6-5 Time Capsule
お久しぶりです
仕事の関係で長らく更新できていませんでした
9/21、木根さんはHot Legsのイベントを開き、
小室さんは「ザンジバルナイト」に出演しました
Hot Legsイベントはどうだったのかよく分からないのですが、
Hot Legsはこれを以って活動休止のようです
「ザンジバルナイト」についても詳細は不明なのですが、
11/6の20:00~22:00にNOTTVで一部放送されるそうです
(私は見られませんが)
「流れゆくままDDブログ」のレポによれば、
「Love again」「EZ Do Dance」「survival dAnce」「Wow War Tonight」「You're My Sunshine」「Over The Rainbow」「Get Wild」をやったようです
「SUMMERSONIC」とほとんど同じ曲目ですね
「SUMMERSONIC」でやった曲では、
「Watch The Music」「Boy Meets Girl」「Self Control」が入っていませんが、
レポで落ちている可能性もあるのでよく分かりません
その他、やるといっていた「The Generation」は結局やらなかったんでしょうか
なお「SUMMERSONIC」の音源は「DEBF EDM 2013 Summer」として、
9/25にiTunesで配信されました
さっそく日が変わるとともにDLしましたが…
おお、これはいいですね! かっこいい!
でもこれ、ライブ音源そのものじゃなくて、ライブで使ったトラックを使ったスタジオアルバムですね
「SUMMERSONIC」で入った即興の音とかボーカルが入っていない部分があります
また本作収録の「Mission Part 1」は、
そもそも「SUMMERSONIC」では演奏していませんでした
これは「START investigation」のオープニングで、
「Children of the New Century」と「Ignition, Sequence, Start」の間に演奏された短いインスト曲です
(一部の方が「クリストファー」と言っていた部分)
「Mission Part 1」というのは「FINAL MISSION -START investigation」のオリジナル曲1曲目ということでしょうね
ならば「Here, There & Everywhere」の後の寸劇で演奏された小室さんソロは「Mission Part 2」なのかもしれません
さて、9/21には上記のHot Legsイベントと「ザンジバルナイト」の後、
WOWOWで待望の「START investigation」のライブ映像が放映されました
映像は初日7/20の公演でした
放映時間は1時間半なので数曲カットされ、
曲としては「Mission Part 1」から始まりました
カットの餌食になったのは以下でした
「Children of the New Century」「Here, There & Everywhere」「In The Forest」「CAROL (Carol's ThemeⅡ)」「Dawn Valley」
「Here, There & Everywhere」は知名度から言ってカットの対象にならざるを得なかったのでしょうが、
他はこれなら仕方ないかなと思う曲でした
その点では割とストレスのたまらない選曲だったと思います
ただ外人版「CAROL」組曲を後半カットというのは、
ファンの多くは不満は感じないでしょうが、
ストーリー的に意味不明になってしまった感じですね
「Children of the New Century」「Dawn Valley」も含めて、
ストーリーに関わる部分はかなり削られているので、
ここらへんも含めて確認したい人はそのうち出るDVD/BDを買えということなんでしょう
番組冒頭では、ライブ会場のスクリーンで、覚える間もなく流れていった設定の説明文が全部確認できました
以下に引用しましょう
諸種のレポや設定資料では1950年前後の時代設定となっていましたが、
スクリーンに示された設定によれば、ぴったり1950年なんですね
いくつか気になった点を挙げれば、
まずテレビで冷静に見ると、やはりウツはやつれたなあ…という感じでしょうか
でも声には力はないけれど、音程などはまったく問題なく、
ここらへんは大したものだと思いました
以前のライブレポにいくつか付け加えると、
IP-type04(新潜伏者3人)は、去年の「incubation Period」冒頭でTM NETWORK3人を発見する草原の3人と似ているように見えます
少なくとも女性は同一人物で、白人男性もおそらく同じでしょう
でも黒人男性は違う人っぽいなあ…
女性は去年のBDのライナーによれば紀元由有(きもと ゆう)という振り付け師です
ここ、たまたま同じ人を使ったのかどうか判断が難しいですが、
もしもストーリーがつながっているのならば、「incubation Period」冒頭の3人は、
宇宙から送り込まれたばかりのIP type-04ということになり、
そこに現れたTM NETWORKは彼らを見守りに来たということになります
もちろん全然つながっていない可能性もありますが…
「CAROL」組曲の後は、葛城哲哉さんのギターと木根さんのハーモニカの掛け合いがありました
ただWOWOWの映像を見ると、これ2人だけじゃなくて小室さんのシンセも加わっていますね
あとあまり気づいていませんでしたが、「Ignition, Sequence, Start」のインスト、
途中で歌メロの部分を小室さんが手弾きしていました
「CAROL」組曲も、外人がいっぱい登場して記憶があいまいになっていたため、
前回のレポは少々誤っていました
たとえば以前、「A Day In The Girl's Life」のイントロでウツのボーカルが流れると書きましたが、
これは女性二人+男性二人のコーラスが登場してやっていました(まあ口パクですが)
続く「CAROL (Carol's ThemeⅠ)」では、
木根さんがキャロルの存在に気づいて驚いたり微笑んだりと、結構演技をしています
それと前回のレポに8414+さんがコメント欄でご指摘くださったんですが、
「一途な恋」ではウツが歌っていないところを木根さんが歌っていますね
ただ、やはり木根さんの独唱のようには聞こえず、
CDのウツボーカルにかぶせている可能性が高いように思います
今回のライブについては、「Keyboard Magazine」2013年秋号にも小室さんのインタビューが掲載されました
これによれば、今回のライブではやはりウツを休ませるため、
「苦肉の策」という部分もあったといいます
20分のオープニングと外人「CAROL」の部分でしょうね
がんばりすぎて途中で倒れるよりは、最後までみんなに楽しんでもらいたかった、とのことです
ただ今回の映像を見て思ったのですが、
「Ignitionn, Sequence, Start」の終わりでウツのサンプリングボイスを流したところ、
ここで本人が登場して歌うというのもありだったんじゃないかな?とも思います
まあ、本当に少しでも出番を減らすという方針だったんでしょうけどね
今回の小室さん、全演出を担当したので、常にそのチェックも行なっており、
感覚としてはPA卓にいるような気分だったそうです
特にウツがステージにいる間はずっと注意を払っていたのだとか
今回のライブ、本当はテーマを「HELLO」にしたかったそうです
これは「(IP type-04が?)地球に来て初めて覚えた言葉」だそうです
今年のライブでは使えなかったけど、
来年のライブは「HELLO」で始まるものにするつもりのようです
小室さん、来年のライブでは「Electric Prophet」を演奏するとラジオで言っていましたが、
あるいは「時を越えてHello Again」の歌詞がここで生きてくるのかも…
まあ、きっと別のことを思いついて、また全然別のタイトルになるんだと思いますが
また小室さんは「HELLO」を最初に覚えたという設定に触れた際に、
「”E.T.”じゃないですけど」と言っており、「E.T.(地球外生命体)」を意識しているようです
これ、当初キーワードとしていた「TMETWORK」とも絡むのかもしれません
以前ichoさんがコメント欄で同様の見解を出していました
今回のライブで特筆すべきはなんと言ってもソフトシンセの導入ですが、
すでに3月くらいから試していたようです
ただ一台のパソコンに何台もシンセを入れていたところ、
リハでパソコンがフリーズしてしまい、
急遽パソコンを一台追加購入して一台にかかる負担を軽減させるなど、
今回のライブシステムはそれなりに手探りでやっていたようです
今後はソロアルバムを一枚出してEDMは締めるとのことです
小室さんの読みでは、EDMのピークは来年くらいで、
EDMのような「”データ”のエンターテインメント」の先には生音の音楽が待っていると読んでいるようです
となると、2014年のTMの音はまた変わってくるんでしょうか?
