4-36 EXPO Arena "Crazy 4 You"
AAAと森進一(そういやこれ触れていませんでした)に続き、
小室さんが北乃きいに楽曲提供することが発表されました
7/21リリースの「花束」で、小室さんが作詞・作曲を行なうそうです
曲はもうラジオで流れているみたいです
昔のメロディを重視した時代の小室さんぽい曲ですね
正直言って、こんなおいしいところを担当させてもらえるんですね
(私自身は北乃さんのファンではないですけど)
Twitterによれば、楽曲は4月頃に出来ていたようです
楽曲は直前に作らないと旬の音にならないとかほざいていた頃と比べれば、
じっくりと準備している印象です
5/5にはAAA「Dream After Dream」、
6/16には森進一「眠らないラブソング」、
そして7/21には北乃きいということで、
しばらくは月1リリースのペースで行くのでしょうか
プロデューサー時代は濫造イメージが強いので、
このペースは良いと思います
50曲リリースとか言っていた時は心配でしたが、
その点は当分大丈夫そうです
またTwitterによれば、5/18頃、
「予想もつかなかった方」から作詞・作曲の依頼があったとのことです
AAAの成功で小室さんに依頼が来るようになってきたのかもしれません
本当の意味で小室さんが作曲家としての居場所を取り戻せる日も近いのかも?
あと6/10発売のキーボードマガジンの6月号で、小室さんが表紙を飾るようです
Youtubeには、小室さんのコメントがアップされました
まあ一方で、逮捕前の子供服メーカーとの訴訟とか、
あまり聞きたくない話も入ってきていますが、
そこらへんは逐一解決してもらうしかありませんね
さて、今回に関しては、
以上の話ははっきり言って話の導入に過ぎません
最近は話題性の問題もあり、小室さんの楽曲提供の話が中心ですが、
ここは決してTK応援ブログなどではありません
あくまでもTM NETWORKをテーマにしたブログです
その点では小室さんが提供した楽曲が1位を取ろうと、
TMメンバーの一人のソロワークの話題に過ぎません
このブログで問題なのは、あくまでもTM NETWORKの動向です
ところが本題に関しても、どうやら何かありそうな雰囲気です
小室さんの5/23のTwitterより
相変わらず日本語が分かりづらい…
のですが、今まで作った65曲の中にTM・globeに使うかもしれないものがある…?
TM NETWORKに使うかも!!?(; ・`д・´)
そしてこの後、5/25のTwitterでは以下のようにつぶやきました
松浦社長公認下で、TM NETWORKの話が動き出している!!??
そして、
木根さんやウツと話してみる!??
キタ━━━━(T∀T)━━━━!!!
動くとしても当分先だと思っていたTM NETWORK、
松浦さん了解の下で動かせることになるかもしれません!!
5/27のTwitterでは、
TMがavexに移籍するのかというファンの問いに対して、
小室さんが「ゆっくり進めます」と答えているので、
多分TM NETWORKをavexで動かすことを考えているんだろうと思います
(こういうこと書いちゃっていいのかなと思うんですが… まあいいか)
他にも5/27のTwitterでは、
小室さんが二人と連絡を取っている話とかありまして、
期待感が高まります
25周年には間に合いませんでしたが、
うまく行けば年内には何かできるかもしれません
とりあえずは木根さんのブログも含め、
これからは今まで以上に厳重な監視を行ないます(笑
なんだかハッピーな話題が出てきましたが、
皮肉にもブログの本題はTMNの活動の終末期の記事となります
いえ、現実が幸せならいいんです…
では本題に入ります
---------------------------------
「TMN EXPO Arena “Crazy 4 You”」は、
「Tour TMN EXPO」の最後に当たる特別版アリーナツアーである
1992/3/12~4/18の一ヶ月あまりで5会場9公演が開催された
当初は”4”会場で予定されていたため、
これにかけて「Crazy "4" You」と命名されたのだが、
横浜アリーナの追加公演が決定したため、
このタイトルは無意味になってしまった
(ポコ太さん情報による)
まず最初に言っておきたい
TMNは最後の最後で、素晴らしいライブを行なった
事実上このツアーは1984年以来の通常活動期の最後を飾るライブとなったが、
TMNはまさしくこのライブで、有終の美を飾ることができた
私は現在でもファン以外に見せられる最良のTMライブ映像は、
このライブのDVDだと思っている
周知の通り、このライブの後、TMNは活動を休止する
この頃何かの事情が渦巻いていたことは確かだが、
TMNはその中でも新しい内容のライブを披露し、
しかもその内容はTM史上でも高く評価できるものだった
次がいつになるか分からないという気持ちもあってのことかもしれないが、
ともかく小室が最後までTMNに手を抜かなかったことは、
素直に評価して良いと思う
内容は「Tour TMN EXPO」からかなり様変わりしている
共通するのは、序盤に「Don't Let Me Cry」「Just Like Paraidse」を演奏し、
中盤で小室ピアノソロやフォーク・メタルを配するという構成くらいで、
セットリストにほとんど共通点はない
演出もまったく変えられた
すでに「Tour TMN EXPO」とは別のツアーだったと言っても良い
「Tour TMN EXPO」の演奏曲のうち、
「あの夏を忘れない」「Tomorrow Made New」「Think of Earth」は、
ツアー末期までにセットリストから外されていたが、
このライブではさらに「EXPO」「月の河/I Hate Folk」「大地の物語」「We love the EARTH」も外された
この結果「EXPO Arena」で演奏された「EXPO」曲は、
「Love Train」「Just Like Paradise」「Jean Was Lonely」「Crazy For You」「月はピアノに誘われて」の5曲のみとなり、
アルバム収録曲の半分以下となった
「Wild Heaven」「永遠と名づけてデイドリーム」を加えても、
演奏された1991年リリースの楽曲は7曲であり、
「Tour TMN EXPO」と比べると、「EXPO」の存在感は薄くなっている
特に「Tour TMN EXPO」の中でも大きな扱いだった「We love the EARTH」がカットされたのは残念である
あのアレンジでの演奏を、是非商品版で見たかったと思う
演奏曲中、「Crazy For You」「Love Train」「Wild Heaven」は、
まったく異なるアレンジに様変わりした
「Crazy For You」はツアータイトルにもなっているように、
ライブのテーマ曲的役割を果たし、随所随所でインストで流れた
「Love Train」「Wild Heaven」は、
カットされた「We love the EARTH」を受け継ぐロングバージョンで、
