7-17 NETWORK -Easy Listening-
7/2、Biglobeがブログの仕様を変更したようで、見た目も少し変わりました。
正直このままで良いのか判断が付きかねているので、しばらく様子を見て、違和感がぬぐえないようだったら、また微調整いたします。
サイドバーが強制的に直されてしまい、また手直ししたいのですが、どうやればいいのかよくわからず…
その他不具合があっても、しばらく放置せざるを得ないかもしれません。
ちなみにテーマ別記事一覧や最近のコメントは、サイドバーの一番下に移されました。
今回の仕様変更でアクセスカウンターがなくなりました。
少し前まで使っていた他業者のカウンターも止まってしまいましたが、今はカウンターははやらないんでしょうか。
別に私もそんなこだわっていたわけではないので、これにてカウンターは終わりにしようと思います。
また、気持ち玉がしばらくなくなるそうです(そのうち復活するとのことですが)。
いつも気持ち玉をくださっていた方々、しばしご迷惑をおかけします。
ウェブリブログ自体、いつまで続くのか心配にもなってきましたが、今しばらくは継続していこうと思います。
字数制限の緩和とか、悪いことばかりでもないようですし。
最近新たにまとまった情報提供を受けたので、時間を見つけて初期記事の一部を手直ししています。
まだ一部しかできていませんが、進み次第進捗状況を報告します。
以下近況について。
Blu-ray BOX「TM NETWORK THE VIDEOS」について、前回取り上げ忘れたのですが、「Dragon The Festival Tour」のディスクにチャプター設定のミスがあったそうで、SONYが郵送によるディスク交換を受け付けています。
期限は今年12月までです。
BOXのリリースを受けて、ナタリーにウツのインタビューが掲載されました。
前回のGYAO!のインタビューに続いて2回目です。
ウツは当時、FANKSがどれくらいいるか実感できなかったけれど、後になって影響力の大きさを感じるようになったと言っています。
たしかに90~00年代て、TMの影響が過小評価されていた印象があります。
さて、これまで今年上半期は、「劇場版シティハンター」、「final live LAST GROOVE」上映会、「TM NETWORK THE VIDEOS」と、2019年は過去のTMにちなんだ企画が次々と発表されてきました。
それももう終わりかなと思っていたんですが、ここに来てまた一つの話題が投下されました。
今年は「機動戦士ガンダム」の40周年に当たりますが、去年から関連企画を行なうことが発表されていました。
そしてそのプロジェクトコンセプトは「BEYOND」でした。
ガンダムで「BEYOND」といえば、「逆襲のシャア」のエンディングテーマ「Beyond The Time」が、ただちに想起されます。
私も「ふーん、TMが動いてたら「Beyond The Time」も絡んだんだろうなあ」とは思っていましたが、
どうにもなるはずもないので、この話題については特に触れることもなく放置していました。
ところがここに来て、微妙にTMが絡む話題が出てきました。
40周年企画の目玉は、オリジナルのガンダムのプロローグに当たる「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のアニメ化でした。
こちらは全13話で、4月末から7月まで放送の予定です。
オープニング・エンディングテーマの担当はLuna SeaのSUGIZOさんで、オープニングはこれまで第1弾(1~4話)・第2弾(5~8話)ともLuna Seaの新曲でした。
6/24放送の第9話からのオープニングテーマもLuna Seaですが、その曲は意外にもTM「Beyond The Time」のカバーでした。
「劇場版シティハンター」と同じサンライズの制作であることも関係しているのかもしれません。
それにしてもTMとLuna Seaが絡むなんて、昔なら想像もできませんでした。
たぶん「THE ORIGIN」楽曲は、今後まとめられてCDでリリースされると思います。
また8/7には、森口博子さんのガンダムカバーアルバム「GUNDAM SONG COVERS」がリリースされます。
もちろん「Beyond The Time」も収録されます。
森口さん、昔ライブでウツ・木根さんと一緒にこの曲を歌ったこともあるんですよね。
TM35周年に向けて、周到な準備がされていたんだなと思うと、嬉しさの反面、残念さもぬぐえません。
こんな良いタイミング、もうあり得ませんよね…
ちなみに「ぼくらの七日間戦争」のアニメ版も、今年12月に公開予定とのことです。
まあこちらはTMの「Seven Days War」が使われるとの情報は出ていませんが、TMが活動していたら、何らかの絡みはあっただろうと思います。
ウツは「それゆけ!!歌謡曲~ギア4 one~」が6/25赤坂BLITZ公演を以て千秋楽を迎えました。
この日のライブは、当日ニコニコ生放送で配信されています。
(その前には去年の「Tour Thanatos」の編集版も配信されました)
これに先立つ6/14には、9/22~11/10の全国ツアーも発表されました。
サポートは去年の「Tour Thanatos」と同じくギター1人+キーボード3人の編成で、ギターは北島健二さん、キーボードは去年と同じ土橋安騎夫さん・浅倉大介さん・nishi-kenさんです。
去年と同様の小室曲を多く含むセットリストになるのでしょうか。
そしてツアータイトルは「Dragon The Carnival」です。
これは「TM NETWORK THE VIDEOS」に収録された「Dragon The Festival Tour」を意識しているのでしょうか。
だとすると「Dragon The Festival」なども演奏するかもしれません。
あとはソロ曲から「カーニバルの騎士たち」でもやるのかな?
木根さんは「2626ツアー」が始まりました。
ツアーでは会場限定CD「R1」を販売しているそうです。
劇団こどもみかんで一緒に活動している吉田ゐさおさんの企画・プロデュースで、「木根尚登 遊ビートシリーズ」の第1弾とのことです。
新曲「傘がさせない」「君が生まれた日」の他、TMの「Get Wild」「8月の長い夜」のカバーも収録されているそうです。
BOXリリースが終わり、近況整理は落ち着くかと思ったのですが、意外と話題が途切れませんね(結構負担)。
では本題に入ります。
---------------------------
アルバム「NETWORK~Easy Listening~」は、2004/3/24にリリースされた。
当時は「待望のオリジナル・フルレングス・アルバム完成!!」と宣伝された。
「フルレングス」がアピールポイントになっていたことは、この頃のTMの活動の低調さを物語っているが、TM NETWORKはR&C移籍後2年にして、ようやく初の新作アルバムリリースを実現したことになる。
本作は初回限定版に限り、見る方向で絵が変わるチェンジングジャケットが導入された。
私は初回限定版以外に見たことがないが、そうでない版もあるようで、そこではチェンジングジャケットが使われていないらしい(GAUZE氏提供情報)。
ジャケットには横3枚・縦2枚、合計6枚の写真があるが、これを傾けると、それぞれ別の写真になる。
またジャケットの裏側にも、同じ形で6枚の写真が載せられている。
そのうちの4枚は、表面の変化後の写真と同じものである。

右が表面(通常)、左が裏面
表左上の老夫婦の写真は、傾けると夫が白くなって見えなくなる仕様になっており、またこれに対応する裏の左上の写真は結婚式の写真となっている。
これは結婚から死別に至る夫婦の一生を表現したものと考えられる。
このようにジャケットの写真には、それぞれ意味が与えられているようだ。
右上は象の写真だが、傾けるとTM3人の写真になる(なおこれは2004/2/5小室自宅で撮影したもの)。
これはあるいは歌詞に象が登場する「Take it to the lucky」に対応するものか。
上段真ん中の写真はスクラップの車が積み上がっている写真で、傾けるとハエの写真になる(裏の上段真ん中の写真と同じ)。
これはスクラップにされる恐れがある中で努力を続けることを歌った「Screen of Life」を表現したものか。
