6-27 Tour Major Turn-Round ①
7/22「Quit30 Huge Data」のBD/DVDが発売されました
BD豪華版を購入した場合、合計4時間の大ボリュームとなります
2枚ともじっくりと見る時間を取るのはなかなか大変ですが、
長い間楽しめる商品とも言えるでしょう
私としては、WOWOWで大部分が放送されていた「Huge Data」よりも、
おまけ扱いの「Quit30」ホールツアーの方が本命でした
2012年以来の6回のライブの中で、もっとも核となるライブがこれでしたし、
よりによってなぜこれがおまけ扱いなのか、とも思います
商業的な事情を言えば、
新曲中心でライトファンの購入が見込めないから、ということかもしれませんが、
もとよりそんな大量に売れるものでもないんだし…
まあでも、ともかくちゃんと商品化してくれたことは評価したいと思います
ただ「Quit30」を収録するのは初回限定盤なので、
将来後追いの人が、TM史上でも記念碑となるこのライブの映像を見ることが困難になるのは、
やはり残念だということは、申し添えておきます
「Quit30」「Huge Data」ともに気になったのは、
LEDスクリーンの映像を会場で撮影したライブ映像からそのまま収録していたことです
ライブ感覚を味わわせるためにあえてこうしたものかもしれませんが、
ライブの進行とも関わる重要な映像だし、
元映像をきれいな状態で編集して収録してくれてもよかったんじゃないかと思います
スタッフロールまで会場のカメラ映像そのままとは驚きました
またTM NETWORKやキャロルのメッセージなんかは、
「Huge Data」では字幕になっていましたが、
「Quit30」では画面から読み取るしかありません
この扱いの差は、前者がWOWOWで放送したため丁寧に編集されたためでしょうか
そもそも「Quit30」「Huge Data」の2本のライブは、
特に映像に力を入れたライブであり、
それがいかにもTM NETWORK的な魅力を出していました
かつての「Live Tour Major Turn-Round 02」のように、
ライブで使ったスクリーン映像を別に収録しても良いと思うくらいです
たとえば「Quit30」「Huge Data」は標準装備にして、
豪華版に特典としてスクリーン映像を収録するとか
それだと売れないのかなあ
特に「Quit30」では、最後にLEDスクリーンが3つに分かれて、
その中の中央のスクリーンが少し前に出ます
そのため斜めから見ると、
3枚に分割されて映る映像はちゃんとつながって見えません
これはライブ会場では仕方ないとして、
BDでは一枚の状態で見ることができると思っていたんですが、
これも会場で撮影された映像そのままで、
しかも斜めから撮影されたものだったので、
「Next mission is commanded.」のメッセージも、最初の「N」が見えません
これは商品としてはどうなのかなあと思いました
逆に前作「the beginning of the end」では、
わざわざ別撮りのステージセットの映像を組み合わせ、
ライブにはなかったナレーションを入れたりしていましたが、
こっちはむしろいらなかったし…
もちろんこれは製作者の意図もあるんでしょうけど、
前作は手を加え過ぎ、今作は手を抜きすぎという印象です
音で気になったのは、「Quit30」の「Glow」です
この曲のトレードマークである切なげな高音のシンセが、なぜかBDでは削られています
これ、ライブに参加した方は分かるはずですが、ライブではちゃんと流れていました
あるいは演奏ミスがあって削ったのかもしれませんが、
この音がないとえらく物足りなく感じました
さて、本作はオリコン8/3付けチャートで、
音楽BDでは2位6705枚、音楽DVDでは13位781枚、
音楽BD・DVD総合では3位7486枚となりました
1位はperfumeの新作で、まあこれはかないっこありませんね
セールスが大部分BDになったのは、
ホールツアー収録版がBDしかなかったことが大きいのでしょうが、
セールスを片方に集中させるためのavexの戦略でもあったのかなあ…
なお8/10には全チャートで圏外となりました
この成績を最近のBD/DVDの初動セールスと比較してみましょう
総合売り上げは不明ですが、
初動に集中するチャートアクションを考えれば、
2週目以後はおそらく数百枚規模で、それほど多くは増えないでしょう
最初の「incubation Period」は復活で注目が集まったことと、
ヒット曲満載のセットリストだったことから、
売上は他の3作品よりもかなり多いです
それ以後は売り上げを下げ続けてきましたが、
今回は700枚とはいえ売り上げを伸ばし、
「incubation Period」に次ぐ成績となりました
ライブ2本を収めると言うボリューム感もあるのかもしれませんが、
精力的な30周年の活動がファンの盛り上がりも惹起したのなら嬉しいです
小室さんはglobe20周年記念日の8/5に「Remode1」をリリースし、
8/9新宿でミニライブを行ないました
同日ニコニコ生放送ではその様子を放送しています
KEIKOの生声メッセージも流れたそうです
8/15にはageHaで「Remode1」リリースパーティが開かれます
なおこれから1年間は、
globe 20thの活動を行なうようです
かつて秋にソロツアーの話もありましたが、なくなりそうですね
冬に「Remode2」が出ることは宣言されていましたが、
秋にはトリビュートアルバムがでることがライブで告知されました
「globe EDM Session」(2013)とか「house of globe」(2011)とか、
リミックスもトリビュートもかなり頻繁に出ているのですが、
オリジナルは出せませんからね
2016年になったら2人でクラブツアーとかやるのかもしれません
そういやbaby globeオーディションてどうなったんでしょうか
5月下旬にはメンバー決定の予定でしたが…
小室さんと木根さんはここ最近、やたらとテレビ・ラジオに出ています
「木根テレ!」では、
8/15時間を拡大して夏休みスペシャルを行ない、
浅倉さんを招いて昔話なんかもするらしいです
まあ、今さらな話ばかりでしょうけども
他にもいっぱいありますが、きりがないので一覧にしておきます
ウツについてはU_WAVEの秋ツアーのタイトルが決まりました
「Fifth Element」らしいです
また8/14からはU_WAVEが新曲「No Limit」を配信します
以上、近況の整理が長くなりました
本題に入ります
------------------------------
TM NETWORK再始動後初の全国ツアー、
「TM NETWORK Tour Major Turn-Round supported by ROJAM.COM」は、
2000/12/5~2001/1/20の1ヶ月半にわたり、10都市15公演開催された
7公演が2000年、8公演が2001年に行なわれているが、
世紀を跨ぐツアーとなったのは、世紀末を意識したものだろう
1992年3~4月の「EXPO Arena “Crazy 4 You”」以来、
