7-24 Double-Decade Tour Final “NETWORK” in NIPPON BUDOKAN②
3/18リリースの「Gift from Fanks」につき、購入者特典が発表されました。
ただメッセージカードとかポスターとか帽子とか、どうでもいいものばかりなので、詳細は割愛します。
本作と関連して1/24から一週間おきに、「TM NETWORK デビュー35周年記念 Message」なる広報動画がyoutubeにアップされており、公式サイトにもまとめられています。
いずれも関係者によるメッセージで、DJ KOOさん、坂本美雨さん、浅倉大介さん、木根さん、ウツ、SURFICEがしゃべっています。
ウツの後は小室さんかなと思っていたんですけど、違いましたねえ。
基本的には皆1~2分程度の短いものですが、その中で木根さんは7分近くしゃべっています。
このメッセージは少しだけ貴重で、小室さんとの共作名義の楽曲がどのように作られたのか、具体的に話してくれています(それ以外の話題でも3分くらいしゃべっていますが)。
これによれば、TMの共作は、全部小室さんが困った時に木根さんがお願いされて作ったものらしいです。
こういう話は個別の曲についてはよく出ていましたが、全部そうだという発言は初めてだったと思います(本当に全部なのかは割り引いて考えるべきでしょうが)。
具体的な曲名が出たのは「Still Love Her」「Spanish Blue」「Gia Corm Fillippo Dia」です(「Gia Corm Fillippo Dia」の作曲は全部木根さんですが)。
なお小室さんが作ったオケに曲を付ける時、間奏の予定だったところにメロディを付けてしまった話もしていました。
曲名は出されませんでしたが、「Reasonless」ですね。
以下、各ソロについてまとめておきます。
ウツは「Dragon The Carnival」追加公演が終わりました。
詳細なレポなどは書きませんが、演者のいろんな思いが込められていると感じました。
宇都宮さんおよびサポートとスタッフの方々、ありがとうございました。
本ツアーのBlu-rayのリリース情報が出ました。
11/10Zepp Tokyo公演の様子が収録されるそうです。
現在FC盤の先行予約を受付中ですが、その告知によれば、小室さんと木根さんのコメントも入っているとのことです。
TM35周年に関する唯一の小室さんのコメントとなるかもしれません。
またFC盤のみの特典として、11/9 Zepp Tokyo公演の日替わり曲の映像が入ります。
「Wild Heaven」「Get Wild '89」「Human System」の3曲でしょう。
またもう一つ、2/6・7の追加公演から、「厳選曲」を収録するそうです。
2/6には「夏の終わり」、2/7には「Self Control」が演奏されたので、これが収録されるのでしょう。
特に「夏の終わり」は、これまでTMでもソロでも演奏されたことがないので貴重です。
ウツはこの後「それゆけ歌酔曲!!」を控えていますが、すでに発表されていた4/6~5/20に続き、5/26~6/30の公演も発表されました。
おそらくBlu-rayもこの公演と合わせて一般発売されるんでしょう。
なおツアータイトルは「「それゆけ歌酔曲!!」 ギア-レイワ2 」だそうです。
まあ、あえてダサくしているんでしょうね。
木根さんは佐藤竹善さんとのコラボライブ「My Favorite Songs」が2/6~3/12に4公演予定されていましたが、この内で2/28・3/1・3/12の3公演については、主催者のMIN-ONが新型コロナウィルスの影響を考えて、中止の決定を出しました。
ウツの「それゆけ歌酔曲!!」は大丈夫なんでしょうかね。
なお「My Favorite Songs」は5/27・6/10・6/25にも開催されます。
6/25は大宮ソニックシティですが、埋まるんでしょうか?
さらに2/21には、今年のソロツアー「2727ツアー」の開催告知がありました。
今後も毎年数字を増やしてツアータイトルにしていくんでしょうか。
まあこれまでもツアータイトルは「talk & live vol.●」の繰り返しだったので、そういうことには関心がないんでしょうね。
ツアー日程としては6/13~9/26のスケジュールが発表されています。
最後に小室さんについて。
年末にavexの松浦勝人さんと衝突した件がどうなったのか不明でしたが、2/23に良い情報が出ました。
松浦さんが小室さんと一緒にクラブにいるところの動画をtwitterにアップしたのです。
同日に六本木のOCTAGONで開催された「HI-NRG NIGHT」の様子です。
このイベントに出演したDJ KOOさんも、twitterやinstagramに、小室さんと一緒に撮影した写真をアップしています。
これらの写真・動画は各種ネットニュースに取り上げられました。
年末の件がどのように決着したのかは何も分かりませんが、おそらく双方が納得いく形で解決したのでしょう。
もういろんな意味でダメかもしれないと思っていましたが、なんとか土俵際ギリギリで残ったという印象です。
小室さんは2/6「Dragon The Carnival」に、葛城さんと一緒に見に来ていたそうです。
11月の公演にも来ていたそうで、2度も見に来たことになります。
上記Blu-rayのコメント収録がこの日に行なわれたのかもしれません。
いずれにしろ小室さんが、ほんの少しだけこちらに戻ってきてくれた気がします。
なお小室さんは、北島健二さんや山田亘さんとも食事をしたようです。
「Dragon The Carnival」(北島さんもサポート参加)の打ち上げかもしれません。
また2/10には某NPO法人の方と一緒に、フィリピンの日本大使館を訪問しました。
2/8にはNPO主催のファッションショーにも参加したそうです。
では本題に入ります。
そろそろ20周年の記事も終わりになります。
---------------------------------------------
武道館のステージは暗幕で遮られることなく、開演前から観客に見える形になっていた。
そのような中、会場には開演の合図が告げられ、シンセの音とともにサンプリングボイスが流れてくる。
「Get Wild and Get Wild and Get Wild and Wild and Wild and Wild and…」
「Get Wild Get Wild Get Wild Get Wild…」
普段イントロでのサンプリングボイスの定番は「GeGeGeGe」であり、このパターンは初めてである。
聞いてみると、こういうのも意外とありである。
イントロは当初別のパターンを考えていたが、6/19のリハーサルで差し替えられたという。
スモークの中、TM3人とFence of Defense3人がステージ裾から現れて定位置に就く。
シンセの音にFence3人の演奏が加わる。
