6-15 Happiness×3 Loneliness×3

4/22リリースのTMのシングルとアルバムのタイトル、
アルバムは「Dress 2」変更されるようです
シングルは「Loud」決まりのようですね


アルバムタイトルは、リプロダクトというコンセプトから来たものでしょうが、
最近は過去の作品に「2」を付けるのが多いですね
昔のファンが喜ぶという判断かもしれませんが、
いかにも焼き直しっぽく見えるので、
こういうのはたまーにやる程度が良いと思うんですけど…
「Information Discovery Report」のままでも良かったと思います


ただタイトルはともかくとして、内容はかなり期待できるかもです
3人は3/11頃から本格的なレコーディングに入ったようですが、
その内容は22曲入り3枚組みで、ボーカルも新録のようです
amazonなどでの告知は「全10曲」で、おそらく仮予定はそうだったのでしょうが、
メンバーもずいぶんとやる気が出てきた模様です
22曲が2枚で収まらないということは、1曲がかなり長くなりそうです


レコーディングは1stアルバムの曲から順番にやるようで、
3/12には「Rainbow Rainbow」をリミックスしています
これはアルバム「Rainbow Rainbow」の楽曲なのか、
その中のタイトルチューン「Rainbow Rainbow」なのかはっきりしませんが、
いずれにしろかなり嬉しいです!
22曲なら、マイナーなアルバムでも1曲ずつくらいは選んでくれそうですね
急にすごい楽しみになってきました


でもリリース日を考えると、もうそろそろレコーディング締切ですね
曲数を考えるとかなり急なスケジュールですが…
まあきっと、オケは事前にだいたいできていて、
あとはボーカル入れとミックス、トラックダウンという状態なんだと思います


「Loud」については、歌詞は3年前に作ったもので、
東北大震災と関係するようです
作詞は小室さんみたいですね
現状に対して大声で何かを伝えたい、というニュアンスの曲名でしょうか
PVも3/13に撮影が終わったとのこと
公開は3/19の約20日後、つまり4/8前後のようです


3/10には3人の新しい写真が公開されました
おそらくシングルかアルバム(または両方)のジャケットに使われるのでしょう
小室さんも、アルバムのジャケットは3人の写真を使うと言っています
化粧とかフォトショでいろいろごまかしている気もするんですが、
目指す方向性としては間違っていないように思います
なかなか良いのではないでしょうか


「the beginning of the end」の先行予約は、
3/9小室メルマガ、3/17ローソン先行が終わりました
現在は以下のプレイガイドで先行予約受付中です(数字は締切日。3/20増補)
会場ごとに扱っているプレイガイドが違うのでご注意下さい
ただ今後新しい先行発売が発表されるかもしれないので、
申し込む方は一応ご自身でもご確認下さい
なお一般発売は4/5(名古屋・大分は4/6)です

・e+:東京(3/23)・大阪(3/25)
・Disk Garage:東京(3/23)
・CNプレイガイド:大阪(3/25)
・ローソンチケット:府中・名古屋・仙台・東京(すべて3/25)
・チケットぴあ:大阪(3/25)・名古屋(3/26)・東京(3/25)


小室さんについては、4/2の「EDM TOKYO」リリースと4/5の坂本美雨さんとのコラボライブがあります
ライブは私も行ってきますので、次回簡単なレポもできると思います
チケットは再販売があると思ったんですが、どうもないようですね
当日券はあるようなので、お時間と関心がある方はご来場下さい


「EDM TOKYO」は、3/18にタイトルチューン「EDM TOKYO feat. KOJI TAMAKI」PVが公開されました
以前から小室さんが言っていた驚きのコラボとは、玉置浩二さんだったんですね
たしかにこいつは異色コラボです
しかしYOSHIKIといい玉置さんといい、
小室さんはクセの強い人と組みますねえ
曲は小室さんらしい良曲と思います


アルバム収録曲とジャケットも発表されました
5曲リミックス、5曲新曲の全10曲のようです

01.Time Is Now
02.EDM TOKYO 2014 feat. KOJI TAMAKI
03.Passion 2014(Nick Wood)
04.Let You Know My Number
05.Judgement 2014(globe)
06.Just Let Go
07.You're my sunshine 2014(安室奈美恵)
08.Missing 808 feat. MIHO
09.Get Into You Suddenly 2014
10.Jerusalem


「Jerusalem」は、
「Digitalian is eating breakfast 3」のiTunes盤限定で付いていた音源のリミックスでしょうか
当初収録予定だった「DEBF EDM 2013 SUMMER」音源や「Get Wild 2014」はありません
なおmumoでは特典CDが付きます


「EDM TOKYO」のリリースに合わせ、TMツアー後のクラブイベントの計画もあるようです
せっかくのソロアルバムがこのまま埋もれてしまうのも惜しいので、
ツアーに支障を来たさない範囲でがんばってもらいたいです


3/22にはJFN系列の「McDonald's SOUND IN MY LIFE」小室さんが出演します
「EDM TOKYO」はもちろん、たぶんTMの話も…あるかな?
一方1年半続いてきた小室さんのレギュラー番組「Radio Digitalian」は、
3月で終了とのことが、番組内で告知されました
TMに専念したいからとのことです
今まで体調が悪い間も含めてがんばってきましたし、お疲れ様でした
でもできれば4月からはTM3人のラジオレギュラーが始まらないかなあ…


最後に、前回お知らせした「小室哲哉ぴあ TM編」の刊行に当たって、
現在web上でアンケートが行なわれています
アンケートの一部は本に掲載されるそうです
締切は3/31です
30周年の記念ということで、興味のある方はどうぞご記入下さい


では本題に入ります

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TM NETWORKのシングル「Happiness×3 Loneliness×3」は、
1999/12/22にリリースされた
セールスなどについてはまた章を改めて触れることにして、
本章では楽曲を中心に触れることにしたい