特に後者はアンコールの盛り上がりで演奏された
ただしこの2曲については「Tour TMN EXPO」末期に、
すでに「EXPO Arena」バージョンのプロトタイプ版が披露されている
(「4-25 Tour TMN EXPO②」参照)
「EXPO」曲以外では、
「Rhythm Red」収録の「69/99」「Time To Count Down」も削られたが、
代わりにこの枠には「Rhythm Red Beat Black」「The Point of Lovers' Night」が加わった
「Rhythm Red」の代表曲4曲の中で交替させたことになる
TM NETWORK期の曲では「Human System」が追加された
「TMN Wild Heaven」でも演奏されたので、
せっかく作ったデータを有効利用したのだろう
他の追加曲には「Get Wild」がある
「Tour TMN EXPO」は「Get Wild」を演奏しない稀有なツアーだったが、
ファンの間で要望が強かったため、セットリストに入ったのだろう
中盤の多くのパビリオンの中で、
浅倉大介コーナーはなくなった一方で、
フォークパビリオン・メタルパビリオンの時間は、
従来より長く設定された
特にフォークパビリオンでは演奏曲をTM曲に絞り、
しかも「Tour TMN EXPO」では各曲一部しか演奏しなかったのに対し、
「EXPO Arena」ではフルコーラスを演奏した
代わりにMCは短くなっている
メンバーの序盤・終盤の衣装は、
「Tour TMN EXPO」と同じようである
アンコールの3人の衣装は、ともに本編終盤のままである
中盤の衣装に関しては、
小室は「Tour TMN EXPO」アンコール時のものだが、
ウツと木根の黒のジャケットは、
「Tour TMN EXPO」では使われていないと思う
サポートメンバーや機材は、
「Tour TMN EXPO」と同じである
このツアー中の出来事としては、
4/1の木根の病気があったが、
ライブ当日の4/3は本調子ではないまでも、
なんとかこなしたようだ
3/18の代々木体育館公演では、
XのYOSHIKIとTOSHIがゲスト出演し、
フォークパビリオンとアンコールで演奏した
TM史上最大のビッグゲストだと思うが、
この時の映像は残念ながら残っていない
「EXPO Arena」の様子は、
1994年の「終了」記念ボックス「Groove Gear」に収録されるビデオ「EXPO Arena Final “Crazy 4 You”」で、
かなり詳細に知ることができる
これは完全予約製の商品だったので、
長くコレクターズアイテムだったが、
2005年にDVDとしてはじめて単品で発売された
ビデオは1992/4/12横浜アリーナ公演を収録したものである
「永遠と名づけてデイドリーム」の他、
フォークパビリオンの「Rainbow Rainbow」と、
メタルパビリオン全曲がカットされているが、
大部分は収録されている
このビデオ映像は基本的には、
WOWOWで中継されたライブ映像を編集したものである
ただし「Just Like Paradise」の一部では、
なぜか1991/12/1「TMN Wild Heaven」の映像が使われている
このライブについては、
WOWOWの録画があれば完全版を見ることができる
ただしWOWOW版は一部DVDとアングルが変わっているところがある
また小室と渡辺美佐(当時の小室の不倫相手)の熱愛映像が随所に入り、
かなり邪魔である
このライブはWOWOWでは2度放送されている
2度目は再放送で、1度目の映像を編集したものである
1度目は生中継なので、
アンコール待ちの時間がそのまま放送されたが、
再放送ではこの部分がカットされた
一方最後の「Electric Prophet」は、
時間の都合で生中継では放送されなかったが、
再放送では放映されている
音源としては「Colosseum Ⅰ・Ⅱ」に、
ライブ音源として「Crazy For You」「Don't Let Me Cry」「Love Train」の3曲が収録されている
基本的にこれらは、ライブDVDを持っていれば不要だが、
DVDでカットされている「Crazy For You」のイントロ冒頭とアウトロが収録されている
(ただしWOWOW版映像では聞くことができる)
TBSラジオでは、1992/3/12名古屋公演の一部が放送された
「EXPO」曲5曲および、
「永遠と名づけてデイドリーム」「Human System」「Self Control」「Get Wild」の合計9曲を聴くことができるが、
DVDとは別日程で、貴重な音源である
他に映像としては、
1992年「Colosseum」リリースの頃に作成された「Love Train」のPVがある
これは「All the Clips」に収録される通常版PVではなく、
「EXPO Arena」ファイナルの沖縄コンベンションセンター公演の映像のダイジェストである
(「Love Train」の演奏箇所のみの映像ではない)
その全体は現在まで商品化されていないが、
一部は「Decade」で見ることができ、
また「Nights of the Knife」PVの一部にも使われている
音は通常のCD音源で、ライブ演奏の音を聴くことはできないが、
WOWOWやライブDVDとは別日程の映像なので、貴重な資料である
横浜アリーナ公演の映像の権利はWOWOWが持っていたため、
EPIC/SONY側が別に映像を撮影したものだろうか
ならばその全容を是非一度見てみたいものである
ライブの内容に触れよう
ライブ冒頭、「Crazy For You」が会場に流れる
CDとも「Tour TMN EXPO」ともまったく違うアレンジである
「Tour TMN EXPO」はオリジナルと同じアレンジだったが、
このライブでは音からしてまったく異なり、
データを一から作り直したものと思われる
なお「Tour TMN EXPO」の「Crazy For You」は、
ウツと林の過激なダンスの時間だったが、
このライブではそのような演出は無く、
ライブ中での扱いがまったく変わっている
スモークの中、抑え目のPink Floyd風のプログレの演奏が始まる
その上に「Crazy For You」の女のセリフが流れる
そして「ねぇ、行ってもいいよね? 私まだ見に行ったことないし」のセリフの直後、
伊集院の笑い声が入ると同時に、
曲調が一気に激しく変わる
暗かったステージには照明が照らされるが、
その中で中央のマジックミラーブースから、
ソファーに座ったウツがせり上がってきて、
「Wow Wow Wow Crazy For You」と歌う
この後ウツはソファーとともにマジックミラーブースの中に下りるが、
曲の最後にはソファーから立ち上がってブースから出てきて、
「ステージの上からサインを送るよ… Crazy For You」
と会場に向かってつぶやく
ここで「Crazy For You」は終わりである
このウツの演出、しらけている時に見ると笑ってしまうが、
