。
ここらへん、男女のちがいなんでしょうかねえ
あれいいですか!?
そっかー あれかわいいかあ
だから、ビジュアルから好きになったわけではないんですよ。
で、ラスグルの美貌で、ビジュアル的にも惚れるわけです。
アーティスティックな雰囲気は感じましたけど、万人受けする衣装かといえば…
でも冷静に考えれば、歴代TMの衣装でまともだったのを探す方が難しそうです
ラスグルが人気あるのは、案外その風貌もあるのかも…
で、色々仰っていますが、要するに美貌にほれているわけですよね?
ウツのヴォーカルは入ってないと思います。
相の手みたいに入る「That's Right!」は多分サンプリング。
英語での台詞の部分もウツとは思えないぐらいネイティヴな発音だしw
ウツがやったらもっとカタカナ英語になってません?
実際なってたしw
でもウツの歌がないというのはないと思います
GBのEXPOインタビューで、Just Like~の英語詞について聞かれた時、ウツが「Passenger」でラップにトライした時の感覚だったと言っていますが、歌っていなかったらこの発言はないのでは?
多分このラップ感覚の英語て、「I love your moon~」のところかと思います
声を聞いても、「Just like paradise」「Take to paradise」や「Everybody somewhere」などの部分は、まさにウツの声に聞こえます
英語発音は、パフォーマンス重視のライブと丁寧に歌うスタジオレコーディングで変わってくるのは、よくあることだと思います
ちなみに小室さんのコメントによれば、この曲では黒人コーラス3人が使われているらしいです
イントロ終わりの「everybody」のところとか、サビのBaby dance with me~のところの男性と女性とかでしょうか
過去記事の追記部分を中心に記憶を辿りながら拝読しています。
文中に書き起こされた、話題の意欲作『crazy for you』のセリフに気になる部分がありましたので、こちらにコメントします。
気になる部分は2箇所。
女性「ライト?消えけど?」
ウツ「うん。消して」→「今、消して」(誘い文句)
自分が聴き取った感じでは・・・たぶん「今、消して」だと思います。解釈として、ウツが女性をベッドに誘うキッカケ台詞のような気がします。
もう1つは、ももさんも指摘されていた部分です。
ウツ「名前言ったら(中略)マネージャー知ってるよね?」
女性「一万人の中に1人?」→「一万人の中の1人?」(わざと自虐的な、からかい半分の台詞)
おそらく設定として・・・ウツは仕事優先で、逢い引きの密会は自宅に待たされ気味の女性。
解釈として・・・女性はウツの反応を見たくて、わざと自虐気味に『(ウツの中でワタシの存在は)一万人の中の1人?』とイタズラっぽく言ってみたセリフ、のような気がします。
特に、このセリフを決定付ける根拠は、当時のラジオ番組『expo'91』でTMの御三方の話から推測できます。
実際に番組内のトークで・・・小室さん曰く「今度のexpo arenaライブは一万人規模なので、お客さんは、まさしく『crazy for you』のセリフ“一万人の中の1人”になりますね」と、おしゃってた記憶があります。
木根さん宇都宮さんもarenaの宣伝を兼ねて・・・話題の『crazy for you』にちなんだ特別な演出をする事をちらりと仄めかしながら、さらに盛り上がってました。
あしからず。
小室さんと木根さんが、当時のインタビュー記事やラジオ番組の中で「大地の物語」の制作秘話を話してました。
小室さんが「大地の物語」を作詞するにあたり、神話に出てくる女神をイメージし、たおやかな、大地のような女性が登場する歌詞を書いた旨を語ってました。
けれど肝心のタイトルが思い浮かばず、なかなか決まらないので、作曲を委せた木根さんにアイデアを求めたそうです。
タイトルは2人で決めた、との事でした。
具体的には・・・小室さんが作詞したイメージの『大地』を紙に書き、木根さんが歌詞の内容と印象から『~の物語』と書いたそうです。
記憶が正しければ・・・あの「月刊カドカワ」TMN特集の1つ『Expo』全曲解説に書いてあったと思います。