ならば老夫婦は、男女の日常と別れを扱った木根の「君がいる朝」「風のない十字路」に対応しているのかもしれない。
本作はチャートでは初動12位・2.4万枚で、最終的には3.6万枚を売った。
2003年リリースの音源集「キヲクトキロク」は、初動25位・1.4万、総合2.1万枚だったから、さすがにこれよりは売れたことになる。
TMがSONYから移籍した2000年以来、現在までもっとも高い売り上げとなった作品である。
TMの新作アルバムが10位内に入れなかったのは、1987年の「Self Control」以後では初めての事態である。
再始動以後のアルバムはこれまでインディーズ盤の「Major Turn-Round」しかなく、売り上げが明かされなかったため(チャート集計の対象外)、本作は再始動後初めてチャートの対象となった作品だったが、TMはそこで10位以内ランクインを逃してしまったことになる(なお2012年再々始動後は入っている)。
本作の収録曲は合計10曲である。
その中の3曲は、「終了」以前のシングル曲のトランスミックスだった。
また木根の新曲「風のない十字路」と1年前のシングル曲「Castle in the Clouds」「君がいる朝」の合計3曲は、Dave FordとIan Curnowによるリミックスとして収録されている。
小室が本アルバムのために作ったのは、残り4曲ということになる。
その内の「nuworld」はインスト、「come closer」は準インスト曲であり、
歌モノの新曲は2曲に過ぎなかった。
その中の1曲「Screen of Life」は先行シングルで発表されており、アルバムで初めて披露されたのは「Presence」のみである。
20周年の新譜に期待するファンの中には、この内容に不満を抱く者も少なくなかった。
本作に収録された楽曲は2004/1/6からレコーディングが始まり、2月まで1カ月半程度で制作された。
この期間の短さが、本来リミックスアルバムの制作のために設定されたことに起因する可能性は、以前推測したところである。
その推測の是非はともかくとして、この期間では満足なオリジナルアルバムを作ることは難しかっただろう。
本作は時間的制約の中で、可能な限りの力を注いで作り上げた作品といえる。
本作が会心の出来であるとは、スタッフもメンバーも、小室自身も思っていなかっただろう。
小室によれば本作のタイトル「Easy Listening」について、イージーリスニングという音楽ジャンルは、音楽的にはしっかりしているがあまり失敗はなく、流しておいても恥ずかしくないし、邪魔にもならないものであるとした上で、本作でもどこで流しても気持ちいいと言われることを狙ったと述べている。
小室は一応ポジティブな言い方をしているが、むしろここからは、自信の無さが漏れ出している、
2003年初めまでの小室は、先進的・画期的な試みによって評価を得ようという意欲を常に発していたが、上記の説明に見る本作の方針は、失敗を避けたいという消極的・妥協的姿勢が強く出ているように感じられる。
また小室は本作で、トランスのような音をポップスに入れていく作業を行なったとし、トランスの気持ちよさのさじ加減を考えたと言っている。
小室はこれをトランシーまたはJトランスと呼んでいるが、つまり全面的なトランスの実践ではなく、トランスを適度にポップスに取り入れることを試みたと言うことである。
具体的には「Screen of Life」を念頭に置いた発言だろうが、この頃の小室の、トランスを前面に出すことを強調しない姿勢は見て取ることができる。
これ以前の2001~02年の小室は、トランスを日本のミュージックシーンに送り込みたいと語っていたが、それと比べるとこの頃の小室の態度は相当妥協的である。
2003年のglobe「Level 4」での失敗が尾を引いているのかもしれない。
小室は「Level 4」以後の作品では、トランスから離れる方向も見せていたが、かと言って新しい方向性を見出していたわけでもなかった。
小室はそうした迷いの中で、TM20周年作品になかなか取り掛かることができなかったが、最終的にはトランスの方向で行くことを選択した。
しかしその選択に十分な自信はなかったため、上記のような妥協的な発言となったのだろう。
その意味で本作は、小室が自らの迷いを払拭できないまま着手を余儀なくされた作品でもある。
ともかくも形になったことを喜ぶべきか、中途半端な作品となってしまったことを嘆くべきか、なかなか判断は難しいものがある。
ただともかく、小室が長期にわたって傾倒したトランスは、ここでついにTM NETWORKにも導入されることになった。
これは小室の音楽史の中では、トランス作品の最末期のものとなる。
あえてポジティブな評価をすれば、2001年以来の小室トランスの最終的な達成が本作だったといえよう。
以下では各収録曲について言及していきたい。
ただし「Take it to the lucky(金曜日のライオン)-Album Mix-」「Screen of Life -Extended Mix-」については前章で触れたので、ここでは他の8曲について触れることにする。
すでに述べたように、本作で歌モノの新作といえるのは、先行シングル「Screen of Life」を除けば、3曲目「Presence」のみである。
曲名はLed Zeppelinのアルバムタイトルから取ったものである。
この曲はイントロ無しで歌が始まる。
「Seven Days War」「Winter Comes Around」「大地の物語」などの例はあるが、TMでは珍しい作りである。
少なくとも再始動後だと、これ以外には「if you can」くらいしかない。
「Presence」は本アルバムの小室曲の中で、唯一のミディアムテンポ曲である。
音はシンセが前面に出ているが、どちらかといえば歌をじっくり聞かせる作りである。
トランスのように耳に突き刺さるインパクトはないものの、シンセの穏やかな空気は良い雰囲気だ。
葛城のギターとの絡ませ方もとてもよい。
この曲と「Screen of Life」を出すことができたことは、この頃の小室の状況を考えれば、よくやったといえる。
作詞は「Screen of Life」に続いて小室哲哉が行なった。
アルバムに収録された小室の新曲は、すべて小室自身が作詞している。
小室は木根曲の「風のない十字路」も作詞する案があり、後にインスト曲「nuworld」にも歌詞を付ける案があった。
この頃の小室は、作曲以上に作詞に意欲的だった。
「Presence」では「Screen of Life」と同様に、歌詞に「ですます」調の文体が使われている。
内容も「Screen of Life」と同様に、社会から使い捨てにされそうな絶望感の中で、奮い上がる気持ちを歌ったものである。
この絶望感は「Screen of Life」以上に直接的で、冒頭から「悲しかったね自分の影をだんだん…誰もがまわりが必要としなくなってた」と言っている。
さらにかつて自分に向けられていたのは「たてまえの笑顔だった」とも語る。
この頃の小室の下からは、知人が次々と離れていっていたのだろうか。
小室はこうしたつらい現状の中で、「私たちの国はこれからいつから何処へ進むのか走り込むのか」と言って、日本という国への不満を語る。
これは政治的な発言というよりは、自分を取り巻く不如意な環境への絶望感を吐露したもので、国の戦士として戦いを強いられてきた者をスクラップとして捨て去る日本社会への不満を語る「Screen of Life」と同様の趣旨である。
ここまで「Presence」は「Screen of Life」とほとんど同じことを言っている。
ただ「Screen of Life」は一応ファンの状況を語った形式を取っているのに対し、「Presence」は明らかに小室が自らの状況を吐露するモノローグである。
そうした形式上の相違にもかかわらず、両者が同じ内容であるのは、前章で推測した通り「Screen of Life」も実質的には小室自身のことを歌ったものだからであろう。
小室はスランプに陥っていた2003年の絶望的な心情を表現した上で、「Screen of Life」では、それでも愛する人のために再起を図ろうとする決意を外に向けて表明する。
一方の「Presence」もこの結論は同じだが、描かれるのは自らの決意を「愛する人」に伝えるという、より個人的な場面である。
