振り返り! FANKS intelligence Days:Day1~7(長文)
8/20のDay7名古屋公演を以て、TM NETWORKの全国ツアー「FANKS intelligence Days」の本公演(ホールツアー)が終了しました。
残るは9/3・4の横浜ぴあアリーナMM追加公演(Day8・9)となります。
こちらのチケットは8/7に一般発売されました。
9/3のチケットは売り切れましたが、9/4のチケットはe+で8/30まで購入可能なので、関心のある方はどうぞお買い求め下さい。
またチケットぴあでは、リセールチケットの取り扱いも行なっています。
8/19の「TK Frday」によれば、スタッフはすでにぴあアリーナ公演の準備に取り掛かっており、1日前の8/18にも作業していたそうです。
8/15にはぴあアリーナ公演に向けての小室さんとスタッフの打ち合わせの様子が、M-tresの石坂健一郎さんによってtwitterに上げられています。
小室さんによれば、横浜の追加公演は演出用の映像やセットリストが変更され、設営されるセットも増えるそうです。
ホールツアーとアリーナ公演の内容はつながっているとも言っていましたが、ぴあアリーナ公演がホールツアーの微修正なのか別物になるのか、気になるところです。
ただセットリストも「ちょっと変わる」という程度のようなので、過度な期待はしない方がよさそうです。
いずれにしろDay7の名古屋国際会議場公演を以て、ツアーがひと段落したことは間違いなさそうです。
本ブログではこのタイミングで、これまで7公演のホールツアーの内容を回顧しつつ(Day7は参加していませんが)、来月のぴあアリーナ公演に備えようと思います。
もちろん全公演が終わるまでネタバレは見たくない方もいらっしゃるでしょう。
一応本記事ではネタバレ対策のために、最初に近況の整理をして、ライブレポの部分がすぐには目に入らないようにしておくので、適当なタイミングで引き返してください。
なお今回の記事は、すっげえ長いので、覚悟してお読みください(普段の倍近く、2万字近くあります!)
途中で疲れたら、続きはまた明日にでも。
まず8/2の東京公演では、ライブパンフレットが発売になりました。
7/29の三郷公演ではまだ販売されていなかったため、私はDay2の国際フォーラムで、またグッズの列に並ぶ羽目になりました。
(30thの時にはパンフ販売の列は別に設けられていた気がしますが、今回はペンライト等を購入する人と同じところに並ばないといけません)
パンフレットはblu-ray「How Do You Crash It?」とセットの装丁で、デザイン・サイズも統一されています。
コンパクトな上に丈夫なので、持ち帰りにも便利だと思います。
内容は主にふくりゅうさんによるこれまでのTMの動向のまとめです。
後半は「How Do You Crash It?」の内容解説で、以前Yahoo!ニュースに掲載されたライブ解説の転載(修正あり)です。
前半にはTMの歴史も書かれていますが、今回のライブに関しては書かれていないので、会場で開演前に見ても全然問題ない内容です。
パンフレットの最後には、少しだけ新情報が。
blu-rayの初回限定版には3点だけ、メンバーのサイン入りキラカードが封入されているものがあるのだそうです。
どうも運営側ではSNSで話題になることも期待していたようですが、どこからも報告がないため、「あらためて確認をしてみてほしい」とパンフレットの最後に書かれています。
まあ紙切れ一枚なら、見落としている方もいるでしょうね。
今回はどこの会場もグッズが足りず、熱心な方は販売開始より何時間も早く並んでいました。
最終日のDay7とかは8時前から並んでいる人がいるみたいです。
8/5の「TK Frday」によれば、上海の物流の停滞によって、十分な数が用意できなかったそうです。
まあそれなら仕方ないですかねえ。
なお今度のぴあアリーナ公演では、グレーのタオル・Tシャツや紫のペンライトがグッズに追加されます。
カプセルトイ(ガチャガチャ?)も新設されるとのこと。
またものすごい行列ができるのでしょうか。
HMVでは8/10~9/11に、ライブグッズの通販受付を行なっています(一部商品は除く)。
ただし発送は10/20以後と、かなり遅くなります。
ツアーパンフのみはmagneticaオフィシャルショップですぐに購入可能です。
8/7の追加公演チケットの一般販売開始に合わせて、ニコ生では「How Do You Crash It?」の上映会が開催されました。
とはいえこれはblu-rayの全体ではなく、100分くらいしか放送しなかったようです。
また一般会員の視聴時間は40分程度で、ほとんど見ることができませんでした。
8/22・23には、「坂本美雨 Dear Friends」にTM NETWORKがゲスト出演します。
小室さん個人では去年も出演しましたが、TMでの出演は2014年以来8年ぶりとなります。
美雨さんもこのたびのTM再開には狂喜されていたはずなので、その思いのたけをぶつけてもらえればと思います。
SONY・avexの企画盤「Live Historia」のリリースまで一ヶ月を切りました。
このままボーナストラックなどないままでリリースとなりそうです。
otonanoでは、本作リリースを盛り上げるべく、8/8より「#TMLIVEQ」なる企画を始めました。
7週連続でクイズを出題し、ヒントも出していくというものです。
点数が高い人には後日プレゼントがあるそうです。
8/30には、1989/8/30に開催された「Closed Circuit」の映像をそのまま配信するそうです。
これは当時横浜アリーナで開催された「Camp Fanks!! '89」最終公演を全国10ヶ所で同時生中継したもので、2012年「Incubation Period」や2013年「START investigation」の時に映画館でライブ中継をしたのと同じようなやつです。
この件、SONYがさもありがたい企画のように宣伝していますが、ネットニュースにもあるように、このライブ映像をそのままDVDにしたのが2004年の「CAROL The Live」なので(厳密にはコロッケがゲスト出演した「Passenger」1曲のみはDVD未収録ですが)、これを持っている方にとってほとんど意味はありません。
また「CAROL The Live」を持っていなくても、「Camp Fanks!! '89」の同日のライブ映像全体の別編集映像は「CAROL Deluxe Edition」に収録されており、2019年には「TM NETWORK The Videos」にも収録されているので、これを持っていればさほど貴重な映像でもありません。
あえて言えば、「Closed Circuit」ではライブ開始前に1時間あまり、過去のライブ映像やPVを放送したり、楽屋訪問映像やスタッフのインタビューを流しました。
今回もこれを編集したものが30分配信されますが、インタビューの裏で映っている「CAROL Tour」の映像以外に意味のある情報はないので、期待しない方が良いです。
以上がTM関係の話でした。
ソロでは、まずウツはソロツアー「U Mix #2」のFC先行予約が終わり、各種プレイガイドの先行予約もまもなく終わります。
8/27からは、順次各公演のチケットの一般販売が始まります。
木根さんも、ソロツアー「君の街の青い空」のメルマガ会員向けチケット先行予約が終わり、8/21からローチケで一般販売が始まりました。
多分その後は、12/1・2のソロ30周年記念ライブのチケット販売が始まると思います。
木根さんのラジオレギュラー番組「夜は行け行け!ド〜ンと歌謡曲!」では、9/9・9/23に小室さんがゲスト出演します。
番組では小室さんへのメッセージやTKソングのリクエストが募集されていました(8/18に締め切りました)。
小室さんについては、本ブログの前回の記事で、10/22に「ROLAND/BOSS Players Summit 2022」に出演することをお知らせしましたが、どうもこれは録画したものを配信するようで、収録は9/24に行なうそうです。
収録会場は東京国際フォーラムで、8/31まで観覧者の募集が行なわれています。
なお一般観覧者の枠は70人ですが、Tetsuya Komuro Studioも会員から観覧者を募っており、こちらは80名の枠があります。
年末には小室さんがオーケストラを率いたコンサートを開催します。
「billboard classics 小室哲哉 Premium Symphonic Concert 2022 -HISTORIA-」と題し、11/27に渋谷のBunkamuraオーチャードホール、12/9に兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで開催されます。