実に9年弱ぶりの全国ツアーだった
TMの全国ツアーは、終了前も再始動後も、
前後にアリーナクラスの会場での大規模ライブか、
アリーナツアーを伴うことが一般的である
1991年ホールツアー「Tour TMN EXPO」の後には、
アリーナツアー「EXPO Arena」が催され、
2004年「Double Decade Tour」の前後には、
横浜アリーナ・武道館での特別ライブが開催されている
そのような中で「Tour Major Turn-Round」は、
ホールツアーのみで終わった点で特異である
小室はavexとの関係上、
年度内にglobeのアルバムをリリースする必要があったが、
そのために3月初めまでにレコーディングを終えなくてはならない
レコーディングはギリギリでも1月中には開始する必要があっただろう
(「Major Turn-Round」は8月から11月の3ヶ月かかっている)
となれば1月中旬がTMの活動を続ける限界だったと考えられ、
別日程のライブをこれ以上組むことは困難だっただろう
この点は寂しくも感じるが、
当時複数の仕事を抱えていた小室にとっては、
限界までTMに専念するスケジュールを組んだと言うことでもある
ただファイナルが東京国際フォーラム3公演というのは、
待ちに待ったTM NETWORK全国ツアーとしてはいささか物足りない
このツアーでは後述するように特殊な舞台装置が用いられたので、
会場の規模を変更することは難しかったのかもしれない
ツアーはアルバム「Major Turn-Round」をメインにしていたが、
前半7公演の時点では、
年末発売のアルバムはまだリリースされていなかった
シングルと配信曲はツアー開始前に発表されていたが、
「Major Turn-Round」組曲の「Ⅱ Second Impression」「Ⅲ Third Impression」と、
「Worldproof」「Pale Shelter」「Cube」については、
2000年の公演の観客はライブ会場で初めて聞くことになった
特にライブの核となる難解な組曲の大半が会場で初聴きというのは、
戸惑う者も多かったようで、
観客の反応もあまりよくなかったらしい
もっともすでに発表されていたとしても、
ノリノリで聞く曲でもないだろうから、
それはそれでありだったかもしれない
サポート陣を見ると、ギター葛城哲哉、ドラム山田亘は、
「Log-on to 21st Century」と同じである
ウツの「Tour White Room」も併せ、
この2人は2000年のTMと親密だった
新しく加わったのはベースの春山信吾である
春山は80年代初め以来の山田の友人である
フルライブに限って言えば、TMに生ベースが参加するのは、
1988年「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」以来であり、
その後は2015年現在で、
2007年「TM NETWORK –REMASTER-」の例があるのみである
それだけに春山の参加は、本ツアーでも重要なポイントである
葛城・山田の参加は当初から決まっていたが、
生ベースの起用は10/26、ニューヨークの打ち合わせで決まったらしい
アルバムの顔「Igintion, Sequence, Start」や、
アルバムの核「Major Turn-Round」組曲では、
ドラムのSimon PhillipsとベースのCarmine Rojasがレコーディングに参加しており、
アルバムが生のリズム隊の感覚を重視していたことは間違いない
だがベーシストはなかなか決まらず、
(リハーサルの?)2週間前になって急遽山田亘に推薦が求められ、
そこで春山の名前が挙がった
リハは2000/11/21に始まったから、
その2週間前となれば11/7日頃となる
すでに本番(12/5~)まで1ヶ月を切っており、
かなり急な依頼だったことになる
リハーサルは11/30までの10日間と12/2に行なわれた
(12/1はTMの「Act Against Aids」参加のためリハーサルは休み)
サポートメンバーはとにかく組曲の再現に頭を悩ませ、
山田と春山はかなり不安だったようである
しかもアルバムの完成がリハーサルの直前だったため、
完成音源は直前まで届かなかったし(しかも最後にできたのが組曲)、
リハーサルの後はゲネプロも行なわれなかった
かなりの技術があるミュージシャンでなければ、
到底対応できなかっただろう
このライブではシーケンサはほとんど使われず、
基本的に生演奏だった
その点では1990年の「Rhythm Red Tour」に近く、
逆にハードディスク中の音源のミックスを中心とした「Double Decade Tour」の演奏とは対極のスタイルだった
メンバーもサポートも、本気で演奏に取り組んだツアーであり、
二度と同じ演奏はできないという緊張感を持ってライブに臨んだという
演奏を見るべきツアーとしては、歴代でも随一だろう
いつもリハで真面目に練習しない木根も、
この時はちゃんとアルバムを聞いて予習していたという
80年代以来の付き合いだった山田はかなり驚いていたし、
ウツもこんなに練習している木根は見たことがないと言っている
なお本ツアーではウツが初めてエレキギターを持ち、
「Major Turn-Round」組曲などで演奏に参加している
一方木根は「Major Turn-Round」「Cube」など聞かせる曲で、
かなり目立つ形でシンセを担当した
メンバーの配置は、観客から見て、
中央がウツ、左が小室、右が木根で、
「Log-on to 21st Century」を踏襲した特殊配置だった
その後ろには、左が春山、中央が山田、右が葛城がいた
衣装は「Log-on to 21st Century」のように、
近未来を意識したコンセプチュアルなものではなく、
ロックテイストのにおいの強いものである
ファン以外の人に見せても安心という点で、貴重な衣装と言えるだろう
衣装替えは本編とアンコールの間で行なわれた
本編はウツが黒地に赤の模様の入ったシャツと赤のパンツで、
その上に長い黒のコートを羽織っていたが、
本編終盤では上着を黒のジャンパーに着替えている
小室は白のTシャツの上に青のジャケットと派手な柄のパンツ、
木根はYシャツに赤・青・白のストライプ柄のジャケット・縞柄のパンツである
正直、本編木根が一番かっこよく見える
アンコールはウツが青地のチェックのYシャツ・紺のジャケット・赤のパンツ、
小室が豹柄のシャツに茶色のパンツ、
木根がマーブル柄のTシャツ・茶色の革ジャン・白のパンツというものだった
小室の衣装は2001/1/1「Rendez-vous in Space Okinawa」第一部と同じである
ただ、以上はDVD「Live Tour Major Turn-Round」収録の、
2001/1/19東京国際フォーラム公演のものである
アンコールは東京国際フォーラム公演以外では、
ツアーグッズのTシャツなどを着たラフな格好だったらしい
本編も別の衣装が用いられた会場があった可能性がある
たとえば「Rendez-vous in Space」では、TMは2回出演があったが、