気合いの入った演出であることは確かで、
最後まで演出で魅せるライブを志したことは伝わってくる
楽曲のアレンジもすばらしく、
「Crazy For You」の楽曲の魅力を感じることができる
次は「Just Like Paradise」「Don't Let Me Cry」
ここは「Tour TMN EXPO」と同じアレンジ・ダンスで、
林・後藤・遊作の3人のダンサーも登場する
ただし「Just Like Paradise」は、
「Tour TMN EXPO」ではマネキンが置かれ、
ウツはそのマネキンを抱いて服を脱がすという演出だったが、
この時にはマネキンが無い
その代わりにウツが生身の女性を抱いて胸を触るという、
かなりすごい演出になっている
(別に胸を揉んだりしているわけではないが)
「Tour TMN EXPO」では、
この後「あの夏を忘れない」「大地の物語」が入り、
ウツとしては割と楽になるのだが、
このライブでは「Rhythm Red Beat Black」「Jean Was Lonely」と、
ダンスナンバーがさらに続く
特に「Rhythm Red Beat Black」は、
もともとハウスを意識した曲だった
全体としてこのライブの序盤は、
「Tour TMN EXPO」以上にハウス色が強くなっている
「Rhythm Red Beat Black」は、
葛城のトーキングモジュレータでスタートする
イントロに合わせてステージを歩き回るウツから、MCが入る
「Hello, Everybody! EXPO Arenaへ、ようこそ。みんな元気? All Right! Give You Rhythm Red? Give Me Beat Black!」
「Rhythm Red Tour」の時のウツの独特なダンスはないが、
ダンサーは周りで踊っている
ウツは「Rhythm Red Tour」よりも自然な動き、ボーカルで、
この歌を歌うことが出来た
小室は途中からKXで演奏した
間奏のシンセフレーズは「Rhythm Red Beat Black Version 2.0」である
この時はドラムパターンも「Version 2.0」に準じており、
(4-12 Rhythm Red Beat Black version 2.0のharuさんコメント)
オリジナルと2.0の混合アレンジで演奏された。
ついで「Jean Was Lonely」
「Tour TMN EXPO」と同じく、ウツもダンス付きである
ここらへんまで来るとウツも相当過酷なはずで、
実際にかなり限界ギリギリのパフォーマンスだったらしい
だがライブのここまでの部分は、極めて高いテンションで展開し、
ウツのパフォーマンスも含めて思わず見とれる質となっている
当時のTMNのかっこいいところを余すところ無く表現していると思う
この後、ウツは引っ込んでしばらく休憩し、
ステージは各パビリオンに移る
まずは小室のクラシックパビリオンで、
「マドモアゼル・モーツァルトのテーマ」「背徳の瞳」、
その他モーツァルト関係楽曲をEXPOピアノで演奏する
このあたりは「Tour TMN EXPO」と同様である
ついで着替えた木根が登場してピアノ演奏を交替する
葛城のギターによる導入を挟み、
葛城とともに「月はピアノに誘われて」を演奏する
ステージ上方では月のオブジェが光る
次は小室が着替えて再登場し「永遠と名づけてデイドリーム」
小室はEXPOピアノを演奏するが、
シンセやギター・ドラムも演奏に参加する
ラジオとビデオを見る限り、小室は生歌でもちゃんと歌えている
なおインストやフォークパビリオン・メタルパビリオンを除けば、
TMライブで非TM曲が歌われたのはこれが唯一の例と思う
(「TM NETWORK -REMASTER-」のPurple Daysゲスト演奏が例外)
小室はシンセブースに降り、
シンセで「トルコ行進曲」を少し演奏
木根と着替えたウツも登場し、「Human System」を演奏する
この後は、小室や葛城・阿部は引っ込み、
ウツと木根のみステージ前の椅子に座る
ファンお楽しみのフォークパビリオンである
浅倉は参加しなかったらしい
「Tour TMN EXPO」ではフォークの直前が小室ピアノだったので、
ウツ・木根はオーバーオールなどに着替えて来たのだが、
この時はそのままの衣装で演奏した
ついで小室のドラムソロから、
阿部・葛城・小室・ウツのメタルパビリオンに入る
「Tour TMN EXPO」にあったつなぎのコントは省かれた
「Tour TMN EXPO」のメタルパビリオンは1~2曲だったが、
「EXPO Arena」では3曲演奏された
以上2コーナーについては、
すでに「EXPO Arena」の分も含めて、
「4-26 Tour TMN EXPO③」で触れてあるので、参照されたい
ここまでが中盤の休憩タイム(失礼)だったが、
この後メタルメンバーが引っ込むと、
着替えの時間をかせぐためもあり、
「Crazy For You」のインストが入って、
終盤の盛り上がりへとつなぐ
まずは「Self Control」
「Tour TMN EXPO」末期から追加された曲である
小室もKXでステージの前に出てくる
小室はこの後本編最後までKXを持って立っている
なお小室はメタルの時のロンゲカツラをかぶり続けている
ついで「The Point of Lovers' Night」
曲調の割に盛り上がる曲で、
「Rhythm Red Tour」ほどは引っ張らないものの、
アウトロは同ツアーのアレンジを再現する
小室や木根もステージを歩き回り、ファンサービスする
ダンサーが登場し、「Love Train」に移る
KXを持って小室が会場を走り回り、
ハウスアレンジのイントロを披露する
これは「Tour TMN EXPO」末期のアレンジを引継ぎ、
それを進化させたものである
小室はシンセブースに戻り、
「Love Train」のサンプリングボイスをシンセで流す
実に11分中6分がイントロとなっているが、
この時間配分は「We love the EARTH」ライブバージョンと同様である
盛り上がり終盤のウツの休憩時間として確保していたものだろう
本編最後は「Get Wild」で締める
FANKSバージョンでも'89でも「Rhythm Red Tour」バージョンでもない新アレンジで、
シンプルなシンセのイントロで始まるものである
異常なアレンジが多いこの曲だが、
その中では比較的原曲に近い(ドラムはスネアが入っているが)
むしろ初めて普通の「Get Wild」を聞けたと思ったファンも多かったのではないか
以上でメンバーは引っ込むが、
会場のアンコールの声に応じ、
ウツ以外のメンバーが再登場する
照明はKXを持った小室に当たる
曲は「Wild Heaven」
冒頭ではオリジナルのイントロが演奏されるが、
その後はまったく別の曲としか思えないロックな曲調になる
小室は、曲に合わせて会場中を走り回り、
ファンの前でもだえるようにシンセを乱れ弾きする
途中からは葛城も一緒についてきて、
二人でステージ上を走り回る
そんなこんなで数分やっていると、