同じ決意表明でも、片やオフィシャル、片やプライベートな場面でのそれと言える。
「Presence」の決意表明に当たるのは、具体的にはサビの部分である。
「君と出会えて素顔見せずに済んでいる」とあるのは、「君」がいるおかげで外に対して本心を隠して頑張れるということだろう。
その本心はAメロ・Bメロで語られた絶望感に他ならない。
小室はサビに入るところで、この絶望感を「独り言です」と言ってひっこめるのだが、こうした愚痴を何も言わずただ聞いてくれている「君」のおかげで、小室はようやく精神の平衡を保つことができていたのだろう。
その「君」は「PRESENCE」、つまり目の前にいる存在である。
この頃の小室の生活を考えれば、ここで念頭に置かれていたのは妻のKEIKOとするべきである(小室は冗談で木根がいればいいんだという意味だと言っているが)。
ならば「We know the truth」などのフレーズで主語が「We」になっているのは、小室だけでなくKEIKOも同じ思いを抱えていることを示していることになる。
ただこれを聞いているファンにとっては、「君」は自分たちを指していることにもなるだろう。
小室がファンに対して自らの絶望感を告白するとともに、曲を聞いてくれるファンのおかげで活動ができていることを感謝している歌詞と読むこともできる。
この曲はこの頃のライブで本編の最後やアンコールで演奏されたが、それはライブに来てくれたファンに対する感謝のメッセージでもあったと考えられる。
歌詞の内容はかなり病的だし、優れているとも思わない。
だが歌詞に現れた心情がシンセの音色で表現されている点は、やはり「Screen of Life」と同様である。
穏やかなシンセの音色は、「君」のおかげで救われている小室の心情を表現したものに違いない。
このアルバムにおいて、「Screen of Life」とあわせて聞くべき曲である。
ついでリミックス曲に触れよう。
まずは2曲目の「Love Train -Extended Mix-」である。
なお1993年の「Classix 2」には、「Love Train (extended euro mix)」が収録されているが、これとはまったく関係ない。
しかしそれにしてもまぎらわしいタイトルである。
この曲は「Take it to the lucky」と同様に、2003年9月の「Fan Event in Naeba」で使われたライブ用トラックを手直ししたものである。
ただライブからレコーディングまでの時間差があったためか、手直しの度合いはより大きい。
たとえば「Fan Event in Naeba」では、アクセル音をイメージしたシンセなど、オリジナル音源で使われた音が各処に残っていた。
だが「Extended Mix」では、これらが大々的にカットされており、原曲の雰囲気が著しく減退している。
「Fan Event in Naeba」では残っていた冒頭のサビもなくなっている。
一方で「Extended Mix」では、イントロの特徴的なシンセや葛城哲哉の冒頭のコーラスなど、「Fan Event in Naeba」にはなかった要素を付け加えている。
言うなれば原曲にトランス的な要素を加えたのが「Fan Event in Naeba」バージョンだったとすれば、「Extended Mix」は原曲の部分を取り除きトランス要素のみに仕立て直したと言う印象である。
その結果「Extended Mix」は、原曲よりも落ち着いてクールな雰囲気を作り出すことに成功している。
私は「Love Train」自体があまり好きではないので、このアレンジへの関心はそれほど強くない。
だが3曲の過去曲リミックスの中では、これが一番よくできていると思う。
リミックス曲としては、6曲目の「Take it to the lucky-Album Mix-」の他、8曲目の「Time To Count Down -Labo Mix-」もある。
「Time To Count Down」は3曲のリミックス曲中では、もっとも極端なアレンジが施されたものである。
このアレンジはライブ用テイクの転用「Take it to the lucky」「Love Train」と異なり、レコーディング時に作ったものである。
小室は半日で作ったと言っている。
冒頭で「Time To Count Down」の掛け声が入り(ウツ声ではない)、「Ah」「LaLa LaLaLa LaLaLaLa」の声が続くが、その後はパーカッションが続き、なかなか歌が始まらない。
2分を過ぎた頃から、原曲イントロのピアノソロのフレーズがシンセで奏でられる。
ここが本曲でもっとも「Time To Count Down」的な部分だろう。
さらにドラムやギターも加わるが、ピアノのフレーズは2分以上、曲の終盤まで続く。
そして最後の20秒になってようやく、「Time To Count Down 風の中 Wow Wow Wow 裸で」の歌が入るのだが、曲はここでフェードアウトして終わる。
「Time To Count Down」と言いながら、歌メロはほとんど使われておらず、歌詞カードにも歌詞は掲載されていない。
私も初めてこれを聞いた時、予想外のアレンジにかなり驚いた。
以上3曲およびシングル曲「Screen of Life」「Take it to the lucky」は、20周年ライブでも演奏された。
その意味ではこの5曲が「Easy Listening」の主役と言える。
最後の9・10曲目は新曲である。
8曲目の「Time To Count Down」からここまでは、本作でもっともトランスの雰囲気が濃い部分である。
3曲ともほとんど歌詞がなく、小室ソロのインスト作品としての性格が強い。
9曲目「nuworld」は「new world」の意味である。
8分半近くに及び、アルバムの中ではもっとも長い曲である。
5:39のところからは、基本的に2分過ぎの部分からの繰り返しであり、無駄に引き延ばした感が強い。
冒頭の部分は悪くないと思うのだが。
ただ同じ構成が続くのは、意味があるのかもしれない。
というのも小室はレコーディング終了から間もない2/24のインタビューで、ライブでは「nuworld」に歌詞を付けたいと語っている(現在まで実現していない)。
かつて2001年、globe「genesis of next」が、まずインストで発表された後に歌詞が付けられたことなども念頭にあったのかもしれない。
小室がインタビューで歌詞を付けたいと言っているのは、実はもともと歌を入れるつもりで作っていたためとも考えられる。
同じフレーズが繰り返されているのも、歌モノのバックトラックの予定だったと考えれば理解しやすい。
おそらく時間が足りず、歌詞と歌メロを作ることができなかったのだと思う。
その場合、「Time To Count Down」も改めて気になるところである。
この曲ではボーカルトラックをオリジナル音源から取っているが(ライナーにもこの曲についてだけ「This track contains samples from “TIME TO COUNT DOWN” under licence from Epic Records Japan Inc.」と書かれている)、実は当初は「Take it to the lucky」「Love Train」と同様、歌を録り直すことが予定されていたという。
半日で作ったと言うことから考えるに、歌が録られなかったのは時間の不足によるものである可能性がある。
さらに疑えば、最後の「come closer」もタイムアップだった可能性がある。
この曲の歌詞は、「Come closer Don't go away…」「Stay Around Stick Around…」「Get a hold of yourself…」の3つだけであり、インストの中にウツのボーカルが時折流れるという構成だが、歌をちゃんと入れる時間がなかったのかもしれない。
ただこの曲については、ささやくようなウツの声をSE的に使用している部分は、それなりにかっこよく聞こえる。
これでアルバムを終えると言う構成は、悪くないと思う。
この曲は最初のワンフレーズから広がった曲だと言う。
「Easy Listening」は、最初は「Screen of Life」で再起を目指すことを宣言し、最後はファンに対して、「もっと近くに来て、去って行かないで」と、お願いして終わることになる。