ライブタイトルに「HISTORIA」とあるのは、先日リリースされた「Live Historia」から着想を得たものでしょうか。
小室さんの歴史を音楽で振り返っていくというコンセプトだそうです。
現在はTetsuya Komuro Studioの先行予約が行なわれており、一般販売は10/8です。
小室さんがアニメ「ヴァンガード will+dress」のエンディングテーマ「Do The Dive」の制作を手掛けたことは以前触れましたが、これがCall of Artemisの名義で8/10にCDでリリースされました。
去年リリースされたLynx Eyes「#ALL FRIENDS」や、trf「survival dAnce」のカバーも収録されているそうです。
また8/5には、スマホゲーム「東方ダンマクカグラ」に、小室さんがリミックスを手掛けた「Bad Apple!! feat.nomico (Tetsuya Komuro Remix)」 が実装されたそうです。
8/5・12・19の「TK Friday」は、それぞれ「FANKS intelligence Days」の東京・大阪公演の直後および名古屋公演の最中の放送となり、それぞれの公演にまつわるお話を聞くことができました。
8/12には、「Resistance」の「Hit Factory」バージョンが演奏されました(歌付き!)。
この曲、実は「Hit Factory #1」で演奏する候補に挙がっていたそうです。
8/19は終演の1時間後より、名古屋のバーから配信されました。
30分程度の配信でしたが、小室さんは配信中に酔っぱらってしまいました。
最近は配信の最後に、楽曲にまつわる話をして演奏するコーナーが設けられるようになりました。
先月は「金曜日のライオン」が取り上げられましたが、8/5には「Electric Prophet」、8/12には「Feel Like Dance」が選ばれました。
特に注目なのは「Electric Prophet」です。
この曲については、実は意外とあまり語れることありませんでしたよね。
曲については、ライブで演奏していた時のサビの簡単な演奏を、「Twinkle Night」に収録するに当たりカノン進行に変えた話などが語られました。
歌詞については、ある夜に男性が女性を迎えに行き、船でギリシアの島々に連れて行くという物語が語られているそうです。
ただしこれは未来の話で、別の人物がそのことを予言したのが歌詞の構想なのだそうです。
「別の人物」とはおそらく曲名のサブタイトルにある「電気じかけの予言者」に当たり、TM NETWORKをイメージしたものでしょう。
要するに未来から来たTMが、現代の男女の未来を予言している歌詞ということになると思います。
なかなか複雑な構想だったんですね。
以上が近況の整理でした。
いよいよ本題の「FANKS intelligence Days」のライブレポに入ろうと思います。
ネタバレを回避したい方は、ここで引き返してください。
「FANKS intelligence Days」の特徴として一点のみ挙げるとしたら、私は、史上初めてサポートメンバーを入れないライブという点だったと思います。
先の「How Do You Crash It?」でも、同じことは小室さんの提案によって行なわれていましたが、それがこのたび生ライブでも実現しました。
3人のみのステージへの意欲は、すでに30thの活動でも垣間見えていました。
最後の記念ライブ的な位置づけの「30th Final」はともかく、その前の「Quit30」「Quit30 Huge Data」では、ギターとドラムのサポートを入れながら、ステージ上にはTMの3人のみが出演するというトリッキーな形式を採っています。
その前の「incubation Period」「START investigation」「the beginning of the end」でも、サポートはステージ上にはいましたが、見せ場はほとんどなく(例外は「START investigation」でゲスト的に現れた葛城哲哉さんの登場シーンくらい)、あくまでも小室さんが出す音の補助役に徹していました。
これについて小室さんは「Quit30 Huge Data」パンフレットのインタビューで、TMの3人によるステージを表現したいという思いがずっとあったが、80年代でそれをやるとカラオケと勘違いされてしまうという問題があったと語っていました。
30thで3人のステージに近いものが実践されたのは、シンセで表現できる音の幅が技術の進展によって広がってきたことを踏まえたものでしょう。
80年代から目指していたものを実現する条件が、2010年代にようやく整ってきたわけです。
「Keyboard Magazine」2012年夏号に掲載された「incubation Period」後の小室さんのインタビューでも、同様の発言がより具体的に語られています。
以上の発言から見るに、小室さんはデビュー当初から3人でのライブを構想していたようです。
TM結成に当たり、ライブやレコーディングでは必要な時に上手な演者を連れてくるという構想を語っていた小室さんですが、それは3人だけで演奏できないからであり、理想としては自分たちだけで演奏したいと思っていたわけです。
小室さんは実際にそれに近いものを、1984年6~7月の「ファーストコンサート」で試みました。
ギターは木根さんのみ、ドラムも基本的にコンピュータ制御のシンセで対応する(ベースのみは生)というものを構想します。
しかしこれはうまくいきませんでした。
さらに12月の「Electric Prophet」では、ステージに立つのをTM3人とマニピュレーターの4人のみとし、シンセでほぼすべての音を作り生のドラム・ベースを入れないライブを敢行しています。
しかし実際にはコンピュータ制御のシンセの音はステージ上で出すのではなく、事前に作ったテープを用いていたようです。
結局この時代の技術では、機材の同期を安定した条件下で行なうことは難しかったと考えられます。
そのため初の全国ツアーである1985年の「Dragon The Festival Tour」では、ギター・ベース・ドラム・キーボード・マニピュレーターを従えた大所帯のバンド編成で、コンピュータの同期演奏は最小限に抑えられました。
小室さんが上記インタビューで、デビュー当時はサポートが不可欠だったとか機材が壊れるとか言っているのは、こうした現実を踏まえたものです。
以後機材は発達し、コンピュータの安定度やシンセの音質も向上しましたが、ライブにふさわしい音をサポート無しで出すことは困難だったようです。
1988年「STARCAMP TOKYO」ではシンセベースが導入され、以後生ベースはサポートに参加しないことが常態となりますが、ギターとドラムは参加し続けます。
1990~91年の「Rhythm Red Tour」、2000~01年の「Tour Major Turn-Round」、2007年の「TM NETWORK -REMASTER-」のように、むしろ生演奏を強調する方向に向かうこともあり、3人のライブというこだわりは長い間忘却されてきました。
そのような中で画期として注目したいのが、2004年の「Double-Decade "NETWORK" in YOKOHAMA ARENA」「Double-Decade Tour」です。
この時はトランスを目指したこともあり生演奏へのこだわりは薄く、小室さんによるハードディスク内の音源のミックスがパフォーマンスの中心となりました。
サポートはギターの葛城哲哉さんのみで、4人というそれまでで最少人数によるライブでした。
当時エレキギターのひずみはシンセで表現できなかったため、ギターの参加は必要でしたが、それ以外のほとんどの音は小室さんが出していました。
このライブは全盛期のバンド形式のライブを期待していたファンから批判されましたが、実は最初期の構想に近い形態のライブがこの時に試みられたわけです。
2012年から始まる3人を中心とするライブは、長期的に見れば2004年のDouble-Decadeの延長上にあるものと言えます。
そしてこの方針が最終的に完成したのが2021年の「How Do You Crash It?」であり、生ライブで実現させたのが今回の「FANKS intelligence Days」だったということになります。