木根(両回共通)と1回目の小室・2回目のウツは、DVD本編と同じ衣装を着ている
ということは1回目のウツ・2回目の小室の衣装も、
「Tour Major Turn-Round」の別日程で使われたものかもしれない
(特に1回目は1曲だけの演奏であり、そのためだけに新しい衣装を用意した可能性は低いと思う)
なお「Rendez-vous in Space」1回目のウツの衣装は、
赤のインナーの上に朱色のコートである
2回目の小室の衣装は、
緑のシャツ、黄色地に茶のストライプのジャケット、赤の柄パンツで、
やたらと派手だった
ツアーのコンセプトはアルバム「Major Turn-Round」のそれに沿って、
プログレッシブロックだった
小室はそのためにヴィンテージ機材にこだわった
プレグレ御用達楽器としては、
すでに「Rhythm Red Tour」の時、
ハモンドオルガンやMemory Moogを導入していたが、
この時はメロトロンを特注により導入している
小室によれば、”25年”の間、憧れた楽器だったという
25年前となれば1975年となるが、
小室が最初の本格的バンドとしてイラプションを結成した1977年頃を意識しているのだろう
小室はメロトロンを1996年のtk-trapでも使いたかったが、
その時は入手できなかった
この時はその反省も踏まえ、2000年夏終わりに注文した
8月半ば、「Ignition, Sequence, Start」のデモ音源を作り、
プログレというコンセプトが固まった時点で、
メロトロンの導入も決定されたのだろう
しかしメロトロンはリハーサルに間に合わず、
ライブ初日に中古品1台が到着し、
注文していた新品はライブ二日目にようやく到着した
このためレコーディングやリハーサルではレンタル品を使っている
一方でこの時から見えなくなるのがショルダーキーボードである
ただし実はYAMAHA KX5も用意はされており、
おそらく会場の空気次第で使う計画もあったのだろう
しかし結局一度も使われることはなく、
以後2014年「Quit30」まで、
ショルダーキーボードはTMのステージから姿を消す
楽器ではないが、目玉となった装置にUMUがある
液晶フィルムを挟んだ合わせガラスである
透視状態から非透視状態へ容易に変更でき、
映像を映写することも可能だった
TMは本編の大部分で、これをステージの前に立て、
ガラスの向こうで演奏を行なった
演奏中はUMUの機能を用い、
メンバーの姿が見えなくしたり、演出用の映像を流したりした
小室によればUMUは「抑圧」の象徴だという

「MESSaGE」の演出。UMU下方を透過、上方に文字を映写
メンバーは明言していないが、UMUによる演出は、
おそらくPink Floydの「The Wall Tour」で、
ステージの前に壁を作った演出が念頭にあるのだろう
TMはアルバムジャケットでYES、組曲の構成でELP、
ライブ演出でPink Floydを参照したことになる
なおUMUは操作の際に強力な電磁波が発生するため、
エレキギターやメロトロンにノイズが入るという面倒事があったらしい
また初日2000/12/5大阪公演では、
「Major Turn-Round Ⅰ First Impression」で、
昇降機の電源の問題でUMUが上から下りる時に途中で止まり、
「Ⅲ Third Impression」の時にスタッフが手で上げるという一幕もあった
UMUや背後のスクリーンに映し出される映像は、
VJ原田大三郎が担当した
原田は小室から、プログレ的映像は不要として、
現代的なグラフィカルな映像を要求されたという
原田は1997年小室と「Groove Museum」で知り合い、
その後も付き合いは長く続いた
2000年ウツソロ「Flush」のPVも原田が関与した
「Tour Major Turn-Round」では、原田自身会場に同行している
原田制作の映像は後に「Live Tour Major Turn-Round 02」で、
「D.HARADA V-MIX」として収録された
演出上の小物としては、
「Major Turn-Round Ⅲ Third Impression」で、
ステージから客席にサイリウムが放射される演出があった
また「Time To Count Down」間奏では、
ウツがビデオカメラで観客を撮影し、
木根がサッカーボールを客席に蹴り入れる演出もあった
セットリストについて触れておこう
本編は「Still Love Her」「Electric Prophet」を除くと、
「Major Turn-Round」の曲をアルバム通りの曲順で演奏するというもので、
コンセプトアルバムをそのコンセプトのままに再現することが目指された
MCも一切ない、緊張感のある時間が続いた
ウツは「Electric Prophet」の歌詞がツアーのイメージによく合っていたと言っており、
これが「Major Turn-Round」の中に混ぜられたのは必然だったのかもしれない
一方でウツは「Still Love Her」は要らなかったかもしれないと言っている
この曲はファンサービス的な選曲と見て良いだろう
だがファンサービスを入れても地味なセットリストではある
「Major Turn-Round」自体の作風もあって、
本編は盛り上がりを重視せず、観客に演奏をじっくり聴かせる時間だった
ライブ本編で新作アルバムがほぼそのまま再現されたこと、
つまり過去のヒット曲をほぼ排除して構成されていたことは、驚かざるを得ない
再始動後最初のツアーとしてはバランス感覚に欠くと言う意見もあるだろうが、
過去に頼らない音楽を提供することができることを示したのが、
この「Tour Major Turn-Round」だったと、私は思う
過去のヒット曲メドレーによるファンサービスは、
すでに「Log-on to 21st Century」の1日で終わっていた
そして再始動TM NETWORKの目指すところはそこではなかったのである
公演時間は本編1時間20分程度に対し、
アンコールは30分程度と、比較的長めに設定された
ただアンコール待ちの時間を入れても2時間程度であり、
約1時間45分の「Log-on to 21st Century」よりは長かったとしても、
「CAROL Tour」から「終了」の頃までのTMが、
2時間半かそれ以上の公演を続けていたことを考えれば、
短かめという印象は受ける
この頃からTMのライブは現在まで、ほぼ2時間程度となっている
アンコールでは、過去の名曲から3曲が演奏された
その中で「Get Wild」「Time To Count Down」では大幅なアレンジが加えられ、
特に「Get Wild」は小室が、トランスの要素を入れたと言っている
小室はこの後3年間トランスに傾倒することになるが、
「Tour Major Turn-Round」はその始まりとなるツアーだった
その他、バラードとして「Time Machine」も演奏された
この曲が全国ツアーのセットリストに入ったのは、これが唯一の例である
また本編では一切なかったMCが、アンコールでは数分間設けられた
アンコールはファンとの触れ合いの時間でもあった