小室はKXの肩紐を外し、会場のセットや床に叩きつけ、
轟音とともにこれを破壊してしまう

ハッスル小室 ドガーン
ウツはこの間に登場し、マイクの前にスタンバイする
ビデオでウツが小室の様子を見て笑っているのは、
なんとも良い図である
シンセが破壊されるとともに、「Just Wild Heaven!」のSEが入る
やっといわゆる「Wild Heaven」のイントロになる
小室はまだ走り回り、破壊されたシンセを客席に放り投げる
観客へのプレゼントといったところだが、
これはファンの間ではまさに宝物であろう
この小室のシンセ破壊プレイは、
「Digitalian is eating breakfast tour」の「Opera Night」、
「Rhythm Red Tour」の「All-Right All-Night」、
「Tour TMN EXPO」の「Time To Count Down」などでも見られたが、
現在映像に残っているものではこの「Wild Heaven」のみである
往時の小室の伝説プレイを見られるものとして、
この映像は大変貴重なものとなっている
TM史上のベスト萌えライブ映像と言っても良いかもしれない
歌の部分は通常通りだが、
最後の部分はテンポを落とした小室のシンセのみの演奏になり、
ウツが小室の足元に座って、
「Just Wild Heaven You and I Live」と歌う
あとはドラムとギターが入って締めるが、
これは「Tour TMN EXPO」末期に加えられたアレンジである
なかなか良いシーンで、絵になっていると思う
曲が終わるとウツが会場に「どうもありがとう!」と言い、
メンバーが退場する
まことに余韻の残る、すばらしいラストだった
小室は会場に残り、「Crazy For You」を演奏して退場した
その後はカーテンコールで「1974」が流れた
いくつかの会場では、
アンコールにもう1曲追加されることがあった
「Electric Prophet」である
ウツの希望でセットリストに入れられたもので、
メンバー3人のみのシンプルな演奏である
ウツもアコギを持って、マイクスタンドに立った
これは初日の3/12にフォークパビリオンで演奏されたが、
3/18の代々木体育館と4/12の横浜アリーナではアンコールで演奏された
ビデオには4/12の演奏分が収録されているが、
ギターの音がよく聞こえるシンプルな「Electric Prophet」は、
大変良い味を出している
1987年以来、つまりブレイク以来演奏されていなかったが、
TMNが活動を休止する直前に演奏してくれたことは、
大変うれしいことである
また3/18は、アンコール一曲目に「Time Passed Me By」が演奏された
この時はTOSHIがゲストとして参加しており、
この選曲もTOSHIによるものだという
(ちなみに意外なことに「愛をそのままに」も候補に挙がっていた)
歌はウツとのツインボーカルになった
ついで次の「Wild Heaven」では、YOSHIKIも加わった
YOSHIKIはショルダーキーボードを担当したので、
ショルダーキーボードは2人で、シンセは浅倉を入れて3人となった
「Time To Count Down」が追加されたこともある
これは最終日、4/18の沖縄コンベンションセンター公演で演奏された
これもウツの提案だった
「Tour TMN EXPO」でもアンコールで演奏された曲である
あの「Wild Heaven」と続けてこの曲が演奏されたのだから、
大変熱いアンコールとなったことだろう
(2010/5/28執筆 2011/1/28、2012/11/19、2014/3/31、2017/12/28加筆)
小室さんが北乃きいに楽曲提供することが発表されました
7/21リリースの「花束」で、小室さんが作詞・作曲を行なうそうです
曲はもうラジオで流れているみたいです
昔のメロディを重視した時代の小室さんぽい曲ですね
正直言って、こんなおいしいところを担当させてもらえるんですね
(私自身は北乃さんのファンではないですけど)
Twitterによれば、楽曲は4月頃に出来ていたようです
楽曲は直前に作らないと旬の音にならないとかほざいていた頃と比べれば、
じっくりと準備している印象です
5/5にはAAA「Dream After Dream」、
6/16には森進一「眠らないラブソング」、
そして7/21には北乃きいということで、
しばらくは月1リリースのペースで行くのでしょうか
プロデューサー時代は濫造イメージが強いので、
このペースは良いと思います
50曲リリースとか言っていた時は心配でしたが、
その点は当分大丈夫そうです
またTwitterによれば、5/18頃、
「予想もつかなかった方」から作詞・作曲の依頼があったとのことです
AAAの成功で小室さんに依頼が来るようになってきたのかもしれません
本当の意味で小室さんが作曲家としての居場所を取り戻せる日も近いのかも?
あと6/10発売のキーボードマガジンの6月号で、小室さんが表紙を飾るようです
Youtubeには、小室さんのコメントがアップされました
まあ一方で、逮捕前の子供服メーカーとの訴訟とか、
あまり聞きたくない話も入ってきていますが、
そこらへんは逐一解決してもらうしかありませんね
さて、今回に関しては、
以上の話ははっきり言って話の導入に過ぎません
最近は話題性の問題もあり、小室さんの楽曲提供の話が中心ですが、
ここは決してTK応援ブログなどではありません
あくまでもTM NETWORKをテーマにしたブログです
その点では小室さんが提供した楽曲が1位を取ろうと、
TMメンバーの一人のソロワークの話題に過ぎません
このブログで問題なのは、あくまでもTM NETWORKの動向です
ところが本題に関しても、どうやら何かありそうな雰囲気です
小室さんの5/23のTwitterより
社長のお誘いから今日で1万4千文字の呟き。皆さんの何気ない優しさに支えられて春を終えた。去年から65曲目、もちろんこのなかにAAA,森さん北乃きいさん、今後発売のもの、TM,globeでは?など含まれる。業界の習慣で最低2曲は聴いて曲の合否が決まる。100曲で50曲!頑張ります。
相変わらず日本語が分かりづらい…
のですが、今まで作った65曲の中にTM・globeに使うかもしれないものがある…?
TM NETWORKに使うかも!!?(; ・`д・´)
そしてこの後、5/25のTwitterでは以下のようにつぶやきました
昨晩松浦社長と会った。笑顔がホットする。tm network やりたいと言ってくれている、ずっと。TMN?バンドは団体競技であり、二人が僕とで、安心した環境の仕事を確信させなければならない。近々話してみよう!世界中バンドは繊細だ。やるならTMらしい事を!少々お待ちを(微笑)。
松浦社長公認下で、TM NETWORKの話が動き出している!!??
そして、
木根さんやウツと話してみる!??
キタ━━━━(T∀T)━━━━!!!
動くとしても当分先だと思っていたTM NETWORK、
松浦さん了解の下で動かせることになるかもしれません!!