しかしそれにしても、最後にインスト・準インストを3曲並べるというのは、バランスとしてどうかと思う(これは次回作「SPEEDWAY」もそうなのだが)。
音も似ているため、いかにも捨て曲という印象を受けてしまう。
以上5曲が小室によって作られたトラックである。
他の3曲は既発表曲のリミックスで、クレジット上では小室が編曲したことになっているが、小室がこれらについて具体的な発言をしたことはない。
実際の関与はなかったか、ごく限定的だったと考えられる。
4曲目「Castle in the Clouds」はDave Fordが、5曲目「君がいる朝」と7曲目「風のない十字路」はDaveとIan Curnowが、Additional Productionを行なったとされているが、事実上リミックスを全面的に委託したものだろう。
これらはすべて「Album Mix」の副題が対いている。
この3曲のアレンジは、アルバム用に音を調整したというレベルではなく、曲自体が大きく変更されている。
そのアレンジはトランス風というわけではないが、特に「君がいる朝」「風のない十字路」は原曲の雰囲気を大幅に変え、長く重苦しいイントロが加わっている。
「Castle in the Clouds」は、生ドラムがすべてシンセに差し替えられており、リズム感が原曲とは大きく変わって、勢いが感じられる。
小室も2002年のアレンジ時に、同様のことをしようとしたのだが、その時は80年代というコンセプトを意識してやめたという。
それがこの時に実現したというところだろうか。
「君がいる朝」は、オケのメインだった生ピアノがシンセに置き換わったことで、大きく趣が変わっている。
またイントロや間奏が大幅に長くなり、原曲の長さは4分半もなかったにもかかわらず、「Album Mix」は8分となっている。
「Castle in the Clouds」のドラムにしろ、「君がいる朝」のピアノにしろ、
生楽器がほぼなくなっているのは、トランスを中心にしたいと考えていた小室が、そのように依頼したものかもしれない。
「風のない十字路」も、原曲ではピアノ音色のシンセが目立っていたが、これが控え目になり、ドラムが目立つ形で加えられている。
やはりかなり印象が変わった曲である。
個人的にこれらの曲については、音はオリジナルよりもアルバム版の方が好きだ。
ただ発表当時の楽曲のコンセプトや歌詞を考えると、違和感を感じなくもない。
特に「君がいる朝」については、その印象が強い。
DaveもIanも日本語は分からないだろうから、歌詞の内容を考慮せずリミックスを行なったものと思われる。
正直このままで良いのか判断が付きかねているので、しばらく様子を見て、違和感がぬぐえないようだったら、また微調整いたします。
サイドバーが強制的に直されてしまい、また手直ししたいのですが、どうやればいいのかよくわからず…
その他不具合があっても、しばらく放置せざるを得ないかもしれません。
ちなみにテーマ別記事一覧や最近のコメントは、サイドバーの一番下に移されました。
今回の仕様変更でアクセスカウンターがなくなりました。
少し前まで使っていた他業者のカウンターも止まってしまいましたが、今はカウンターははやらないんでしょうか。
別に私もそんなこだわっていたわけではないので、これにてカウンターは終わりにしようと思います。
また、気持ち玉がしばらくなくなるそうです(そのうち復活するとのことですが)。
いつも気持ち玉をくださっていた方々、しばしご迷惑をおかけします。
ウェブリブログ自体、いつまで続くのか心配にもなってきましたが、今しばらくは継続していこうと思います。
字数制限の緩和とか、悪いことばかりでもないようですし。
最近新たにまとまった情報提供を受けたので、時間を見つけて初期記事の一部を手直ししています。
まだ一部しかできていませんが、進み次第進捗状況を報告します。
以下近況について。
Blu-ray BOX「TM NETWORK THE VIDEOS」について、前回取り上げ忘れたのですが、「Dragon The Festival Tour」のディスクにチャプター設定のミスがあったそうで、SONYが郵送によるディスク交換を受け付けています。
期限は今年12月までです。
BOXのリリースを受けて、ナタリーにウツのインタビューが掲載されました。
前回のGYAO!のインタビューに続いて2回目です。
ウツは当時、FANKSがどれくらいいるか実感できなかったけれど、後になって影響力の大きさを感じるようになったと言っています。
たしかに90~00年代て、TMの影響が過小評価されていた印象があります。
さて、これまで今年上半期は、「劇場版シティハンター」、「final live LAST GROOVE」上映会、「TM NETWORK THE VIDEOS」と、2019年は過去のTMにちなんだ企画が次々と発表されてきました。
それももう終わりかなと思っていたんですが、ここに来てまた一つの話題が投下されました。
今年は「機動戦士ガンダム」の40周年に当たりますが、去年から関連企画を行なうことが発表されていました。
そしてそのプロジェクトコンセプトは「BEYOND」でした。
ガンダムで「BEYOND」といえば、「逆襲のシャア」のエンディングテーマ「Beyond The Time」が、ただちに想起されます。
私も「ふーん、TMが動いてたら「Beyond The Time」も絡んだんだろうなあ」とは思っていましたが、
どうにもなるはずもないので、この話題については特に触れることもなく放置していました。
ところがここに来て、微妙にTMが絡む話題が出てきました。
40周年企画の目玉は、オリジナルのガンダムのプロローグに当たる「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のアニメ化でした。
こちらは全13話で、4月末から7月まで放送の予定です。
オープニング・エンディングテーマの担当はLuna SeaのSUGIZOさんで、オープニングはこれまで第1弾(1~4話)・第2弾(5~8話)ともLuna Seaの新曲でした。
6/24放送の第9話からのオープニングテーマもLuna Seaですが、その曲は意外にもTM「Beyond The Time」のカバーでした。
「劇場版シティハンター」と同じサンライズの制作であることも関係しているのかもしれません。
それにしてもTMとLuna Seaが絡むなんて、昔なら想像もできませんでした。
たぶん「THE ORIGIN」楽曲は、今後まとめられてCDでリリースされると思います。
また8/7には、森口博子さんのガンダムカバーアルバム「GUNDAM SONG COVERS」がリリースされます。
もちろん「Beyond The Time」も収録されます。
森口さん、昔ライブでウツ・木根さんと一緒にこの曲を歌ったこともあるんですよね。
TM35周年に向けて、周到な準備がされていたんだなと思うと、嬉しさの反面、残念さもぬぐえません。
こんな良いタイミング、もうあり得ませんよね…
ちなみに「ぼくらの七日間戦争」のアニメ版も、今年12月に公開予定とのことです。
まあこちらはTMの「Seven Days War」が使われるとの情報は出ていませんが、TMが活動していたら、何らかの絡みはあっただろうと思います。
ウツは「それゆけ!!歌謡曲~ギア4 one~」が6/25赤坂BLITZ公演を以て千秋楽を迎えました。
この日のライブは、当日ニコニコ生放送で配信されています。
(その前には去年の「Tour Thanatos」の編集版も配信されました)
これに先立つ6/14には、9/22~11/10の全国ツアーも発表されました。
サポートは去年の「Tour Thanatos」と同じくギター1人+キーボード3人の編成で、ギターは北島健二さん、キーボードは去年と同じ土橋安騎夫さん・浅倉大介さん・nishi-kenさんです。
去年と同様の小室曲を多く含むセットリストになるのでしょうか。
そしてツアータイトルは「Dragon The Carnival」です。
これは「TM NETWORK THE VIDEOS」に収録された「Dragon The Festival Tour」を意識しているのでしょうか。
だとすると「Dragon The Festival」なども演奏するかもしれません。
あとはソロ曲から「カーニバルの騎士たち」でもやるのかな?