テンポの良いドラムが目立つイントロだが、「Get Wild」が1曲目とされたことも含め、この始まりは本ライブが意識した「Fanks Cry-Max」のオープニングを踏襲したものに違いない。
特にFenceの山田は「Fanks Cry-Max」でもサポートを務めていた。
実はこのことは音だけでなく視覚面でも表現されている。
第1部では前列左右に西村・北島がおり、中央前方にウツ、中央奥に小室、その間に木根が立っていたが、TM3人が中央に並ぶ配置はまさしく「Fanks Cry-Max」である。
第1部は意図的にこのような配置にしたのだろう。
「Get Wild」は横浜公演・ツアーでも演奏されたが、生楽器が加わったことで大きく雰囲気が変わっており、特に西村の生ベースは、以後の曲も含めて存在感がある。
ただトランス風にアレンジされた間奏はツアーを踏襲しており、その点でやはり20周年の音も反映されている。
続けて「All-Right All-Night」「Be Together」。
いずれもツアーで演奏された曲である。
ともにベースとなるアレンジはツアーに準じながら、バンドアレンジになっている。
特に「Be Together」については、やはり生ドラムがあった方が乗りやすいと感じる。
間奏では、ウツが山田のドラムを横から叩くなど、お遊び要素も入れられた。
ウツMC。
ここでウツにより、武道館公演が3部作の構成を取ることが宣言された。
20周年ライブ企画全体も横浜・ツアー・武道館の3部構成を取っており、たしかにTM20周年は「3部作」の構成が多く見られた。
ウツはさらに続けて、「まずはオープニングを手伝ってもらえる、Fence! Yeah!」と言って、サポートのFence of Defenseの紹介をする。
観客からの歓声と拍手に対して、Fenceメンバーは手を振った。
ウツ、やまない歓声に対して笑いながら、「もういいよ!」と言って止め、「最後まで楽しんでいってください」といってMCを締めた。
なお以上のMCは6/24のものだが、6/25にはFence3人をそれぞれ名前で紹介し、Fence側も簡単なコメントをしている。
以前も触れたとおり、ウツは2003年秋のソロツアー「Tour wantok」で、Fenceをサポートとした。
当時活動を休止していたFenceは、これをきっかけに同年活動を再開する。
武道館公演のFence参加はもちろんかつてのTMとの縁によるものだが、同時期のウツ個人との縁も大きな意味を持っていた。
演奏再開。
曲はツアーで演奏されなかった「Come on Let’s Dance」である。
アレンジはオリジナルと大きくは変わらないが、イントロ・サビ・アウトロには、オリジナルにないフレーズが上からかぶせられている。
このフレーズは6/19のリハーサルで新たに作ったものだった。
「Self Control」。
ツアーに準じたアレンジだが、横浜・ツアーでは間奏をほとんどシンセだけにしていたのに対して、武道館ではドラムやギターを加えた荘厳なアレンジとするなど、やはりバンド仕様に調整されている。
第1部最後は「Confession」。
再始動後初めて演奏された曲であり、また現時点ではこれがこの曲の最後の演奏例となる。
横浜公演の「Telephone Line」、ツアーの「Fool on the Planet」に続く木根バラ枠だろう。
木根はエレキギターをアコギに持ち替えて演奏に参加する。
小室もかなり真面目に弾いている。
ウツ、「どうもありがとう」と言って、Fenceを改めて紹介。
Fenceは観客に手を振りながら退場し、ここで第1部が終わる。
ウツ、「みなさんどうもありがとう。いやあもう、TM NETWORKですよ、当時の! ですね、木根君!?」と、大げさな振り付けをしながら、木根に無茶な振りをする。
木根はこれを受けて、「そうでしったけねえ。あんまり遠い昔なんで」とだけ答える。
ウツは「それだけ?今待っちゃった」と反応するも、じゃあいいやとばかり、先に進める。
こんなことをしている間に、ステージにはFenceに代わり葛城・阿部・浅倉がスタンバイしている。
ウツ、「ここからは、いよいよTMNになるんですねえ」と言って、第2部のサポートを紹介し、さっそく曲に入る。
なお25日のMCでは、ウツが「あっという間にTMNですね、木根君!?」と、微妙に話の振り方が違った。
木根は「本当にこう、今日はつくづく友達ってのはいいなあと思いました。ノーギャラで出てるから」と返した。
その後の2人のトークも24日よりは多少はずみ、17年前の武道館公演について簡単な思い出が語られた。
17年の間に何してた?との木根の発言に対し、ウツは、腹が出た?腹黒くなっただけ?と返すなど、イチャイチャトークが繰り広げられた。
第2部の演奏開始。
1曲目は「We love the EARTH」である。
小室はこの曲をやるかどうか迷ったが、葛城がやろうと言って決まったという。
実際、この曲で葛城がコーラスすると、TMN時代の雰囲気を感じさせられる。
再始動後演奏されてこなかった曲だが、この時を契機に頻繁に演奏されるようになった。
TMN時代に木根パートだったシンセは、この時は浅倉が担当した。
第2部は小室と浅倉がシンセを担当したが、TMN時代と比べると、浅倉も目立つ手弾きフレーズを多く演奏している。
むしろ小室よりも浅倉の方が目立っているかもしれない。
「69/99」「The Point of Lovers’ Night」。
木根はここでアコギをエレキに持ち直す。
私は当日、まさかこの2曲が来るとは思わず、大変盛り上がった記憶がある。
特に「69/99」は現時点で、これが最後の演奏例となる。
両曲ともオリジナルに準じた演奏だが、「The Point of Lovers’ Night」のアウトロは、TMN時代のライブバージョンを意識したものになった。
「Time To Count Down」。
リハーサル段階では「We love the EARTH」と曲順が逆になっていたが、最終的にはこの位置で演奏された。
イントロのアレンジは「Labo Mix」で、小室の操作するシンセと葛城のギターのみで演奏された。
観客は、第2部なのにここだけ20周年?と思っただろう。
実際にここからは第2部から第3部への架け橋の部分となっている。
だが実はこの部分では仕掛けがあった。
歌に入る直前のシンセドラムの連打とともに、阿部・浅倉も演奏に参加し、音がオリジナルの「Time To Count Down」に変わるのである。
小室もギターを持ってシンセブースから飛び出し、ステージ前方を歩き回った。

当然歌も「Labo Mix」のようにサビの部分だけでなく、最初から全部披露された。
前章で述べた通り、これはDVDでは「D.D. Tour Final Version」と名付けられている。
なおウツは「Labo Mix」の間に衣装を着替え、黒のジャケットを羽織って登場する。
私はCDでは「Labo Mix」はかなり面白く思いながら聞いたし、ライブでも効果的に使われていると思っていたが、一方でちゃんとウツの歌付きで盛り上がりたいという気持ちもあった。