なおTM30周年について、「2公演だけってことはないと思う」と言っており、
どうやら大規模な会場での2公演以外にもライブはあるようです
これはやはり全国ツアー+大規模ライブということで考えてよいのでしょうか!?
これは楽しみです
ただ「海外ツアーに行ってもいいかな」とか行っていて、また海外とか言い出しています
うーん、それはどうかなあ…
ライブでは9/7・8にウツ・木根・浅倉さんで「EXPOフォークパビリオン」が開催されました
結局FC限定になったようです
今回は1970年代の楽曲中心で、今までよりもさらに渋い選曲になったようです
TM曲はアンコールで「Another Meeting」でした
なおウツは「START investigation」の衣装の白いブーツを履いてきたそうです
この後、ウツは「U_WAVE Tour 2013 フォースアタック」(ツアータイトル決まりました)が、
木根さんは「Talk&Live "RESET" Tour」が待っております
すでにチケットは一般発売中です
magneticaのサイトではU_WAVEツアーチケット一般発売の9/21、
「EXPOフォークパビリオン」の後に撮影したウツと野村義男さんのメッセージが動画で公開されました
ちょっとだけ「EXPOフォークパビリオン」の雰囲気が分かりますね
U_WAVEで新曲も作っているとのことです
(STAFF DIARYによれば「AI」という曲名)
また去年のウツソロツアー会場で限定販売されたシングル「One of A Kind」は、
9/10からiTunesで配信が始まりました
SONY時代の旧譜についても、
9/11ウツ・木根ソロアルバムの一部がBlu-Spec2で再発されましたが、
どうやら同じ時に、小室さん・TM関係で、
浅倉大介・葛城哲哉・篠原涼子・Ring・鈴木あみ・Kiss Destinationのアルバム(の一部)もBlu-Spec2化されたようです
うーん、でもそこらへん出すんなら、
「Seven Days War」「Mademoiselle Mozart」「tk-trap」とかを出してくれた方が…
いや、それ以前に「Rhythm Red」「EXPO」を…
(自分は買わないけど)
小室さんは10/8フジテレビ系列の「ハモネプスターリーグ」に出演し、
坂本美雨・島谷ひとみ・篠原ともえ・DEEPとチームを組むそうです
小室さんも歌ったら面白いですが、演奏でしょうね
バラエティではありますが音楽関係ですし、
少し前の細木数子の番組とか暴露番組とかと比べればはるかに印象も良いと思います
一ヶ月ぶりの更新で前振りがとても長くなりましたが、
やっと本題に入ります(前振りと本題の長さがあまり変わらない…)
第六部に入って初めてのTM話です
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1996/12/12、TMNの2枚組シングル集「Time Capsule all the singles」がリリースされた
当時は小室・ウツ・木根の3人の接近の過程中だっただけに、
旧TMNファンにも期待を持たせるリリースだった
実際にこのタイミングでリリースされたのは、
ファンの期待を煽る意味もあったに違いない
またTKブームの洗礼は受けていてもTMNはよく分からない世代にとって、
本作はTMN入門編としての意味も持った
30代前半くらいなら、「Time Capsule」でTMNを知ったという人も多いだろう
本作はプラスチック製のケースの中にに2つのケースが入る入れ子構造で、
中の一枚目は白、二枚目は黒のジャケットである
二枚とも中央には頭が3つある人体をデザイン化したマークがある
これはTMNの3人を表現したものだろう

中のCD
ライナーは各シングルのジャケットと歌詞が記されるだけのシンプルなもので、
特に新しい写真などはない
ただ付属のブックレットには過去の写真が収録されている
写真の年代は1994年から1984年へとさかのぼる形で収録されている
外のケースのデザインは、縦横2方向で2分され、
計4つの空間に分割されている
右上と左下は白、左上は黒、右下は灰地に黒点となっており、
中のケースも含めて白黒二色で構成されるデザインである
左上には「TMN TIME CAPSULE」のタイトルが記され、
左下には機械の写真の上に小室・ウツ・木根の名前が記される
右上には頭3つ人体のマークがプリントされていた
また右上には本物の電子時計も付いていた
時計を付けたのは「Time Capsule」というタイトルと絡めたものだろう
ただしこの時計は購入後数年で電池が切れた(ソニータイマー?)