木根さんは「2626ツアー」が始まりました。
ツアーでは会場限定CD「R1」を販売しているそうです。
劇団こどもみかんで一緒に活動している吉田ゐさおさんの企画・プロデュースで、「木根尚登 遊ビートシリーズ」の第1弾とのことです。
新曲「傘がさせない」「君が生まれた日」の他、TMの「Get Wild」「8月の長い夜」のカバーも収録されているそうです。
BOXリリースが終わり、近況整理は落ち着くかと思ったのですが、意外と話題が途切れませんね(結構負担)。
では本題に入ります。
---------------------------
アルバム「NETWORK~Easy Listening~」は、2004/3/24にリリースされた。
当時は「待望のオリジナル・フルレングス・アルバム完成!!」と宣伝された。
「フルレングス」がアピールポイントになっていたことは、この頃のTMの活動の低調さを物語っているが、TM NETWORKはR&C移籍後2年にして、ようやく初の新作アルバムリリースを実現したことになる。
本作は初回限定版に限り、見る方向で絵が変わるチェンジングジャケットが導入された。
私は初回限定版以外に見たことがないが、そうでない版もあるようで、そこではチェンジングジャケットが使われていないらしい(GAUZE氏提供情報)。
ジャケットには横3枚・縦2枚、合計6枚の写真があるが、これを傾けると、それぞれ別の写真になる。
またジャケットの裏側にも、同じ形で6枚の写真が載せられている。
そのうちの4枚は、表面の変化後の写真と同じものである。

右が表面(通常)、左が裏面
表左上の老夫婦の写真は、傾けると夫が白くなって見えなくなる仕様になっており、またこれに対応する裏の左上の写真は結婚式の写真となっている。
これは結婚から死別に至る夫婦の一生を表現したものと考えられる。
このようにジャケットの写真には、それぞれ意味が与えられているようだ。
右上は象の写真だが、傾けるとTM3人の写真になる(なおこれは2004/2/5小室自宅で撮影したもの)。
これはあるいは歌詞に象が登場する「Take it to the lucky」に対応するものか。
上段真ん中の写真はスクラップの車が積み上がっている写真で、傾けるとハエの写真になる(裏の上段真ん中の写真と同じ)。
これはスクラップにされる恐れがある中で努力を続けることを歌った「Screen of Life」を表現したものか。
ならば老夫婦は、男女の日常と別れを扱った木根の「君がいる朝」「風のない十字路」に対応しているのかもしれない。
本作はチャートでは初動12位・2.4万枚で、最終的には3.6万枚を売った。
2003年リリースの音源集「キヲクトキロク」は、初動25位・1.4万、総合2.1万枚だったから、さすがにこれよりは売れたことになる。
TMがSONYから移籍した2000年以来、現在までもっとも高い売り上げとなった作品である。
TMの新作アルバムが10位内に入れなかったのは、1987年の「Self Control」以後では初めての事態である。
再始動以後のアルバムはこれまでインディーズ盤の「Major Turn-Round」しかなく、売り上げが明かされなかったため(チャート集計の対象外)、本作は再始動後初めてチャートの対象となった作品だったが、TMはそこで10位以内ランクインを逃してしまったことになる(なお2012年再々始動後は入っている)。
本作の収録曲は合計10曲である。
その中の3曲は、「終了」以前のシングル曲のトランスミックスだった。
また木根の新曲「風のない十字路」と1年前のシングル曲「Castle in the Clouds」「君がいる朝」の合計3曲は、Dave FordとIan Curnowによるリミックスとして収録されている。
小室が本アルバムのために作ったのは、残り4曲ということになる。
その内の「nuworld」はインスト、「come closer」は準インスト曲であり、
歌モノの新曲は2曲に過ぎなかった。
その中の1曲「Screen of Life」は先行シングルで発表されており、アルバムで初めて披露されたのは「Presence」のみである。
20周年の新譜に期待するファンの中には、この内容に不満を抱く者も少なくなかった。
本作に収録された楽曲は2004/1/6からレコーディングが始まり、2月まで1カ月半程度で制作された。
この期間の短さが、本来リミックスアルバムの制作のために設定されたことに起因する可能性は、以前推測したところである。
その推測の是非はともかくとして、この期間では満足なオリジナルアルバムを作ることは難しかっただろう。
本作は時間的制約の中で、可能な限りの力を注いで作り上げた作品といえる。
本作が会心の出来であるとは、スタッフもメンバーも、小室自身も思っていなかっただろう。
小室によれば本作のタイトル「Easy Listening」について、イージーリスニングという音楽ジャンルは、音楽的にはしっかりしているがあまり失敗はなく、流しておいても恥ずかしくないし、邪魔にもならないものであるとした上で、本作でもどこで流しても気持ちいいと言われることを狙ったと述べている。
小室は一応ポジティブな言い方をしているが、むしろここからは、自信の無さが漏れ出している、
2003年初めまでの小室は、先進的・画期的な試みによって評価を得ようという意欲を常に発していたが、上記の説明に見る本作の方針は、失敗を避けたいという消極的・妥協的姿勢が強く出ているように感じられる。
また小室は本作で、トランスのような音をポップスに入れていく作業を行なったとし、トランスの気持ちよさのさじ加減を考えたと言っている。
小室はこれをトランシーまたはJトランスと呼んでいるが、つまり全面的なトランスの実践ではなく、トランスを適度にポップスに取り入れることを試みたと言うことである。
具体的には「Screen of Life」を念頭に置いた発言だろうが、この頃の小室の、トランスを前面に出すことを強調しない姿勢は見て取ることができる。
これ以前の2001~02年の小室は、トランスを日本のミュージックシーンに送り込みたいと語っていたが、それと比べるとこの頃の小室の態度は相当妥協的である。
2003年のglobe「Level 4」での失敗が尾を引いているのかもしれない。
小室は「Level 4」以後の作品では、トランスから離れる方向も見せていたが、かと言って新しい方向性を見出していたわけでもなかった。
小室はそうした迷いの中で、TM20周年作品になかなか取り掛かることができなかったが、最終的にはトランスの方向で行くことを選択した。
しかしその選択に十分な自信はなかったため、上記のような妥協的な発言となったのだろう。
その意味で本作は、小室が自らの迷いを払拭できないまま着手を余儀なくされた作品でもある。
ともかくも形になったことを喜ぶべきか、中途半端な作品となってしまったことを嘆くべきか、なかなか判断は難しいものがある。
ただともかく、小室が長期にわたって傾倒したトランスは、ここでついにTM NETWORKにも導入されることになった。
これは小室の音楽史の中では、トランス作品の最末期のものとなる。
あえてポジティブな評価をすれば、2001年以来の小室トランスの最終的な達成が本作だったといえよう。
以下では各収録曲について言及していきたい。
ただし「Take it to the lucky(金曜日のライオン)-Album Mix-」「Screen of Life -Extended Mix-」については前章で触れたので、ここでは他の8曲について触れることにする。
すでに述べたように、本作で歌モノの新作といえるのは、先行シングル「Screen of Life」を除けば、3曲目「Presence」のみである。
曲名はLed Zeppelinのアルバムタイトルから取ったものである。
この曲はイントロ無しで歌が始まる。
「Seven Days War」「Winter Comes Around」「大地の物語」などの例はあるが、TMでは珍しい作りである。
少なくとも再始動後だと、これ以外には「if you can」くらいしかない。
「Presence」は本アルバムの小室曲の中で、唯一のミディアムテンポ曲である。
音はシンセが前面に出ているが、どちらかといえば歌をじっくり聞かせる作りである。
トランスのように耳に突き刺さるインパクトはないものの、シンセの穏やかな空気は良い雰囲気だ。
葛城のギターとの絡ませ方もとてもよい。
この曲と「Screen of Life」を出すことができたことは、この頃の小室の状況を考えれば、よくやったといえる。
作詞は「Screen of Life」に続いて小室哲哉が行なった。
アルバムに収録された小室の新曲は、すべて小室自身が作詞している。
小室は木根曲の「風のない十字路」も作詞する案があり、後にインスト曲「nuworld」にも歌詞を付ける案があった。
この頃の小室は、作曲以上に作詞に意欲的だった。
「Presence」では「Screen of Life」と同様に、歌詞に「ですます」調の文体が使われている。
内容も「Screen of Life」と同様に、社会から使い捨てにされそうな絶望感の中で、奮い上がる気持ちを歌ったものである。