本当にどうでもよい記録だが、
本シングルの表題曲はサブタイトル・バージョン名などを入れなければ、
TM史上で発音がもっとも長い曲名である
(カナで「はぴねすはぴねすはぴねすろんりねすろんりねすろんりねす」の27字)
当時メンバーも長すぎるので、「ハピロンと呼んで下さい」と言っていた


実際に「Happiness×3 Loneliness×3」というタイトルは、
長い曲名でインパクトを与えるという狙いもあったものと思う
90年代前半にビーイング系がよく使った手だが、
この頃になるとそうした手法が使われなくなっていたため、
逆に狙い目と判断されたのだろうか


ジャケットでは「Get Wild Decade Run」「10 Years After」に続き、
「tm NETWORK」のロゴが使われている
注目すべきはジャケットのデザインで、
3人の写真だけで構成されているが、
これがTM歴代のジャケットでも上位にくるかっこよさである
なお3人のリアルタイムの写真がCDジャケットに使われるのは、
これ以後2014年まで15年間なくなる


3人のいでたちは黒スーツという80年代TM的な姿だが、
珍しいのは3人ともメガネをかけている点だろう
まさかの小室・ウツの木根化である


小室のサングラスは正直かなり失敗した感が漂い、
西部警察に出てきそうな雰囲気である
あるいは3流映画に出るチンピラにも見えてしまう
一方ウツはサングラスではなく、目が見えるメガネだが、
これは他に例がないだけでなく、かなりイケている
木根はまあ、いつも通りだ


この曲は麻薬・覚せい剤乱用防止キャンペーンのテーマソングである
チャリティソングとして、売り上げは国連に寄付された
この話は厚生省から小室への打診で始まったもので、かなり急に決まったらしい


小室は9/25「夜もヒッパレ」出演後の某日にハワイへ戻り、スタジオに入った
10/4にはオケのデモを日本に送っている
以後TMの3人は11月初めまでレコーディングとイベントの日々となるが、
悲惨だったのは、9/17から11月まで連日の「RENT」公演が年始から決まっていたウツである
つまり「RENT」のど真ん中にTMの話が急遽舞い込んできたのである


当初のスケジュールでは秋の新曲レコーディング計画は無く、
「RENT」終了後にTM本格始動という予定だったと思われる
小室には厚生省の依頼を断ると言う選択肢もあったはずだが、
国家という看板を重視して、無理を押して受諾したものと思われる
(ただし音楽の成功に「国」の後押しがほとんど無意味であることはこの後判明する)
安室やKiss DestinationではなくあえてTMで引き受けたのは、
小室がTMに期待していたことを示すものでもあろう


さて、ウツ・木根は10/4東京のスタジオで、ハワイから届いた音源を聞いた
だがこの時点でオケの中心部分はだいたいできあがっていたが、
まだ曲名も歌詞もなく、メロディもついていなかった
この日は仮歌でも歌入れは無理だと判断され、見送られた
小室は約束の時間までに作業が終わらず、途中段階のものを送ったのかもしれない


「Happiness×3 Loneliness×3」の制作日程は、
もともとかなり無理があったようである
というのも、結果としてこの曲のリリースは年末になったが、
10月初めには11/17の予定とされていたのである
このリリース日に間に合わせるためには、約1ヶ月前には音源が完成している必要がある
後述する通り、10/20にはこの曲の音源が小渕恵三総理に謹呈されるが、
当初はこの音源がそのまま商品化する予定だったのだろう


ところが10/4には歌入れがまったくできなかった
小室は10/6、改めてメロディと歌詞を付けて、音源を日本に送った
この時小室によって、「Happiness×3 Loneliness×3」という仮題も付けられていた
歌詞は小室みつ子だが、かなり緊急に作ったものだろう


ウツは10/7~17大阪シアタードラマシティで「RENT」公演があったため、
10/6には大阪に移動していた
一方木根は10/8~10にソロツアー「talk & live vol.5」新宿シアターアプル公演を控えて東京にいたから、、
この日は3人がすべて別の場所で作業をしていたことになる


この日もっとも苦労したのはウツである
昼に仮詞を受け取ったところ、スペイン語が入っていることに気がついた
これは本作がラテンを意識した楽曲だったためだが、ウツはスペイン語が分からない
一応カタカナで振り仮名が振ってあるが、これだけでは対応できない
そこで「RENT」で共演しスペイン語も使えたLa Pearlに、
夜のレコーディングへの立会いをお願いし、
なんとか必要な歌入れを終えることができた
しかしこれでは満足な歌にはならなかっただろう


それにしても小室は、スペイン語の問題を何も考えていなかったのだろうか
また事前にメンバーに伝えてもいなかったのだろうか
ここらへん、3人の間で意思疎通面での齟齬が垣間見えるように思う


このシングルにはもう一曲収録されることが決まっており、
曲名は後に「80's」となった
本作はTOYOTAのNOAHのCMのタイアップがあり、
そのため本シングルは両A面とされている
「80's」はTM再始動後初の木根曲であり、
「EXPO」収録曲以来8年ぶりの木根作TM曲である
実質的にはカップリングとはいえ、
木根の曲がシングルの表題曲に使われるのはこれが初である


木根はTM用の候補曲を3曲作り、小室に送っていた
小室はその中から1曲を選んでアレンジを加え、
10/6ハワイから日本へ送った
木根はスタジオでこれを受け取り仮ボーカルを入れ、
小室みつ子から詞をもらった上で、
10/12大阪でウツとともにCM用トラックのレコーディングを行なった
この日はちょうど「RENT」公演の中休みだった
大阪公演の前日と中休み両方をレコーディングに取られたウツの多忙さには同情する


ウツの「RENT」大阪公演は10/17を以って終わり、
ようやく10/21東京公演まで3日間の時間が空いたのだが、
スケジュールは極めて切迫していた
ここで「Happiness×3 Loneliness×3」レコーディングに関わる日程を整理してみよう


小室から日本に最初の音源が届いたのは10/4である
ウツは10/7~17に「RENT」大阪公演があり、
10/12の中休み以外は毎日1~2公演を上演した
10/18~20には3日間の空きがあったが、
10/20には官邸訪問と小渕恵三総理へのCD謹呈式が決まっていた
「RENT」東京公演中休み日の10/25には、
イベント「Yes To Life Festival」の開催があり、
これ以前にリハーサルの必要もあった