5/27のTwitterでは、
TMがavexに移籍するのかというファンの問いに対して、
小室さんが「ゆっくり進めます」と答えているので、
多分TM NETWORKをavexで動かすことを考えているんだろうと思います
(こういうこと書いちゃっていいのかなと思うんですが… まあいいか)
他にも5/27のTwitterでは、
小室さんが二人と連絡を取っている話とかありまして、
期待感が高まります
25周年には間に合いませんでしたが、
うまく行けば年内には何かできるかもしれません
とりあえずは木根さんのブログも含め、
これからは今まで以上に厳重な監視を行ないます(笑
なんだかハッピーな話題が出てきましたが、
皮肉にもブログの本題はTMNの活動の終末期の記事となります
いえ、現実が幸せならいいんです…
では本題に入ります
---------------------------------
「TMN EXPO Arena “Crazy 4 You”」は、
「Tour TMN EXPO」の最後に当たる特別版アリーナツアーである
1992/3/12~4/18の一ヶ月あまりで5会場9公演が開催された
当初は”4”会場で予定されていたため、
これにかけて「Crazy "4" You」と命名されたのだが、
横浜アリーナの追加公演が決定したため、
このタイトルは無意味になってしまった
(ポコ太さん情報による)
まず最初に言っておきたい
TMNは最後の最後で、素晴らしいライブを行なった
事実上このツアーは1984年以来の通常活動期の最後を飾るライブとなったが、
TMNはまさしくこのライブで、有終の美を飾ることができた
私は現在でもファン以外に見せられる最良のTMライブ映像は、
このライブのDVDだと思っている
周知の通り、このライブの後、TMNは活動を休止する
この頃何かの事情が渦巻いていたことは確かだが、
TMNはその中でも新しい内容のライブを披露し、
しかもその内容はTM史上でも高く評価できるものだった
次がいつになるか分からないという気持ちもあってのことかもしれないが、
ともかく小室が最後までTMNに手を抜かなかったことは、
素直に評価して良いと思う
内容は「Tour TMN EXPO」からかなり様変わりしている
共通するのは、序盤に「Don't Let Me Cry」「Just Like Paraidse」を演奏し、
中盤で小室ピアノソロやフォーク・メタルを配するという構成くらいで、
セットリストにほとんど共通点はない
演出もまったく変えられた
すでに「Tour TMN EXPO」とは別のツアーだったと言っても良い
「Tour TMN EXPO」の演奏曲のうち、
「あの夏を忘れない」「Tomorrow Made New」「Think of Earth」は、
ツアー末期までにセットリストから外されていたが、
このライブではさらに「EXPO」「月の河/I Hate Folk」「大地の物語」「We love the EARTH」も外された
この結果「EXPO Arena」で演奏された「EXPO」曲は、
「Love Train」「Just Like Paradise」「Jean Was Lonely」「Crazy For You」「月はピアノに誘われて」の5曲のみとなり、
アルバム収録曲の半分以下となった
「Wild Heaven」「永遠と名づけてデイドリーム」を加えても、
演奏された1991年リリースの楽曲は7曲であり、
「Tour TMN EXPO」と比べると、「EXPO」の存在感は薄くなっている
特に「Tour TMN EXPO」の中でも大きな扱いだった「We love the EARTH」がカットされたのは残念である
あのアレンジでの演奏を、是非商品版で見たかったと思う
演奏曲中、「Crazy For You」「Love Train」「Wild Heaven」は、
まったく異なるアレンジに様変わりした
「Crazy For You」はツアータイトルにもなっているように、
ライブのテーマ曲的役割を果たし、随所随所でインストで流れた
「Love Train」「Wild Heaven」は、
カットされた「We love the EARTH」を受け継ぐロングバージョンで、
特に後者はアンコールの盛り上がりで演奏された
ただしこの2曲については「Tour TMN EXPO」末期に、
すでに「EXPO Arena」バージョンのプロトタイプ版が披露されている
(「4-25 Tour TMN EXPO②」参照)
「EXPO」曲以外では、
「Rhythm Red」収録の「69/99」「Time To Count Down」も削られたが、
代わりにこの枠には「Rhythm Red Beat Black」「The Point of Lovers' Night」が加わった
「Rhythm Red」の代表曲4曲の中で交替させたことになる
TM NETWORK期の曲では「Human System」が追加された
「TMN Wild Heaven」でも演奏されたので、
せっかく作ったデータを有効利用したのだろう
他の追加曲には「Get Wild」がある
「Tour TMN EXPO」は「Get Wild」を演奏しない稀有なツアーだったが、
ファンの間で要望が強かったため、セットリストに入ったのだろう
中盤の多くのパビリオンの中で、
浅倉大介コーナーはなくなった一方で、
フォークパビリオン・メタルパビリオンの時間は、
従来より長く設定された
特にフォークパビリオンでは演奏曲をTM曲に絞り、
しかも「Tour TMN EXPO」では各曲一部しか演奏しなかったのに対し、
「EXPO Arena」ではフルコーラスを演奏した
代わりにMCは短くなっている
メンバーの序盤・終盤の衣装は、
「Tour TMN EXPO」と同じようである
アンコールの3人の衣装は、ともに本編終盤のままである
中盤の衣装に関しては、
小室は「Tour TMN EXPO」アンコール時のものだが、
ウツと木根の黒のジャケットは、
「Tour TMN EXPO」では使われていないと思う
サポートメンバーや機材は、
「Tour TMN EXPO」と同じである
このツアー中の出来事としては、
4/1の木根の病気があったが、
ライブ当日の4/3は本調子ではないまでも、
なんとかこなしたようだ
3/18の代々木体育館公演では、
XのYOSHIKIとTOSHIがゲスト出演し、
フォークパビリオンとアンコールで演奏した
TM史上最大のビッグゲストだと思うが、
この時の映像は残念ながら残っていない
「EXPO Arena」の様子は、
1994年の「終了」記念ボックス「Groove Gear」に収録されるビデオ「EXPO Arena Final “Crazy 4 You”」で、
かなり詳細に知ることができる
これは完全予約製の商品だったので、
長くコレクターズアイテムだったが、
2005年にDVDとしてはじめて単品で発売された
ビデオは1992/4/12横浜アリーナ公演を収録したものである
「永遠と名づけてデイドリーム」の他、
フォークパビリオンの「Rainbow Rainbow」と、