この絶望感は「Screen of Life」以上に直接的で、冒頭から「悲しかったね自分の影をだんだん…誰もがまわりが必要としなくなってた」と言っている。
さらにかつて自分に向けられていたのは「たてまえの笑顔だった」とも語る。
この頃の小室の下からは、知人が次々と離れていっていたのだろうか。
小室はこうしたつらい現状の中で、「私たちの国はこれからいつから何処へ進むのか走り込むのか」と言って、日本という国への不満を語る。
これは政治的な発言というよりは、自分を取り巻く不如意な環境への絶望感を吐露したもので、国の戦士として戦いを強いられてきた者をスクラップとして捨て去る日本社会への不満を語る「Screen of Life」と同様の趣旨である。
ここまで「Presence」は「Screen of Life」とほとんど同じことを言っている。
ただ「Screen of Life」は一応ファンの状況を語った形式を取っているのに対し、「Presence」は明らかに小室が自らの状況を吐露するモノローグである。
そうした形式上の相違にもかかわらず、両者が同じ内容であるのは、前章で推測した通り「Screen of Life」も実質的には小室自身のことを歌ったものだからであろう。
小室はスランプに陥っていた2003年の絶望的な心情を表現した上で、「Screen of Life」では、それでも愛する人のために再起を図ろうとする決意を外に向けて表明する。
一方の「Presence」もこの結論は同じだが、描かれるのは自らの決意を「愛する人」に伝えるという、より個人的な場面である。
同じ決意表明でも、片やオフィシャル、片やプライベートな場面でのそれと言える。
「Presence」の決意表明に当たるのは、具体的にはサビの部分である。
We know the truth 独り言です
We know the pride 君と出会えて
We know the crime 素顔見せずに済んでいる
何よりも感じられる存在、PRESENCE
「君と出会えて素顔見せずに済んでいる」とあるのは、「君」がいるおかげで外に対して本心を隠して頑張れるということだろう。
その本心はAメロ・Bメロで語られた絶望感に他ならない。
小室はサビに入るところで、この絶望感を「独り言です」と言ってひっこめるのだが、こうした愚痴を何も言わずただ聞いてくれている「君」のおかげで、小室はようやく精神の平衡を保つことができていたのだろう。
その「君」は「PRESENCE」、つまり目の前にいる存在である。
この頃の小室の生活を考えれば、ここで念頭に置かれていたのは妻のKEIKOとするべきである(小室は冗談で木根がいればいいんだという意味だと言っているが)。
ならば「We know the truth」などのフレーズで主語が「We」になっているのは、小室だけでなくKEIKOも同じ思いを抱えていることを示していることになる。
ただこれを聞いているファンにとっては、「君」は自分たちを指していることにもなるだろう。
小室がファンに対して自らの絶望感を告白するとともに、曲を聞いてくれるファンのおかげで活動ができていることを感謝している歌詞と読むこともできる。
この曲はこの頃のライブで本編の最後やアンコールで演奏されたが、それはライブに来てくれたファンに対する感謝のメッセージでもあったと考えられる。
歌詞の内容はかなり病的だし、優れているとも思わない。
だが歌詞に現れた心情がシンセの音色で表現されている点は、やはり「Screen of Life」と同様である。
穏やかなシンセの音色は、「君」のおかげで救われている小室の心情を表現したものに違いない。
このアルバムにおいて、「Screen of Life」とあわせて聞くべき曲である。
ついでリミックス曲に触れよう。
まずは2曲目の「Love Train -Extended Mix-」である。
なお1993年の「Classix 2」には、「Love Train (extended euro mix)」が収録されているが、これとはまったく関係ない。
しかしそれにしてもまぎらわしいタイトルである。
この曲は「Take it to the lucky」と同様に、2003年9月の「Fan Event in Naeba」で使われたライブ用トラックを手直ししたものである。
ただライブからレコーディングまでの時間差があったためか、手直しの度合いはより大きい。
たとえば「Fan Event in Naeba」では、アクセル音をイメージしたシンセなど、オリジナル音源で使われた音が各処に残っていた。
だが「Extended Mix」では、これらが大々的にカットされており、原曲の雰囲気が著しく減退している。
「Fan Event in Naeba」では残っていた冒頭のサビもなくなっている。
一方で「Extended Mix」では、イントロの特徴的なシンセや葛城哲哉の冒頭のコーラスなど、「Fan Event in Naeba」にはなかった要素を付け加えている。
言うなれば原曲にトランス的な要素を加えたのが「Fan Event in Naeba」バージョンだったとすれば、「Extended Mix」は原曲の部分を取り除きトランス要素のみに仕立て直したと言う印象である。
その結果「Extended Mix」は、原曲よりも落ち着いてクールな雰囲気を作り出すことに成功している。
私は「Love Train」自体があまり好きではないので、このアレンジへの関心はそれほど強くない。
だが3曲の過去曲リミックスの中では、これが一番よくできていると思う。
リミックス曲としては、6曲目の「Take it to the lucky-Album Mix-」の他、8曲目の「Time To Count Down -Labo Mix-」もある。
「Time To Count Down」は3曲のリミックス曲中では、もっとも極端なアレンジが施されたものである。
このアレンジはライブ用テイクの転用「Take it to the lucky」「Love Train」と異なり、レコーディング時に作ったものである。
小室は半日で作ったと言っている。
冒頭で「Time To Count Down」の掛け声が入り(ウツ声ではない)、「Ah」「LaLa LaLaLa LaLaLaLa」の声が続くが、その後はパーカッションが続き、なかなか歌が始まらない。
2分を過ぎた頃から、原曲イントロのピアノソロのフレーズがシンセで奏でられる。
ここが本曲でもっとも「Time To Count Down」的な部分だろう。
さらにドラムやギターも加わるが、ピアノのフレーズは2分以上、曲の終盤まで続く。
そして最後の20秒になってようやく、「Time To Count Down 風の中 Wow Wow Wow 裸で」の歌が入るのだが、曲はここでフェードアウトして終わる。
「Time To Count Down」と言いながら、歌メロはほとんど使われておらず、歌詞カードにも歌詞は掲載されていない。
私も初めてこれを聞いた時、予想外のアレンジにかなり驚いた。
以上3曲およびシングル曲「Screen of Life」「Take it to the lucky」は、20周年ライブでも演奏された。
その意味ではこの5曲が「Easy Listening」の主役と言える。
最後の9・10曲目は新曲である。
8曲目の「Time To Count Down」からここまでは、本作でもっともトランスの雰囲気が濃い部分である。
3曲ともほとんど歌詞がなく、小室ソロのインスト作品としての性格が強い。
9曲目「nuworld」は「new world」の意味である。
8分半近くに及び、アルバムの中ではもっとも長い曲である。
5:39のところからは、基本的に2分過ぎの部分からの繰り返しであり、無駄に引き延ばした感が強い。
冒頭の部分は悪くないと思うのだが。
ただ同じ構成が続くのは、意味があるのかもしれない。
というのも小室はレコーディング終了から間もない2/24のインタビューで、ライブでは「nuworld」に歌詞を付けたいと語っている(現在まで実現していない)。
かつて2001年、globe「genesis of next」が、まずインストで発表された後に歌詞が付けられたことなども念頭にあったのかもしれない。
小室がインタビューで歌詞を付けたいと言っているのは、実はもともと歌を入れるつもりで作っていたためとも考えられる。
同じフレーズが繰り返されているのも、歌モノのバックトラックの予定だったと考えれば理解しやすい。
おそらく時間が足りず、歌詞と歌メロを作ることができなかったのだと思う。
その場合、「Time To Count Down」も改めて気になるところである。
この曲ではボーカルトラックをオリジナル音源から取っているが(ライナーにもこの曲についてだけ「This track contains samples from “TIME TO COUNT DOWN” under licence from Epic Records Japan Inc.」と書かれている)、実は当初は「Take it to the lucky」「Love Train」と同様、歌を録り直すことが予定されていたという。
半日で作ったと言うことから考えるに、歌が録られなかったのは時間の不足によるものである可能性がある。