系譜を描けば、「Electric Prophet」―「Double Decade "NETWORK"」―「incubation Period」~「Quit30 Huge Data」―「How Do You Crash It?」―「FANKS intelligence Days」ということになるでしょう。
このように考えると、今回は1983年の結成から39年にして、ようやく小室さんの構想が完成したライブだったといえるのではないでしょうか。
人数を3人に絞ったことによって、今回のステージは楽器も人も少ないシンプルなものになりました。
それは観客からすれば、見るべきところが絞られる、見やすいステージになったということも言えます。
さらに今回は、ステージのセット自体もシンプルでした。
その背景にはavexから離れたことで予算が十分に取れなかったこともあるのでしょうが、演者に視点を集中させる意図もあったのかもしれません。
今回のステージの色は、白で統一されていました。
今回は開演前からステージが丸見えの状態だったのですが、その時点では天井から白い布が垂れ下がっていました。
下には白い斜面があり、要するにステージのセットは全部真っ白でした。
開演前はステージ全体に青い照明が当てられ、雲のようなものも映写されていました。
これはおそらく、夜の空を表現しているのでしょう。
斜面の真ん中には出入り口があり、TMの3人はここからステージに出入りします。
上の白い布の裏にはLEDモニターがあり、ライブ中はここに映像が映し出されます。
LEDモニターの下には白い斜面があり、前方にせり出していました。
この白いステージは、照明の映え方も意識したものだったと思われ、照明がきれいに映っていました。
LEDと白斜面の二つの舞台効果を活用しつつ、今回のステージ演出は行なわれました。
モニター映像や照明は日が進むごとに微妙に修正が加えられていたようです。
たとえばDay6名古屋公演では、「Kiss You」「I am」の映像がかなり大きく変わっていましたが、これはぴあアリーナ公演に引き継がれるのでしょうか。
今回はサポートがいないため、ステージには中央にウツ、客席から見て左が小室さんのシンセブース、右が木根さんのシンセブースとなっている他は、何もありません。
おそらく前にせり出した斜面は、ステージの無駄な空間を視覚的に減らす効果も狙ったものでしょう。
なお今回の3人の衣装はすべて黒で統一されていました。
「How Do You Crash It?」が白寄りの衣装だったのと対照的です。
おそらくステージの白と対照的な色合いにしたのだと思います。
ちなみに私は6公演も行ったのに、3人の表情や衣装の細かいところまで確認できる席には一度も巡り合わなかったので、衣装の細かいところについてのコメントは差し控えます。
今回ポイントになるのは、照明です。
何本もの派手な照明がステージや客席の周りをかけめぐりました。
特に音と連動して動く照明は迫力があり、ドラムやオーケストラヒットの音に合わせて照明が色や位置を変える様子は印象に残りました。
小室さんの知人と思われる方によれば、今回の照明は小室さんがプランを作ったとのことで、照明がライブの見せどころだったようです。
前にせり出した斜面状の舞台セットと、その真ん中にある出入口、そして派手な照明というと、私は連想してしまうものがあります。
1984年の「Electric Prophet」のステージです(特に12月5日のParco PartⅢ公演)。
デビュー当初から目指していた3人だけのライブが今回実現されたことを考えると、この初期ライブとの近似は偶然ではないように思います。
別の文脈からですが、小室さんは2021年に「How Do You Crash It?」を収録・配信するに当たり、「Electric Prophet」でも同様に無観客ライブを行なったことを思い出し、初期から無観客ライブを行なってきた話として頻繁に話題に出していました。
そのことを考えると、3人でのライブが実現した「FANKS intelligence Days」で、「Electric Prophet」を意識したステージを試みたという解釈は、あながち誤りではないでしょう。
「Electric Prophet」は、TM NETWORKが未来からやってきて現代人にメッセージを伝えに来るというコンセプトでした。
おそらくそのステージの斜面はタイムマシンの機体であり、真ん中の扉はその出入口であり、TMはタイムマシンからステージに出てきて未来の音楽を届けるという構想だったと考えられます。
「FANKS intelligence Days」のステージもこれを意識しているのならば、ステージの斜面も彼らの宇宙船の機体なのかもしれません。
ただし後述のように、このライブの設定は地上ではないようなので、出入口が擬されているのは機体内の部屋の扉となるでしょうか。
ここでステージの構想を、実際のライブの演出から考えてみましょう。
ただし「FANKS intelligence Days」では、30thのライブや「How Do You Crash It?」と異なり、ナレーションなどが一切ありません。
そこでここでは、ライブ唯一の演出らしい演出であるライブ冒頭部分を見てみます。
ライブの開演とともに、会場の照明は落とされ、無音の中でステージから客席に向けて一本の赤い光線が飛ばされます。
会場には激しいドラムの音に合わせて何本もの光の線が上下左右の方向に差し込みます。
上に吊るされていた白い布は上に上がり、LEDモニターが半分ほど見えるようになります。
この白い布にも照明が当てられ、雷雲風の演出がされます。
モニターにはうごめく光の束の中にうかぶTM NETWORKのバトンが映し出されます。
ドラム音・照明・ステージ上の雷雲風の布・モニターの光の束は、おそらく同じものを表現しています。
空に降り注ぐ雷の表現と見て間違いないでしょう。
バトンは雷の中で動いているわけです。
後述するように、バトンはこの後、地球から宇宙に飛んでいきます。
このシーンは、バトンが地上から放り出され、雷の鳴り響く中で大気圏を通過する様子を表現したものと考えられます。
そのことを踏まえると、冒頭の赤い光線は地上から宇宙へ届けられるバトンの軌跡を示しているのでしょう。
つまりこの軌跡を通じて、地上のFANKSから宇宙にいるTM NETWORKに情報=intelligenceが伝えられるわけです。
爆発音とともに白い布が下に落ち、布で覆われていたLEDモニターの全体が見えるようになります。
天井からは小室ブース・木根ブースとウツのマイクスタンドの場所に三角形の照明が降り注ぎ、3人がまもなく現れることを暗示します。
ステージには、事前にライブ1曲目と予告されていた「Please Heal The World」が流れます。
ここでは生歌・生演奏ではなく、事前に収録されたスタジオ音源が流れます。
NFTで販売された音源に冒頭部分が追加され、曲自体も2倍近く長くなっています。
この曲の間モニターには、バトンが地球を出て宇宙に飛んでいき、宇宙船に到達する様子が映し出されます。
きっとこの宇宙船には、TM NETWORKが乗っているのでしょう。
モニターには「PLEASE HEAL THE WORLD NOW」の歌詞が大きく映されますが、これはバトンを送り出したFANKSたち地球人のTMに対するメッセージでしょう。
文字の色も赤く、冒頭の赤い光線と同じ色になっています。
TMはこの地球人の願いを受け、地球に向かうことになると考えられます。
「Please Heal The World」が終わると、いよいよTM3人がステージに現れて、ライブ本番が始まります。
バトンを受け取ったTMが地球での活動を再開することを決め、機内でそのウォーミングアップを始めたというところでしょうか。
以後の照明やモニターには大して意味のない装飾的要素が多いですが、雲を表現した照明がしばしば見られます。
これは宇宙船が地球へ向かう最中に大気圏内で雲の中を移動していることを表現しているのでしょう。
ライブの最後の曲「Fool on the Planet」では、「Please Heal The World」の時と同様に、宇宙から見た地球の姿がモニターに映し出されました。
これは彼らが地球に接近していることを表現していると考えられます。
冷静に考えれば、大気圏に入って雲に囲まれている時点で地球を一望はできないはずなのですが、まあそこらへんは表現の形ということで、整合性を深く考える必要はないと思います。
彼らはまもなく地球に降り立つのでしょう。
ここで本ライブに先立つストーリーを、今一度復習してみましょう。
おおまかにまとめれば、以下のような物語がこれまで展開されてきました。
1. 2015年の「30th Final」で、TM NETWORKは潜伏者にバトンを託して地球を去っていった。