メタルパビリオン全曲がカットされているが、
大部分は収録されている
このビデオ映像は基本的には、
WOWOWで中継されたライブ映像を編集したものである
ただし「Just Like Paradise」の一部では、
なぜか1991/12/1「TMN Wild Heaven」の映像が使われている
このライブについては、
WOWOWの録画があれば完全版を見ることができる
ただしWOWOW版は一部DVDとアングルが変わっているところがある
また小室と渡辺美佐(当時の小室の不倫相手)の熱愛映像が随所に入り、
かなり邪魔である
このライブはWOWOWでは2度放送されている
2度目は再放送で、1度目の映像を編集したものである
1度目は生中継なので、
アンコール待ちの時間がそのまま放送されたが、
再放送ではこの部分がカットされた
一方最後の「Electric Prophet」は、
時間の都合で生中継では放送されなかったが、
再放送では放映されている
音源としては「Colosseum Ⅰ・Ⅱ」に、
ライブ音源として「Crazy For You」「Don't Let Me Cry」「Love Train」の3曲が収録されている
基本的にこれらは、ライブDVDを持っていれば不要だが、
DVDでカットされている「Crazy For You」のイントロ冒頭とアウトロが収録されている
(ただしWOWOW版映像では聞くことができる)
TBSラジオでは、1992/3/12名古屋公演の一部が放送された
「EXPO」曲5曲および、
「永遠と名づけてデイドリーム」「Human System」「Self Control」「Get Wild」の合計9曲を聴くことができるが、
DVDとは別日程で、貴重な音源である
他に映像としては、
1992年「Colosseum」リリースの頃に作成された「Love Train」のPVがある
これは「All the Clips」に収録される通常版PVではなく、
「EXPO Arena」ファイナルの沖縄コンベンションセンター公演の映像のダイジェストである
(「Love Train」の演奏箇所のみの映像ではない)
その全体は現在まで商品化されていないが、
一部は「Decade」で見ることができ、
また「Nights of the Knife」PVの一部にも使われている
音は通常のCD音源で、ライブ演奏の音を聴くことはできないが、
WOWOWやライブDVDとは別日程の映像なので、貴重な資料である
横浜アリーナ公演の映像の権利はWOWOWが持っていたため、
EPIC/SONY側が別に映像を撮影したものだろうか
ならばその全容を是非一度見てみたいものである
ライブの内容に触れよう
ライブ冒頭、「Crazy For You」が会場に流れる
CDとも「Tour TMN EXPO」ともまったく違うアレンジである
「Tour TMN EXPO」はオリジナルと同じアレンジだったが、
このライブでは音からしてまったく異なり、
データを一から作り直したものと思われる
なお「Tour TMN EXPO」の「Crazy For You」は、
ウツと林の過激なダンスの時間だったが、
このライブではそのような演出は無く、
ライブ中での扱いがまったく変わっている
スモークの中、抑え目のPink Floyd風のプログレの演奏が始まる
その上に「Crazy For You」の女のセリフが流れる
そして「ねぇ、行ってもいいよね? 私まだ見に行ったことないし」のセリフの直後、
伊集院の笑い声が入ると同時に、
曲調が一気に激しく変わる
暗かったステージには照明が照らされるが、
その中で中央のマジックミラーブースから、
ソファーに座ったウツがせり上がってきて、
「Wow Wow Wow Crazy For You」と歌う
この後ウツはソファーとともにマジックミラーブースの中に下りるが、
曲の最後にはソファーから立ち上がってブースから出てきて、
「ステージの上からサインを送るよ… Crazy For You」
と会場に向かってつぶやく
ここで「Crazy For You」は終わりである
このウツの演出、しらけている時に見ると笑ってしまうが、
気合いの入った演出であることは確かで、
最後まで演出で魅せるライブを志したことは伝わってくる
楽曲のアレンジもすばらしく、
「Crazy For You」の楽曲の魅力を感じることができる
次は「Just Like Paradise」「Don't Let Me Cry」
ここは「Tour TMN EXPO」と同じアレンジ・ダンスで、
林・後藤・遊作の3人のダンサーも登場する
ただし「Just Like Paradise」は、
「Tour TMN EXPO」ではマネキンが置かれ、
ウツはそのマネキンを抱いて服を脱がすという演出だったが、
この時にはマネキンが無い
その代わりにウツが生身の女性を抱いて胸を触るという、
かなりすごい演出になっている
(別に胸を揉んだりしているわけではないが)
「Tour TMN EXPO」では、
この後「あの夏を忘れない」「大地の物語」が入り、
ウツとしては割と楽になるのだが、
このライブでは「Rhythm Red Beat Black」「Jean Was Lonely」と、
ダンスナンバーがさらに続く
特に「Rhythm Red Beat Black」は、
もともとハウスを意識した曲だった
全体としてこのライブの序盤は、
「Tour TMN EXPO」以上にハウス色が強くなっている
「Rhythm Red Beat Black」は、
葛城のトーキングモジュレータでスタートする
イントロに合わせてステージを歩き回るウツから、MCが入る
「Hello, Everybody! EXPO Arenaへ、ようこそ。みんな元気? All Right! Give You Rhythm Red? Give Me Beat Black!」
「Rhythm Red Tour」の時のウツの独特なダンスはないが、
ダンサーは周りで踊っている
ウツは「Rhythm Red Tour」よりも自然な動き、ボーカルで、
この歌を歌うことが出来た
小室は途中からKXで演奏した
間奏のシンセフレーズは「Rhythm Red Beat Black Version 2.0」である
この時はドラムパターンも「Version 2.0」に準じており、
(4-12 Rhythm Red Beat Black version 2.0のharuさんコメント)
オリジナルと2.0の混合アレンジで演奏された。
ついで「Jean Was Lonely」
「Tour TMN EXPO」と同じく、ウツもダンス付きである
ここらへんまで来るとウツも相当過酷なはずで、
実際にかなり限界ギリギリのパフォーマンスだったらしい
だがライブのここまでの部分は、極めて高いテンションで展開し、
ウツのパフォーマンスも含めて思わず見とれる質となっている
当時のTMNのかっこいいところを余すところ無く表現していると思う
この後、ウツは引っ込んでしばらく休憩し、
ステージは各パビリオンに移る
まずは小室のクラシックパビリオンで、
「マドモアゼル・モーツァルトのテーマ」「背徳の瞳」、