小室によれば、アンコールは「ボーナストラック」とのことである
本ツアーについては2001/4/27・5/2にはWOWOWで、
2001/1/19東京国際フォーラム公演の様子が放映された
(ただしMCと「Time Machine」は除く)
一部VHS/DVDとは別アングルも含まれている
さらに年末には同公演がVHSとDVDで、
「Live Tour Major Turn-Round 01・02」としてリリースされている
また01・02の特典映像として1/20東京国際フォーラム公演から、
「Get Wild」「Time To Count Down」の小室パフォーマンスが収録されている
1/17国際フォーラム公演にもカメラが入っていたようで、
1/23「新・真夜中の王国」では「Ignition, Sequence, Start」「Get Wild」の一部が流れ、
1/31「music enta」ではこれに加えて、
「Cube」「Time To Count Down」の一部と、
「Still Love Her」のリハーサル風景が流れている
国際フォーラム公演は3日行なわれたが、
断片的な映像も含めれば全日程の映像が残っていることになる
以上がツアーの概要である
次回はツアーの内容を具体的に見ていくことにしたい
BD豪華版を購入した場合、合計4時間の大ボリュームとなります
2枚ともじっくりと見る時間を取るのはなかなか大変ですが、
長い間楽しめる商品とも言えるでしょう
私としては、WOWOWで大部分が放送されていた「Huge Data」よりも、
おまけ扱いの「Quit30」ホールツアーの方が本命でした
2012年以来の6回のライブの中で、もっとも核となるライブがこれでしたし、
よりによってなぜこれがおまけ扱いなのか、とも思います
商業的な事情を言えば、
新曲中心でライトファンの購入が見込めないから、ということかもしれませんが、
もとよりそんな大量に売れるものでもないんだし…
まあでも、ともかくちゃんと商品化してくれたことは評価したいと思います
ただ「Quit30」を収録するのは初回限定盤なので、
将来後追いの人が、TM史上でも記念碑となるこのライブの映像を見ることが困難になるのは、
やはり残念だということは、申し添えておきます
「Quit30」「Huge Data」ともに気になったのは、
LEDスクリーンの映像を会場で撮影したライブ映像からそのまま収録していたことです
ライブ感覚を味わわせるためにあえてこうしたものかもしれませんが、
ライブの進行とも関わる重要な映像だし、
元映像をきれいな状態で編集して収録してくれてもよかったんじゃないかと思います
スタッフロールまで会場のカメラ映像そのままとは驚きました
またTM NETWORKやキャロルのメッセージなんかは、
「Huge Data」では字幕になっていましたが、
「Quit30」では画面から読み取るしかありません
この扱いの差は、前者がWOWOWで放送したため丁寧に編集されたためでしょうか
そもそも「Quit30」「Huge Data」の2本のライブは、
特に映像に力を入れたライブであり、
それがいかにもTM NETWORK的な魅力を出していました
かつての「Live Tour Major Turn-Round 02」のように、
ライブで使ったスクリーン映像を別に収録しても良いと思うくらいです
たとえば「Quit30」「Huge Data」は標準装備にして、
豪華版に特典としてスクリーン映像を収録するとか
それだと売れないのかなあ
特に「Quit30」では、最後にLEDスクリーンが3つに分かれて、
その中の中央のスクリーンが少し前に出ます
そのため斜めから見ると、
3枚に分割されて映る映像はちゃんとつながって見えません
これはライブ会場では仕方ないとして、
BDでは一枚の状態で見ることができると思っていたんですが、
これも会場で撮影された映像そのままで、
しかも斜めから撮影されたものだったので、
「Next mission is commanded.」のメッセージも、最初の「N」が見えません
これは商品としてはどうなのかなあと思いました
逆に前作「the beginning of the end」では、
わざわざ別撮りのステージセットの映像を組み合わせ、
ライブにはなかったナレーションを入れたりしていましたが、
こっちはむしろいらなかったし…
もちろんこれは製作者の意図もあるんでしょうけど、
前作は手を加え過ぎ、今作は手を抜きすぎという印象です
音で気になったのは、「Quit30」の「Glow」です
この曲のトレードマークである切なげな高音のシンセが、なぜかBDでは削られています
これ、ライブに参加した方は分かるはずですが、ライブではちゃんと流れていました
あるいは演奏ミスがあって削ったのかもしれませんが、
この音がないとえらく物足りなく感じました
さて、本作はオリコン8/3付けチャートで、
音楽BDでは2位6705枚、音楽DVDでは13位781枚、
音楽BD・DVD総合では3位7486枚となりました
1位はperfumeの新作で、まあこれはかないっこありませんね
セールスが大部分BDになったのは、
ホールツアー収録版がBDしかなかったことが大きいのでしょうが、
セールスを片方に集中させるためのavexの戦略でもあったのかなあ…
なお8/10には全チャートで圏外となりました
この成績を最近のBD/DVDの初動セールスと比較してみましょう
「incubation Period」=BD5780枚+DVD3433枚=9213枚
「START investigation」=BD5752枚+DVD1489枚=7241枚
「the beginning of the end」=BD5508枚+DVD1288枚=6796枚
「Quit30 Huge Data」=BD6705枚+DVD781枚=7486枚
総合売り上げは不明ですが、
初動に集中するチャートアクションを考えれば、
2週目以後はおそらく数百枚規模で、それほど多くは増えないでしょう
最初の「incubation Period」は復活で注目が集まったことと、
ヒット曲満載のセットリストだったことから、
売上は他の3作品よりもかなり多いです
それ以後は売り上げを下げ続けてきましたが、
今回は700枚とはいえ売り上げを伸ばし、
「incubation Period」に次ぐ成績となりました
ライブ2本を収めると言うボリューム感もあるのかもしれませんが、
精力的な30周年の活動がファンの盛り上がりも惹起したのなら嬉しいです
小室さんはglobe20周年記念日の8/5に「Remode1」をリリースし、
8/9新宿でミニライブを行ないました
同日ニコニコ生放送ではその様子を放送しています
KEIKOの生声メッセージも流れたそうです
8/15にはageHaで「Remode1」リリースパーティが開かれます
なおこれから1年間は、
globe 20thの活動を行なうようです
かつて秋にソロツアーの話もありましたが、なくなりそうですね
冬に「Remode2」が出ることは宣言されていましたが、
秋にはトリビュートアルバムがでることがライブで告知されました