本作はチャートで初動3位、22.7万枚を売り、
最終的には52.8万枚、1997年度年間35位を記録した
CDバブルの真っ最中のリリースという事情も勘案せねばならないが、
アルバムで50万枚を越える売上を達成したのは、
実に1991年「EXPO」以来のことである(そしてこれが最後である)
1997年度TK関連作品群の中でも(オリコンでは1996年12月から翌年11月)、
年間3位のglobe「Faces Places」(320万枚)、
7位の安室奈美恵「Concentration20」(187.9万枚)に次ぐ数字である
本作は「金曜日のライオン」から「Come On Everybody」までがDisc1、
「Just One Victory」から「Nights of the Knife」までがDisc2となっている
シングル集としてはすでに「終了」時にリリースされた「TMN Black」があったが、
これはシングル曲を対象としたベスト版であり、
シングル曲の中から約半分を収録し、曲順もリリース順とはなっていない
これに対して「Time Capsule」は全シングルをリリース順に収録したもので、
しかも2枚組みで3873円という価格だったため、
「TMN Black」よりもお得だった
2年前に「TMN Black」を買ったのは一体何だったのだということにもなるが、
ともかくシングルという媒体を通じて、
TM NETWORK~TMNの歴史を通観できるようになったことは、
それなりに意味のあることだろう
他の濫造ベスト版のみならず、オリジナルアルバムまでしばしば絶版になる中で、
本作は現在でも販売が行なわれている
本作で意味があるのは、「TMN Black」未収シングルがまとめられたことだろう
TMのシングルはアルバム版とはミックスが異なることが多く、
その音源はベスト版に入らない限りシングルでしか聞けなかったので、
本作によって初めてアルバムで聞くことができるようになった音源もある
もっとも2008年以後はシングルリマスター音源集として、
「The Singles 1」「The Singles 2」「Original Singles」が相次いでリリースされ、
「Time Capsule」の存在意義は薄れてしまったが、
これらの間では内容に少しずつ出入りがあり、
「Time Capsule」の価値もまったく失われたわけではない
本作収録曲で特に歓迎されたと思われるのは、
人気作にも関わらず「TMN Black」未収だった「Beyond The Time」「Seven Days War」である
「Seven Days War」はサウンドトラック「Seven Days War」にも入っているが、
TM名義のアルバムにシングルバージョンを収めるのは初めてである
「Beyond The Time」は、さらにややこしい事情があり、
それが「Time Capsule」の価値を高めている
「Beyond The Time」のシングルは、
レコード版とCD版で収録時間が異なっており、
レコード版はフェードアウトで終わるが、CD版は最後まで収録されている
当然価値が高いのはCD版で、「Time Capsule」もCD版を収録している
しかし後にリリースされた「The Singles 1」「Orinigal Singles」は、
いずれもレコード版を用いている
音源の違いを理解しているスタッフがいないためでないならば、
本作のみCDシングルがまだ販売されていることが考慮されているのだろう
(CDシングルの商品価値を下げないための措置である可能性)
つまり「Beyond The Time」のCDシングル版を聞くことができるアルバムは、
現状では「Time Capsule」のみである
他のアルバム初収録音源としては、
「アクシデント」「All-Right All-Night」「Just One Victory」
の3曲もあり、それなりに意味があるだろう
「Dragon The Festival」「Your Song」「Come on Let’s Dance」は、
すでに「Gift for Fanks」にシングル版が収められていた
「Girl」「Resistance」「Get Wild '89」「Kiss You (Kiss Japan)」「Come On Everybody (with Nile Rodgers)」
はシングル・アルバムでアレンジが同じである
問題なのは「Rhythm Red Beat Black version 2.0」で、
オリジナルよりも時間が1分以上短くなっている
オリジナルが10分近い長さだったため、
曲数を入れるためにアウトロを一部カットしたものらしい
この曲は「TMN Black」には収められていなかったものの、
「TMN Red」には収録されたので、それほど大きな問題はないのだが、
シングルは「Time Capsule」で聞く方も多いと思うので、注意されたい
なお「Original Singles」では、なぜかこの曲は収録もされていない
そのためシングル集で完全版を聞くことができるのは、
「The Singles 2」のみとなっている
以上、本作収録のシングルに関して触れてきたが、
実は本作でもっとも重要なのはこれではない
Disc2の最後に収録されるボーナストラックこそが重要なのである
これはTMN名義ではなく、
小室哲哉・宇都宮隆・木根尚登という名義ではあるが、
TMNの新曲に限りなく近い作品であることは間違いなく、
事実上はTMNの新曲と言ってしまっても良い
この曲について触れる前に、もう一つ触れねばならないトピックがある
Play Station用ゲームソフト「gaball screen」である
本作は小室哲哉トータルプロデュースとして、12/6にリリースされた
ゲームの内容は、行方不明になった音の断片を探し当てるというストーリーで、
音源をそろえるとその曲のPVを見ることができた
楽曲もすべてTKプロデュースである(ただし作曲は半分以上久保こーじ)
「gaball screen」は、TM NETWORKファンには言うまでもないが、
「CAROL」のストーリーに登場するTMをモデルにしたユニットの名前である
ゲーム内ででユニットgaball screenが登場するわけではないが、
TMを連想させるキーワードを盛り込んだことからは、
小室が世間のTMNの記憶を蘇らせようとしていた意図を見て取ることができる
ただしゲーム自体はクソゲーの定評があり、
この点、TMの黒歴史「Live in Powerbowl」を再現してしまったといえよう
ゲーム内で集める曲は全部で以下の7曲だった
後ろに作曲者名をつけておく
作詞は全部前田たかひろである
仲間由紀恵「Shubi-Duba, Dubi-Duba」(久保)
No! Galers「夢の続き」(久保)
知念里奈「Cry-Max」(久保)
岩下千絵「…I’m not in love」(小室・久保)
B☆KOOL「Do I, Do It」(小室・久保)
篠原涼子「waiting for…」(久保)
宇都宮隆「discovery」(小室)
最後の「discovery」は、「gaball screen」リリース直前の11/25、
ウツ初のTKプロデュースシングルとしてリリースされたものである
「discovery」「gaball screen」が連動企画だったことは、すでに述べた
なおゲーム中の「discovery」PVはウツ一人で歌ったり寝たりしたりするもので、
テレビなどで流れた女性と絡むPVとは異なるものである
「gaball screen」収録楽曲一覧を見て、
一番知名度が高いのがウツの曲であると思うのは、
おそらくファンの欲目ではないだろう
他は歌手や曲の魅力も概して薄い
(アイドル時代の仲間由紀恵はある意味で貴重だが)
篠原も貴重かもしれないが、作曲は久保で、しかも大した曲ではない
(なお篠原の「waiting for…」は現在までCD化されていない)
ゲームをリリースしたのがSONY系のアンティノスレコードだったので、
avexやorumokのミュージシャンを使うことができなかったこともあるのだろうが、
それにしてもあまりにもしょぼい布陣である
さて、このゲームでは全曲を集めると、ボーナストラックのPVも見ることができた
それが小室哲哉・宇都宮隆・木根尚登の「Detour」であり、
「Time Capsule」のボーナストラックにもなった曲である
これも他の「gaball screen」楽曲と同様、前田たかひろが作詞しているが、
本曲をTM関係楽曲として認めれば、前田がTMに関わった唯一の例となる
前田はスタジオに呼び出されて小室から作詞を依頼され、
その時に用意されていた部屋で歌詞を書いたとのことである
曲はシンセ色が強いバラードで、ウツの歌を強調した作りになっている
3分半程度の短いあっさりとした曲である
3人のコーラスワークが聞けるのは、