要するに「Labo Mix」の後にフルコーラスの歌パートを付けてほしかったのだが、この時にそれがかなったことはうれしかった。
会場も大変盛り上がっていたと思う。
ウツMC。
「どうもありがとう。えーここでですね、実は木根君、なんとうちのリーダーがですね、何日前でしょうかあれは?」
木根、アコギの上に手のひらを合わせながら笑って、「つい今しがたです」と答える。
ウツ「新曲やりたいと言いだしたんです」
観客キャー
木根「宇都宮君、よかったね、新曲て言ってワ―て言ってくれてね。エー?て言われたらどうしようかと思ったね」
ウツ少し間を空けて言う。
「いやあまあね、それはそれでいいですけどね」
木根「いいの?」
ウツ「エー?て言われた方がこちらも気兼ねなく、力が入らない。なんか軽くやればいいかなみたいな感じで済むんだけど、期待されるとね、なんせなにしろね」
木根、観客に向かって「つい今しがた作った曲だから」
以上のように、ここで観客も予想していなかった新曲披露が宣言された。
ここでウツと木根は冗談めかして、喜んでもらえて良かったと言っているが、これは彼らの本心だったかもしれない。
ウツ「これはちなみにリーダー、どういう意図が?」
小室、このライブで初めての発言をする。
小室が言っていることが支離滅裂で理解しがたいが、話を振られて動揺してしまったのだろう。
(とはいえ、話が振られるのは打ち合わせで決まっていたと思うが)
小室が「緑」と言っているのは、この後に披露された新曲の曲名「Green Days」にちなむが、この時点では曲名が明かされていなかったため、観客には意味が分からなかったはずである。
この曲については前章で触れたところだが、繰り返すと、小室が自らの再起の意志を歌ったものであり、大分トリニータのサポートとして大分を拠点に活動を始めることの決意を踏まえたものでもあった。
なお以上は6/24のMCだが、6/25の小室MCは以下のようなものだった。
小室「昨日お話ししたように、あの…グリーンな感じでした。おおらかなね、自然と戯れた感じな。昨日も申しましたが、緑は青信号、それでいいんじゃないか、前へ進みなさいという、遠回しな言い方ですかね」
木根「タ、タイトルは言ったっけ?」(←いい仕事!)
小室「あ、タイトル言ってないのか」
木根「言ってもらわないと」
ウツ「「Green Days」ていう曲なんですけど」
木根「7カ月連続発売で、7色行こう」
ここで木根が「7色」と言ったのは、その場にいた浅倉大介が2004/3/30から隔月でリリースしていた「Quantum Mechanics Rainbow」シリーズを念頭に置いている。
本作は虹をテーマにした7枚のアルバムであり、この時点で「Violet Meme」「Indigo Algorithm」の2作がリリースされていた。
木根の発言はサポートの浅倉を立てる意味もあったのだろうが、今後もTMで継続的に新作を出したいという意思表明でもあったのだろう。
また小室は、以下のようにも言っている。
小室「「Screen of Life」と、「Presence」ていう曲と、「Green Days」の、この3曲の詞を3つ聞いてもらうとですね、なんとなく20年間やってきたことを感じとってもらえるかと思いますのでね、是非あの、帰った時にでも聞いてほしいなと思いますね。って聞けねえや」
ウツ「聞けないね!」
小室「みんな(録音機器を)没収されてるもんね、入口でね、そしたらね」
ウツ「まだモノになってないからね」
木根「とりあえず記憶に残していただいて、がんばろう」
小室「メモでもできないしね」
木根「何をメモするんだよ!」
ウツ「コード進行か?」
木根「それは…難しいな」
小室「発売してないわけだしね、これはね。まあそういうわけで…」
木根「あ、質問!発売、するんですか?」
観客大きな拍手
小室「えーと、どうなるかは、分かりません」(観客からブーイング)
木根「やっぱジャケットはグリーンなの?」
ウツ「芝の上なのかな?」
小室「分からない。それは分からない」
以上のようにこの時はダラダラとしたMCが続いたが、木根が商品化の有無について小室に直接切り込んだのは、自分も気になっていたからだろうし、ファンの気持ちを代弁しようとしたものでもあったのだろう。
この日はTM20周年企画最後の日であり、以後はTMの活動計画について発信する機会すらなくなってしまう。
少しでも情報を出しておきたいというのが正直なところだっただろう。
しかし小室は「分からない」と答えた。
それはこの時点でTMとしての次の活動が計画されていなかったために他ならないが、これについては別章で触れることになるだろう。
以上、色々な意味で緊張感のあるMCを終え、ウツが「じゃあその新曲を、行ってみたいと思います。「Green Days」」と言うと、演奏が始まった。
ステージの照明は曲に合わせて緑色であり、スクリーンには植物の映像が映し出された。
木根はアコギである。
なおリハーサル段階ではセットリストの「Green Days」の位置に「Looking At You」が入っていた。
おそらく小室の「Green Days」が間に合わないことを想定していたものだろう。
第1部と同様に第2部も途中で一度MCを挟み、最後はバラードで締めるという構成とされていた。
この後の第3部はMCがなかったが、やはり最後はバラードで締められている。
だからこそバラード「Green Days」の差し替え候補曲として、「Looking At You」が選ばれていたのだろう。
仮に「Looking At You」が演奏されていれば、木根がボーカルを取っていたはずである。
20周年のステージでは木根にあまり見せ場がなかったが、この時にその無念が晴らされていたはずである。
「Looking At You」とは渋すぎる選曲だな…と当時思っていたが、2015年、30周年の締めとなった「Quit30 Huge Data」「30th Final」でも、それぞれ木根ボーカルで「Looking At You」「月はピアノに誘われて」が演奏されている。
また2005年「Spin Off from TM」でも演奏されており、意外と演奏される曲だった。
「Green Days」が終わると、ウツは「どうもありがとう」と告げ、浅倉と阿部の紹介をする(この部分はDVDでは削られている)。
2人はステージから去り、サポートでは葛城だけが残って、4人による第3部が始まる。
この部分では基本的にツアーで演奏されたトランス曲が演奏された。
第3部1曲目は「Screen of Life」。
葛城のギターで始まるツアーバージョンである。
木根はエレキに持ち替えている。
「Just One Victory (offensive version)」。
イントロではお決まりの大型タッチパネル操作のパフォーマンスが行なわれた。
「Take it to the lucky」。