「globe EDM Session」(2013)とか「house of globe」(2011)とか、
リミックスもトリビュートもかなり頻繁に出ているのですが、
オリジナルは出せませんからね
2016年になったら2人でクラブツアーとかやるのかもしれません
そういやbaby globeオーディションてどうなったんでしょうか
5月下旬にはメンバー決定の予定でしたが…
小室さんと木根さんはここ最近、やたらとテレビ・ラジオに出ています
「木根テレ!」では、
8/15時間を拡大して夏休みスペシャルを行ない、
浅倉さんを招いて昔話なんかもするらしいです
まあ、今さらな話ばかりでしょうけども
他にもいっぱいありますが、きりがないので一覧にしておきます
小室
・7/22「坂本美雨 Dear Friends」
・7/29「FNSうたの夏まつり」(「Feel Like Dance」「Can't Stop Fallin' in Love」「Departures」)
・8/9「ボクらの時代」(秋元康・浦沢直樹とトーク)
・8/14「Foot!」(J SPORTS。有料放送)
木根
・7/28「踊る!さんま御殿」(娘の木根沙織と共演)
・7/31「モテモテかんぱにー」
・8/18「開運!なんでも鑑定団」
・8/25「サンドウィッチマン 天使のつくり笑い」(NHKラジオ第一)
・9/1「一声入魂!アニメ声優塾」
ウツについてはU_WAVEの秋ツアーのタイトルが決まりました
「Fifth Element」らしいです
また8/14からはU_WAVEが新曲「No Limit」を配信します
以上、近況の整理が長くなりました
本題に入ります
------------------------------
TM NETWORK再始動後初の全国ツアー、
「TM NETWORK Tour Major Turn-Round supported by ROJAM.COM」は、
2000/12/5~2001/1/20の1ヶ月半にわたり、10都市15公演開催された
7公演が2000年、8公演が2001年に行なわれているが、
世紀を跨ぐツアーとなったのは、世紀末を意識したものだろう
1992年3~4月の「EXPO Arena “Crazy 4 You”」以来、
実に9年弱ぶりの全国ツアーだった
TMの全国ツアーは、終了前も再始動後も、
前後にアリーナクラスの会場での大規模ライブか、
アリーナツアーを伴うことが一般的である
1991年ホールツアー「Tour TMN EXPO」の後には、
アリーナツアー「EXPO Arena」が催され、
2004年「Double Decade Tour」の前後には、
横浜アリーナ・武道館での特別ライブが開催されている
そのような中で「Tour Major Turn-Round」は、
ホールツアーのみで終わった点で特異である
小室はavexとの関係上、
年度内にglobeのアルバムをリリースする必要があったが、
そのために3月初めまでにレコーディングを終えなくてはならない
レコーディングはギリギリでも1月中には開始する必要があっただろう
(「Major Turn-Round」は8月から11月の3ヶ月かかっている)
となれば1月中旬がTMの活動を続ける限界だったと考えられ、
別日程のライブをこれ以上組むことは困難だっただろう
この点は寂しくも感じるが、
当時複数の仕事を抱えていた小室にとっては、
限界までTMに専念するスケジュールを組んだと言うことでもある
ただファイナルが東京国際フォーラム3公演というのは、
待ちに待ったTM NETWORK全国ツアーとしてはいささか物足りない
このツアーでは後述するように特殊な舞台装置が用いられたので、
会場の規模を変更することは難しかったのかもしれない
ツアーはアルバム「Major Turn-Round」をメインにしていたが、
前半7公演の時点では、
年末発売のアルバムはまだリリースされていなかった
シングルと配信曲はツアー開始前に発表されていたが、
「Major Turn-Round」組曲の「Ⅱ Second Impression」「Ⅲ Third Impression」と、
「Worldproof」「Pale Shelter」「Cube」については、
2000年の公演の観客はライブ会場で初めて聞くことになった
特にライブの核となる難解な組曲の大半が会場で初聴きというのは、
戸惑う者も多かったようで、
観客の反応もあまりよくなかったらしい
もっともすでに発表されていたとしても、
ノリノリで聞く曲でもないだろうから、
それはそれでありだったかもしれない
サポート陣を見ると、ギター葛城哲哉、ドラム山田亘は、
「Log-on to 21st Century」と同じである
ウツの「Tour White Room」も併せ、
この2人は2000年のTMと親密だった
新しく加わったのはベースの春山信吾である
春山は80年代初め以来の山田の友人である
フルライブに限って言えば、TMに生ベースが参加するのは、
1988年「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」以来であり、
その後は2015年現在で、
2007年「TM NETWORK –REMASTER-」の例があるのみである
それだけに春山の参加は、本ツアーでも重要なポイントである
葛城・山田の参加は当初から決まっていたが、
生ベースの起用は10/26、ニューヨークの打ち合わせで決まったらしい
アルバムの顔「Igintion, Sequence, Start」や、
アルバムの核「Major Turn-Round」組曲では、
ドラムのSimon PhillipsとベースのCarmine Rojasがレコーディングに参加しており、
アルバムが生のリズム隊の感覚を重視していたことは間違いない
だがベーシストはなかなか決まらず、
(リハーサルの?)2週間前になって急遽山田亘に推薦が求められ、
そこで春山の名前が挙がった
リハは2000/11/21に始まったから、
その2週間前となれば11/7日頃となる
すでに本番(12/5~)まで1ヶ月を切っており、
かなり急な依頼だったことになる
リハーサルは11/30までの10日間と12/2に行なわれた
(12/1はTMの「Act Against Aids」参加のためリハーサルは休み)
サポートメンバーはとにかく組曲の再現に頭を悩ませ、
山田と春山はかなり不安だったようである
しかもアルバムの完成がリハーサルの直前だったため、
完成音源は直前まで届かなかったし(しかも最後にできたのが組曲)、
リハーサルの後はゲネプロも行なわれなかった
かなりの技術があるミュージシャンでなければ、
到底対応できなかっただろう
このライブではシーケンサはほとんど使われず、
基本的に生演奏だった
その点では1990年の「Rhythm Red Tour」に近く、
逆にハードディスク中の音源のミックスを中心とした「Double Decade Tour」の演奏とは対極のスタイルだった
メンバーもサポートも、本気で演奏に取り組んだツアーであり、
二度と同じ演奏はできないという緊張感を持ってライブに臨んだという
演奏を見るべきツアーとしては、歴代でも随一だろう