当時のファンにとって嬉しいポイントだっただろう
PVでは、まず3人が、パソコンが置かれた机に座る
そのパソコンの中には4体の謎の妖精?やら武人?やらがいるのだが、
小室がキーを打つと、その4体が召還され、
半透明の幻想的な姿で3人の周りにまとわり続ける
シーンが変わり、
ウツが歌入れ、木根がギター、小室がシンセを演奏している
小室の笑顔が印象的である
その後、3人が夜に車でどこかへ向かうシーンに移る
おそらくレコーディングを終えてスタジオから帰るところである
そして3人は車から降りると、どこかへ行ってしまう
最後には「off to our endless adventure」のメッセージが出るが、
「僕らの果てしない冒険へと旅立つ」とでも訳せば良いだろうか
なおこれは「gaball screen」全般について言えるのだが、
PVは楽曲をフルコーラス収録していない
そのため完全版の「Detour」を聞くためには、
いずれにしろ「Time Capsule」を買わなければいけなかった
この曲のコンセプトは何だろうか
作詞は前田だが、小室からおおまかな方針は告げられていたものと考え、
1番の歌詞を見てみることにしたい
まず冒頭は「とおくなったね君はもうとおすぎて」と始まるが、
これは元TMNの3人から、
「終了」以後遠ざかってしまったファンへ向けた言葉である
メンバーから「君」=ファンに語りかけるTMN常套の語法である
ファンから遠ざかっていたTMNは、この曲で帰ってきたのである
しかし次の歌詞に見えるように、3人にはファンの姿が見つからない
そこで3人はファンとの再会を先送りして行ってしまう
PVの最後のシーンは、それを意味しているのだろう
だがそれは今までの過程とともに、あくまでも遠回り(Detour)であり、
最終的にはファンと再会するつもりであることが暗示されている
以上の詞を見る限り、
3人はファンとの再会の準備は出来ている
だがファンの姿が見えないから再会できなかった
この場合の再会とは、もちろんTMN再結成を意味するはずである
ファンの姿が見えない現状とは、ファンの声が3人に届いていないということである
つまり3人はここでファンに対してこう言っているのである
「再結成を願う声を聞かせて欲しい、そうすれば再結成の準備はある」と
1996年に接近し始めた3人は、ここでファンに再結成の準備を告げる
あとはファンから再結成を望む声が高まるのを待つのみである
だが「もう行くよこのまま 君を待たないで」とある通り、
3人はこの後TMNをにおわす活動をしばらく断つ
3人での共同作業はなお続くのだが、
1996年が機運を高める種を蒔く時期だったとすれば、
1997年はいわば時機を待つ期間とされていたのだろう
このDetour(遠回り)は、果たして戦略としては正解だったのだろうか
1999年の再結成はいささか時機を逸していた感もあったが、
これは結果論だったとも言え、正当な評価は今もなお難しい
ともかく事実のみ見れば、彼らは拙速に再結成するのではなく、
それを求めるファンの声を待ち、ファンに迎えられる形で再結成しようとした
ここで重視すべきは、彼らの再結成への意志が明らかにされたことであろう
「終了」してしまったTMNは、
ここに再結成を待つユニットになったのである
なお「Detour」は発表の経緯もあって、
再結成後のTMのライブでも演奏されたことがない
だが2011年、ウツの過去の活動の集大成的な意味を持った「Tour Timesmile」で、
日替わり曲としてこれが演奏され、ライブDVDにも収録された
このライブでもっともレアな選曲だったはずである
仕事の関係で長らく更新できていませんでした
9/21、木根さんはHot Legsのイベントを開き、
小室さんは「ザンジバルナイト」に出演しました
Hot Legsイベントはどうだったのかよく分からないのですが、
Hot Legsはこれを以って活動休止のようです
「ザンジバルナイト」についても詳細は不明なのですが、
11/6の20:00~22:00にNOTTVで一部放送されるそうです
(私は見られませんが)
「流れゆくままDDブログ」のレポによれば、
「Love again」「EZ Do Dance」「survival dAnce」「Wow War Tonight」「You're My Sunshine」「Over The Rainbow」「Get Wild」をやったようです
「SUMMERSONIC」とほとんど同じ曲目ですね
「SUMMERSONIC」でやった曲では、
「Watch The Music」「Boy Meets Girl」「Self Control」が入っていませんが、
レポで落ちている可能性もあるのでよく分かりません
その他、やるといっていた「The Generation」は結局やらなかったんでしょうか
なお「SUMMERSONIC」の音源は「DEBF EDM 2013 Summer」として、
9/25にiTunesで配信されました
さっそく日が変わるとともにDLしましたが…
おお、これはいいですね! かっこいい!
でもこれ、ライブ音源そのものじゃなくて、ライブで使ったトラックを使ったスタジオアルバムですね
「SUMMERSONIC」で入った即興の音とかボーカルが入っていない部分があります
また本作収録の「Mission Part 1」は、
そもそも「SUMMERSONIC」では演奏していませんでした
これは「START investigation」のオープニングで、
「Children of the New Century」と「Ignition, Sequence, Start」の間に演奏された短いインスト曲です
(一部の方が「クリストファー」と言っていた部分)
「Mission Part 1」というのは「FINAL MISSION -START investigation」のオリジナル曲1曲目ということでしょうね
ならば「Here, There & Everywhere」の後の寸劇で演奏された小室さんソロは「Mission Part 2」なのかもしれません
さて、9/21には上記のHot Legsイベントと「ザンジバルナイト」の後、
WOWOWで待望の「START investigation」のライブ映像が放映されました
映像は初日7/20の公演でした
放映時間は1時間半なので数曲カットされ、
曲としては「Mission Part 1」から始まりました
カットの餌食になったのは以下でした
「Children of the New Century」「Here, There & Everywhere」「In The Forest」「CAROL (Carol's ThemeⅡ)」「Dawn Valley」
「Here, There & Everywhere」は知名度から言ってカットの対象にならざるを得なかったのでしょうが、
他はこれなら仕方ないかなと思う曲でした
その点では割とストレスのたまらない選曲だったと思います
ただ外人版「CAROL」組曲を後半カットというのは、
ファンの多くは不満は感じないでしょうが、
ストーリー的に意味不明になってしまった感じですね
「Children of the New Century」「Dawn Valley」も含めて、
ストーリーに関わる部分はかなり削られているので、
ここらへんも含めて確認したい人はそのうち出るDVD/BDを買えということなんでしょう
番組冒頭では、ライブ会場のスクリーンで、覚える間もなく流れていった設定の説明文が全部確認できました
以下に引用しましょう
諸種のレポや設定資料では1950年前後の時代設定となっていましたが、
スクリーンに示された設定によれば、ぴったり1950年なんですね
TM NETWORKが宇宙の果ての惑星から
地球を訪れたのは1984年だった。
その目的は、潜伏者となり
地球のさまざまな文化や
さまざまな営みを調査し
メインブレインへ報告するためである。
その任期は30年。
2012年 東京。
3人の新たな潜伏者が送り込まれた。
彼らは、正式に任務を引き継ぐまでの3年間
さまざまな時代やさまざまな場所で
訓練を繰り返している。
一方、残り任期が1年となった
TM NETWORKは…
あれから1年。
潜入者である彼らは
姿を消していたが…
一九五〇年 アメリカ
斜陽の田舎町
いくつか気になった点を挙げれば、
まずテレビで冷静に見ると、やはりウツはやつれたなあ…という感じでしょうか
でも声には力はないけれど、音程などはまったく問題なく、
ここらへんは大したものだと思いました
以前のライブレポにいくつか付け加えると、
IP-type04(新潜伏者3人)は、去年の「incubation Period」冒頭でTM NETWORK3人を発見する草原の3人と似ているように見えます
少なくとも女性は同一人物で、白人男性もおそらく同じでしょう
でも黒人男性は違う人っぽいなあ…