ツアーでイントロ冒頭に加えられたパートがなくなり、アウトロのシンセソロも横浜公演やツアーよりも短めに演奏された。
次は「Love Train (Extended Mix)」。
ここまでトランスアレンジ3曲の順番は、ツアーと同じである。
ここまでは間断なく演奏が続けられたが、一度演奏が止まり、暗かった照明も一度明るく照らされる。
ウツは観客を見渡し、「どうもありがとう!」と語りかける。
第3部最後は「Presence」。
スクリーン3枚に3人の演奏シーンがそれぞれ映し出され、本編締めの演奏であることを感じさせる。
最後のサビ繰り返しは、ツアーと同じく2回繰り返された。
以上で本編の演奏は終わり、ウツが「どうもありがとう!」というと、TMと葛城の4人は退場する。
考えてみればサポートメンバーの中で、葛城だけは退場時の紹介がないままで終わった。
客席からアンコールの声。
再びTM3人が、第1~3部の全サポートメンバーを引き連れて登場する。
ウツは「みんな、どうもありがとう。もう一度、今日のメンバーを紹介したいと思います」と言って、サポートメンバーも含めた全員を一人ずつ紹介する。
メンバーが持ち場について、最後の曲の演奏を始める。
曲は「Seven Days War」。
実はこの曲、再始動後のフルライブでの演奏は初めてである。
(1999年「Yes To Life Festival」の例はある)
間奏の「ラーラー」では、観客も一緒に合唱した。
以上はDVDに収録された6/24の様子だが、6/25には少し異なる演出になった。
この日のアンコール待ちの時は、スタンド席1・2Fでウェーブが起こった。
TMでは珍しい現象だが、この様子はDVDにも収録されている。
アンコールはまずTM3人だけが登場した。
ウツのMC。
「どうもありがとう。ええ、じゃあ、メンバーをちょっと、一人呼び込みたいと思います。ドラムス、阿部薫」
阿部が登場し、ドラムセットにスタンバイする。
さらにウツが続ける。
「そして、スペシャルゲスト。松本孝弘」
ここで想定外だった松本が登場する。
観客はおそらくこの日最大の歓声を上げた。
TM3人・阿部・松本の「CAROL Tour」メンバーで、アンコールが始まる。
曲は「Human System」「Beyond The Time」である。
特にアレンジを施したものではないが、イントロ・間奏など松本のギターソロパートでは、会場が盛り上がりを見せた。
5人での演奏が終わると、ウツがFence・葛城・浅倉の5人も呼び、10人で「Seven Days War」を演奏した。
演奏が終わるとウツは、「どうもありがとう!」と観客に告げる。
ステージの全メンバーが前に出てきて、客席に手を振り、最後は並んで挨拶をして退場した。
BGMとして「Nights of the Knife」、ついで「Dawn Valley」が流れる中、会場には終演のアナウンスが放送された。
TM NETWORKのDouble-Decadeが終わった瞬間だった。
![TM NETWORK DOUBLE-DECADE TOUR“NET WORK” [DVD] - TM NETWORK](https://blog.seesaa.jp/img/loading.svg)
TM NETWORK DOUBLE-DECADE TOUR“NET WORK” [DVD] - TM NETWORK
ただメッセージカードとかポスターとか帽子とか、どうでもいいものばかりなので、詳細は割愛します。
本作と関連して1/24から一週間おきに、「TM NETWORK デビュー35周年記念 Message」なる広報動画がyoutubeにアップされており、公式サイトにもまとめられています。
いずれも関係者によるメッセージで、DJ KOOさん、坂本美雨さん、浅倉大介さん、木根さん、ウツ、SURFICEがしゃべっています。
ウツの後は小室さんかなと思っていたんですけど、違いましたねえ。
基本的には皆1~2分程度の短いものですが、その中で木根さんは7分近くしゃべっています。
このメッセージは少しだけ貴重で、小室さんとの共作名義の楽曲がどのように作られたのか、具体的に話してくれています(それ以外の話題でも3分くらいしゃべっていますが)。
これによれば、TMの共作は、全部小室さんが困った時に木根さんがお願いされて作ったものらしいです。
こういう話は個別の曲についてはよく出ていましたが、全部そうだという発言は初めてだったと思います(本当に全部なのかは割り引いて考えるべきでしょうが)。
具体的な曲名が出たのは「Still Love Her」「Spanish Blue」「Gia Corm Fillippo Dia」です(「Gia Corm Fillippo Dia」の作曲は全部木根さんですが)。
なお小室さんが作ったオケに曲を付ける時、間奏の予定だったところにメロディを付けてしまった話もしていました。
曲名は出されませんでしたが、「Reasonless」ですね。
以下、各ソロについてまとめておきます。
ウツは「Dragon The Carnival」追加公演が終わりました。
詳細なレポなどは書きませんが、演者のいろんな思いが込められていると感じました。
宇都宮さんおよびサポートとスタッフの方々、ありがとうございました。
本ツアーのBlu-rayのリリース情報が出ました。
11/10Zepp Tokyo公演の様子が収録されるそうです。
現在FC盤の先行予約を受付中ですが、その告知によれば、小室さんと木根さんのコメントも入っているとのことです。
TM35周年に関する唯一の小室さんのコメントとなるかもしれません。
またFC盤のみの特典として、11/9 Zepp Tokyo公演の日替わり曲の映像が入ります。
「Wild Heaven」「Get Wild '89」「Human System」の3曲でしょう。
またもう一つ、2/6・7の追加公演から、「厳選曲」を収録するそうです。
2/6には「夏の終わり」、2/7には「Self Control」が演奏されたので、これが収録されるのでしょう。
特に「夏の終わり」は、これまでTMでもソロでも演奏されたことがないので貴重です。
ウツはこの後「それゆけ歌酔曲!!」を控えていますが、すでに発表されていた4/6~5/20に続き、5/26~6/30の公演も発表されました。
おそらくBlu-rayもこの公演と合わせて一般発売されるんでしょう。
なおツアータイトルは「「それゆけ歌酔曲!!」 ギア-レイワ2 」だそうです。
まあ、あえてダサくしているんでしょうね。
木根さんは佐藤竹善さんとのコラボライブ「My Favorite Songs」が2/6~3/12に4公演予定されていましたが、この内で2/28・3/1・3/12の3公演については、主催者のMIN-ONが新型コロナウィルスの影響を考えて、中止の決定を出しました。
ウツの「それゆけ歌酔曲!!」は大丈夫なんでしょうかね。
なお「My Favorite Songs」は5/27・6/10・6/25にも開催されます。
6/25は大宮ソニックシティですが、埋まるんでしょうか?