その話を素直に受け止めると、この「大地の物語」は・・・例えばギリシャ神話にあるハデスとペルセフォネのような、アルテミスとオリオンの恋の話のような・・・大地の女神が登場する『神話』と解釈するのが良いのかもしれません。あしからず。
「ような気がします」だけの根拠薄弱な思い込みでいちいちつついてくる奴とか長文ぶっ込んでくる奴が多くて。
そんなに語りてえなら人のブログに乗っかってないで自分でやれって感じ。
別のアーティストですが同じようなブログやっていて、ありがた迷惑な書き込みに度々遭遇するけど自分のブログじゃそこまでストレートに言えないんですけど。
でもここのブログ主さんは、紳士的ながらもそれなりバトるとこはバトっていて、少しだけ溜飲が下がります。
たくさん書き込みありがとうございます
3部・4部については、今後追記の折にお返事するつもりですが、
とりあえずこの記事についてだけお返事を書きます
まず「今、消して」は、はっきりしないところもありますが、たしかに「うん」ではない気がしますので、修正いたします
ご指摘ありがとうございました
一方「一万人の中に一人」は、CDを聞き返しても「一万人の~」とは聞こえないように思います
またメンバーがこの曲に基づいた発言をした時に「の」としていたとしても、それを根拠にセリフを再構築するのは、手続きとしては妥当ではないでしょう
思うに「一万人の中の一人になりますね」という小室発言も、「一万人の中に一人になりますね」では日本語として変だから微調整したという程度のものでしょう
以上から、こちらは「に」のままにしておこうと思います
大地については、おっしゃる通り月刊カドカワに該当記事がありました
曲名が決まる順序は逆で、タイトルを決める時に木根さんが「物語」と書いた時、
小室さんが大地という言葉を使おうとしていて、この曲名になったとのことです
ここのポイントは、歌詞ができていた上で木根さんが「物語」という言葉を思いついた点で、
「物語」という言葉を前提に小室さんが作詞したわけではないという点です
歌詞については小室さんは、
「凛々しくて大地にしっかり足がついている女性を表現したつもり」と述べていて、
やはり神話的なイメージで作った歌詞ではないようです
(カドカワの記事には「神話」という単語は出ません)
結局私の結論はこの点では変わりませんが、文章を微調整はしておきますね
1週間もこちらにご滞在いただき、どうもありがとうございました
似たブログを運営されているそうで、おそらくお互い結構大変ですよね(笑)
ただ私のブログでは開設時から、訂正すべき点は指摘して欲しいとお願いしていますし、
実際にしばしば思わぬ発見もあります(もちろん考察に時間がかかったりもしますが)
もちろん指摘を受け入れる前に検証はするようにしているので、
結果的には議論みたいになっちゃったりもするんですが
"Crazy For You"
「テレビ終わってるから」、DVD観るまで「ビルで覆われてるから」だと思い込んでました(笑)
商品版で確認するまで、私はWelcome Back2のサビ「Love TrainのPassenger」は、「Love Train No Passenger」と思っていましたよ。
ていうか「の」てなんだよ…て、当時思いました。
このEXPOアルバムやパンフなどでウツが羽織ってるド派手ジャケットですが、少年隊のニッキさんも92年コンサートにて着用されてることを知りました。動画とか検索してみてください。それにしても、通常ならブランドの方から同じ衣装である旨を後から選択した方に情報入れるはずなのですが。。。
なお、現在はもちろん、当時としてもダサめ衣装だなぁと思ってました。TMの美貌を謎の衣装でマイナス補正しなくてもいいのに。皆さんも同じお気持ちだったようで、安心しましたw
テレビ出演時の衣装で使うくらいならともかく、アルバムの写真で使っている衣装をかぶらせちゃうことなんてあるんですね。
あのジャケットは私も、「うん?どうかな?変じゃないかな?でもこれがおしゃれなのかな?かっこいいのかな?かっこよくも見えてきたかな?でもうーん」て感じでした。
ただTMの場合、明らかにこれよりもダメな衣装が山ほどあるので、これくらいならいいやって思っていました(全然ほめていない)。