女性は去年のBDのライナーによれば紀元由有(きもと ゆう)という振り付け師です
ここ、たまたま同じ人を使ったのかどうか判断が難しいですが、
もしもストーリーがつながっているのならば、「incubation Period」冒頭の3人は、
宇宙から送り込まれたばかりのIP type-04ということになり、
そこに現れたTM NETWORKは彼らを見守りに来たということになります
もちろん全然つながっていない可能性もありますが…
「CAROL」組曲の後は、葛城哲哉さんのギターと木根さんのハーモニカの掛け合いがありました
ただWOWOWの映像を見ると、これ2人だけじゃなくて小室さんのシンセも加わっていますね
あとあまり気づいていませんでしたが、「Ignition, Sequence, Start」のインスト、
途中で歌メロの部分を小室さんが手弾きしていました
「CAROL」組曲も、外人がいっぱい登場して記憶があいまいになっていたため、
前回のレポは少々誤っていました
たとえば以前、「A Day In The Girl's Life」のイントロでウツのボーカルが流れると書きましたが、
これは女性二人+男性二人のコーラスが登場してやっていました(まあ口パクですが)
続く「CAROL (Carol's ThemeⅠ)」では、
木根さんがキャロルの存在に気づいて驚いたり微笑んだりと、結構演技をしています
それと前回のレポに8414+さんがコメント欄でご指摘くださったんですが、
「一途な恋」ではウツが歌っていないところを木根さんが歌っていますね
ただ、やはり木根さんの独唱のようには聞こえず、
CDのウツボーカルにかぶせている可能性が高いように思います
今回のライブについては、「Keyboard Magazine」2013年秋号にも小室さんのインタビューが掲載されました
これによれば、今回のライブではやはりウツを休ませるため、
「苦肉の策」という部分もあったといいます
20分のオープニングと外人「CAROL」の部分でしょうね
がんばりすぎて途中で倒れるよりは、最後までみんなに楽しんでもらいたかった、とのことです
ただ今回の映像を見て思ったのですが、
「Ignitionn, Sequence, Start」の終わりでウツのサンプリングボイスを流したところ、
ここで本人が登場して歌うというのもありだったんじゃないかな?とも思います
まあ、本当に少しでも出番を減らすという方針だったんでしょうけどね
今回の小室さん、全演出を担当したので、常にそのチェックも行なっており、
感覚としてはPA卓にいるような気分だったそうです
特にウツがステージにいる間はずっと注意を払っていたのだとか
今回のライブ、本当はテーマを「HELLO」にしたかったそうです
これは「(IP type-04が?)地球に来て初めて覚えた言葉」だそうです
今年のライブでは使えなかったけど、
来年のライブは「HELLO」で始まるものにするつもりのようです
小室さん、来年のライブでは「Electric Prophet」を演奏するとラジオで言っていましたが、
あるいは「時を越えてHello Again」の歌詞がここで生きてくるのかも…
まあ、きっと別のことを思いついて、また全然別のタイトルになるんだと思いますが
また小室さんは「HELLO」を最初に覚えたという設定に触れた際に、
「”E.T.”じゃないですけど」と言っており、「E.T.(地球外生命体)」を意識しているようです
これ、当初キーワードとしていた「TMETWORK」とも絡むのかもしれません
以前ichoさんがコメント欄で同様の見解を出していました
今回のライブで特筆すべきはなんと言ってもソフトシンセの導入ですが、
すでに3月くらいから試していたようです
ただ一台のパソコンに何台もシンセを入れていたところ、
リハでパソコンがフリーズしてしまい、
急遽パソコンを一台追加購入して一台にかかる負担を軽減させるなど、
今回のライブシステムはそれなりに手探りでやっていたようです
今後はソロアルバムを一枚出してEDMは締めるとのことです
小室さんの読みでは、EDMのピークは来年くらいで、
EDMのような「”データ”のエンターテインメント」の先には生音の音楽が待っていると読んでいるようです
となると、2014年のTMの音はまた変わってくるんでしょうか?
なおTM30周年について、「2公演だけってことはないと思う」と言っており、
どうやら大規模な会場での2公演以外にもライブはあるようです
これはやはり全国ツアー+大規模ライブということで考えてよいのでしょうか!?
これは楽しみです
ただ「海外ツアーに行ってもいいかな」とか行っていて、また海外とか言い出しています
うーん、それはどうかなあ…
ライブでは9/7・8にウツ・木根・浅倉さんで「EXPOフォークパビリオン」が開催されました
結局FC限定になったようです
今回は1970年代の楽曲中心で、今までよりもさらに渋い選曲になったようです
TM曲はアンコールで「Another Meeting」でした
なおウツは「START investigation」の衣装の白いブーツを履いてきたそうです
この後、ウツは「U_WAVE Tour 2013 フォースアタック」(ツアータイトル決まりました)が、
木根さんは「Talk&Live "RESET" Tour」が待っております
すでにチケットは一般発売中です
magneticaのサイトではU_WAVEツアーチケット一般発売の9/21、
「EXPOフォークパビリオン」の後に撮影したウツと野村義男さんのメッセージが動画で公開されました
ちょっとだけ「EXPOフォークパビリオン」の雰囲気が分かりますね
U_WAVEで新曲も作っているとのことです
(STAFF DIARYによれば「AI」という曲名)
また去年のウツソロツアー会場で限定販売されたシングル「One of A Kind」は、
9/10からiTunesで配信が始まりました
SONY時代の旧譜についても、
9/11ウツ・木根ソロアルバムの一部がBlu-Spec2で再発されましたが、
どうやら同じ時に、小室さん・TM関係で、
浅倉大介・葛城哲哉・篠原涼子・Ring・鈴木あみ・Kiss Destinationのアルバム(の一部)もBlu-Spec2化されたようです
うーん、でもそこらへん出すんなら、
「Seven Days War」「Mademoiselle Mozart」「tk-trap」とかを出してくれた方が…
いや、それ以前に「Rhythm Red」「EXPO」を…
(自分は買わないけど)
小室さんは10/8フジテレビ系列の「ハモネプスターリーグ」に出演し、
坂本美雨・島谷ひとみ・篠原ともえ・DEEPとチームを組むそうです
小室さんも歌ったら面白いですが、演奏でしょうね
バラエティではありますが音楽関係ですし、
少し前の細木数子の番組とか暴露番組とかと比べればはるかに印象も良いと思います
一ヶ月ぶりの更新で前振りがとても長くなりましたが、
やっと本題に入ります(前振りと本題の長さがあまり変わらない…)
第六部に入って初めてのTM話です
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1996/12/12、TMNの2枚組シングル集「Time Capsule all the singles」がリリースされた
当時は小室・ウツ・木根の3人の接近の過程中だっただけに、
旧TMNファンにも期待を持たせるリリースだった
実際にこのタイミングでリリースされたのは、
ファンの期待を煽る意味もあったに違いない
またTKブームの洗礼は受けていてもTMNはよく分からない世代にとって、
本作はTMN入門編としての意味も持った
30代前半くらいなら、「Time Capsule」でTMNを知ったという人も多いだろう
本作はプラスチック製のケースの中にに2つのケースが入る入れ子構造で、
中の一枚目は白、二枚目は黒のジャケットである
二枚とも中央には頭が3つある人体をデザイン化したマークがある
これはTMNの3人を表現したものだろう

中のCD
ライナーは各シングルのジャケットと歌詞が記されるだけのシンプルなもので、
特に新しい写真などはない
ただ付属のブックレットには過去の写真が収録されている
写真の年代は1994年から1984年へとさかのぼる形で収録されている
外のケースのデザインは、縦横2方向で2分され、
計4つの空間に分割されている
右上と左下は白、左上は黒、右下は灰地に黒点となっており、
中のケースも含めて白黒二色で構成されるデザインである
左上には「TMN TIME CAPSULE」のタイトルが記され、
左下には機械の写真の上に小室・ウツ・木根の名前が記される
右上には頭3つ人体のマークがプリントされていた
また右上には本物の電子時計も付いていた
時計を付けたのは「Time Capsule」というタイトルと絡めたものだろう
ただしこの時計は購入後数年で電池が切れた(ソニータイマー?)