さらに疑えば、最後の「come closer」もタイムアップだった可能性がある。
この曲の歌詞は、「Come closer Don't go away…」「Stay Around Stick Around…」「Get a hold of yourself…」の3つだけであり、インストの中にウツのボーカルが時折流れるという構成だが、歌をちゃんと入れる時間がなかったのかもしれない。
ただこの曲については、ささやくようなウツの声をSE的に使用している部分は、それなりにかっこよく聞こえる。
これでアルバムを終えると言う構成は、悪くないと思う。
この曲は最初のワンフレーズから広がった曲だと言う。
「Easy Listening」は、最初は「Screen of Life」で再起を目指すことを宣言し、最後はファンに対して、「もっと近くに来て、去って行かないで」と、お願いして終わることになる。
しかしそれにしても、最後にインスト・準インストを3曲並べるというのは、バランスとしてどうかと思う(これは次回作「SPEEDWAY」もそうなのだが)。
音も似ているため、いかにも捨て曲という印象を受けてしまう。
以上5曲が小室によって作られたトラックである。
他の3曲は既発表曲のリミックスで、クレジット上では小室が編曲したことになっているが、小室がこれらについて具体的な発言をしたことはない。
実際の関与はなかったか、ごく限定的だったと考えられる。
4曲目「Castle in the Clouds」はDave Fordが、5曲目「君がいる朝」と7曲目「風のない十字路」はDaveとIan Curnowが、Additional Productionを行なったとされているが、事実上リミックスを全面的に委託したものだろう。
これらはすべて「Album Mix」の副題が対いている。
この3曲のアレンジは、アルバム用に音を調整したというレベルではなく、曲自体が大きく変更されている。
そのアレンジはトランス風というわけではないが、特に「君がいる朝」「風のない十字路」は原曲の雰囲気を大幅に変え、長く重苦しいイントロが加わっている。
「Castle in the Clouds」は、生ドラムがすべてシンセに差し替えられており、リズム感が原曲とは大きく変わって、勢いが感じられる。
小室も2002年のアレンジ時に、同様のことをしようとしたのだが、その時は80年代というコンセプトを意識してやめたという。
それがこの時に実現したというところだろうか。
「君がいる朝」は、オケのメインだった生ピアノがシンセに置き換わったことで、大きく趣が変わっている。
またイントロや間奏が大幅に長くなり、原曲の長さは4分半もなかったにもかかわらず、「Album Mix」は8分となっている。
「Castle in the Clouds」のドラムにしろ、「君がいる朝」のピアノにしろ、
生楽器がほぼなくなっているのは、トランスを中心にしたいと考えていた小室が、そのように依頼したものかもしれない。
「風のない十字路」も、原曲ではピアノ音色のシンセが目立っていたが、これが控え目になり、ドラムが目立つ形で加えられている。
やはりかなり印象が変わった曲である。
個人的にこれらの曲については、音はオリジナルよりもアルバム版の方が好きだ。
ただ発表当時の楽曲のコンセプトや歌詞を考えると、違和感を感じなくもない。
特に「君がいる朝」については、その印象が強い。
DaveもIanも日本語は分からないだろうから、歌詞の内容を考慮せずリミックスを行なったものと思われる。
この記事へのコメント
「NETWORK-Easy Listening-」は20周年のフルアルバムということでしたが、やはり中途半端感は拭えないですよね…。個人的にこの時期のジャケットはハードコアパンクバンドのレコードのジャケっぽくて大好きだっただけに残念だったりします(@_@;)。因みにアルバムの通常盤はちゃんとあります。といってもチェンジングジャケットと封入のハガキが有るか無いかだけなので特に気にすることでもないですが…( ̄▽ ̄;)。
まず、ホームページのデザインがスマホを意識したのか縦長になっていたので、いつか聞こうと思っていたけど理由を聞いて納得した。
まあ、慣れれば大丈夫かな~
NETWORK~Easy Listening~のアルバムは、ぼくも残念な仕上がりだと思います。
インスト多すぎる~
CASTLE IN THE CLOUDSのシングルversionは、ぼく好きなんですよ。
TIME TO COUNT DOWNも、途中で終わっちゃうし あのリズムには合わないな。
nuworldとCOME CLOSERは、結構好きだけどアルバム最後2曲がインストは飽きる。
GAUZEさんが書いていたけどジャケットは、ぼくも好き。
nuworldの歌詞付きversion聴いて見たかったです。
おわり
でも曲順で最後インスト系3曲並ぶのはさすがに。。
その後のツアーでも歌詞は無かったですよね。
TIME TO COUNTDOWNが最後の武道館で歌入りになったのはよかったです
むしろそのための壮大な前フリだったと前向きにとらえることにします笑
一途な恋やYOU ARE THE BESTなんかもそういう類の曲になるんですかね。
歌やコーラス始まりの曲は、出だしのインパクトがその曲全てを決めてしまうような気がします。
印象に残るメロディーとそれに乗っかる言葉。好き嫌いは置いといて、どの曲も緻密に計算されて作られていると思います。
アルバム「Self Control」「humansystem」「GET WILD DECADE RUN」に次いで、くらい好きです。
ただ、これも皆さんと同じく、曲はもったいないものが多いなと思います。
ぼくは「SCREEN OF LIFE」「TAKE IT TO THE LUCKY」のリミックスも”改悪”に近い印象を持っています。
シングルのままの攻撃的な音だったら、ライブでも盛り上がったんじゃないでしょうか。「Easy Listening」だから仕方ないですが。
「PRESENCE」の歌詞、ぼくは病的とまでは思わなかったです。
むしろ、大人の本心をよく代弁してくれたな、と思っていました。
これより4年後になりますが、「みゅーじん」で小室さんが、「明日が嫌な日でも来るなかで、何か考えてやっていかなきゃいけない。そういう社会の中で夢を持てるの?」みたいに言っていましたが、同じことをこの曲でも言ってるのかな、と思っていました。
ぼくも2004年は社会人として初めての転職の時期で、人生のそれまでとそれからを考えて、悩んでいた時期だったせいか、「SCREEN」ともども、何度も何度も聞いた曲でした。
個人的な意見で申し訳ありませんが、大人になって聞いてみると、歌詞的に「ちょっとキツイな」と思える曲が、どんな歌手の場合も若い頃の曲にはあると思います。
でも「PRESENCE」「SCREEN〜」はどちらも、大人ならいつまでも聴ける曲なのかな、と思います。
イージーリスニングは、「全然、イージーじゃねえ」って当時思っていました。イージーリスニングって、喫茶店とか夕方のラジオから流れていて、「聴く」というより「聞き流せる」感じのライトで軽快な曲っていうイメージがあったので・・・。重いですよ、どの曲もアレンジが。「nuworld」は、たしか「ライブで少しずつ歌詞を足していって、最終的に曲として仕上げたい」って言ってたような気がします。昔、ネットで少しずつトラックを配信していって、最終的に曲ができあがるようにしたいといっていた流れだと思っていました。結局、ツアーでもやんないじゃんって、がっかりしましたが、そもそもどう考えても歌モノにはならないですよね、あの曲。私も中古屋でノーマルジャケットのアルバムを購入しました。当然ですが、初回盤より写真が見やすいです。洋楽みたいなかっこいいジャケットだなあと私も気に入ってました。
でも個人的には一部を除いて結構好きでよく聴いています。「TIME TO COUNT DOWN」のLABO MIXは最初に聴いた時面白い、と思ったし。
歌詞を付けた「nuworld」を楽しみにしていたんですが、歌詞どころか全く演奏されなかったのは残念でした。確か3年経った2007年秋にパシフィコ横浜のオープニングで“使われた”と思いますが。「COME CLOSER」とともにライブでどう表現するのか見たかったです。
先行シングルの「TAKE IT TO THE LUCKY」はどちらのMIXも好きですが「SCREEN OF LIFE」はSingle Mixの方がシンプルで良いかな~。ミュージックフェアは山陰では放送されたことが無く、DDツアーは常にALBUM MIXで演奏されていたので、30th FINALでシングル版が聴けたのが良かったです。
「PRESENCE」は当時ネットで“これって奥さんのこと思って書いたの?”と不満に感じる書き込みをいくつか目にしましたが、私自身人として好きか嫌いか個人的な感情は別にして、結婚しているのだから自然なことでは?と思った記憶があります。
「LOVE TRAIN」「CASTLE IN THE CLOUDS」のMIXも個人的には好きで、小室曲は概ね良かったと思いました。