いつもリハで真面目に練習しない木根も、
この時はちゃんとアルバムを聞いて予習していたという
80年代以来の付き合いだった山田はかなり驚いていたし、
ウツもこんなに練習している木根は見たことがないと言っている
なお本ツアーではウツが初めてエレキギターを持ち、
「Major Turn-Round」組曲などで演奏に参加している
一方木根は「Major Turn-Round」「Cube」など聞かせる曲で、
かなり目立つ形でシンセを担当した
メンバーの配置は、観客から見て、
中央がウツ、左が小室、右が木根で、
「Log-on to 21st Century」を踏襲した特殊配置だった
その後ろには、左が春山、中央が山田、右が葛城がいた
衣装は「Log-on to 21st Century」のように、
近未来を意識したコンセプチュアルなものではなく、
ロックテイストのにおいの強いものである
ファン以外の人に見せても安心という点で、貴重な衣装と言えるだろう
衣装替えは本編とアンコールの間で行なわれた
本編はウツが黒地に赤の模様の入ったシャツと赤のパンツで、
その上に長い黒のコートを羽織っていたが、
本編終盤では上着を黒のジャンパーに着替えている
小室は白のTシャツの上に青のジャケットと派手な柄のパンツ、
木根はYシャツに赤・青・白のストライプ柄のジャケット・縞柄のパンツである
正直、本編木根が一番かっこよく見える
アンコールはウツが青地のチェックのYシャツ・紺のジャケット・赤のパンツ、
小室が豹柄のシャツに茶色のパンツ、
木根がマーブル柄のTシャツ・茶色の革ジャン・白のパンツというものだった
小室の衣装は2001/1/1「Rendez-vous in Space Okinawa」第一部と同じである
ただ、以上はDVD「Live Tour Major Turn-Round」収録の、
2001/1/19東京国際フォーラム公演のものである
アンコールは東京国際フォーラム公演以外では、
ツアーグッズのTシャツなどを着たラフな格好だったらしい
本編も別の衣装が用いられた会場があった可能性がある
たとえば「Rendez-vous in Space」では、TMは2回出演があったが、
木根(両回共通)と1回目の小室・2回目のウツは、DVD本編と同じ衣装を着ている
ということは1回目のウツ・2回目の小室の衣装も、
「Tour Major Turn-Round」の別日程で使われたものかもしれない
(特に1回目は1曲だけの演奏であり、そのためだけに新しい衣装を用意した可能性は低いと思う)
なお「Rendez-vous in Space」1回目のウツの衣装は、
赤のインナーの上に朱色のコートである
2回目の小室の衣装は、
緑のシャツ、黄色地に茶のストライプのジャケット、赤の柄パンツで、
やたらと派手だった
ツアーのコンセプトはアルバム「Major Turn-Round」のそれに沿って、
プログレッシブロックだった
小室はそのためにヴィンテージ機材にこだわった
プレグレ御用達楽器としては、
すでに「Rhythm Red Tour」の時、
ハモンドオルガンやMemory Moogを導入していたが、
この時はメロトロンを特注により導入している
小室によれば、”25年”の間、憧れた楽器だったという
25年前となれば1975年となるが、
小室が最初の本格的バンドとしてイラプションを結成した1977年頃を意識しているのだろう
小室はメロトロンを1996年のtk-trapでも使いたかったが、
その時は入手できなかった
この時はその反省も踏まえ、2000年夏終わりに注文した
8月半ば、「Ignition, Sequence, Start」のデモ音源を作り、
プログレというコンセプトが固まった時点で、
メロトロンの導入も決定されたのだろう
しかしメロトロンはリハーサルに間に合わず、
ライブ初日に中古品1台が到着し、
注文していた新品はライブ二日目にようやく到着した
このためレコーディングやリハーサルではレンタル品を使っている
一方でこの時から見えなくなるのがショルダーキーボードである
ただし実はYAMAHA KX5も用意はされており、
おそらく会場の空気次第で使う計画もあったのだろう
しかし結局一度も使われることはなく、
以後2014年「Quit30」まで、
ショルダーキーボードはTMのステージから姿を消す
楽器ではないが、目玉となった装置にUMUがある
液晶フィルムを挟んだ合わせガラスである
透視状態から非透視状態へ容易に変更でき、
映像を映写することも可能だった
TMは本編の大部分で、これをステージの前に立て、
ガラスの向こうで演奏を行なった
演奏中はUMUの機能を用い、
メンバーの姿が見えなくしたり、演出用の映像を流したりした
小室によればUMUは「抑圧」の象徴だという

「MESSaGE」の演出。UMU下方を透過、上方に文字を映写
メンバーは明言していないが、UMUによる演出は、
おそらくPink Floydの「The Wall Tour」で、
ステージの前に壁を作った演出が念頭にあるのだろう
TMはアルバムジャケットでYES、組曲の構成でELP、
ライブ演出でPink Floydを参照したことになる
なおUMUは操作の際に強力な電磁波が発生するため、
エレキギターやメロトロンにノイズが入るという面倒事があったらしい
また初日2000/12/5大阪公演では、
「Major Turn-Round Ⅰ First Impression」で、
昇降機の電源の問題でUMUが上から下りる時に途中で止まり、
「Ⅲ Third Impression」の時にスタッフが手で上げるという一幕もあった
UMUや背後のスクリーンに映し出される映像は、
VJ原田大三郎が担当した
原田は小室から、プログレ的映像は不要として、
現代的なグラフィカルな映像を要求されたという
原田は1997年小室と「Groove Museum」で知り合い、
その後も付き合いは長く続いた
2000年ウツソロ「Flush」のPVも原田が関与した
「Tour Major Turn-Round」では、原田自身会場に同行している
原田制作の映像は後に「Live Tour Major Turn-Round 02」で、
「D.HARADA V-MIX」として収録された
演出上の小物としては、
「Major Turn-Round Ⅲ Third Impression」で、
ステージから客席にサイリウムが放射される演出があった
また「Time To Count Down」間奏では、
ウツがビデオカメラで観客を撮影し、
木根がサッカーボールを客席に蹴り入れる演出もあった
セットリストについて触れておこう
本編は「Still Love Her」「Electric Prophet」を除くと、
「Major Turn-Round」の曲をアルバム通りの曲順で演奏するというもので、
コンセプトアルバムをそのコンセプトのままに再現することが目指された
MCも一切ない、緊張感のある時間が続いた
ウツは「Electric Prophet」の歌詞がツアーのイメージによく合っていたと言っており、
これが「Major Turn-Round」の中に混ぜられたのは必然だったのかもしれない