さらに2/21には、今年のソロツアー「2727ツアー」の開催告知がありました。
今後も毎年数字を増やしてツアータイトルにしていくんでしょうか。
まあこれまでもツアータイトルは「talk & live vol.●」の繰り返しだったので、そういうことには関心がないんでしょうね。
ツアー日程としては6/13~9/26のスケジュールが発表されています。
最後に小室さんについて。
年末にavexの松浦勝人さんと衝突した件がどうなったのか不明でしたが、2/23に良い情報が出ました。
松浦さんが小室さんと一緒にクラブにいるところの動画をtwitterにアップしたのです。
同日に六本木のOCTAGONで開催された「HI-NRG NIGHT」の様子です。
このイベントに出演したDJ KOOさんも、twitterやinstagramに、小室さんと一緒に撮影した写真をアップしています。
これらの写真・動画は各種ネットニュースに取り上げられました。
年末の件がどのように決着したのかは何も分かりませんが、おそらく双方が納得いく形で解決したのでしょう。
もういろんな意味でダメかもしれないと思っていましたが、なんとか土俵際ギリギリで残ったという印象です。
小室さんは2/6「Dragon The Carnival」に、葛城さんと一緒に見に来ていたそうです。
11月の公演にも来ていたそうで、2度も見に来たことになります。
上記Blu-rayのコメント収録がこの日に行なわれたのかもしれません。
いずれにしろ小室さんが、ほんの少しだけこちらに戻ってきてくれた気がします。
なお小室さんは、北島健二さんや山田亘さんとも食事をしたようです。
「Dragon The Carnival」(北島さんもサポート参加)の打ち上げかもしれません。
また2/10には某NPO法人の方と一緒に、フィリピンの日本大使館を訪問しました。
2/8にはNPO主催のファッションショーにも参加したそうです。
では本題に入ります。
そろそろ20周年の記事も終わりになります。
---------------------------------------------
武道館のステージは暗幕で遮られることなく、開演前から観客に見える形になっていた。
そのような中、会場には開演の合図が告げられ、シンセの音とともにサンプリングボイスが流れてくる。
「Get Wild and Get Wild and Get Wild and Wild and Wild and Wild and…」
「Get Wild Get Wild Get Wild Get Wild…」
普段イントロでのサンプリングボイスの定番は「GeGeGeGe」であり、このパターンは初めてである。
聞いてみると、こういうのも意外とありである。
イントロは当初別のパターンを考えていたが、6/19のリハーサルで差し替えられたという。
スモークの中、TM3人とFence of Defense3人がステージ裾から現れて定位置に就く。
シンセの音にFence3人の演奏が加わる。
テンポの良いドラムが目立つイントロだが、「Get Wild」が1曲目とされたことも含め、この始まりは本ライブが意識した「Fanks Cry-Max」のオープニングを踏襲したものに違いない。
特にFenceの山田は「Fanks Cry-Max」でもサポートを務めていた。
実はこのことは音だけでなく視覚面でも表現されている。
第1部では前列左右に西村・北島がおり、中央前方にウツ、中央奥に小室、その間に木根が立っていたが、TM3人が中央に並ぶ配置はまさしく「Fanks Cry-Max」である。
第1部は意図的にこのような配置にしたのだろう。
「Get Wild」は横浜公演・ツアーでも演奏されたが、生楽器が加わったことで大きく雰囲気が変わっており、特に西村の生ベースは、以後の曲も含めて存在感がある。
ただトランス風にアレンジされた間奏はツアーを踏襲しており、その点でやはり20周年の音も反映されている。
続けて「All-Right All-Night」「Be Together」。
いずれもツアーで演奏された曲である。
ともにベースとなるアレンジはツアーに準じながら、バンドアレンジになっている。
特に「Be Together」については、やはり生ドラムがあった方が乗りやすいと感じる。
間奏では、ウツが山田のドラムを横から叩くなど、お遊び要素も入れられた。
ウツMC。
こんばんは、TM NETWORKです!(山田ドラム&歓声) ありがとう! えー今回20周年始まってですね、まあ、横浜アリーナから始まり、ホールツアーをやって、武道館と。もう盛り上がるしかないでしょう!(歓声) えー今回はですね、だからなんかこう、ある意味でなんか3部作というか、そういう形になりましてね、でまあ、今回はもう見ての通り、こういう始まり方で行ったんで、今回は内容も、3部作に近いかな?