2. 2021年、潜伏者である一人の少女から送られたバトンを通じて、TMは現在の地球の危機的な状況を知る。
3. TMは地球へ向かう。
4. 地球に降りたウツ・木根はバーに潜入、受け取ったバトンから情報を得る。小室は横浜中華街を探索、1本のバトンを発見。
5. 少女がバトン(小室が見つけたもの?)を持って中華街を歩き、NFTショップで3つのチェスの駒を得る。
「FANKS intelligence Days」冒頭の展開をこのストーリーと絡めれば、少女のバトンを通じてTMが地球の現状を知るシーン2は、バトンが宇宙船に到達する「Please Heal The World」の映像に対応する(同じことを表現している)と考えられます。
シーン2に相当する「How Do You Crash It?」の本編では、TMが最後にステージ=宇宙船中の一室から姿を消しますが、これは地球へ向かうことを表現したものでしょう。
また「How Do You Crash It?」のエンディングでは、エピローグとして彼らが地球に舞い降りた様子を示しました(シーン4・5)。
今回「FANKS intelligence Days」で扱われたのは、その間に当たるシーン3であると考えることができます。
なお小室さんによれば、「FANKS intelligence Days」は潜伏者たちから情報を集めることを目的としており、小室さん自身「観客の皆さんには”ああ、だからインテリジェンスってことなんだ”っていうのを納得してもらえる内容のものを考えています」と言っていました(「B-PASS ALL AREA」vol.13)。
しかし名古屋公演までは、この発言に関わる演出はまったくありませんでした。
ぴあアリーナの追加公演で、何かの演出が追加されるのかもしれません。
演出といえば、「How Do You Crash It?」の目玉となっていた照明器具Dot Imageは、今回のステージでは使われませんでした。
ホールツアーで毎回使うには費用がかさみ過ぎるのかもしれませんが、あるいはぴあアリーナ公演では復活するかもしれません。
大きな会場の方が見栄えする気もしますし。
今回のライブは公演時間が1時間50分で、30thの間は守っていた2時間の公演時間を切ってしまいました。
ただしウツソロでは公演時間がすでに2時間未満となっていましたから、これはもう仕方がないのかもしれません。
ウツソロにあるインターバルやアンコール待ちの時間も入っていませんでしたから、実質的にはウツソロよりも長いライブだったということもできます。
もちろんかつてのTMライブと比べれば、時間が短いことは否定できないのですが、演奏が充実していたためか、私としては意外と短いという印象は受けませんでした。
演奏曲は、歌入りが13曲で、他は「Please Heal The World」と木根ソロ・小室ソロがありました。
曲数で言うと、4曲演奏して木根ソロ、4曲演奏して小室ソロ、5曲演奏して終演という形で、適度なタイミングでウツを休憩させるべくソロコーナーを入れていたようです。
このやり方は、昨今のウツのソロツアーのやり方を踏襲したものと思われます。
木根さんのシンセの裏にはウツ用の椅子が用意されており、ウツはステージにいる間でもここで小休止を取りました。
具体的に見ると、木根ソロ前・小室ソロ前とも、2曲を演奏した後は小室さんと木根さんの掛け合いによるセッションの時間が設けられ、ウツの着座時間となりました(次の「8月の長い夜」「it's gonna be alright」のフレーズを演奏)。
さらに小室ソロ後に「Get Wild」「We love the EARTH」を演奏すると、小室さんと木根さんがシンセで「Self Control」の新イントロを結構な時間演奏しますが、その間ウツは一時退場し、「Self Control」が終わるとまた小室さんのシンセプレイが入ります(ウツ着座)。
最後は「I am」「Fool on the Planet」を演奏して終演となります。
要するに、ウツが続けて歌うのは2曲までになるようにして、なおかつ曲の演奏が自然につながるように工夫されていました。
これによってTMの「30th Final」や最近のウツソロよりも、ライブの流れは格段によくなったと思います。
ウツは相変わらずよく歌えていました。
年齢を考えれば立派だと思います。
小室さんも見せ場ではよく弾いていましたし、コーラスも大変積極的に参加しました。
名古屋公演の「Kiss You」「I am」などでは、自ら手を振り上げて客を煽るという、最近では見ないしぐさも見せてくれました。
去年からのbillboard Liveが良いリハビリになったのでしょうか。
木根さんは、アコギ・エレキ・シンセをせわしなく弾いていました。
今回は曲の最中に木根さんのアコギソロが何回か設けられ、結構目立つ時が多かったです。
概して言えば、3人とも頑張っていたと思います。
「How Do You Crash It?」は演奏曲の半分弱がバラードかミディアム曲だったため、ウツの体力を考えれば今後のライブはバラードの割合が増えていくのだろうかと考えていました。
しかしいざ参加してみると、今回はラストの「Fool on the Planet」を除くと、バラードは「We Are Starting Over」のみで、むしろ平均的なライブよりもバラード率が低いライブとなりました。
バラードばかりになるのは微妙だなあと思っていたこともあり、この点は嬉しかったです。
木根ソロでは「How Do You Crash It?」で挑戦したルーパーによる演奏が今回もありました。
素人からすると、手拍子の中でリズムを取りながら演奏し録音するって難しそうに思えるんですが、一発本番のライブでやるなんて、なかなかすごいですね(まあ失敗した日もありましたけど)。
小室さんのソロは長めに取られました。
演奏の内容は後で書きますが、私にとっては至福の時間でした。
音の面では、「How Do You Crash It?」と比べて30thの雰囲気が薄れたことは、前回触れた通りです。
ただ音楽に詳しい方は別のご意見もあるかもしれませんが、私は30thで意識されたEDM的な音作り自体は、今回も逸脱していないと感じています。
音をほとんど小室さんのシンセのみで作り上げ、生ドラムをまったく加えていない今回は、アピールこそされていないものの、EDM的傾向をさらに強めているとも言えます。
つまり30thと同じくEDMの枠内で新たなアプローチを試みたのが今回であり、かつてのようにユーロビートからハードロック、プログレからトランスというような極端な転向はなかったと思われます。
今回新局面を開いたものに「Kiss You」があります。
このアレンジが鮮烈なのは、原曲にあった音をほとんど削った上、ドラムを徹底的に前面に出している点です。
シンセのキックドラムとオーケストラヒットの音に連動して動く派手な照明も、その音をいやが応にも意識させます。
今回ほど徹底的ではありませんでしたが、近いアプローチが行なわれたのは、やはりすべてのドラムをシンセが担当した2004年の「Double-Decade Tour」でした。
その点で今回のアレンジは2004年の再チャレンジの側面もあり、しかもそれはかなり成功したのではないかと思います。
他の曲を見るに、「あの夏を忘れない」「Kiss You」「Get Wild」が新アレンジ、「Self Control」「I am」に長いイントロが加わったところも注目されます。
「Be Together」「We love the EARTH」は、「How Do You Crash It?」で披露された新アレンジやその増訂版でした。
全体の半分くらいの曲は、2015年以前とは異なるアレンジで演奏されたことになります。
ライブの後半は定番曲が連発されましたが、前半はほぼ「How Do You Crash It?」とかぶらない選曲でした。
その中には夏の曲が含まれていますが、これは事前にほのめかされていました。
具体的には「あの夏を忘れない」「8月の長い夜」が演奏されました。
「8月の長い夜」は2013年「START investigation」で候補に挙げられながら演奏されなかった曲で、今回演奏されたのは嬉しかったです。
フルライブでは、実に1989年「CAROL Tour」以来の演奏でした。
これに対して「あの夏を忘れない」は、前回2015年の有観客ライブ「30th Final」でも演奏され、TMではないものの2020年に「Spin Off T-Mue-needs」でも演奏されたため、「またか」という感はぬぐえませんでした。
つうかこれ、夏ではなく秋の曲ですよね?