つまり小室の音源が届いてから歌入れが可能だった日は、
10/4~6、10/12、10/18、10/19の6日間しかなかった
しかもその間に「80's」のレコーディングまで予定されていた
ウツは当初6日で2曲の歌入れを行なうことになっていたことになる


ところが小室の作業の遅れによって、
歌入れが可能になったのは10/6になってからのこととなった
この時点で残りは4日のみであり、しかもその内2日は謹呈式の直前である
事実上この時点で歌入れの時間は2曲2日しかなかったことになる
おそらくこの時点で「80's」の完成は諦め、
CM用のサビだけレコーディングを行なう方針に切り替えたものと思われる


10/18・19は「Yes To Life Festival」のリハーサルに当てられていたが、
「Happiness×3 Loneliness×3」の歌入れは一日行なわれただけで、
まだ仮歌の状態に過ぎなかっただろう
ウツはこの間、ボーカルの撮り直しを行なったが、
一方で小室は日本に帰国もしていなかった
スタジオでの音源制作が終わらなかったのか、あるいは別の仕事も抱えていたのか


小室がロスから東京に着いたのは10/19夜であり、
この時点でも「Happiness×3 Loneliness×3」はレコーディングが終わっていなかった
翌日13時の官邸訪問まで24時間を切っている状態で、である
小室はおそらくほぼ徹夜状態でレコーディングを行ない、
朝10時にトラックダウンを終わらせ、CDのパッケージができたのは12時前のことだった
この音源は満足な状態だったとは考えられない


「10 Years After」レコーディングの時もそうだが、
この頃の小室は組んだスケジュールが間に合わないことが多い
もちろん本シングルのリリースは急遽舞い込んできた話であり、
小室にとってもスケジュールの合間を縫う厳しい日程だっただろう
だがこの時は、小室がもともと無理な日程を組んで自滅した観が強い
あるいはかつてのペースでの作曲が難しくなっていたのかもしれないし、
それにも関わらずTKブーム終焉への焦りから、
仕事を過密に入れていたのかもしれない


さて、TMの3人は10/20、スーツの正装姿で官邸を訪れた
この様子はテレビでも放送された
3人は挨拶の後で完成直後のCDを小渕に手渡した
中身は「Happiness×3 Loneliness×3」間に合わせバージョンの1トラックのみだろう


1時間前にできたCD


この時小渕はニッポン放送の中高生アンケートを読み上げ、
総理大臣になってほしい有名人の1位が小室哲哉であることに触れ、
「今日は一番人気のある総理大臣においでいただいて、ありがとうございます」と述べた
ただし1999年の時点でこの結果が出ることは考えがたく、
おそらく数年前のアンケートだろう
麻薬・覚せい剤の危険性について青少年にアピールできる人材として小室が選ばれたとのことだが、
正直、この頃の小室を選んだ時点で認識が数年遅れている
(小渕が選んだわけではないだろうが)
所詮役人の仕事はこのようなものなのだろうと思わされる


ただ小室は小渕との関係について思い出深いようで、
後に「Cream of J-POP」「Happiness×3 Loneliness×3」のリミックスを、
「DJTK Summit Mix」として収録している
「Summit Mix」というのは、
翌年小渕の依頼で沖縄サミットテーマソングの安室奈美恵「Never End」を作ったことに基づくものだろう
小室にとってこの曲は、過去の栄華の象徴でもあった


その後11/10、木根はマリブの小室邸に赴いた
11/11からは小室みつ子も交えて、
商品用の「Happiness×3 Loneliness×3」「80’s」のレコーディングが行なわれた
11/12にはウツも合流しており、
ここにTM3人+小室みつ子のレコーディング体制が再現された
なお木根は10/31までソロツアー「talk & live vol.5」
ウツは11/7まで「RENT」再演があり、
それぞれ数日の休養を挟んでの合流となった


ウツの歌入れは11/13・14に行なわれ、ウツ木根は11/16に帰国した
ミックスは「10 Years After」と同じくBob Brockmanが担当した
本作にはカップリングとして、
「Happiness× Loneliness×3(Instrumental)」も収録され、
合計3曲入りのマキシシングルとなった
音源は11/25からラジオなどでオンエアされた


本作で注目すべきは、作詞家小室みつ子の再登用だろう
FANKS時代にはTMの作詞の中心的存在だったみつ子だが、
TMN期には存在感が薄くなり、
特に1991年の「EXPO」期には「Wild Heaven」以外採用されなかった
(むしろその後のウツ・木根ソロで採用された)
「終了」シングルの「Nights of the Knife」はみつ子が作詞を担当したが、
その後はTK時代に作詞を依頼されることはなく、
ウツ・木根作品も、1995年木根の「liquid sun」を除いて関わっていない


だが小室は1999年から、みつ子への作詞依頼を再開する
最初のみつ子への依頼は、鈴木あみの「Our Days」だが、
これは9/29リリースなので、7~8月頃の依頼と考えられる
おそらくこの起用は、
みつ子作詞の「Be Together」の鈴木あみバージョンのヒットが影響しているのだろう
Marc Pantherも前田たかひろも10代女性向けの作詞に向いている作詞家ではなく、
その点でみつ子の詞に改めて注目が向けられたのではないか


以後のTK期鈴木あみのシングルは、
2000/4/12リリース「Thank You 4 Every Day Every Body」を除き、
みつ子が表題曲かカップリングの作詞を手がけた
2000/2/9リリースのアルバム「infinity eighteen vol.1」では、
全体の約半分がみつ子作詞となっている
他にも2000年には中野さゆり・坂口実央・小林幸恵・BALANCeなど、
TKプロデュース作品で多くの作詞をした
2001年にはウツ・木根ソロにも詞の提供を再開する