ここでウツにより、武道館公演が3部作の構成を取ることが宣言された。
20周年ライブ企画全体も横浜・ツアー・武道館の3部構成を取っており、たしかにTM20周年は「3部作」の構成が多く見られた。
ウツはさらに続けて、「まずはオープニングを手伝ってもらえる、Fence! Yeah!」と言って、サポートのFence of Defenseの紹介をする。
観客からの歓声と拍手に対して、Fenceメンバーは手を振った。
ウツ、やまない歓声に対して笑いながら、「もういいよ!」と言って止め、「最後まで楽しんでいってください」といってMCを締めた。
なお以上のMCは6/24のものだが、6/25にはFence3人をそれぞれ名前で紹介し、Fence側も簡単なコメントをしている。
以前も触れたとおり、ウツは2003年秋のソロツアー「Tour wantok」で、Fenceをサポートとした。
当時活動を休止していたFenceは、これをきっかけに同年活動を再開する。
武道館公演のFence参加はもちろんかつてのTMとの縁によるものだが、同時期のウツ個人との縁も大きな意味を持っていた。
演奏再開。
曲はツアーで演奏されなかった「Come on Let’s Dance」である。
アレンジはオリジナルと大きくは変わらないが、イントロ・サビ・アウトロには、オリジナルにないフレーズが上からかぶせられている。
このフレーズは6/19のリハーサルで新たに作ったものだった。
「Self Control」。
ツアーに準じたアレンジだが、横浜・ツアーでは間奏をほとんどシンセだけにしていたのに対して、武道館ではドラムやギターを加えた荘厳なアレンジとするなど、やはりバンド仕様に調整されている。
第1部最後は「Confession」。
再始動後初めて演奏された曲であり、また現時点ではこれがこの曲の最後の演奏例となる。
横浜公演の「Telephone Line」、ツアーの「Fool on the Planet」に続く木根バラ枠だろう。
木根はエレキギターをアコギに持ち替えて演奏に参加する。
小室もかなり真面目に弾いている。
ウツ、「どうもありがとう」と言って、Fenceを改めて紹介。
Fenceは観客に手を振りながら退場し、ここで第1部が終わる。
ウツ、「みなさんどうもありがとう。いやあもう、TM NETWORKですよ、当時の! ですね、木根君!?」と、大げさな振り付けをしながら、木根に無茶な振りをする。
木根はこれを受けて、「そうでしったけねえ。あんまり遠い昔なんで」とだけ答える。
ウツは「それだけ?今待っちゃった」と反応するも、じゃあいいやとばかり、先に進める。
こんなことをしている間に、ステージにはFenceに代わり葛城・阿部・浅倉がスタンバイしている。
ウツ、「ここからは、いよいよTMNになるんですねえ」と言って、第2部のサポートを紹介し、さっそく曲に入る。
なお25日のMCでは、ウツが「あっという間にTMNですね、木根君!?」と、微妙に話の振り方が違った。
木根は「本当にこう、今日はつくづく友達ってのはいいなあと思いました。ノーギャラで出てるから」と返した。
その後の2人のトークも24日よりは多少はずみ、17年前の武道館公演について簡単な思い出が語られた。
17年の間に何してた?との木根の発言に対し、ウツは、腹が出た?腹黒くなっただけ?と返すなど、イチャイチャトークが繰り広げられた。
第2部の演奏開始。
1曲目は「We love the EARTH」である。
小室はこの曲をやるかどうか迷ったが、葛城がやろうと言って決まったという。
実際、この曲で葛城がコーラスすると、TMN時代の雰囲気を感じさせられる。
再始動後演奏されてこなかった曲だが、この時を契機に頻繁に演奏されるようになった。
TMN時代に木根パートだったシンセは、この時は浅倉が担当した。
第2部は小室と浅倉がシンセを担当したが、TMN時代と比べると、浅倉も目立つ手弾きフレーズを多く演奏している。
むしろ小室よりも浅倉の方が目立っているかもしれない。
「69/99」「The Point of Lovers’ Night」。
木根はここでアコギをエレキに持ち直す。
私は当日、まさかこの2曲が来るとは思わず、大変盛り上がった記憶がある。
特に「69/99」は現時点で、これが最後の演奏例となる。
両曲ともオリジナルに準じた演奏だが、「The Point of Lovers’ Night」のアウトロは、TMN時代のライブバージョンを意識したものになった。
「Time To Count Down」。
リハーサル段階では「We love the EARTH」と曲順が逆になっていたが、最終的にはこの位置で演奏された。
イントロのアレンジは「Labo Mix」で、小室の操作するシンセと葛城のギターのみで演奏された。
観客は、第2部なのにここだけ20周年?と思っただろう。
実際にここからは第2部から第3部への架け橋の部分となっている。
だが実はこの部分では仕掛けがあった。
歌に入る直前のシンセドラムの連打とともに、阿部・浅倉も演奏に参加し、音がオリジナルの「Time To Count Down」に変わるのである。
小室もギターを持ってシンセブースから飛び出し、ステージ前方を歩き回った。

当然歌も「Labo Mix」のようにサビの部分だけでなく、最初から全部披露された。
前章で述べた通り、これはDVDでは「D.D. Tour Final Version」と名付けられている。
なおウツは「Labo Mix」の間に衣装を着替え、黒のジャケットを羽織って登場する。
私はCDでは「Labo Mix」はかなり面白く思いながら聞いたし、ライブでも効果的に使われていると思っていたが、一方でちゃんとウツの歌付きで盛り上がりたいという気持ちもあった。
要するに「Labo Mix」の後にフルコーラスの歌パートを付けてほしかったのだが、この時にそれがかなったことはうれしかった。
会場も大変盛り上がっていたと思う。
ウツMC。
「どうもありがとう。えーここでですね、実は木根君、なんとうちのリーダーがですね、何日前でしょうかあれは?」
木根、アコギの上に手のひらを合わせながら笑って、「つい今しがたです」と答える。
ウツ「新曲やりたいと言いだしたんです」
観客キャー
木根「宇都宮君、よかったね、新曲て言ってワ―て言ってくれてね。エー?て言われたらどうしようかと思ったね」
ウツ少し間を空けて言う。
「いやあまあね、それはそれでいいですけどね」
木根「いいの?」
ウツ「エー?て言われた方がこちらも気兼ねなく、力が入らない。なんか軽くやればいいかなみたいな感じで済むんだけど、期待されるとね、なんせなにしろね」
木根、観客に向かって「つい今しがた作った曲だから」
以上のように、ここで観客も予想していなかった新曲披露が宣言された。
ここでウツと木根は冗談めかして、喜んでもらえて良かったと言っているが、これは彼らの本心だったかもしれない。
ウツ「これはちなみにリーダー、どういう意図が?」
小室、このライブで初めての発言をする。
はい、急に(話を)振られた(笑)。このツアーでね、急に振っていただくの、楽しかったですよね。なんだっけね、意図ですよね。このツアーを回ってですね、あのー、緑な感じで。要は緑がきれいだな、サッカーの芝生もきれいだなって。あの、青信号じゃないですかグリーンてね、行けっちゅうことで。まああの、宇都宮君の歌っている詞をですね、聞いていただく感じかな。ウツでさえまだ2・3回しか歌っていないのにね。
小室が言っていることが支離滅裂で理解しがたいが、話を振られて動揺してしまったのだろう。
(とはいえ、話が振られるのは打ち合わせで決まっていたと思うが)
小室が「緑」と言っているのは、この後に披露された新曲の曲名「Green Days」にちなむが、この時点では曲名が明かされていなかったため、観客には意味が分からなかったはずである。
この曲については前章で触れたところだが、繰り返すと、小室が自らの再起の意志を歌ったものであり、大分トリニータのサポートとして大分を拠点に活動を始めることの決意を踏まえたものでもあった。
なお以上は6/24のMCだが、6/25の小室MCは以下のようなものだった。
小室「昨日お話ししたように、あの…グリーンな感じでした。おおらかなね、自然と戯れた感じな。昨日も申しましたが、緑は青信号、それでいいんじゃないか、前へ進みなさいという、遠回しな言い方ですかね」
木根「タ、タイトルは言ったっけ?」(←いい仕事!)