一方で夏の曲と言えば、絶対これはやるだろうと思っていた曲がありました。
「Dive Into Your Body」です。
夏のライブが少ないこともあり、2013年「START investigation」でメドレーの一部で演奏されたのを除くと、TMがこの曲の全体を演奏したのは2000年「Log-on to 21st Century」以来ありません。
そろそろ聞きたいと思っていたこの曲、またも焦らされてしまい残念です。
ぴあアリーナ公演で追加されると嬉しいのですが…。
セットリストを見ていつもの曲ばかりという印象を持たれた方も多いようですが、いろんな工夫が施されていたこともあり、実際に参加してみるとマンネリ感は意外となかったです。
まあ同じ曲を使いまわすよりは、いつもやらない曲をもっと増やしてほしいという気持ちは私も同じですが。
なおレア曲としては、「8月の長い夜」があった他、「it's gonna be alright」はTM史上で初めての演奏という、極めて貴重な選曲となりました。
「We Are Starting Over」も、この2曲ほどではなくても、TMでは珍しい選曲だったと思います。
今回の選曲で一つの基準となっていそうなのが歌詞です。
「君のいない一秒はまるで永遠のよう」と歌う「あの夏を忘れない」、「あの日それぞれ選んだ明日を試して君の場所に戻ってきた」と歌う「We Are Starting Over」、「どうしてこうやってつながっているんだろう 運命とかいわないけどときどき絆は感じる」と歌う「it's gonna be alright」などは、引退した小室さんがTMに戻り、TMが7年ぶりにファンの前に戻ってきてから最初のライブであることを意識して選んでいるのだと思います。
ここらへんは、聞いてぐっと来た方もいらっしゃったのではないでしょうか。
木根・小室ソロを除く演奏曲を発表時期別に分類すると、1985年1曲、1987~88年6曲、1991年2曲、1999年以後5曲です。
「終了」以前では87~88年が圧倒的に多く、しかもその選曲は「Kiss You」を除き、定番曲中の定番曲ばかりが並んでいます。
ここの固定状況はなんとか改めてほしいものです。
それとともに目を引くのは約1/3が再始動後の曲という点で、過去のヒット曲だけに頼っていない点は評価したいところです。
今回はDay1の三郷公演を除き、Day2~Day7のライブは各会場2公演ずつ用意されました。
この日程からは、セットリストが2種用意されている可能性を想定していた方も少なくなかったと思います(私も想定していました)。
しかし残念ながらセットリストの変更はありませんでした。
この点は少々残念でしたね。
今回のライブでは、コロナ禍対策で声出しが禁止されていました。
これはウツのソロライブではすでに定着していましたが、TMでは初めてのことです。
今回ライブグッズにペンライトが加わったのは、歓声に代わるステージへの意志表示の手段として取り入れたところもあるのでしょう。
同様の理由で目立つようになったのが手拍子です。
今回はメンバー側から積極的に手拍子を求めるところも多く見られました。
80年代の小室さんは手拍子を嫌う発言などもしていましたが、新しいライブ参加の形と言えるのかもしれません。
以上が今回のライブの総合的な感想です。
以下では具体的なライブの流れについて見ていきたいと思います。
すでに述べたように、冒頭では雷をイメージさせる照明がドラム音に連動してステージを照らします。
その後地球から宇宙船に向かうバトンの映像とともに「Please Heal The World」が流れます。
バトンは宇宙船に到達するとその内部へと入っていきますが、その過程でバトンに収められた情報も解析されていると考えられます。
ステージに電子音が鳴り響く中で、いよいよ扉から3人が登場。
実質的な1曲目としては予想外の「あの夏を忘れない」が始まります。
この曲は「30th Final」の時も「CLASSIX 1」の「Ano Natsu o Wasurenai (motion picture mix)」の音を入れて演奏されましたが、今回はその時以上に「motion picture mix」の音が前面に出ており、特に2番Aメロはほぼ「motion picture mix」でした。
なお木根さんのブースにはシンセが2台備えられており、この曲では客席から見て左側のシンセを演奏しました。
これは「Tour TMN EXPO」でこの曲の時に電子ピアノを担当したことを意識しているのかもしれません。
ついで「Be Together」。
1988年「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」の時のイントロを再現した部分が冒頭についた他は、「How Do You Crash It?」のアレンジに準じており、木根さんも「How Do You Crash It?」の時と同様にシンセを担当しました。
「How Do You Crash It?」の時もそうでしたが、今回も木根さんがシンセを弾いているため、ウツが木根さんに近づき一本のマイクで一緒に歌う2番Aメロの定番フォーマンスができませんでした。
コロナ禍の問題もあり、やめたのでしょう。
ウツは代わりに木根さんのシンセに近づいて歌いますが、「街に踏み出せ」のところではウツが足を木根さんのシンセの上に乗っけていました(私が気付いたのはDay4大阪公演以後なのでDay3以前はなかったかも)。
木根さんはこの曲の間、結構シンセをワイルドに弾いており、むしろ小室さんの方がおとなしめなほどでした。
なお「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」のイントロでは、ウツの「Welcome to the Fanks!」の掛け声で曲が始まりますが、Day1三郷公演のみ、ウツの「Welcome to the Fanks!」が「Fanks!」に変わっており、違和感を覚えました。
今回のツアーはこれで行くのかな?とも思ったのですが、Day2東京公演以後は普通に「Welcome to the Fanks!」になったので、おそらく三郷公演はウツがミスったのでしょう。
うっかりして「Welcome to」を言うタイミングを逃し、急いで「Fanks!」だけ言ったのだと思います。
(なお本記事のゆうにゃんさんと藤沢了さんのコメントによれば、Day7でも似たことがあった模様)
またDay4では、ウツが歌に入るところを間違えて、一瞬イントロの途中で「ゆれ…(てる君のdancing shadow)」と歌ってしまいました。
次は夏の曲2曲目、「8月の長い夜」です。
冒頭はアコギを持った木根さんと小室さんによるセッションで、この曲が演奏されます。
私は初日、もしやこの曲はこれだけで終わってしまうのか?と不安に陥りましたが、その後ちゃんと最初から歌入りでやってくれました。
先に述べたように、このセッションタイムはウツの休憩時間でしょうね。
この曲ではキックドラムが強く入っており、そこが原曲とはかなり異なる印象を受けます。
個人的にこの曲では強いキックを入れるよりは、歌メロをじっくりと聞かせてほしかったなあと感じます。
大阪初日8/10のDay4では、この曲の冒頭で少しおまけがありました。
SPEEDWAYの「Smile Again」のフレーズを、小室さんと木根さんで演奏したのです。
さらに翌日には、同じくSPEEDWAYの「Captain America」を木根さんがギターで演奏し、ウツがマイクを切って少しだけ歌いました。
これは前日の8/9にウツがtwitterで呟いたことと関わっています。
冒頭の「サエちゃん」は、ウツソロのサポートやU_WAVEのメンバーとして活動していた日永沙絵子さんのことで、ツアーリハーサル中の7/23にmagneticaのサイトで訃報が公表されました。
2016年から闘病していたそうで、まだ50代なのにお若いご逝去でした。
そしてその後SPEEDWAYの岩野光邦さんの訃報が伝えられたわけです。
岩野さんはTM3人だけでなくM-tresの中心メンバーとも面識がある方でしたから、関係者のショックも大きかったでしょう。
SPEEDWAYメンバーでは、ドラムの杉本ユウさんに次ぐ2人目のご逝去となります。
Day4の後、M-tresの石坂健一郎さんが大阪での打ち上げの写真をtwitterにアップし、「三郷の初日に空に帰ったワイ(岩野光邦)に古くからの数人で大阪で献杯!今日は卓席から見てもらえたよね」とつぶやきました。
ここからは、岩野さんのご逝去が7/29だったことが分かります。
情報がメンバーに伝わったのがいつだったのかは不明ですが、8/9には公表して良いことになったのでしょう。
また石坂さんが「卓席から見てもらえたよね」というのは、大阪公演ではPA機材に岩野さんの写真を飾っていたのでしょうか。
こういうことがあったため、3人は大阪で岩野さんを悼んでSPEEDWAYの曲を少しだけ演奏することにしたようです。
8/12の「TK Friday」によれば、このことはDay4開演直前に決めたとのことです。
しかし歌がないと聞いている方も分からないということで(実際にDay4には客席の反応がほとんどありませんでした)、Day5にはウツがオフマイクで歌を入れたとのことです(小室さんはウツの歌とかぶらないようにシンセを入れなかったとのこと)。
なんとも貴重な演奏ではありましたが、悲しい出来事でもありました。
次の曲は木根バラ枠で「We Are Starting Over」。
2004年「Double-Decade "NETWORK"」以来18年ぶりの演奏です。
この曲はオリジナルでは、2番の後はサビ繰り返しなどなくシンプルに終わりますが、今回は2番の後で木根さんのアコギソロと小室さんのシンセソロが入り、その後でサビを繰り返して終わりました。
なおDay6名古屋公演からは、木根さんのソロのところでハーモニカが入るようになりました(本記事と金さんコメント)。
以上4曲が終わると、ウツが「木根尚登」と言って小室さんとともに退場します。
木根さんは一人照明を浴びながら、アコギのボディを叩き始めます。
これは「How Do You Crash It?」で披露したルーパーを使った演奏パフォーマンスです。
今回は何度か演奏を重ねて「Girl Friend」の音を作り、最後はこれにハーモニカを重ねたり、少しだけサビの部分を歌ったりしていました。