その他モーツァルト関係楽曲をEXPOピアノで演奏する
このあたりは「Tour TMN EXPO」と同様である
ついで着替えた木根が登場してピアノ演奏を交替する
葛城のギターによる導入を挟み、
葛城とともに「月はピアノに誘われて」を演奏する
ステージ上方では月のオブジェが光る
次は小室が着替えて再登場し「永遠と名づけてデイドリーム」
小室はEXPOピアノを演奏するが、
シンセやギター・ドラムも演奏に参加する
ラジオとビデオを見る限り、小室は生歌でもちゃんと歌えている
なおインストやフォークパビリオン・メタルパビリオンを除けば、
TMライブで非TM曲が歌われたのはこれが唯一の例と思う
(「TM NETWORK -REMASTER-」のPurple Daysゲスト演奏が例外)
小室はシンセブースに降り、
シンセで「トルコ行進曲」を少し演奏
木根と着替えたウツも登場し、「Human System」を演奏する
この後は、小室や葛城・阿部は引っ込み、
ウツと木根のみステージ前の椅子に座る
ファンお楽しみのフォークパビリオンである
浅倉は参加しなかったらしい
「Tour TMN EXPO」ではフォークの直前が小室ピアノだったので、
ウツ・木根はオーバーオールなどに着替えて来たのだが、
この時はそのままの衣装で演奏した
ついで小室のドラムソロから、
阿部・葛城・小室・ウツのメタルパビリオンに入る
「Tour TMN EXPO」にあったつなぎのコントは省かれた
「Tour TMN EXPO」のメタルパビリオンは1~2曲だったが、
「EXPO Arena」では3曲演奏された
以上2コーナーについては、
すでに「EXPO Arena」の分も含めて、
「4-26 Tour TMN EXPO③」で触れてあるので、参照されたい
ここまでが中盤の休憩タイム(失礼)だったが、
この後メタルメンバーが引っ込むと、
着替えの時間をかせぐためもあり、
「Crazy For You」のインストが入って、
終盤の盛り上がりへとつなぐ
まずは「Self Control」
「Tour TMN EXPO」末期から追加された曲である
小室もKXでステージの前に出てくる
小室はこの後本編最後までKXを持って立っている
なお小室はメタルの時のロンゲカツラをかぶり続けている
ついで「The Point of Lovers' Night」
曲調の割に盛り上がる曲で、
「Rhythm Red Tour」ほどは引っ張らないものの、
アウトロは同ツアーのアレンジを再現する
小室や木根もステージを歩き回り、ファンサービスする
ダンサーが登場し、「Love Train」に移る
KXを持って小室が会場を走り回り、
ハウスアレンジのイントロを披露する
これは「Tour TMN EXPO」末期のアレンジを引継ぎ、
それを進化させたものである
小室はシンセブースに戻り、
「Love Train」のサンプリングボイスをシンセで流す
実に11分中6分がイントロとなっているが、
この時間配分は「We love the EARTH」ライブバージョンと同様である
盛り上がり終盤のウツの休憩時間として確保していたものだろう
本編最後は「Get Wild」で締める
FANKSバージョンでも'89でも「Rhythm Red Tour」バージョンでもない新アレンジで、
シンプルなシンセのイントロで始まるものである
異常なアレンジが多いこの曲だが、
その中では比較的原曲に近い(ドラムはスネアが入っているが)
むしろ初めて普通の「Get Wild」を聞けたと思ったファンも多かったのではないか
以上でメンバーは引っ込むが、
会場のアンコールの声に応じ、
ウツ以外のメンバーが再登場する
照明はKXを持った小室に当たる
曲は「Wild Heaven」
冒頭ではオリジナルのイントロが演奏されるが、
その後はまったく別の曲としか思えないロックな曲調になる
小室は、曲に合わせて会場中を走り回り、
ファンの前でもだえるようにシンセを乱れ弾きする
途中からは葛城も一緒についてきて、
二人でステージ上を走り回る
そんなこんなで数分やっていると、
小室はKXの肩紐を外し、会場のセットや床に叩きつけ、
轟音とともにこれを破壊してしまう

ハッスル小室 ドガーン
ウツはこの間に登場し、マイクの前にスタンバイする
ビデオでウツが小室の様子を見て笑っているのは、
なんとも良い図である
シンセが破壊されるとともに、「Just Wild Heaven!」のSEが入る
やっといわゆる「Wild Heaven」のイントロになる
小室はまだ走り回り、破壊されたシンセを客席に放り投げる
観客へのプレゼントといったところだが、
これはファンの間ではまさに宝物であろう
この小室のシンセ破壊プレイは、
「Digitalian is eating breakfast tour」の「Opera Night」、
「Rhythm Red Tour」の「All-Right All-Night」、
「Tour TMN EXPO」の「Time To Count Down」などでも見られたが、
現在映像に残っているものではこの「Wild Heaven」のみである
往時の小室の伝説プレイを見られるものとして、
この映像は大変貴重なものとなっている
TM史上のベスト萌えライブ映像と言っても良いかもしれない
歌の部分は通常通りだが、
最後の部分はテンポを落とした小室のシンセのみの演奏になり、
ウツが小室の足元に座って、
「Just Wild Heaven You and I Live」と歌う
あとはドラムとギターが入って締めるが、
これは「Tour TMN EXPO」末期に加えられたアレンジである
なかなか良いシーンで、絵になっていると思う
曲が終わるとウツが会場に「どうもありがとう!」と言い、
メンバーが退場する
まことに余韻の残る、すばらしいラストだった
小室は会場に残り、「Crazy For You」を演奏して退場した
その後はカーテンコールで「1974」が流れた
いくつかの会場では、
アンコールにもう1曲追加されることがあった
「Electric Prophet」である
ウツの希望でセットリストに入れられたもので、
メンバー3人のみのシンプルな演奏である
ウツもアコギを持って、マイクスタンドに立った
これは初日の3/12にフォークパビリオンで演奏されたが、
3/18の代々木体育館と4/12の横浜アリーナではアンコールで演奏された
ビデオには4/12の演奏分が収録されているが、
ギターの音がよく聞こえるシンプルな「Electric Prophet」は、
大変良い味を出している
1987年以来、つまりブレイク以来演奏されていなかったが、
TMNが活動を休止する直前に演奏してくれたことは、
大変うれしいことである
また3/18は、アンコール一曲目に「Time Passed Me By」が演奏された
この時はTOSHIがゲストとして参加しており、
この選曲もTOSHIによるものだという
(ちなみに意外なことに「愛をそのままに」も候補に挙がっていた)
歌はウツとのツインボーカルになった
ついで次の「Wild Heaven」では、YOSHIKIも加わった
YOSHIKIはショルダーキーボードを担当したので、