本作はチャートで初動3位、22.7万枚を売り、
最終的には52.8万枚、1997年度年間35位を記録した
CDバブルの真っ最中のリリースという事情も勘案せねばならないが、
アルバムで50万枚を越える売上を達成したのは、
実に1991年「EXPO」以来のことである(そしてこれが最後である)
1997年度TK関連作品群の中でも(オリコンでは1996年12月から翌年11月)、
年間3位のglobe「Faces Places」(320万枚)、
7位の安室奈美恵「Concentration20」(187.9万枚)に次ぐ数字である
本作は「金曜日のライオン」から「Come On Everybody」までがDisc1、
「Just One Victory」から「Nights of the Knife」までがDisc2となっている
シングル集としてはすでに「終了」時にリリースされた「TMN Black」があったが、
これはシングル曲を対象としたベスト版であり、
シングル曲の中から約半分を収録し、曲順もリリース順とはなっていない
これに対して「Time Capsule」は全シングルをリリース順に収録したもので、
しかも2枚組みで3873円という価格だったため、
「TMN Black」よりもお得だった
2年前に「TMN Black」を買ったのは一体何だったのだということにもなるが、
ともかくシングルという媒体を通じて、
TM NETWORK~TMNの歴史を通観できるようになったことは、
それなりに意味のあることだろう
他の濫造ベスト版のみならず、オリジナルアルバムまでしばしば絶版になる中で、
本作は現在でも販売が行なわれている
本作で意味があるのは、「TMN Black」未収シングルがまとめられたことだろう
TMのシングルはアルバム版とはミックスが異なることが多く、
その音源はベスト版に入らない限りシングルでしか聞けなかったので、
本作によって初めてアルバムで聞くことができるようになった音源もある
もっとも2008年以後はシングルリマスター音源集として、
「The Singles 1」「The Singles 2」「Original Singles」が相次いでリリースされ、
「Time Capsule」の存在意義は薄れてしまったが、
これらの間では内容に少しずつ出入りがあり、
「Time Capsule」の価値もまったく失われたわけではない
本作収録曲で特に歓迎されたと思われるのは、
人気作にも関わらず「TMN Black」未収だった「Beyond The Time」「Seven Days War」である
「Seven Days War」はサウンドトラック「Seven Days War」にも入っているが、
TM名義のアルバムにシングルバージョンを収めるのは初めてである
「Beyond The Time」は、さらにややこしい事情があり、
それが「Time Capsule」の価値を高めている
「Beyond The Time」のシングルは、
レコード版とCD版で収録時間が異なっており、
レコード版はフェードアウトで終わるが、CD版は最後まで収録されている
当然価値が高いのはCD版で、「Time Capsule」もCD版を収録している
しかし後にリリースされた「The Singles 1」「Orinigal Singles」は、
いずれもレコード版を用いている
音源の違いを理解しているスタッフがいないためでないならば、
本作のみCDシングルがまだ販売されていることが考慮されているのだろう
(CDシングルの商品価値を下げないための措置である可能性)
つまり「Beyond The Time」のCDシングル版を聞くことができるアルバムは、
現状では「Time Capsule」のみである
他のアルバム初収録音源としては、
「アクシデント」「All-Right All-Night」「Just One Victory」
の3曲もあり、それなりに意味があるだろう
「Dragon The Festival」「Your Song」「Come on Let’s Dance」は、
すでに「Gift for Fanks」にシングル版が収められていた
「Girl」「Resistance」「Get Wild '89」「Kiss You (Kiss Japan)」「Come On Everybody (with Nile Rodgers)」
はシングル・アルバムでアレンジが同じである
問題なのは「Rhythm Red Beat Black version 2.0」で、
オリジナルよりも時間が1分以上短くなっている
オリジナルが10分近い長さだったため、
曲数を入れるためにアウトロを一部カットしたものらしい
この曲は「TMN Black」には収められていなかったものの、
「TMN Red」には収録されたので、それほど大きな問題はないのだが、
シングルは「Time Capsule」で聞く方も多いと思うので、注意されたい
なお「Original Singles」では、なぜかこの曲は収録もされていない
そのためシングル集で完全版を聞くことができるのは、
「The Singles 2」のみとなっている
以上、本作収録のシングルに関して触れてきたが、
実は本作でもっとも重要なのはこれではない
Disc2の最後に収録されるボーナストラックこそが重要なのである
これはTMN名義ではなく、
小室哲哉・宇都宮隆・木根尚登という名義ではあるが、
TMNの新曲に限りなく近い作品であることは間違いなく、
事実上はTMNの新曲と言ってしまっても良い
この曲について触れる前に、もう一つ触れねばならないトピックがある
Play Station用ゲームソフト「gaball screen」である
本作は小室哲哉トータルプロデュースとして、12/6にリリースされた
ゲームの内容は、行方不明になった音の断片を探し当てるというストーリーで、
音源をそろえるとその曲のPVを見ることができた
楽曲もすべてTKプロデュースである(ただし作曲は半分以上久保こーじ)
「gaball screen」は、TM NETWORKファンには言うまでもないが、
「CAROL」のストーリーに登場するTMをモデルにしたユニットの名前である
ゲーム内ででユニットgaball screenが登場するわけではないが、
TMを連想させるキーワードを盛り込んだことからは、
小室が世間のTMNの記憶を蘇らせようとしていた意図を見て取ることができる
ただしゲーム自体はクソゲーの定評があり、
この点、TMの黒歴史「Live in Powerbowl」を再現してしまったといえよう
ゲーム内で集める曲は全部で以下の7曲だった
後ろに作曲者名をつけておく
作詞は全部前田たかひろである
仲間由紀恵「Shubi-Duba, Dubi-Duba」(久保)
No! Galers「夢の続き」(久保)
知念里奈「Cry-Max」(久保)
岩下千絵「…I’m not in love」(小室・久保)
B☆KOOL「Do I, Do It」(小室・久保)
篠原涼子「waiting for…」(久保)
宇都宮隆「discovery」(小室)
最後の「discovery」は、「gaball screen」リリース直前の11/25、
ウツ初のTKプロデュースシングルとしてリリースされたものである
「discovery」「gaball screen」が連動企画だったことは、すでに述べた