この部分は木根曲→木根ソロというつながりで、木根さんのコーナーとして設けられたものでしょう。
なおDay3国際フォーラム公演では、木根さんが最初の方で一度失敗し、録音をやり直していました。
ウツと小室さんが登場して「Beyond The Time」が始まります。
モニターには、おそらくTMを象徴した空中の三角錐が輪に囲まれる様子が映し出されます。
この曲の見せ場は最後のサビ繰り返しの後の小室さんのシンセパフォーマンスで、今までにない派手な演奏を見せてくれました。
激しいオーケストラヒットの連発と、飛び交う赤の光線。
ツアーの注目曲「Kiss You」です。
ライブの変わり目で「Beyond The Time」「Kiss You」の2曲を続けて演奏するのは、「CAROL Tour」中期を意識したものかもしれません。
曲のアレンジについてはすでに述べたので割愛しますが、これまでの有数の「Kiss You」の中でも、随一の踊れる「Kiss You」になりました。
なおこの曲の2番冒頭では、ウツが立ち膝になって歌います(名古屋公演では1番冒頭に変更)。
また2番の後の「I Kiss You for Happy Christmas」以下のウツのセリフはありませんでした。
最後はオーケストラヒットが続き、ウツが一言「I Kiss You」とつぶやいて終わります。
ウツ、木根ブースの裏の椅子に座って休憩。
木根さんがアコギのボディを叩いてリズムを取り、客を煽ります。
鳴り響く手拍子の中、木根さんと小室さんのセッション。
最初は何の曲か分かりませんが、やがて聞いたことのあるフレーズが現れます。
ただ多くの方にはそれが何の曲かよく分かっていなかったようです。
TMでこれまで演奏したことのなかったレア曲「it's gonna be alright」のフレーズだったのです。
私も正直、あの曲に似ているけどまさかなと思いながら聞いていましたが、その後本当に「it's gonna be alright」が始まったのは驚きました。
観客もどのように乗るべきか、戸惑いが見えたように思います。
この後は新曲「How Crash?」に移ります。
私はこの部分の構成はそれなりに考えられたものだったと思います。
すなわち「it's gonna be alright」はCD作品としては1999年の再始動シングル「Get Wild Decade Run」のカップリングという微妙な位置づけではありますが、実は「Get Wild Decade Run」よりも早く作られた曲でした。
木根さんのところに来たヴェルディ川崎サポートソングの依頼をTMへの依頼に変更してもらい、小室さんを動かしてTM再始動のきっかけにしたという、いわく付きの曲でもあります。
つまり「it's gonna be alright」は、1994年のTMN「終了」後、TM NETWORKが再始動した時の記念曲というわけです。
そして次の「How Crash?」は、小室さん引退後、復帰を経て2021年にTMを再起動させた時に発表された楽曲でした。
ここではTMの歴史上節目になる曲を続けて演奏したことになります。
新曲「How Crash?」は、このたび初めてのステージでの生演奏となります。
アレンジはイントロもドラムパターンも「Studio Recording Ver.」に準じていますが、冒頭には女性の「How Crash」の声がSEとして加わっていました。
観客は「it's gonna be alright」と同様に初めて生で聞く曲だったはずですが、こちらはよく乗っていました。
この曲では客席も含めて照明が明るくなり、開放感が演出されました。
ウツが「小室哲哉」と言って木根さんとともに退場。
以後10分ほど小室さんのソロパフォーマンスが展開されます。
小室さんの復帰によって実現した新曲を演奏した後、小室さんのソロへとつなげたわけです。
小室さんは虹色の鮮やかな照明の中で、ピアノ音色で穏やかな曲を少しだけ演奏します。
(この曲、知っている気がするんですが、なんだか分かりません。ご存知の方教えてください)
なおこの部分、Day7名古屋公演のみEdvard Grieg「In the Hall of the Mountain King」に変わり、ロック調の演奏になったそうです。
照明もダークレッドだったとのことです。
これに続いて続けて聞き覚えのある曲を演奏します。
「How Do You Crash It?」のエンディングで使われたインスト曲です。
前半部分はblu-ray版では別のところで使われている曲ですが(「Invetigator and」「And investigator」)、「How Do You Crash It? three」の配信時にはエンディング曲と直接つなげて流されており、本来は一連の曲として作られたものと考えられます。
この曲の曲名について、小室さんは5/25「Hit Factory #1」(第2部)のMCでは、まだ正式には決まっていないとしながら「Ending Theme of How Crash?」と言っており、またこの曲をBGMに使ったNHK Eテレ「令和ネット論」の公式twitterアカウントでも6/18に同じ曲名で呼んでいます。
本ブログでは、正式な曲名が出るまでは「Ending Theme of How Crash?」の曲名を用いようと思います。
(前記事のコメント欄では「Ending of How Crash」と書いていましたが)
「Ending Theme of How Crash?」では鍵盤をきっちり弾いていましたが、これが終わると小室さんは攻撃的なパフォーマンスを披露します。
曲は「Give You A Beat」。
「Kiss You」とともに「Hit Factory #1」で演奏された曲です。
原曲と同様に次第にテンポを上げて高揚感を感じさせる作りですが、原曲以上に長くひっぱります。
神々しい照明も相まって、私は毎回この時間はまったく動くことができず、鳥肌を立てながら呆然と立ち尽くしていました。
歴代のシンセパフォーマンスの中でも、とりわけ私が感激したものの一つとなりました。
なお小室さんはDay2東京公演では、「Give You A Beat」の前に間違えてソロ最初の曲の音を出してしまい、つじつまを合わせながら消していました。
またDay6名古屋公演では、途中でフレーズが暴走したっぽい様子がありました。
8/19の「TK Friday」によれば「シンセが壊れた」とのことで、誤作動があったようです。
ただそのためもあってか、小室さんのパフォーマンスはそれまでよりも荒々しさを増し、ライブ感ある演奏を聴くことができました。
「Give You A Beat」の勢いが最高潮に達したタイミングで、なじみのある「ジャジャジャ」の音と火柱。
「Gorilla」の曲順に準じて「Nervous」に入るのかと思いきや、「Get Wild」につなげました。
今回はオリジナルのBメロの裏で鳴っているシンセ音を軸にイントロのフレーズを作っています。
「Quit30」から「How Do You Crash It?」の「Get Wild」は、木根さんのアコギソロやオリジナルの冒頭にある単音シンセによるサビのメロディをイントロの中に挟んできましたが、今回はこれらがなく、従来とは印象が異なるアレンジとなっています。
なおDay6名古屋公演では、「Get Wild」のイントロや間奏で、Day5まではなかったパーカッションが加わっていました。
これはぴあアリーナでも使われるのでしょうか。
続いて「How Do You Crash It?」の目玉だった「We love the EARTH」が、今回も同じアレンジで演奏されました。
生で聞いてみると、Bメロのキックが思ったより強かったんだと感じました。
ウツ、一時退場。
小室さんと木根さんによる演奏。
ウツの「しばられたアダムとイブ」の歌声のサンプリングフレーズが流れ、「Self Control」だと分かります。
なお木根さんはこの間、後ろにあるシンセをいじっているため、客席に背を向けることになります。
これ、「Incubation Period」と同じ形ですね。
しばらくすると「Self Control 2014」のイントロのフレーズが流れます。
以後の演奏でも、基本的には「Self Control 2014」に準じて演奏されました。
「DRESS 2」のリミックスに準じたライブ演奏は、基本的に「the beginning of the end」以外あまり行なわれなかったのですが、「Self Control 2014」のみは以後も「Quit30」「COUNT DOWN JAPAN 14/15」「How Do You Crash It?」で引き続き演奏され続けており、小室さんも特にお気に入りなのかもしれません。
ウツ、着座。
激しいドラムの音が響き渡った後、「I am 2013」のイントロが流れます。
その後はいつものように「I am」が演奏されますが、今回はこれまでのようにサビで観客の合唱ができません。
ただ観客は全力で手を振って、ステージに気持ちを伝えていました。
2番の後では一瞬曲が止まりステージが暗転しますが、その後はサビの繰り返しが入ります。
この間、モニターにはSONY時代・avex時代の映像が順番に映し出されます。
おそらく今度の「Live Historia Visualized」制作時に出てきた映像素材でしょう。
特にavex期については、見覚えのない映像がいくつか含まれていた気がします。
恒例の「Yes I am a human. We are human」のウツのセリフがないままで、曲は終わります。
その後は「Fool on the Planet」が始まります。
曲が終わると3人は中央に集まって客席に手を振り、スモークが焚かれた出入口から退場します。
なおDay3東京公演以後、この曲の冒頭で小室さんが神秘的な音のイントロを少し加えるようになりました。
ライブ用に作られたエンディング曲が流れる中、モニターには3人のライブ中の写真が映ります。
同様の演出は2014年「the beginning of the end」でも見られましたが、おそらくその時と同様に、ゲネプロの写真でしょう。
なおモニターには「based on a story & all produced by Tetsuya Komuro」のメッセージが出ますが、この英語、変じゃないですか!?