小室「あ、タイトル言ってないのか」
木根「言ってもらわないと」
ウツ「「Green Days」ていう曲なんですけど」
木根「7カ月連続発売で、7色行こう」
ここで木根が「7色」と言ったのは、その場にいた浅倉大介が2004/3/30から隔月でリリースしていた「Quantum Mechanics Rainbow」シリーズを念頭に置いている。
本作は虹をテーマにした7枚のアルバムであり、この時点で「Violet Meme」「Indigo Algorithm」の2作がリリースされていた。
木根の発言はサポートの浅倉を立てる意味もあったのだろうが、今後もTMで継続的に新作を出したいという意思表明でもあったのだろう。
また小室は、以下のようにも言っている。
小室「「Screen of Life」と、「Presence」ていう曲と、「Green Days」の、この3曲の詞を3つ聞いてもらうとですね、なんとなく20年間やってきたことを感じとってもらえるかと思いますのでね、是非あの、帰った時にでも聞いてほしいなと思いますね。って聞けねえや」
ウツ「聞けないね!」
小室「みんな(録音機器を)没収されてるもんね、入口でね、そしたらね」
ウツ「まだモノになってないからね」
木根「とりあえず記憶に残していただいて、がんばろう」
小室「メモでもできないしね」
木根「何をメモするんだよ!」
ウツ「コード進行か?」
木根「それは…難しいな」
小室「発売してないわけだしね、これはね。まあそういうわけで…」
木根「あ、質問!発売、するんですか?」
観客大きな拍手
小室「えーと、どうなるかは、分かりません」(観客からブーイング)
木根「やっぱジャケットはグリーンなの?」
ウツ「芝の上なのかな?」
小室「分からない。それは分からない」
以上のようにこの時はダラダラとしたMCが続いたが、木根が商品化の有無について小室に直接切り込んだのは、自分も気になっていたからだろうし、ファンの気持ちを代弁しようとしたものでもあったのだろう。
この日はTM20周年企画最後の日であり、以後はTMの活動計画について発信する機会すらなくなってしまう。
少しでも情報を出しておきたいというのが正直なところだっただろう。
しかし小室は「分からない」と答えた。
それはこの時点でTMとしての次の活動が計画されていなかったために他ならないが、これについては別章で触れることになるだろう。
以上、色々な意味で緊張感のあるMCを終え、ウツが「じゃあその新曲を、行ってみたいと思います。「Green Days」」と言うと、演奏が始まった。
ステージの照明は曲に合わせて緑色であり、スクリーンには植物の映像が映し出された。
木根はアコギである。
なおリハーサル段階ではセットリストの「Green Days」の位置に「Looking At You」が入っていた。
おそらく小室の「Green Days」が間に合わないことを想定していたものだろう。
第1部と同様に第2部も途中で一度MCを挟み、最後はバラードで締めるという構成とされていた。
この後の第3部はMCがなかったが、やはり最後はバラードで締められている。
だからこそバラード「Green Days」の差し替え候補曲として、「Looking At You」が選ばれていたのだろう。
仮に「Looking At You」が演奏されていれば、木根がボーカルを取っていたはずである。
20周年のステージでは木根にあまり見せ場がなかったが、この時にその無念が晴らされていたはずである。
「Looking At You」とは渋すぎる選曲だな…と当時思っていたが、2015年、30周年の締めとなった「Quit30 Huge Data」「30th Final」でも、それぞれ木根ボーカルで「Looking At You」「月はピアノに誘われて」が演奏されている。
また2005年「Spin Off from TM」でも演奏されており、意外と演奏される曲だった。
「Green Days」が終わると、ウツは「どうもありがとう」と告げ、浅倉と阿部の紹介をする(この部分はDVDでは削られている)。
2人はステージから去り、サポートでは葛城だけが残って、4人による第3部が始まる。
この部分では基本的にツアーで演奏されたトランス曲が演奏された。
第3部1曲目は「Screen of Life」。
葛城のギターで始まるツアーバージョンである。
木根はエレキに持ち替えている。
「Just One Victory (offensive version)」。
イントロではお決まりの大型タッチパネル操作のパフォーマンスが行なわれた。
「Take it to the lucky」。
ツアーでイントロ冒頭に加えられたパートがなくなり、アウトロのシンセソロも横浜公演やツアーよりも短めに演奏された。
次は「Love Train (Extended Mix)」。
ここまでトランスアレンジ3曲の順番は、ツアーと同じである。
ここまでは間断なく演奏が続けられたが、一度演奏が止まり、暗かった照明も一度明るく照らされる。
ウツは観客を見渡し、「どうもありがとう!」と語りかける。
第3部最後は「Presence」。
スクリーン3枚に3人の演奏シーンがそれぞれ映し出され、本編締めの演奏であることを感じさせる。
最後のサビ繰り返しは、ツアーと同じく2回繰り返された。
以上で本編の演奏は終わり、ウツが「どうもありがとう!」というと、TMと葛城の4人は退場する。
考えてみればサポートメンバーの中で、葛城だけは退場時の紹介がないままで終わった。
客席からアンコールの声。
再びTM3人が、第1~3部の全サポートメンバーを引き連れて登場する。
ウツは「みんな、どうもありがとう。もう一度、今日のメンバーを紹介したいと思います」と言って、サポートメンバーも含めた全員を一人ずつ紹介する。
メンバーが持ち場について、最後の曲の演奏を始める。
曲は「Seven Days War」。
実はこの曲、再始動後のフルライブでの演奏は初めてである。
(1999年「Yes To Life Festival」の例はある)
間奏の「ラーラー」では、観客も一緒に合唱した。
以上はDVDに収録された6/24の様子だが、6/25には少し異なる演出になった。
この日のアンコール待ちの時は、スタンド席1・2Fでウェーブが起こった。
TMでは珍しい現象だが、この様子はDVDにも収録されている。
アンコールはまずTM3人だけが登場した。
ウツのMC。
「どうもありがとう。ええ、じゃあ、メンバーをちょっと、一人呼び込みたいと思います。ドラムス、阿部薫」
阿部が登場し、ドラムセットにスタンバイする。
さらにウツが続ける。
「そして、スペシャルゲスト。松本孝弘」
ここで想定外だった松本が登場する。
観客はおそらくこの日最大の歓声を上げた。
TM3人・阿部・松本の「CAROL Tour」メンバーで、アンコールが始まる。
曲は「Human System」「Beyond The Time」である。
特にアレンジを施したものではないが、イントロ・間奏など松本のギターソロパートでは、会場が盛り上がりを見せた。
5人での演奏が終わると、ウツがFence・葛城・浅倉の5人も呼び、10人で「Seven Days War」を演奏した。
演奏が終わるとウツは、「どうもありがとう!」と観客に告げる。
ステージの全メンバーが前に出てきて、客席に手を振り、最後は並んで挨拶をして退場した。
BGMとして「Nights of the Knife」、ついで「Dawn Valley」が流れる中、会場には終演のアナウンスが放送された。
TM NETWORKのDouble-Decadeが終わった瞬間だった。
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この記事へのコメント
終了以前を知らない若輩者なので80年代にこういうふうに弾いていたことがあるのか知らないのが悲しいところ。。
単語の羅列で文章としては成り立っていないようでも言わんとする感情が伝わるなって思うのはTKブーム以降の世代だからなのでしょうね、大量に聴いたから教育されちゃってます。
長文の記事、ありがとうございます!