なおゲーム中の「discovery」PVはウツ一人で歌ったり寝たりしたりするもので、
テレビなどで流れた女性と絡むPVとは異なるものである
「gaball screen」収録楽曲一覧を見て、
一番知名度が高いのがウツの曲であると思うのは、
おそらくファンの欲目ではないだろう
他は歌手や曲の魅力も概して薄い
(アイドル時代の仲間由紀恵はある意味で貴重だが)
篠原も貴重かもしれないが、作曲は久保で、しかも大した曲ではない
(なお篠原の「waiting for…」は現在までCD化されていない)
ゲームをリリースしたのがSONY系のアンティノスレコードだったので、
avexやorumokのミュージシャンを使うことができなかったこともあるのだろうが、
それにしてもあまりにもしょぼい布陣である
さて、このゲームでは全曲を集めると、ボーナストラックのPVも見ることができた
それが小室哲哉・宇都宮隆・木根尚登の「Detour」であり、
「Time Capsule」のボーナストラックにもなった曲である
これも他の「gaball screen」楽曲と同様、前田たかひろが作詞しているが、
本曲をTM関係楽曲として認めれば、前田がTMに関わった唯一の例となる
前田はスタジオに呼び出されて小室から作詞を依頼され、
その時に用意されていた部屋で歌詞を書いたとのことである
曲はシンセ色が強いバラードで、ウツの歌を強調した作りになっている
3分半程度の短いあっさりとした曲である
3人のコーラスワークが聞けるのは、
当時のファンにとって嬉しいポイントだっただろう
PVでは、まず3人が、パソコンが置かれた机に座る
そのパソコンの中には4体の謎の妖精?やら武人?やらがいるのだが、
小室がキーを打つと、その4体が召還され、
半透明の幻想的な姿で3人の周りにまとわり続ける
シーンが変わり、
ウツが歌入れ、木根がギター、小室がシンセを演奏している
小室の笑顔が印象的である
その後、3人が夜に車でどこかへ向かうシーンに移る
おそらくレコーディングを終えてスタジオから帰るところである
そして3人は車から降りると、どこかへ行ってしまう
最後には「off to our endless adventure」のメッセージが出るが、
「僕らの果てしない冒険へと旅立つ」とでも訳せば良いだろうか
なおこれは「gaball screen」全般について言えるのだが、
PVは楽曲をフルコーラス収録していない
そのため完全版の「Detour」を聞くためには、
いずれにしろ「Time Capsule」を買わなければいけなかった
この曲のコンセプトは何だろうか
作詞は前田だが、小室からおおまかな方針は告げられていたものと考え、
1番の歌詞を見てみることにしたい
まず冒頭は「とおくなったね君はもうとおすぎて」と始まるが、
これは元TMNの3人から、
「終了」以後遠ざかってしまったファンへ向けた言葉である
メンバーから「君」=ファンに語りかけるTMN常套の語法である
ファンから遠ざかっていたTMNは、この曲で帰ってきたのである
しかし次の歌詞に見えるように、3人にはファンの姿が見つからない
さぁどこにいるんだろう ふりかえりながら
ずっとさがして来たのに 逢えなかったね
そこで3人はファンとの再会を先送りして行ってしまう
PVの最後のシーンは、それを意味しているのだろう
だがそれは今までの過程とともに、あくまでも遠回り(Detour)であり、
最終的にはファンと再会するつもりであることが暗示されている
もう行くよこのまま 君を待たないで
奇跡は信じないで 偶然がいいね
そういくつも 遠回りを選んだのは
そうさ 君に逢うためかも知れない
以上の詞を見る限り、
3人はファンとの再会の準備は出来ている
だがファンの姿が見えないから再会できなかった
この場合の再会とは、もちろんTMN再結成を意味するはずである
ファンの姿が見えない現状とは、ファンの声が3人に届いていないということである
つまり3人はここでファンに対してこう言っているのである
「再結成を願う声を聞かせて欲しい、そうすれば再結成の準備はある」と
1996年に接近し始めた3人は、ここでファンに再結成の準備を告げる
あとはファンから再結成を望む声が高まるのを待つのみである
だが「もう行くよこのまま 君を待たないで」とある通り、
3人はこの後TMNをにおわす活動をしばらく断つ
3人での共同作業はなお続くのだが、
1996年が機運を高める種を蒔く時期だったとすれば、
1997年はいわば時機を待つ期間とされていたのだろう
このDetour(遠回り)は、果たして戦略としては正解だったのだろうか
1999年の再結成はいささか時機を逸していた感もあったが、
これは結果論だったとも言え、正当な評価は今もなお難しい
ともかく事実のみ見れば、彼らは拙速に再結成するのではなく、
それを求めるファンの声を待ち、ファンに迎えられる形で再結成しようとした
ここで重視すべきは、彼らの再結成への意志が明らかにされたことであろう
「終了」してしまったTMNは、
ここに再結成を待つユニットになったのである
なお「Detour」は発表の経緯もあって、
再結成後のTMのライブでも演奏されたことがない
だが2011年、ウツの過去の活動の集大成的な意味を持った「Tour Timesmile」で、
日替わり曲としてこれが演奏され、ライブDVDにも収録された
このライブでもっともレアな選曲だったはずである
この記事へのコメント
生音を忘れていなかったのは嬉しかったですね。小室先生の編曲ではありませんが、デーモン小暮氏の「A STORY OF THE AGES -神話溶融-」はハードロック故の太さがあります。どんな展開なのか期待が高まります。
仰る通り海外展開は「依頼があったら」でいいのではないのかと思います。また変なしがらみに縛られて自傷行為に繋がるのはもう沢山ですので…。こうみると、いかに中田ヤスタカさん・YOSHIKIが上手く渡り歩いてるかが逆説的にわかります。
「Detour」いいですよね。「Nights of The Knife」「discovery」「If You Wish...」「Green days 2013」みたいに浮遊感に満ちたシンセサイザーサウンドによって構築された優しさ溢れる楽曲だと思います。肩肘張らない、軽やかな手弾きが共通していて好きです。
それでは、失礼致しました。
未だによくわからないコンセプト(ストーリー)ですが(笑)、まあ、いつものことなのかなと。
WOWOWでカットされたオープニングに出てきてホイッスルを吹いていた木根さんとタイムマシン(列車)から出てきた木根さんは同一キャラなのかとか、キャロラインとキャロルの関係とか、いろいろ。BD、DVDが出るときにはブックレットでもつけてほしいものですね。
うちはWOWWOWに加入してなくて見れてません(涙)
詳細ありがとうございます。
私ゴトですが、先日のフォーパビ(2日目)に運よく参加する事ができました。それも席がかなり前でしたので、ウツさんを至近距離で見てきました♪
まだ細いね・・・って感じでしたが、木根さんとのトークにいっぱい笑ってて、元気そうな姿を見て少し安心しました。
フォーパビでも先日の坂本美雨さんのラジオ(←AI流れてましたね)出演の時も、まだお腹痛いと言ってたので、たまアリの時は相当痛かったのだろうと思います。
そう思うと、あの安定した歌声で成し遂げたステージは、やっぱり素晴らしいですね!