当時の私の記憶に残っているTMはこのEXPOの時だけでした。
それ以前は楽曲は聴いたことあっても、個のTMとして見ていませんでした。
このEXPOだけCDで聴いていました。しかも姉に聴かされて。
その中で心に残っている曲は「大地の物語」と「Think of Earth」でしたね。
丁度中学生になったくらいでしょうか。
ここからファンになるまでにえらい時間がかかりました…。
だから私にとってアルバム「EXPO」は結構特別な存在です。
Think of Earthがここに入るのは、やはり小室声に耐性がありますね(笑)。
私はどちらも生で聞いたことがないので、一度ライブでやって欲しいです、
特にThink of Earth。
一学期が終わる前に「EXPO」が9月5日にリリースされることを知りましたが、ここ数年の傾向からニューアルバムが出る一ヶ月前に先行シングルを出すと思っていたので、今回はそれが無くガッカリした記憶があります。
アルバムを一通り聴いてまず印象に残ったのは「Jean Was Lonely」。歌詞を詰め込んで早口で歌う曲調は私がTMを初めて聴いた頃を思い出させてくれました。続く「Crazy For You」は今まで聴いたことが無かったタイプの楽曲だったのでこれまた強く印象に残りました。「大地の物語」は木根曲に小室さんが歌詞をつける今までに無い形でしたがRHYTHM REDに収録された楽曲とは一味違ういい感じのロッカバラードに仕上がり、木根曲の進化を感じました。
「Tomorrow Made New」は既にリズレツアーで披露していたことは知っていたけれど当時高校生だった私にはビデオを買う余裕が無く、EXPO版の方を先に聴きました。それから十年以上経ってようやくDVDを買って聴くことが出来、リズレ版の方が良かったという意見にも頷けました。
それにしてもお遊び曲「月の河/I Hate Folk」を収録するなんてNETWORK期にはホント考えられなったなー。私は基本ヘッドホンをつけて音楽を聴くのでメタルバンドが2度目に乱入するところに耳が慣れるまで時間がかかりました。あと「Think Of Earth」で久々に小室ボーカルをしっかり聴けましたが相変わらずだなぁ、と思いました。
個人的にはお気に入りの楽曲が多く収録されたアルバムで今でもよく聴きます。ただ管理人さんも指摘されている通り、一枚のアルバムとして見ると今までになく焦点がボヤけてしまい苦し紛れに音の博覧会とした、という感は否めません。楽曲自体はどれも完成度が高いだけにコンセプトが一つに定まらないまま出してしまったこと、ホントもったいなかったなと思います。
「EXPO」の結果を受けて小室さんがTMNのトライアングルから離れていくことになる、なんて当時島根県の山の中に住んでいた私が気づくはずも無く、音楽雑誌を立ち読みしながら「大学生になったら必ずライブに行くぞ」と吞気に夢を見ていた高2の秋でした。
月の河のお遊びなどは、制限を外すというリニューアルのコンセプトを、ある意味でRhythm Red以上に徹底したものだったのかもしれません。
そしてこういう作りて、実はtrfのWolrd GrooveとかdAnce to Positiveにもつながっていくのかなとも思っています。
明らかに「Just like you〜」と歌ってますよね。ジャスライキューって。後に続く「Gonna take you to paradise」と同じ譜割りになっちゃってる。
小室もレコーディングのときに気づかなかったのでしょうか?
これがずっと引っかかって、「Just Like Paradise 2015」をどうも楽しめなくて。
たしかに「like paradise」とは聞こえませんし、気持ち悪いですね。
長らく演奏もしてこなかったから、小室さんも違和感を感じずこれでOKしちゃったんでしょうか。
この部分は葛城さんなのかな?
Just Like Paradise 2015自体の音はかっこいいのに、「ライキュー」が気になってどうにも…。
like youと言ってるかどうかは定かではありませんが、そもそも譜割りがオリジナルとちがうのでそこも違和感あり。
多分ライブのリハの前後に録ったんでしょうから、撮り直す時間もなかったんでしょうね。