ショルダーキーボードは2人で、シンセは浅倉を入れて3人となった
「Time To Count Down」が追加されたこともある
これは最終日、4/18の沖縄コンベンションセンター公演で演奏された
これもウツの提案だった
「Tour TMN EXPO」でもアンコールで演奏された曲である
あの「Wild Heaven」と続けてこの曲が演奏されたのだから、
大変熱いアンコールとなったことだろう
(2010/5/28執筆 2011/1/28、2012/11/19、2014/3/31、2017/12/28加筆)
この記事へのコメント
ちょくちょく拝見させて頂いておりました。
一応私も年季が入っておりまして、
当時(子供でしたが)見たライブ等を思い出しながら、
懐かしいなぁ、と思っておりました。
『17 to 19』や『グリニッジの光を離れて』の単語に、
特に激しく反応した事を白状しますw
失礼ながら、私と同じような感じ方をされる方なんだな、
とは思っておりましたが、
当エントリのこの文章でそれを確信しましたので、
コメントを残させて頂いた次第です。
>その点では小室さんが提供した楽曲が1位を取ろうと、
>TMメンバーの一人のソロワークの話題に過ぎません
>このブログで問題なのは、あくまでもTM NETWORKの動向です。
私も、『あくまでTMとしての3人が好きなのであって、
ソロの部分はおまけ』という考え方でして、
同じ意見の方がいらっしゃった事がとても嬉しい限りです。
実際、trfのWorld Grooveより後の活動あたりからは、
なんとも微妙だったんですよね、個人的には・・・
今後も折に触れ拝見させて頂きます。
頑張って下さい。
やっぱりある程度エイベックスで実績を作ってからじゃないとTMを再開できないと思ったのかなって思います。ただ、ウツも木根ちゃんもてっちゃんが逮捕された当日に「TMNetworkの復活はありえます。3人揃ってのTMの歴史はこれから先も続いていきます。」とコメントしていることから、てっちゃんのツイッターでのコメントは現実的な段階に入っていることを示しているのかなっておもいました。
エイベックス(特に松浦社長)がうまくてっちゃんの債権問題を含めてしっかりと面倒を見て欲しいと思いますね。
超初期の話題に反応していただいたようでw
グリニッジとか、デモ音源でも聞いてみたいですよね
ソロ関係に関しては、小室ファンの方もウツファンの方もglobeファンの方も、コメントなどいただければ大変嬉しいですが、ブログですべてを追いかけても際限がないですし…
私が冷めたのはTMN休止からでしたが、World Grooveは結構好きでした
TKプロデュースモノではこれとfaces placesが傑作かなと思っています
>アザラシさん
avexで実績作ってからTMというのは、私も多分そうだったのかなって思います
もしも大丈夫と判断できるまでTMは無傷で温存しておこうということだったのなら、嬉しいですね
秋はウツのソロツアーもありますし、もし本格始動があっても冬からですかね
どちらが正しいのでしょうか?
こんなところまで気付いてくれてありがとうございました
訂正しておきました
大感謝です!
FANKS CRY-MAXのBD/DVDがアナウンスされましたね。これについても言いたいこと(文句w)がありますが、最近ふと思いふけったことをつらつらと書き込ませていただきます。以前のようにくだらない妄想話ですがお許しください。
今自分の中で何度目かのChildhood’s Endヘビーローテションの時期にあります。(笑
そう言えば「さよならの準備」はEXPO ARENA FINALに収録されてたなぁと思い出したついでにウツと木根さんのMCをなぞってみてあることに気が付きました。
2人とも「さよならの準備が好きだけど今まで演奏する機会がなかった」と言っていました。では何故今回演奏したのか?もちろん「フォークパビリオンだから普段できないような曲をやろうよ」的な意図が大きいと思います。でも、実はこのツアーの後のTMのちゃんとした活動予定がなくなることを踏まえた、ウツと木根さんからFANKSに贈られたまさに「さよならの準備」だったんじゃないか?と、今更ながら
思いました。
そう妄想するとさらに思い入れが深まるという寸法です。笑
実はこのビデオに入っている横浜アリーナ公演、タイトルと違って、EXPO ARENAのファイナルじゃないんですよね。
だとすると、この公演でこの曲を選んだことに大きな意味があるのかどうか。これ以前に別の公演でも演奏していますし。
それはともかく、この時のさよならの準備はとてもいいですよね。
うまい具合に入ってよかったなと思います。
ビデオを見る前は「なんだフォークコーナーなのか…」と思いましたが、見終わった後はフォーク版もこれはこれで良いなと思いました。途中の演奏のぎこちない部分は愛嬌ということで(笑
コメントは何もありませんでしたが、あれは絶対に意図があって選曲したんだろうなあと思っています。
♪君の戦いの歌、闇に響いてゆけ
しかし「EXPO ARENA FINAL」の映像を改めて見て思ったのですが、林さんとマネキン役の女性は別人なのでは?曲が終わる直前にマネキン役の女性が宇都宮さんと林さんの間を通って宇都宮さんの横に並ぶ、というように見えるのですが…。2番のサビの部分だけ宇都宮さんと林さんが並んで歌い踊るシーンがあり、少なくてもこの曲では林さんに指一本触れていないのが確認できます。日によって演出が違っていたのかな?
それにしてもこのライブを収録した「EXPO ARENA FINAL」、なぜこの「Just Like Paradise」だけ「TMN Wild Heaven」の映像を混ぜて編集したんだろう?
ソニーの意図が分かりません…。
本文を微修正しておきました。どうもありがとうございます。
Wild Heaven映像問題、たまに言及されますが不思議ですよね。
なんなんでしょうねこれ。
映像としては無駄な物が省かれてかなりかっこいいです。
しかしCAROL THE LIVEと同様音が嫌いです。
配信されたものの活用なのでどうしても仕方ないのですが。全体的にパン(音)の配置がバラバラというのか。
コロシアムや他のライブのように左に木根ギター、右に葛城ギターなど統一感をを取って欲しかったです。。。
実はEXPO ARENAはSONY側でも伊作さんの指揮下で沖縄公演が収録されています。こっちが公開されれば、もっと良い映像・音を楽しめるかもしれません。
クレジット確認しましたがやはり伊作氏の名前はありませんでしたね。
沖縄公演ぜひどこで出てほしいですね。
今話題の有料配信でも良いです。
今回のベストライブパフォーマンス投票企画で、多少とも出てくれば良いんですが…
DVDは出だしの大半とアウトロが欠けてるから
COLOSSEUMのCrazy for Youは超貴重な音源だと思うのですが…
私、EXPO ARENAの映像はWOWOWの録画が脳内に入って基準になっているので、商品版の印象が薄く、不正確な書き方をしてしまいました。
そこが「超貴重」かは人によって意見が分かれそうですが、該当箇所は微修正しておきますね。