ただ対照的に木根曲は両方とも先行シングルのバージョンの方が良かったです。「風のない十字路」はともかく「君がいる朝」は無理やり8分にしなくても、と思いました。トランス仕様にアレンジしたとしても、アルバム用に新たに書き下ろした木根曲を一つ収録してもらいたかったです。
…とまあ勝手な感想を書き込みましたが、当時はTMのライブに遠出してでも行く、と決めていたので、交通事故に遭って左ヒザが痛かったけれど日々ワクワクしていました。ライブのチケット代や必要な旅費、ソニーの便乗アイテム購入などこの頃はかなり出費しましたが、ソニー発の20周年記念期間限定公式HPも出来、BBSに頻繁に書き込んだりしてホントに楽しかったです。
次回は世界遺産か横浜アリーナかわかりませんが、管理人さんの新たな記事を楽しみにしています。
おお、初回盤以外もあったんですか! ブログに加筆しておきます。
いつも情報ありがとうございます。
私もLuna Seaが若い頃なら、今回のカバーはまずなかったと思います。
まあ今回はあまり深い意味はなく、仕事でやっているということではないでしょうか。
サンライズの意向もあったのかもしれません。
ただ彼らについては当てはまらないかもしれませんが、
昔はアーティストイメージなどのため戦略上言えなかった音楽的バックボーンが、
今後は中年になって普通に言うようになるミュージシャンも増えてくるとは思います。
多分公言されていないだけで、小室さんの影響を受けていた90年代ミュージシャンはかなり多いと思うんですよね。
>まかろんさん
ブログデザインは、強制的なものでした。
もともとそこはこだわりなかったし。
まあ改めて再調整はしましたけど。
最後の3曲がインストになっちゃう編成は、何とかしてほしかったですね。
7曲聞いたらあとは惰性で聴くみたいになっちゃいます。
CASTLEも含めDaveのリミックスは私は嫌いではないんですが、
シングルバージョンと全然違う音になってアルバムに入ったことで、
後追いのファンがシングルバージョンを聞くことが困難になったのは、
なんとかならないかなあと思います。
再始動後でも、CASTLEとSCREENに入っている5曲はアルバムとかなり違うので、
これを収録した音源集を作ってくれないかなあ。
ただファンもあまり関心がないでしょうから、
SONY時代の音源以上に可能性は低い気がします。
>サキコさん
小室さんが正直というのは、本当にそうですね。
まあこれでも虚勢を張ってはいるんだと思いますが、
自身のなさが透けて見えましたし。
本心では助けを求めていたんでしょうね。
>youさん
10曲1時間以上あるし、フルレングスではあるんじゃないでしょうか。
オリジナルアルバムかと言われると微妙ですが…
ただ「フルレングス」て、新譜の宣伝文句に使われたのを見るのは初めてですし、
そもそもフルレングスて単語を見ることなんてほぼないですよね。
nuworldの歌詞付きはどんなのを考えていたんでしょうね。
正直、メロディが付いているところがまったく想像できません。
TIME TO~の武道館は、私も大変盛り上がりました。
待っていたのがやっときたぞ!て。
壮大な前振りていうのは、ファン目線から見ると本当にそうでした。
>エド
I WANT TVもそうでしたね。あまり聞かないだけに忘れていました(笑)
あとは小室さんのアレンジではないけど、COME ON LET'S DANCE(DANCE SUPREME)もですか。
歌で始まるという作りについては、私はPRESENCEはあまり好きじゃないです。好みの問題ですけど。
どっちかというと間奏とその後の勢いが増すパートの方が好きです。
て、その部分についてはブログでは何も書いていませんでしたが。
>ジルラココさん
アルバムのScreen~は長すぎる感はありますね。CDで聴くにはシングルの方がまとまりが良いと思います。
ただあの長いイントロは、アルバム全体のオープニングSEも兼ねて作っているんだろうと思っています。
Take it~については、私はアルバムの方が攻撃的な印象を受けます。ここは人によって感じ方は違うでしょうね。
ScreenとPresenceの歌詞は、個人的な感情を練り直すことなく、そのまま文字にしている印象を受けます。
それは良く言えば、自分の内面を飾らずに出しているともいえますし、悪くいえば文学的に稚拙だともいえます。
そのことは作品としての訴求性の狭さにもつながるでしょうが、一方でうわべではない生の言葉であるだけに、届く人には強い訴求力もあると思います。
その点でこの時期の作品は、どうしても賛否の差が大きくなってしまうんでしょう。
>kuri566さん
ガンダム詳しくないもので、勘違いしていました。
他に「めぐりあい」も過去の作品のカバーのようですね。
エンディングはカバー枠で、その中にBEYONDが選ばれたということですか。
余計な誤解を生んでしまって大失敗です。
該当箇所を削除しておきました。
ご指摘ありがとうございます。
Easy Listeninは仰る通り全然イージーじゃなかったです(笑)
nuworldは武道館まで、どこかで演奏するものと思っていたのですが、
ついに最後までやらなかったですね。
TMのトランス曲は意外と激しいテンポの曲がほとんどなくて(Time To~くらい?)、
nuworldはその点で盛り上がれる曲になったのかもしれません。
ジャケットとかロゴとか、デザイン関係はこの頃かっこいいんですよね。
再始動後では一番イケていた時期だと思います。
有能なデザイナーが付いていたんでしょうかね。
>haruさん
nuworldはパシフィコのオープニングSEでしたね。
会場では何の曲分かっていない人も多かったみたいですけど。
come closerも、小室さんのソロで演奏すれば、結構かっこよかったと思うんですよね。
この2曲はTM史上でも最も顧みられない曲になってしまいました。
木根曲2曲は、無理にひっぱっている感はありますね。
メロディ重視の曲なんだし、そこまで引っ張らないでも良いとは思います。
木根曲をもっと入れれば良いのにというのは仰る通りで、
実際に次のSPEEDWAYではそうなるわけですが、
小室さんが曲を作れなかったのになんで木根さんに頼れなかったのか不思議です。
LUNA SEAですが、実はTMと接点がないわけでもないようです。
TK MUSIC CLAMPにRYUICHI(河村隆一)とSUGIZOがゲスト出演した際、
SUGIZOが「小室さんの音もすごく聴いてきた」という発言をしています。
https://www.fujitv.co.jp/TKMC/BACK/TALK/lunasea.html
BEYOND〜のチョイスもスタッフ側の意向もあるでしょうけど、
SUGIZOがどうしてもやりたかったんじゃないかと思います。
ちなみに、「Easy Listening」の頃にTMが出演したミュージックフェア、
(前回コメント欄でも話題に上がっていますが)
一緒に出ていたのは河村隆一でした。
エンディングで隆一が「キッズの頃に見ていたのでご一緒出来て光栄です」みたいな事を言って(こっちは社交辞令でしょうけど)
それに対して木根さんが「そう言ってくれる河村君が嬉しいです」等と答えていたのを覚えています。
実は嫌いじゃなかったんでしょうかね。
まあ小室さんの前で言っていることなんで、どれくらい真に受けて良いのかという気もしますけど。
BEYONDについて、本人のコメントとか見たいですね。
ミュージックフェアは、先ほどアップした記事で取り上げました。
(河村さんとの絡みは触れませんでしたが)
意外とこの番組、取り上げられますね。
今聴き返すと、globeのギターの切り裂くような音、GABALL・1stの電気ショック風味の音と違って、TMではエレクトリックピアノ主体・おとなしいメロディ・重く湿った音色で差別化を図ろうとしたのでは、と思います。
今考えると「nuworld」に歌詞がつかなくて良かったと思います。リアルタイムでも、「これ、ピアノだけでも十分聞けれる。歌は邪魔になりそう」と思ってました。下手すると華原朋美さんの「storytelling」みたいに蛇足と化したかもしれませんので…。「YOU CAN FIND」で歌詞を掲載しながら、歌入れしなかったのもそれと似たような理由だったのでは、と思います。
「SCREEN OF LIFE」ですが、敢えてギターを排除してエレクトリックピアノをチェンバロ風味にして、アウトロもリズムを消したことで、更に寂しさを強調した感じがしました。後、「SCREEN OF LIFE」の精神的続編が同じく「国」「末端」をテーマにして、藤井隆さんに提供した「タメイキ」だと思っています。
「TAKE IT TO THE LUCKY」…やっぱりシングル・アルバム共にどう聞いても、間奏がgaball「LIFE OF VIBE」を彷彿とさせます。
聞き所が少ない…重厚さも軽快さも受け入れた派手な演出に慣れきっていると今聴き返すと…やっぱり上記の音色のコンセプトは「本当はgaballの「幸せの表現」→幻の2ndアルバムでやりたかったのでは…」と勘ぐってしまいます。
失礼いたしました。
You Can Findは初めから歌詞を付けるつもりもなかったんじゃないかとも感じますが。
Screen~のアウトロは結構印象変わっていますね。
タメイキは前もコメントで指摘され、私もTMの流れなんだろうなと感じました