そのような中でTMの作詞も「Happiness×3 Loneliness×3」から再開し、
以後2002年までTM作品の詞はもっぱらみつ子が担当することになる
みつ子もTM NETWORKとの共同作業復活は楽しかったようで、
刺激にもなったようだ
2001年には7年ぶりのソロアルバム「As Always」をリリースし、
自身の音楽活動を再開させている


「Happiness×3 Loneliness×3」の歌詞は、
孤独で退屈な日々の中で悩む人々に対して、
「君の弱さを抱きしめたい 君をここから連れ出したい」
と告げるものであり、
その点は麻薬・覚せい剤乱用防止キャンペーンを意識したものだろう


ただその歌詞の内容と「Happiness×3 Loneliness×3」という曲名はどうにもそぐわないし、
何を言いたいのかさっぱり分からない
だが曲の中で何度も出てくるフレーズなので、非常に頭に残る
そのフレーズが秀逸ならよかったのだが、正直失敗ではないかと思う


「Just can't live, Just can't die」というサビの締めのフレーズも、
「ただ生きるだけなんてできない、ただ死ぬだけなんてできない」というニュアンスなのだろうが、
文字通りならば「まったく生きられない、まったく死ねない」という意味で、
人を救うべきキャンペーンソングの締めにふさわしいとは思えない
もっともこのフレーズやタイトルは、小室が考えたものだろう


本曲の歌詞で特徴的なのは、スペイン語が一部で用いられていることである
そのため作詞にはスーパーバイザーとしてShunzo Abeなる人物が入っている
おそらくスペイン語の監修役だろう
ただそのスペイン語も、
「Happiness×3」の後に「felicidad(幸せ)」と入れる程度で、
大した意味はない


スペイン語を入れたのは、この時小室がやりたかったこととも関わる
すなわち小室は本作制作直前の9月、
次に来る音楽としてラテンに関心を示していた
実際に本作は全体としてラテン的な雰囲気が強く、
フラメンコギターを大々的に用い、
特に間奏で哀愁あふれる音色を前面に出している
当時流行していたRicky Martinなどが念頭にあったに違いない
郷ひろみも同年7/23、
Ricky Martin「Livin’ la Vida Loca」の日本語カバーとして「Goldfinger '99」をリリースし、
ロングセラーを記録している


この曲は小室にとっての新境地といえるものだった
この頃の小室はTrue Kiss DestinationでR&Bを試み、
TMでも「Get Wild Decade Run」ではテクノ、
「10 Years After」ではHip Hop風の曲風を試みた
だが日本ではすでにR&BではMISIAや宇多田ヒカル、
Hip HopではDragon Ashなどが大ヒットを飛ばしており、
「先を越された」状況となっていた
このような状況下で、
小室はラテンポップの先駆者的立場を狙っていたのかもしれない


結果としてこのシングルは期待したほどのセールスは得られなかったし、
現在のファンの間でも評価は高くない
だが実は私は、曲自体はそれほど悪くないと思う
「Happiness×3 Loneliness×3」という意味不明のフレーズが何度も繰り返されるところは一考すべきと思うが、
新しいTMがここから生まれてくる可能性もあったのではないか


Aメロでは歌いこなすのが困難なほどの早口で歌われる一方、
サビはほとんどコーラスが担当するというカラオケ無視の作りは、
むしろ気持ちよく聞こえる
ただ口ずさむことが非常に困難なことは、
ヒット曲となる条件を欠いていたともいえるだろう


このように「Happiness×3 Loneliness×3」においては、
古典的なヒット曲的作りを意図的に排したのに対し、
「80’s」では小室が木根にあえて80年代風の曲を作らせた
「Happiness×3 Loneliness×3」で新しいTM、
「80’s」で昔ながらのTMを示すと言う構想だったのだろう


昔ながらのTMを期待していたファンからは、
「80’s」の評価がむしろ高かったようで、
木根もよくファンから褒められると言っている
ただ私としては、こういう擬古的な作風はどうもダメである


実際に80年代を再現できているならば良いのだが、
あくまでも90年代末に作った80年代風の楽曲であり、
私としては単に安っぽい曲という印象しか持てない
「80’s」は木根曲だが、
小室曲で言えば、これ以前なら「Wild Heaven」
以後なら「Castle in the Clouds」などが類例として挙げられよう


歌詞も意図的に古臭くしているのだろうが、
それも「意図的」なことを感じさせてしまい、
どうしても受け付けられない
正直私の中では、歴代TM曲中でも最下位、少なくともワースト3には入る
これは結局好き嫌いの問題だろうが、
当時私はCMでこの曲が流れるたびに、世に知られてほしくないと思ったものである


なおこの曲は当初CM用にサビの部分のみを作り、
その後ロスでAメロ・Bメロを作成したが、
CM用テイクのサビは歌詞やバックトラックも大きく異なっている
1999/11/2「コムロ式」で放送された最後のサビ繰り返し部分を聴くと、
CD版は曲もそれなりに改善されたことが分かるが、
歌詞も相当マシになっていたことに気づく
特に「恋を見つけたらDon’t be shy」などという直接的でダサい歌詞は、
80年代TMも歌っていないと思う

(CM版)
恋を見つけたら Don’t be shy 明日がほしいなら
考えすぎちゃダメさ 何かが飛び出す
君のその胸にJumpin’ high ためらう余裕もなく Just goin’ on
君のその胸にJumpin’ high ためらう余裕もなく
Just goin’ on, Just

(商品版)
今を抜け出して Jumpin’ high 明日をつかまえて
打ち破るものは Don’t be shy 君の胸の中
君のその胸に Jumpin’ high ためらう余裕もなく Just goin’ on
駆け巡りだすよ Don’t be shy たったひとつの出会いで
Just goin’ on, Just


以上、TM NETWORK版「Happiness×3 Loneliness×3」「80’s」に触れてきたが、
実は本作は他に二種の関連CDがリリースされている
一つはコンピレーション版で、
TM NETWORK版「Happiness×3 Loneliness×3」(オリジナル・Radio Edit)以外に、
Julio Iglesias Jr.・Sheila E・Wang Lee-Homのバージョンが収録される
歌詞はそれぞれ英語・スペイン語・中国語である
こちらは日本のアルバムチャート35位、1.5万枚を売った
海外でも発売されるという触れ込みだったが、どの程度売れたのかは分からない