モニターには最後に「TM NETWORK」「TETSUYA KOMURO TAKASHI UTSUNOMIYA NAOTO KINE」、ついで「FANKS!×TM NETWORK」の文字が映し出されます。
その内「FANKS!」の「F」と「TM」の「T」の各頂点が合わさり、今回のライブロゴを形作ります。
あのライブロゴは、FANKSの情報をTMに提供するという協力関係を表現したものだということでしょう。

モニターに次回のライブ会場が表示されるとともに、エンディング曲が終わります。
ステージにはスタッフが現れて終演を告げます。
以後は混雑を避けるための規制退場のアナウンスが行なわれますが、その間にもステージにはBGMが流れます。
今回はオープニング曲・エンディング曲・退場のBGMなど、いろんな音源が用意されていました。
長文にわたりましたが、以上が「FANKS intelligence Days」のDay1~Day7の内容でした。
(Day7は参加していないので又聞き以上の情報はないですが)
公演ごとに進行は良くなっていた印象があり、おそらく細かいところで調整が行なわれていたのでしょう。
この流れは、Day8・9のぴあアリーナMM追加公演でどのように変わるのでしょうか。
あと2週間、楽しみに待っていようと思います。
それでは次は、Day9の後にお目にかかりましょう!
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残るは9/3・4の横浜ぴあアリーナMM追加公演(Day8・9)となります。
こちらのチケットは8/7に一般発売されました。
9/3のチケットは売り切れましたが、9/4のチケットはe+で8/30まで購入可能なので、関心のある方はどうぞお買い求め下さい。
またチケットぴあでは、リセールチケットの取り扱いも行なっています。
8/19の「TK Frday」によれば、スタッフはすでにぴあアリーナ公演の準備に取り掛かっており、1日前の8/18にも作業していたそうです。
8/15にはぴあアリーナ公演に向けての小室さんとスタッフの打ち合わせの様子が、M-tresの石坂健一郎さんによってtwitterに上げられています。
小室さんによれば、横浜の追加公演は演出用の映像やセットリストが変更され、設営されるセットも増えるそうです。
ホールツアーとアリーナ公演の内容はつながっているとも言っていましたが、ぴあアリーナ公演がホールツアーの微修正なのか別物になるのか、気になるところです。
ただセットリストも「ちょっと変わる」という程度のようなので、過度な期待はしない方がよさそうです。
いずれにしろDay7の名古屋国際会議場公演を以て、ツアーがひと段落したことは間違いなさそうです。
本ブログではこのタイミングで、これまで7公演のホールツアーの内容を回顧しつつ(Day7は参加していませんが)、来月のぴあアリーナ公演に備えようと思います。
もちろん全公演が終わるまでネタバレは見たくない方もいらっしゃるでしょう。
一応本記事ではネタバレ対策のために、最初に近況の整理をして、ライブレポの部分がすぐには目に入らないようにしておくので、適当なタイミングで引き返してください。
なお今回の記事は、すっげえ長いので、覚悟してお読みください(普段の倍近く、2万字近くあります!)
途中で疲れたら、続きはまた明日にでも。
まず8/2の東京公演では、ライブパンフレットが発売になりました。
7/29の三郷公演ではまだ販売されていなかったため、私はDay2の国際フォーラムで、またグッズの列に並ぶ羽目になりました。
(30thの時にはパンフ販売の列は別に設けられていた気がしますが、今回はペンライト等を購入する人と同じところに並ばないといけません)
パンフレットはblu-ray「How Do You Crash It?」とセットの装丁で、デザイン・サイズも統一されています。
コンパクトな上に丈夫なので、持ち帰りにも便利だと思います。
内容は主にふくりゅうさんによるこれまでのTMの動向のまとめです。
後半は「How Do You Crash It?」の内容解説で、以前Yahoo!ニュースに掲載されたライブ解説の転載(修正あり)です。
前半にはTMの歴史も書かれていますが、今回のライブに関しては書かれていないので、会場で開演前に見ても全然問題ない内容です。
パンフレットの最後には、少しだけ新情報が。
blu-rayの初回限定版には3点だけ、メンバーのサイン入りキラカードが封入されているものがあるのだそうです。
どうも運営側ではSNSで話題になることも期待していたようですが、どこからも報告がないため、「あらためて確認をしてみてほしい」とパンフレットの最後に書かれています。
まあ紙切れ一枚なら、見落としている方もいるでしょうね。
今回はどこの会場もグッズが足りず、熱心な方は販売開始より何時間も早く並んでいました。
最終日のDay7とかは8時前から並んでいる人がいるみたいです。
8/5の「TK Frday」によれば、上海の物流の停滞によって、十分な数が用意できなかったそうです。
まあそれなら仕方ないですかねえ。
なお今度のぴあアリーナ公演では、グレーのタオル・Tシャツや紫のペンライトがグッズに追加されます。
カプセルトイ(ガチャガチャ?)も新設されるとのこと。
またものすごい行列ができるのでしょうか。
HMVでは8/10~9/11に、ライブグッズの通販受付を行なっています(一部商品は除く)。
ただし発送は10/20以後と、かなり遅くなります。
ツアーパンフのみはmagneticaオフィシャルショップですぐに購入可能です。
8/7の追加公演チケットの一般販売開始に合わせて、ニコ生では「How Do You Crash It?」の上映会が開催されました。
とはいえこれはblu-rayの全体ではなく、100分くらいしか放送しなかったようです。
また一般会員の視聴時間は40分程度で、ほとんど見ることができませんでした。
8/22・23には、「坂本美雨 Dear Friends」にTM NETWORKがゲスト出演します。
小室さん個人では去年も出演しましたが、TMでの出演は2014年以来8年ぶりとなります。
美雨さんもこのたびのTM再開には狂喜されていたはずなので、その思いのたけをぶつけてもらえればと思います。
SONY・avexの企画盤「Live Historia」のリリースまで一ヶ月を切りました。
このままボーナストラックなどないままでリリースとなりそうです。
otonanoでは、本作リリースを盛り上げるべく、8/8より「#TMLIVEQ」なる企画を始めました。
7週連続でクイズを出題し、ヒントも出していくというものです。
点数が高い人には後日プレゼントがあるそうです。
8/30には、1989/8/30に開催された「Closed Circuit」の映像をそのまま配信するそうです。
これは当時横浜アリーナで開催された「Camp Fanks!! '89」最終公演を全国10ヶ所で同時生中継したもので、2012年「Incubation Period」や2013年「START investigation」の時に映画館でライブ中継をしたのと同じようなやつです。
この件、SONYがさもありがたい企画のように宣伝していますが、ネットニュースにもあるように、このライブ映像をそのままDVDにしたのが2004年の「CAROL The Live」なので(厳密にはコロッケがゲスト出演した「Passenger」1曲のみはDVD未収録ですが)、これを持っている方にとってほとんど意味はありません。
また「CAROL The Live」を持っていなくても、「Camp Fanks!! '89」の同日のライブ映像全体の別編集映像は「CAROL Deluxe Edition」に収録されており、2019年には「TM NETWORK The Videos」にも収録されているので、これを持っていればさほど貴重な映像でもありません。
あえて言えば、「Closed Circuit」ではライブ開始前に1時間あまり、過去のライブ映像やPVを放送したり、楽屋訪問映像やスタッフのインタビューを流しました。
今回もこれを編集したものが30分配信されますが、インタビューの裏で映っている「CAROL Tour」の映像以外に意味のある情報はないので、期待しない方が良いです。
以上がTM関係の話でした。
ソロでは、まずウツはソロツアー「U Mix #2」のFC先行予約が終わり、各種プレイガイドの先行予約もまもなく終わります。