一方でウツは「Still Love Her」は要らなかったかもしれないと言っている
この曲はファンサービス的な選曲と見て良いだろう
だがファンサービスを入れても地味なセットリストではある
「Major Turn-Round」自体の作風もあって、
本編は盛り上がりを重視せず、観客に演奏をじっくり聴かせる時間だった
ライブ本編で新作アルバムがほぼそのまま再現されたこと、
つまり過去のヒット曲をほぼ排除して構成されていたことは、驚かざるを得ない
再始動後最初のツアーとしてはバランス感覚に欠くと言う意見もあるだろうが、
過去に頼らない音楽を提供することができることを示したのが、
この「Tour Major Turn-Round」だったと、私は思う
過去のヒット曲メドレーによるファンサービスは、
すでに「Log-on to 21st Century」の1日で終わっていた
そして再始動TM NETWORKの目指すところはそこではなかったのである
公演時間は本編1時間20分程度に対し、
アンコールは30分程度と、比較的長めに設定された
ただアンコール待ちの時間を入れても2時間程度であり、
約1時間45分の「Log-on to 21st Century」よりは長かったとしても、
「CAROL Tour」から「終了」の頃までのTMが、
2時間半かそれ以上の公演を続けていたことを考えれば、
短かめという印象は受ける
この頃からTMのライブは現在まで、ほぼ2時間程度となっている
アンコールでは、過去の名曲から3曲が演奏された
その中で「Get Wild」「Time To Count Down」では大幅なアレンジが加えられ、
特に「Get Wild」は小室が、トランスの要素を入れたと言っている
小室はこの後3年間トランスに傾倒することになるが、
「Tour Major Turn-Round」はその始まりとなるツアーだった
その他、バラードとして「Time Machine」も演奏された
この曲が全国ツアーのセットリストに入ったのは、これが唯一の例である
また本編では一切なかったMCが、アンコールでは数分間設けられた
アンコールはファンとの触れ合いの時間でもあった
小室によれば、アンコールは「ボーナストラック」とのことである
本ツアーについては2001/4/27・5/2にはWOWOWで、
2001/1/19東京国際フォーラム公演の様子が放映された
(ただしMCと「Time Machine」は除く)
一部VHS/DVDとは別アングルも含まれている
さらに年末には同公演がVHSとDVDで、
「Live Tour Major Turn-Round 01・02」としてリリースされている
また01・02の特典映像として1/20東京国際フォーラム公演から、
「Get Wild」「Time To Count Down」の小室パフォーマンスが収録されている
1/17国際フォーラム公演にもカメラが入っていたようで、
1/23「新・真夜中の王国」では「Ignition, Sequence, Start」「Get Wild」の一部が流れ、
1/31「music enta」ではこれに加えて、
「Cube」「Time To Count Down」の一部と、
「Still Love Her」のリハーサル風景が流れている
国際フォーラム公演は3日行なわれたが、
断片的な映像も含めれば全日程の映像が残っていることになる
以上がツアーの概要である
次回はツアーの内容を具体的に見ていくことにしたい
この記事へのコメント
さて、MTRツアー。当時、1枚チケットが余っていて、友達に声を掛けて一緒に行ったのですが、正直、ライトファンというよりGET WILDとLOVE TRAINぐらいしか知らない人を横にして、少し「これ、誘ってよかったんだろうか」という微妙な時間が続いて気まずかったキヲクが・・・。自分は、大満足だったんですけどね。
エレプロは、まさかのこのタイミングでやるとは思っていなかったんで、Aメロのクレタアイランド~って歌い出すまで、リアクションできませんでした。エレプロは4001で聞いたのが一番いいと思っていたのですが、MTRバージョンが上回りました。小室さんも木根さんも右手、右足、左手、左足とフルに使って演奏しまくっているのが超かっこいいです。ふつうは打ち込みでしょっていうグロッケン音とかまで手引きしているのが、しびれますね。演奏を堪能できるという意味ではリズレ同様、価値の高いライブです。しかも、レベルが上がっています。GET WILDは大人な感じで。まあエンディングにめちゃめちゃ長いアウトロがついたのにはびっくりでしたが・・・。
SNSで知ったのですが、MTRツアー、3台メロトロンが用意されていたようですね
さて人生初のブルーレイ、忙しくて一回しか観れてないのですが、HUGEはwowowにはなかったカットもあって映像好印象です! QUITは確かに映像の構図などありますが、リリースしてくださったことに感謝です。これまたSNSですが少なからずファンの方がQUITとHUGEの2枚組でのリリースを要望されていて、今思うに12/10gyaoの配信や、かつてのTMはホールツアーリリースされてこなかったことを考えるにリリースされただけありがたいなぁと思います。
要望してくださったファンの方々にも感謝ですね!
音声は会場では小室さんのボーカルがもう気持ち大きめだったと思うので、その点は一般的なミックスで小室シングのファンとしてもライブのファンとしても個人的には少し残念ですが、消してるわけではないしとても聴きやすいのだろうと思います。
wowowといえば、FINALは音の響きも会場とは違ってきこえたり(木根さんのアコギがなぜかフェードイン気味にアタック弱めに入ってくる、ライブでのカットインアタック強めなのが魅力なのに…)、音声とスクリーンのシンクロしない部分のカット割り(carol)が残念だったので、製品版では改善してほしいかなと思ったり。
スクリーン映像は、先日の小室さんのツイート
https://twitter.com/tetsuya_komuro/status/625673022897176576 や インスタ、755での拍手の様子を見るに期待できるのではないかなぁと思っています。FINALのリリース告知は最短でもwowow再放送後でしょうけど楽しみです!
音声トラブルはglobeの現状を感じさせ、でもイベントが成立して良かったです。楽しかった。avexの投資を感じました。他のファンの方々ともお話できてありがたかったです。
FANKS的には、小室さんの最後の挨拶で最低でも1年間はTMがないんだと感じないまぜな気持ちが20年前を追体験しているかのようでもあり(^^;; TMが再ブレイクするには4年目が必要だったのかなぁ。4.24のMステ出演してくれていれば…、FINALリリース時にでも出演してほしい…
少し前ですが、ウツさんのそれいけ!歌酔曲、追加公演に行ってきました。TMとは違ったウツさんの声の魅力があって、曲紹介もしてくださったこともあり、はじめてですが楽しめました。
木根さん、数多くのテレビ出演にびっくりです。ライブ出演楽曲提供などもありお忙しいそうですね~
最後は祝詞で。
globe20周年、おめでとうございます!