収録曲は同じオケを使っているわけではなく、
アレンジがかなり変えられている
たとえばJulioバージョンでは間奏にセクシーな弦楽器が入っているし、
オケにはオリジナルにないホーンセクションが入っている


Sheila Eバージョンでは、
フラメンコギターやパーカッションが強調され、
(Sheila自身パーカッショニスト)
ラテン風の雰囲気を出している


Wangバージョンは意図的なものだろうが、メインボーカルが抑えられ、
むしろコーラスの方がよく聞こえる仕様である
バイオリンも入っており、特に間奏では目立っている
(後述のPVではWang自身がバイオリンを弾いている)


TM NETWORKの「Radio Edit」は、
現在までコンピレーション版でしか聞くことができない
これはイントロを30秒ほど短くしたもので、
オリジナルが小室のコーラスで始まるのに対し、
「Radio Edit」では女性コーラスで始まる
オリジナルを知っていると中途半端に聞こえるアレンジである


「Happiness×3 Loneliness×3」のもう一つの派生作品は、
566なるユニットによる「ハッピーです×3 ロンリーです×3」で、
2000/2/2にリリースされた
オケは基本的にTM NETWORKバージョンに準じている


566は小室レギュラーの「コムロ式」のサポーター5人である
作詞は小室みつ子+566名義だが、
サビの部分以外は566が新たに作ったもので、
566の作詞シーンは当時番組で放送された
基本的にパロディだが、面白くもないので聞く必要もないだろう
チャートでは100位にも入らなかった


「コムロ式」では番組に公募のサポーターを参加させ、
小室に親しみやすさを感じさせようとしたが、
可愛げのある女子高生などならともかく、
お笑いタレント志望のむさい男性たちを毎週見てところで、
喜ぶ者がどの程度いたのか理解に苦しむ
実際に番組で見ると寒々しいだけで、プラス効果はまったくなかった


なお566は2000/8/9、566 feat. 中野さゆり名義で、
「Never Say Why, Never Say No」をリリースしている
(歌が中野さゆり、ラップが566で、どう聞いても中野がメイン)
テレビアニメ「金田一少年の事件簿」の主題歌で、56位、8千枚を売った


PVについても触れておこう
これは2004年「All the Clips」に収録されているので、
現在では容易に見ることができる
本PVは特殊な撮影方法を用いて、
TM3人とJulio・Sheila・Wangが別々の場所で撮影した映像を一つにまとめ、
一箇所で共演した映像として編集したものである
ちなみに小室とウツ木根も、撮影は別の時に行なわれた


興味深いのは、音源も日英西中4バージョンを合成して作っており、
4者共演のバージョンとなっていることである
PV中の担当は、小室がピアノ、木根がギター、ウツ・Julioがボーカル(Julioはたまにパルマも)、Wangがボーカル(間奏にバイオリン)、Sheilaがボーカル・パーカッションである


この音源は当時「Hybrid Mix」として、
ラジオ局などにプロモーション版が配布されたが、
現在までCD化はされていない
PVの大まかな進行は以下の通りである

イントロ(TM版)
→Aメロ1パート目(TM→Wang→TM)
→2パート目(Julio→Wang→Julio→TM)
→サビ(Wang→Sheila→Julio→TM)
→間奏(Wang版)
→Aメロ1パート目(Sheila→Wang→Sheila)
→2パート目(TM→Julio→Wang)
→サビ(TM→Julio&Shiela→Wang&Sheila→TM→合唱)
→アウトロ(Julio版)


最後にライブでの演奏例について触れておくと、
「Happiness×3 Loneliness×3」は1999年のミニライブを除くと、
フルライブでは2000年の「Log-on to 21st Century」が唯一の演奏例である
だがこのライブのアレンジを聞く限り、
ラテン調ということもあってかなり盛り上がりやすい曲だと感じる


一方「80’s」は現在までTMのライブで演奏されたことがない
ただし2005年のtribute LIVE「SPIN Off from TM」で、
「it's gonna be alright」と日替わりで演奏されている(DVDには未収録)
木根曲なので、ソロライブで木根が演奏したこともあるかもしれない

Happiness×3 Loneliness×3/80's
ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
1999-12-22
TM NETWORK
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Amazonアソシエイト by

この記事へのコメント

イニシャルTM
2014年03月20日 12:57
はじめまして。
最新情報も昔の情報も、いつも楽しく、興味深く読ませていただいています。
ハピロンは、私は当時から今まで、かなり好きな方に類する曲です。
歌詞では、You don't have to be the one, don't hdve to be the best. というところが好きで。
You're The Bestとは真逆で、現代社会のTMというか、大人になったTMというか、いい歌詞だなーと思ったものです。
メロディでは、Aメロの早口の緊張感と、小室さんのバッキングボーカルがとても好きですが、その緊張感がサビで一気になくなってしまうのが、残念でなりません。
そのまましりすぼみで終わってしまうこの曲がたいして売れなかったとき、TKプロデュースに続きTMも売れないのか、、、と思った記憶があります。
リプロダクトアルバムと新曲、急に楽しみになってきましたね!
曲目を早く知りたいです。
COMEなんとかも入るそうですね、、、!
ACTIONがはいると、うれしいのですが。
かっと
2014年03月20日 17:52
はじめまして
TMN終了後に遅れてきたfanksです。いつも記事の奥深さに、すごいなー
あの頃はこうだったなー そんなことがあったんだー と感情を動かされながら見させてもらっています。
ありがとうございます。

小室さんのつぶやき、多分ですがEDM TOKYO 10曲+DRESS2 10曲+Loud 2曲で22曲ってことかなーと
もちろんDRESS 2が22曲だったら狂喜乱舞ですよ(^_^)v
公開されてる3人のビジュアルはドレス!って感じでいいですね