ベスト盤特典、確かに散々引っ張って公表されて肩透かしを覚えた人もいるかも知れませんよね...でもTMN賞のリズレ帽子は個人的にツボでした。そこ?みたいな(笑)
木根さんのメッセージ動画、自分もこの曲Reasonlessかな?と思ってました。どこかでリズレはデモテープ作らずそのままレコーディングしたと聞いていたので。この曲3年前のメンバーインタビューで他2人から完全に忘れられてた悲しいエピソードがあったので、木根さんとしてはどこかでこの曲について語りたかったのかも知れないですね。あとはランキング100位圏外なので敢えて曲名出さなかったのでしょうか。
松浦氏ツイッターから居た堪れない心情で嵐の前の静けさかと、もうある意味行き切って開き直りでドンとかかってこいやーとそんな気持ちでいたら、何か一様纏まったのかと、少し安堵、しかし問題を引き延ばしただけの様な気もするけど・・・。ただ、自分はやっぱり納得できないのはツイッターでのあの書き方、アレは色んな意味でアウトだと思いますね。
穿った見方すれば、何かの戦略なのか?
批判する事で話題にして復活する道筋なのか?
と思うくらいヤバイし、でもそんな事して何の意味がですしで・・・。
あと、松浦氏って案外女性ぽいというか小室氏の事ほんと好きなのかと・・・。
あんな感じで書く事自体が、ある種のケイコより僕にまでそんな事するのという・・・。
自分はそういう風にも取れた・・・。
北島氏葛城氏とも食事されたと、やっぱりTM含め帰って来るところはココだと思うし、やっとここまで戻ってきてくれたのかと、良い方向に進んでくれたらと思います。
グダグダ書いていますが、自分はTMのコンサート最初で最後の一回しか行った事ないんです。
終了になるほんと前のEXPOツアー大阪城ホールの一回だけでね・・・。
復活日を待ってるしその時は絶対行きたいと思ってます。
普通に名曲だった!
僕はアップテンポの曲が好きなんですが、
これはヘビロテです。
爽やかだなー。
僕はこの曲は癒し系だと思います。
ただ、RAINBOW RAINBOWには入らなくて正解だと思います。
この曲だけ浮きそうな感じがします。
お蔵入りに曲、全部出して欲しいです。
NERVOUSのDRESS ver.とかあるよね?
ソニーさん!
“TM NETWORKとしては映像作品の再リリースが準備されている。”
Blu-ray Boxから一年弱でまた出すんですか…。
スペシャルゲストだけあって、ギターがとても目立っていましたよね。
考えてみれば再結成以後で松本さんが絡んだのってこの日だけですね。
この時代の映像・音源て顧みられることが少ないですが、
この日の未発表2曲については、需要があるかもしれないと思います。
>AKAさん
あの特典は果たしてどれくらい応募があるんでしょうね。
でもリズレキャップは当選35名なので、全員が応募したら倍率100倍ですね。
実質は10倍くらいでしょうか。
そんなに興味はないけど、ポスターよりは欲しがる人いますかね?
>ルルさん
松浦さんは小室さんに音楽をやってほしいんだと思いますよ。
そこらへんは直情的に表現していると思います。
詳細はわからないけど、きっと何らかの形で話がまとまったんじゃないでしょうか。
>HOPEさん
いやあ、久々の「新曲」嬉しいですねえ。
小室さんが活動していたら、何かコメントもらえたんですかねえ。
お蔵入り曲は、まだ数年おきに出してくるでしょうね。
>haruさん
再リリース、まあ出すなら今が最後でしょうね。
次の盛り上がる機会なんて何年後かわかんないし、もうないかもしれないし。
ライブではTMにゆかりのあるサポートメンバーが数多く出演され、しかもネットワーク期とTMN期で分けて当時の構成を再現していたのが本当に良かったです。雑誌で見ていた方々のプレイを生で体感でき、改めて感動しました。
それだけに24日のライブだけ見て翌日島根県に帰ってしまったこと、今でも後悔しています。丸十年振りにTMのステージに立った松本孝弘さんを実際に見たかったです。松本さんが登場したときの場内の歓声はそれはもう、ものスゴかったんだろうなぁ…。
デビュー20周年、TM本体の活動はわずか数ヶ月でした。
それでも個人的には17年半かけてやっと横アリでTMを生で見ることができたこと、その後もホールツアー、ファイナルと全3種類のライブを体感できたこと、今でもホントにいい思い出です。Double-Decadeに関しては6月25日のライブを見なかったこと、これが唯一の心残りです。
やはり行けるライブは行っておくべきだなあと感じます。
もうライブもなくなっちゃいましたしね…
まあDD武道館は、普通に楽しいライブだったと思います。