ほんとにこの時期のTMに対しての誤解って正直、
他が上手くいかなくなってきたからTM(小室さん)
新しいアイデアが出ないから昔好きだった言わば貯金で創った(MTR)
あまり乗り気でなくストレスで肥った(ウツ)
安定感(木根さん)
ってめっちゃひどいですね。何様ですか私は。
でも、このブログにたどり着く一年前まで思っていた正直な気持ちです。
凄く本気で、情熱をかけて活動されてた事を知れてまたまた感謝の気持ちでいっぱいです。一人では誤解したままでした。ありがとうございます。
>kuri566さん
globe編は買っていませんでした
これが出ると言うことは、去年のTM編・TK編はまあまあ売れたんでしょうか
30th Finalは、小室さんが出すと断言しているので、大丈夫でしょう
多分Remode2の前に出して相乗効果を狙うんじゃないかと思っています
MTRツアー、詳しくない方を連れていくにはハードル高そうですねえ
そういう意味では、入門編ツアーを一回やった後にMTRツアーというのが理想でしたが、次のツアーは3年後になりましたからね…
エレプロは、おっしゃる通り、この時のは素晴らしいですね
私もこのエレプロが歴代で一番好きです
こういう緊張感ある空間で演奏されると、とても映える曲だと思います
この曲、DVDでは、歌が始まると、会場から女性の「キャー」て声が聞こえますね(笑
>かっとさん
メロトロン3台て、すごい贅沢な仕様ですよね
このライブ、UMUの経費とかを考えても、どれくらい収益が上がったのか心配になります
Quit30は商品化されて本当によかったです
こんな感じでEXPOツアーとかも商品化してほしいなあ
いや、もう諦めていますけどね…
the beginning of the endの時もですが、ミックスは結構いじっているみたいですね
ライブの通りでいいんだけどなあ…とも思うんだけど、プロの方からすると色々とあるんでしょうね
スクリーン映像は、mumo予約特典とかにでも…
globeは、小室さん積極的に動いていますね
満足行くまでやってくれればと思います
この頃のTM、貯金でMTR作ったと言う評価は、実は私も否定できないと思っています
もちろん情熱をかけて作ったことも事実ですけども、1999年に考えていた方向が失敗した後にMESSaGEのレコーディングがやたらと時間かかったのは、やはりアイデアがでなかったんじゃないかなあ
この作品は、自らのルーツを表現すると言う意味でミュージシャン冥利に尽きるものだったと思うけど、結局インディーズに移って商業ベースで出せない音楽をやったという評価になっちゃうかもしれません
その後にもつながらなかったし、プロデューサーとしては成功作とは言い難いかなあと
もちろん作品としては素晴らしいものですし、TMファンの多くは(私も)プロデューサー小室よりはミュージシャン小室を見たいと思っているでしょうけど、ここでまた、「広がらないTM」という例の問題が出てきてしまうわけですよね
TMがこの後で放置されてしまうのも、プログレに行ってしまった後に展開すべき方向がなかったということもあったのかも
>やまびこさん
当日券て、試してみるもんですよねえ
私は「終了」以前、チケットがいつも取れないので諦めていたんですが、会場に行けば買えたかもしれなかったんだし…
でも朝7時に並ぶ根性はなかったかな(笑
大雪が降っていた頃じゃなかったでしたっけ?
THE POINT OF LOVERS' NIGHTの始まり部分のMIXも変えているみたい。
逆に言うと、ちゃんとエンジニアさんが仕事してくれたってことだね~
今回の特典BDとしてはまあ、みなさんが納得できる作品に仕上げていただいたかな~
30th FainlのBDはいつ発売になるんだろ~?
次も、特典付きのBDも付いたらうれしいな~?
Tour Major Turn-Roundも行ったけどこの頃小室さんは、うっすらあごヒゲを生やしていてカッコいいな~
思い出としては、ぼくを挟んで前の男性と後ろの女性が小室さんの投げたタオルを奪い合っていたのを覚えています。
ぼくも、掴めばよかったかも…
このLIVE DVDも買ったけど、WOWOWでは、気にならなかったけど動きがカクカクして変わった作品ですね。
しかも、もう正規の値段では手に入らないんだ~?
高いね。
「過剰に作りこむ方針」私は寧ろ好きです。MTRと「the beginning of the end」は見直す度に「ああ、生では味わえない市販品ならではの、別の演出による価値観を引っ提げたいんだな」と大歓迎ものでした。
両者の共通点として、ライヴ映像をそのまま写さずに全編に色調補正と編集をかける。ここら辺はもはや実写の数倍制作に手間がかかるアニメの仕事です。ファンが生で見れる事で感じられる快感とは別に、生で体験できなかったファンも、生で見れたファンも新しい発見を見つける様な演出に心からのサービス精神を感じました。
2012年以降は歓声が聞こえる時間と音量を少なめにして新しい音・メロディを重点にしたミキシングが聞かせたいという心意気が感じられて、潔いです。
だからこそ、本作をライブ映像作品の特異点の一つとして私は今も何週もしているんだと思いました。
失礼いたしました。
曲も新曲ばかりなので曲間がシーンとした緊張感に包まれていたのを覚えています。
心は熱かった!
かっこいいですねえ
その熱さの1/10でもあれば、私も同じ場所に行ったでしょうにねえ…
実に惜しいことをしました
>まかろんさん
音をいじっているのはなんらかのこだわりがあってのことなんでしょうから、仕事をしたという評価はその通りでしょうね
30th Finalは秋か冬までひっぱるんでしょうね
私も特典に何かつかないかな?と期待しています
結構ありそうなのが、COUNTDOWN JAPANの完全版映像かな
ALL THAT LOVEがあれば喜ぶファンも多いでしょうが、こっちは難しそうですね
>feさん
色調補正はよく分かっていませんでした(the beginning~はライブも行ったんですが)
何か変わっているんですか?
映像の編集については、30th FinalのWOWOW放送でも、Get Wildイントロでは映像をゆっくりと再生するなど、あえて特殊効果を入れていましたね
あれはあのまま商品化するのかな
>zozozoさん
比較するものがなかったら、トラブルかどうか、特別な演出だったのか、判断する材料ありませんからね
ライブの記事を書く場合、意外とこれが悩むところです(意図的に一回だけ変えたのかミスったのかの判断)
MTRツアーはさぞかし緊張感があったと思います
(ステージだけでなく客席でも)
でもノリノリの曲の中でそんな感じだと微妙ですが、MTRのように演者の技術を駆使し尽くして聴かせる類の音楽の場合、むしろそういう空気も正解だったのかなとも思います