Truekissdisc時代にアルバム出なかったのは残念でした
レーベルのリミックスアルバムも中止になりましたしね
これからも記事、楽しみにしています!
にゃろ
2014年03月20日 21:49
私、この曲の時にTMが復活することを知ったんですよね。
それでたまたまテレビで歌っているところを見たのですが、その時のウツが顔がパンパンだったのが当時の私にはものすごーーーくショックで、、、
そこでFANKS復活とはならず、ずーっと遠ざかっていました。

でも、3年ほど前に出戻ってからYouTubeで
MESSaGEを聞いた時、この時リアルタイムで聴かなかった事を本当に後悔しました。

私にとって全く空白の時代ですから、記事を読んで
どんどん今につながっていくのが楽しみです。
kuri566
2014年03月20日 23:32
ああ、この頃から566という表記つかってきたんだなあと個人的にしみじみ。
当時は世界戦略かと期待してたんですけどね。
ハピロンは個人的には、シーラEバージョンが「聴ける」曲だと思います。テレビの企画でアメリカのディズニーワールドで小室センセと1曲だけの2ショットでライブ(CD音源の口パクですが・・・)してる映像は、めっちゃいい感じです。
それと、曲の緊張感としては、「キヲクトキロク」に収録されているバージョンがラテン色は薄れますが、いい感じだと思います。
80’sは、テレビCMではプロデューサーが「小室=女性の曲」を期待していたのに「男かよ!」って激怒したらしく、音量もめっちゃ絞られて、車に乗る家族のワーキャーなセリフにかき消されて、ほとんど聞き取れなかったという印象しかありません。曲としては悪くないと思うんですが、なんせアレンジが安っぽくて・・・。あれって、当時シンセやってて、デジタルサンプラー買っちゃったら誰でも簡単に一度はやってしまうだろうレベルのアレンジです。あれって市販されているサンプル音源集にあるリズムトラックをまんまループさせてる感が半端ないです。
あわてて作った時って、ウツの負担を軽くするためか、いつも小室センセのコーラスのボリュームがでかくなる傾向があるんですよね。
yousuke
2014年03月21日 22:58
小室さんのツイッターからだと、そろそろTMのアルバムの完成が見えて来たような感じがしますね。
来週の最終回のラジオで情報がわかりそうな感じですね。
明日は、公開生放送のラジオでしたねこちらも忘れずに聞かないとですね!
kuri566
2014年03月22日 22:21
選抜高校野球を見ていたら、愛知の豊川高校の帽子のマークが、ちょうどSPEED2のテーマ曲やってたぐらいのTKロゴマークを丸パクリでびっくりしました。あからさますぎじゃないですかい。
albrechit
2014年03月24日 22:35
3/23の先生のツイ「最後のシングルと合わせると、12曲目が、ちょうどクラシコあたりで終わりそう・・・」からすると、リプロダクトは結局10曲な気がします。

3/11の「22曲・3枚」ツイは、①ソロEDM10曲、②TMリプロダクト10曲、③シングル2曲で、計22曲・3枚というカラクリなのではないでしょうか?
fe
2014年03月26日 13:07
こんにちは。

「Nights of the Knife」ではTRF「WORLD GROOVE」と平行してレコーディングしていたのを思わせるようなスケジュールが詰まってますね。それでも焦りの伺えない自信たっぷりな発言を聞くとそれだけ94年と14年では機械のレスポンスが早くなった証でしょうか?

「80's」…こういう作りは他にも「22世紀への架け橋」「GET WILD (K's MAGAZINEに載っていたEOSだけで弾いたバージョン)」「You & Me(AQ140バージョン)」で拝見できますね。こういうその時代にしかできないような表現を敢えてもってきて、機材にも規制をかけた中で、いかに腕を使って面白く魅せれるかにチャレンジする心意気は好きです。「SPEEDWAY (2007年の)」のインストも起伏があって楽しいですから。

それでは、失礼致しました。
青い惑星の愚か者
2014年03月27日 01:47
>イニシャルTMさん
はじめましてYou don't have to~の部分は、ヒット曲ではSMAPの世界に一つだけの花とかと同じテーマですよね
ただこの曲の場合、おそらく薬物に手を出した人、あるいは出しそうな人に対する呼びかけなんでしょう
Aメロの緊張感・切迫感も、やはり薬物中毒への警鐘というテーマが関わるのでしょうね
ただ急いで作った曲と言うこともあり、なんか言葉足らずなんですよね

リプロダクションは、ACTIONは私も聞きたいです
サビもウツが歌うライブバージョンでお願いしたいですね

>かっとさん・albrechitさん
はじめまして
22曲の秘密、知りたくなかったけど、確かにそう考えるとつじつまが合いますね
10+10+2=22ですか… しょぼーん
いや、10曲のアルバムでも中身がよければよいんですけどね
どうせやるならあまり日が当たらない初期曲や再始動後の曲も入れて欲しいです

>にゃろさん
私はこの頃のウツは健康的な気がしていましたが…
ただRhythm Red1やEXPOの頃を基準にすれば確かに太りましたけど、たぶんRhythm Redの頃の体形で10年変わらなかったら、体壊すと思います
ただ2000~01年になると、さすがにおおっ!って思うような膨らみ方でしたね
MESSaGEは名曲ですね
私も再始動TMは冷めてみていましたが、Log-onの放送でMESSaGEを聞いて、少し見直すようになりました
青い惑星の愚か者
2014年03月27日 01:48
>kuri566さん
今回の記事は文字数制限にひっかかってかなり削ってしまったので、個人的な感想はあまりかけなかったのですが(CMの責任者が切れた話とかも)、私はHybrid Mixが一番かっこいいと思います
というか、あのPVの映像がなかなか好きです
80'sはCMでは影が薄かったですねー
右下にTM NETWORKと書いていなければ気づきもしないレベルです
アンチ80'sの私としてはむしろ良かったですが(笑
あとTKマークの件、小室さんのtwitterでも書かれていますね
写真見ると、たしかにすごいです