早くBD出ないかな・・・。
「ザンジバルナイト」参加しましたよ~(o^ω^o)セトリはサマソニとほぼ同様でした。今回はステージの特性上、リハも観客に見えてしまっていたのですが、「WATCH the MUSIC」を流しながら小室さん自らシンセチェックをされてました。ただ時間が押していたからか、本番では「WATCH~」は外されてしまいましたが(;´Д`)それと「The Generation」はやらず終いでした。
あんなに近くで小室さんのキレッキレのプレイを堪能できたのは幸せでした!! 失礼します。
小室さんの昨日のツイッターでは、母船に入って計画をとあったので次は何をするのか楽しみになってきました。
多分TMの事ですよね?
私も録画で見たので、録画不可とかではないと思いますが…
11/21に再放送をするそうなので、今度は失敗しないことを祈っています
BDのリリースもしくはリリース発表は2014/4/21のライブの発表に合わせる可能性が高く、2012・2013年のライブは開催3ヶ月前に発表されているので、私は1月とにらんでいます
>feさん
DEBF EDMは冒頭のLove again~Watch The Musicもなかなか良かったです
DetourはTMでも影が薄い曲の代表選手ですが、こういう路線の曲は他にないので、その意味でも貴重かもしれません
Nights of the Knife~Another Meeting~Detour~MESSaGEと、「終了」前後のバラードでそれなりのストーリーができていますね
実は私、Gaball Screen、持っているんですけど、やったことありません
なので「クソゲーである」ではなく「クソゲーの定評がある」という表現にしたんですが…変わらない?
まあ、その道ではよく取り上げられるゲームではあるようです
https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%80%80%E3%82%AC%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3&rls=com.microsoft:ja:IE-SearchBox&ie=UTF-8&oe=UTF-8&sourceid=ie7&rlz=1I7AURU_jaJP498&gws_rd=cr&ei=6PBKUvmnKcehigff2ICIAw
もっとも実際のクソゲー偏差値以上に、小室さんの知名度のせいで取り上げられてしまっているというところも大きそうな気もしますが…
>ichoさん
TMETWORKはずっと気になっていて、ET説は頭の片隅にあったんですよ
しかし相変わらず「N」が「Z]になるとかなんとかっていう説明はさっぱり分かりませんが
きっと30周年が終わって、それから数年経って冷静に見直したら、分かるようになるんでしょう
BDには詳しい設定やストーリーを付けてほしいですが、まあそれはないかなあ(笑
フォーパビ行ったんですね!
ウツの歌声を味わうならばお勧めかと思います
ウツってああいうアコースティックなライブで歌うと、歌のうまさがよく分かるんですよね
自分が好きな曲を選んでいるというのもあるんでしょうけども
>シュンさん
ザンジバルナイトの情報、ありがとうございました!
少し時間が短くなったんですね
Watch the MusicもThe Generationもなかったということは、ソロ曲はなしですか…
DEBF3の曲、まともにライブで演奏する機会が一回くらいあればなあと思います
DEBF2はそこそこありましたし
>yousukeさん
母船に入ったというのは、次のTMの打ち合わせでしょうね
そろそろ2014年4月ならもう半年前ですから、30周年ライブの会場を押さえるためにスケジュールは決定しないといけないはずです
できるだけ長く大掛かりな企画になりますように…
11/21より前にBDのリリース情報はでない、ということになっちゃいますね。WOWOW再放送を経て、発表でしょうか。でも、武道館のときもBD版とWOWOW版はカメラワークが全然違っていて、あれはあれで貴重なんですよね。
ついにBlu-rayおよびDVDの情報が出ましたね!
12月11日発売だそうで。
ただ、限定盤特典の
『小室哲哉によるオーディオコメンタリー(ライブ解説)』
って、いざ聞いてみたら
余計ワケわからなくなりました。
となる気が・が・が。
さて忘年会の件、お待たせしました。
逆の意味で奇遇ですね。
僕は実家は関西だけど基本関東在住です(笑)
でも大丈夫。
今年の帰省は年が明けてからにする予定ですので
管理人さんが関東にいらっしゃる間は、ぼくも関東にいます。
ですので年末だろうとなんだろうと、
こちらのみなさんで、ご自由にスケジュールを決めていただけば、
僕はそれに喰らいついて行きますよ!
まずは管理人さんの帰省スケジュールで
ご都合の良い日時を考えてみて下さい。
よろしくお願いします。
てっちゃんの「DEBFEDM」カッコイイですね!しかも先日は「年内にTMEDMを出そうかな」なんてツイってましたのでぜひ実現させてほしいです(フライングは勘弁よ~)。
そして7月ライブのDVD/BD、mu-moには出てますが各メンバーと公式サイトはまだダンマリ・・・てのが少々気になりました。それに3種類で値段が高いのと、なんでI amが入ってない?!と唖然としました。
まーそれでも一番高いBOXを予約してしまった私ですが(苦笑)。
「Detour」は3人とファンとの距離もそうですが、私は聴いた時なんとなくてっちゃん&残りの2人の距離みたいな印象を持ちました。いい曲ですごく好きなのですが、そう思うと何だかちょっと悲しくもなる曲なんです。
↑でポコ太さんが仰っていますが、またFANKS忘年会の企画があるのですか?いいなああああ。
avexの公式ホームページには、まだ出てませんがそのうちでるんでしょうか?
自分もTM EDMは楽しみにしています。
その状態、BDプレイヤーでWOWOWが受信できていないのでは…?
BDプレイヤー経由で見られるか、一度ご確認ください
BDリリースの予想は、全然外れちゃいました! 嬉しい方向に!
>ポコ太さん
そうそう、オーディオコメンタリーが、今回ある意味で一番楽しみでかつ不安なところです(笑
リリースされたら、がんばって解読してみます
忘年会、今回は関東在住組だけが対象ですから、規模はかなり限られそうですが、次の記事くらいからコメント欄でこそこそ賛同者を募ってみましょう
実現したらポコ太さんから旺盛な知識欲を学びたいと思います
>Chebさん
もうBOX予約しましたか!
私も毎度色々と不満は書いていますが、結局大したことない特典のためにmumoで買ってしまうんだろうと思います…
精神的抵抗(自己満足ともいう)のために直前までは予約しませんが
忘年会は二人だけでこっそり話していたもので、まだ実現も分からないんですが… 30周年でも何かやります!
>yousukeさん
皆さん予約しているんですね
告知されないのはなんでなのか良く分からないですが、何かのタイミングを待っているんでしょうかね?
BDリリースの頃に新譜情報とかが出ると嬉しいです
WOWOWは検証材料としても、録画しておきたいので、そのためだけの契約を11月まで延長です(笑)
小室さん、歌ってたんですか??
歌う格好をして指揮をとってるだけかと思いましたwww
ああ、その法則でいえば、つまり編集が終わったら即放送・リリースって感じでやっているのかもしれませんね
WOWOWは資料としても貴重なので、次は失敗せぬよう!
>まっきーさん
小室さん、マイクを持って口を動かしていましたよ
でも声は聞こえなかったから、あるいは編集の際に小室マイクの音声をカットしたのかもしれません
それとも単なる口パクか… やる意味が分かりませんが(笑