>yousukeさん
アルバムはもうレコーディングが終わったはずですが、途端にtwitterの更新が途絶えましたね…
早く収録曲、というか収録曲数を知りたいです
公開生放送では、TM話は残念な幹事でしたね
まあ時期的に仕方ないですけども

>feさん
Nightsと同時期に作成されたのはWorld Grooveではなくsurvival dAnceではないですか?
ちょっと気になるのですが…
焦りのない発言については、実は発言だけなら今取り上げている1999年前後も同様で、小室さんは実際には非常にやばい状態でも表面上は問題ないようにいうから油断ならないんですよね
80'sのアレンジは、小室さん何かを試みたんでしょうけど、私には「面白く魅せられる」アレンジになっていないと思うんですよね
まあここらへんは好き嫌いの問題ですけども
ちなみにSPEEDWAYの素朴なアレンジも好き嫌いはあるでしょうけども、あっちは結構好きです
haru
2014年03月27日 18:03
5月21日に「RHYTHM RED」と「EXPO」をBlu-spec CD2でリリースするようですが…。

 収録曲はオリジナルと全く同じようなので、私はスルーします。
kuri566
2014年04月01日 02:51
4/18放送のフジテレビ「僕らの音楽」ではTМと金爆のコラボがあるというのは、本当ですかね。小室センセと華原朋美のコラボやtrfと久しぶりのtk色の強いメニュー。
passenger
2014年04月04日 14:25
>結果としてこのシングルは期待したほどのセールスは得られなかったし、
>現在のファンの間でも評価は高くない
>だが実は私は、曲自体はそれほど悪くないと思う

聴く人によってそれぞれの意見があると思われますが、個人的にハピロンだけはどうしても受け付けないのです。
やはり
・トニックのまま全く動かないコード進行
・メロディとは言い難い同じ音の連打
・"Wild Heaven"の焼き直しのような歌詞
が原因でしょうか。それをアレンジで何とかしているという印象を受けます。

試しに自分でハピロンとWB2をアレンジしてみましたが、WB2の方はある程度まともになりましたが、ハピロンは新たに別のメロディを付け足さないとどうにもなりません。原曲のメロディはベースラインのようにしか見えないのですね。
passenger
2014年04月04日 14:34
>昔ながらのTMを期待していたファンからは、
>「80’s」の評価がむしろ高かったようで、
>木根もよくファンから褒められると言っている
>ただ私としては、こういう擬古的な作風はどうもダメである

>実際に80年代を再現できているならば良いのだが、
>あくまでも90年代末に作った80年代風の楽曲であり、
>私としては単に安っぽい曲という印象しか持てない

「80's」を聴くたびに微妙に思うのは、Aメロが渡辺美里"Believe"の流用である事です。「何らかの事情で小室さんがまともに曲を書けない分、80年代の小室さんの曲調を再現する」という意味では木根さんは良い仕事をしたと思われますが、どうしてもその部分は引っかかります。

ある程度年を重ねると、自分の世代がteenagerだった頃に流行った曲を繰り返し聴くようになり、新しい物を受け入れにくくなるとは聴きますが…。
passenger
2014年04月04日 22:11
あと「80's」で思い出されるエピソードとしては、木根さんが「電気仕掛けの予言者」に書いていた、「広告業界の大物」という触れ込みの人物がデモ音源を聞いて「何で女性の声が入っていないんだ!」と理不尽に激怒したので、「触らぬ神に祟りなし」という事で可及的速やかにその場を立ち去った。というものがあります。

その理不尽で意味不明な切れ方と因縁の付け方が、私の知っている人物のそれに非常に良く似ていたので、非常に明確に記憶に残っています。

このコメント欄に書き込む際に使用している"passenger"というHNはTMの曲名であるのと同時に、その人物が2004年~2006年あたりに有名ブロガーのコメント欄を荒らしまくった際に使用していた「通りすがり」というHNの英訳でもあります。

その人物は身長160cm前後、小太りで顔が女優の小雪似の40代後半の男性でしたが、実際に木根さんに「広告業界の大物という触れ込みの人物」と私が知っている人物が同一人物であるかどうか、確認したいところです。
haru
2014年04月07日 15:18
ニューシングルとリプロダクトアルバムの詳細がようやく発表されました。

・シングル
01.LOUD
02.ある日ある時いつか何処かで
03.LOUD (Instrumental)
04.ある日ある時いつか何処かで (Instrumental)

・アルバム「DRESS2」
01.Come on Let's Dance 2014
02.Get Wild 2014
03.Self Control 2014
04.Be Together 2014
05.Just One Victory 2014
06.I am 2013
07.RAINBOW RAINBOW 2014
08.ACCIDENT 2014
09.金曜日のライオン 2014
10.永遠のパスポート 2014
 
 アルバム収録曲にすべて年号を付け足すだけとは…。「CLASSIX」の時みたいに、こじつけでもそれぞれにサブタイトルをつけてもらいたかったです。
kuri566
2014年04月07日 19:48
シングルのジャケ写いいですね。2014年でありながら、「GIRL」とか「アクシデント」出してた頃のシングルレコードっぽいデザインがうまいなあ。ジャケ写買いしてくれる出戻りファンがいてくれるといいな。
対して、アルバムのジャケ写は残念。もう少し気合い入れていいんじゃないの。さりげないオシャレなんだろうけど。ジャケ写買いはしてもらえそうにない・・・。

収録曲としては、エイベ的には前半にヒット曲入れてパワープレイなんでしょうけど、私としてはむしろ後半の7曲目からが超期待。そうそう、ニューアレンジしてほしいのは、ここらへんなんだよね。ライブでの演奏も期待してます!

あ、さりげなくIam2013で1曲ちょろまかしてますね。ならGREENDAYS入れて11曲にしてくれたら、なおよかったのになあ。
くつした
2014年04月10日 08:39
初めまして。くつしたと申します。
「小室哲哉とは何だったのか」で検索して、こちらにたどり着きました。記事は最初から全部読ませていただきました。読み応えがあって、すごく面白かったです!

自分は80年代中盤生まれで、リアルタイムのTM NETWORKには全く興味がなく(すみません^^;)trf以降のTKブームのど真ん中で小学生時代を過ごしました。trf,篠原涼子,安室奈美恵,華原朋美,globe...etcは、自分の音楽の原風景の一部となっております。正直小室氏に対しては、「例の事件」もあって、あまり良いイメージはなかったのですが、こちらのブログのおかげで良くも悪くも唯一無二の音楽家であり続けたことがわかりました。また、今まで知らなかったTM NETWORKのあれやこれやを知って、稀有なグループであるのだと、認識を新たに致しました。

今後も無理のないペースでの記事の更新を楽しみにしております。素晴らしい文章をありがとうございます。
くつした
2014年04月10日 08:40
連投失礼します。


蛇足:小室氏にまつわるトリビアルな話題をご紹介します。ご参考になれば幸いです。

1、Digital Worker(Who's He?)/hitomi(アルバム「deja-vu」収録、1997年11月リリース)
この曲は小室さん作曲・hitomiさん作詞なのですが、おそらく世界唯一の「小室さんの曲で小室さんをコケにする」曲です。
「歌詞」http://j-lyric.net/artist/a0006a3/l00743b.html
タイトルからして小室さんを暗示させますが、「笑えもせずいつも肩こるDigital Worker/クソ真面目にあくせくやっても救われるコト無い/問いかける事に心無きDigital Worker/罪と罰と刺激を求めて崩れていくだけ」の部分は凄すぎます。。。(特に最後の部分なんて「例の事件」を予言しているような)
なんでこんな大胆なことができたんだと思っていたら、hitomiさんのバックに小室さんと敵対する権力者が居たからだったのですね。このブログを読んで腑に落ちました。
くつした
2014年04月10日 08:42
またまた連投失礼します。

2、WILD/安室奈美恵(「WILD/Dr.」、シングル、2009年3月リリース)
「例の事件」の後、初めてリリースされた安室さんの新曲ですが、サビの最後で「Let's get WILD!」と歌っていたり、歌詞カードには書かれていませんが、間奏で「get WILD,get WILD, gegegeWILD,get WILD,get WILD,gegegeLet's get WILD!」と歌っていたり「Get Wild」を意識しているのではないかと思われる箇所があります。
この曲は、安室さんから小室さんへの隠れた応援歌なのかもしれません(穿ち過ぎ?)
「歌詞」http://www.uta-net.com/song/77566/
「音源(オリジナルの音源がこの動画しか見つかりませんでした。。。中国辺りのダンス練習風景の様です)」
http://www.youtube.com/watch?v=ddF02fRDY2M
1分39秒~1分47秒辺り、2分39秒~2分47秒辺りで「Get Wild」連発してます。
青い惑星の愚か者
2014年04月11日 07:35
>haruさん
SONY、やっとTMNのことを思い出したようですね…
まあ私も買いませんけど、30周年の活動を期にTMのCDを買い直そう、または買ってみようと思う方にとっては良いことだと思います
DRESS2の収録曲、ミックス名はたしかにもう少しこって欲しかったかも

>kuri566さん
ジャケットは人によっていろんな意見があるみたいですね
私はDress2もあれでよいかなと思っています
収録曲は、意外と超定番曲列挙とはなりませんでしたね
初期曲が多いのは嬉しい限りです
1st~6thまで全部収録されていますね
むしろTMNが一曲もないのはどうなのかとも思いますし、再始動後の曲(Actionとか)も入れて欲しかったですが、曲数の関係で仕方なかったんですかね
交通事故で時間がなくなっちゃいましたからね
青い惑星の愚か者
2014年04月11日 07:35
>passengerさん
初めまして
ハピロンは、単調なコード進行で曲を作ること自体が実験だったんじゃないかなとも思っています
ただAメロが単調なだけでなくサビが盛り上がらないのは、ヒット作にはなりづらいだろうなあと思いますね
80'sは…流用というほど同じかはともかく、そういやBelieveにも似ていますね

>くつしたさん
初めまして
このブログはTMを知らない方に知ってもらいたいと思って書き始めたものなので、まさにその用途が実現して嬉しい限りです
Digital Workerは文字通りには現代のビジネスマンの悲哀を歌ったものでしょうが、小室さんのことも含意しているのだとすれば、たしかにすごい歌詞ですね…
もしそうならば、Who's he?というサブタイトルも挑戦的に見えます
WILDは、他人の作詞に安室さんの意思がどこまで反映されているのかという問題もありますけど、もしもご指摘の通りなら、表立って応援できない時期だっただけに、嬉しい話です
ゆるfanks
2021年05月01日 23:59
このブログで初めてハピロンと略すことを知りました(苦笑

テクノ、HIPHOPときて、ラテン。過去との違いを模索してたのでしょうが、バラエティにとんでいて面白いですね。
当時偶然、Julio、Sheila E、Wangも参加して海外展開もすると聞いて、「海外アーティストと演るという話題を狙ってるんだろうけど、息子ならEnriqueの方が有名だし、Shielaは自分がPrinceも好きだから知ってるし、ほぉってなったけど・・・だし、Wangに至っては(僕にとっては)誰?だし、微妙な人選だなぁ」と思ってました。他の方がおっしゃってるように、ウツが消化し切れてない印象ですし、happiness×3 loneliness×3の繰り返しは微妙ですが、サウンド自体は面白い試みですし、好きです。特にPVになってるHibrid Mixはいいと思います。そこは青い惑星さんと同意見です。

でも、結局この再生時は1枚もCD買ってないんですよね・・・
青い惑星の愚か者
2021年05月04日 20:19
私は外人とのコラボは初めから興味なかったので何も気にしていませんでした。
小室さんはここから海外にも広がっていくとか思ったのかな?
ウツはレコーディングの事情を考えてもきつかったと思いますよ。
この後ライブの定番になっていれば、もっとこなれてきたのかもしれませんけど、実際にはほとんど演奏されませんでしたからね。

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