8/27からは、順次各公演のチケットの一般販売が始まります。
木根さんも、ソロツアー「君の街の青い空」のメルマガ会員向けチケット先行予約が終わり、8/21からローチケで一般販売が始まりました。
多分その後は、12/1・2のソロ30周年記念ライブのチケット販売が始まると思います。
木根さんのラジオレギュラー番組「夜は行け行け!ド〜ンと歌謡曲!」では、9/9・9/23に小室さんがゲスト出演します。
番組では小室さんへのメッセージやTKソングのリクエストが募集されていました(8/18に締め切りました)。
小室さんについては、本ブログの前回の記事で、10/22に「ROLAND/BOSS Players Summit 2022」に出演することをお知らせしましたが、どうもこれは録画したものを配信するようで、収録は9/24に行なうそうです。
収録会場は東京国際フォーラムで、8/31まで観覧者の募集が行なわれています。
なお一般観覧者の枠は70人ですが、Tetsuya Komuro Studioも会員から観覧者を募っており、こちらは80名の枠があります。
年末には小室さんがオーケストラを率いたコンサートを開催します。
「billboard classics 小室哲哉 Premium Symphonic Concert 2022 -HISTORIA-」と題し、11/27に渋谷のBunkamuraオーチャードホール、12/9に兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで開催されます。
ライブタイトルに「HISTORIA」とあるのは、先日リリースされた「Live Historia」から着想を得たものでしょうか。
小室さんの歴史を音楽で振り返っていくというコンセプトだそうです。
現在はTetsuya Komuro Studioの先行予約が行なわれており、一般販売は10/8です。
小室さんがアニメ「ヴァンガード will+dress」のエンディングテーマ「Do The Dive」の制作を手掛けたことは以前触れましたが、これがCall of Artemisの名義で8/10にCDでリリースされました。
去年リリースされたLynx Eyes「#ALL FRIENDS」や、trf「survival dAnce」のカバーも収録されているそうです。
また8/5には、スマホゲーム「東方ダンマクカグラ」に、小室さんがリミックスを手掛けた「Bad Apple!! feat.nomico (Tetsuya Komuro Remix)」 が実装されたそうです。
8/5・12・19の「TK Friday」は、それぞれ「FANKS intelligence Days」の東京・大阪公演の直後および名古屋公演の最中の放送となり、それぞれの公演にまつわるお話を聞くことができました。
8/12には、「Resistance」の「Hit Factory」バージョンが演奏されました(歌付き!)。
この曲、実は「Hit Factory #1」で演奏する候補に挙がっていたそうです。
8/19は終演の1時間後より、名古屋のバーから配信されました。
30分程度の配信でしたが、小室さんは配信中に酔っぱらってしまいました。
最近は配信の最後に、楽曲にまつわる話をして演奏するコーナーが設けられるようになりました。
先月は「金曜日のライオン」が取り上げられましたが、8/5には「Electric Prophet」、8/12には「Feel Like Dance」が選ばれました。
特に注目なのは「Electric Prophet」です。
この曲については、実は意外とあまり語れることありませんでしたよね。
曲については、ライブで演奏していた時のサビの簡単な演奏を、「Twinkle Night」に収録するに当たりカノン進行に変えた話などが語られました。
歌詞については、ある夜に男性が女性を迎えに行き、船でギリシアの島々に連れて行くという物語が語られているそうです。
ただしこれは未来の話で、別の人物がそのことを予言したのが歌詞の構想なのだそうです。
「別の人物」とはおそらく曲名のサブタイトルにある「電気じかけの予言者」に当たり、TM NETWORKをイメージしたものでしょう。
要するに未来から来たTMが、現代の男女の未来を予言している歌詞ということになると思います。
なかなか複雑な構想だったんですね。
以上が近況の整理でした。
いよいよ本題の「FANKS intelligence Days」のライブレポに入ろうと思います。
ネタバレを回避したい方は、ここで引き返してください。
「FANKS intelligence Days」の特徴として一点のみ挙げるとしたら、私は、史上初めてサポートメンバーを入れないライブという点だったと思います。
先の「How Do You Crash It?」でも、同じことは小室さんの提案によって行なわれていましたが、それがこのたび生ライブでも実現しました。
3人のみのステージへの意欲は、すでに30thの活動でも垣間見えていました。
最後の記念ライブ的な位置づけの「30th Final」はともかく、その前の「Quit30」「Quit30 Huge Data」では、ギターとドラムのサポートを入れながら、ステージ上にはTMの3人のみが出演するというトリッキーな形式を採っています。
その前の「incubation Period」「START investigation」「the beginning of the end」でも、サポートはステージ上にはいましたが、見せ場はほとんどなく(例外は「START investigation」でゲスト的に現れた葛城哲哉さんの登場シーンくらい)、あくまでも小室さんが出す音の補助役に徹していました。
これについて小室さんは「Quit30 Huge Data」パンフレットのインタビューで、TMの3人によるステージを表現したいという思いがずっとあったが、80年代でそれをやるとカラオケと勘違いされてしまうという問題があったと語っていました。
30thで3人のステージに近いものが実践されたのは、シンセで表現できる音の幅が技術の進展によって広がってきたことを踏まえたものでしょう。
80年代から目指していたものを実現する条件が、2010年代にようやく整ってきたわけです。
「Keyboard Magazine」2012年夏号に掲載された「incubation Period」後の小室さんのインタビューでも、同様の発言がより具体的に語られています。
若い2人にサポートに入ってもらいましたが、本当にサポートということで、基本的にはほとんど僕が作った音が出ています。これも想定内というか、いずれは3人でできるようになるんだろうなと思っていたんです。84年、85年当時は、サポートがいないとライブができなかったですよね。機械が足りないとか、すぐ壊れるとか(笑) 。だから、21世紀は3人だけでもできるようになるんだろうなという確認もできたかな。純粋に3人ではないですけど、オンステージに3人というのは28年の期間で初めてなので、結構予想していたことの確認ができたのが楽しかったですね。
以上の発言から見るに、小室さんはデビュー当初から3人でのライブを構想していたようです。
TM結成に当たり、ライブやレコーディングでは必要な時に上手な演者を連れてくるという構想を語っていた小室さんですが、それは3人だけで演奏できないからであり、理想としては自分たちだけで演奏したいと思っていたわけです。
小室さんは実際にそれに近いものを、1984年6~7月の「ファーストコンサート」で試みました。
ギターは木根さんのみ、ドラムも基本的にコンピュータ制御のシンセで対応する(ベースのみは生)というものを構想します。
しかしこれはうまくいきませんでした。
さらに12月の「Electric Prophet」では、ステージに立つのをTM3人とマニピュレーターの4人のみとし、シンセでほぼすべての音を作り生のドラム・ベースを入れないライブを敢行しています。
しかし実際にはコンピュータ制御のシンセの音はステージ上で出すのではなく、事前に作ったテープを用いていたようです。
結局この時代の技術では、機材の同期を安定した条件下で行なうことは難しかったと考えられます。
そのため初の全国ツアーである1985年の「Dragon The Festival Tour」では、ギター・ベース・ドラム・キーボード・マニピュレーターを従えた大所帯のバンド編成で、コンピュータの同期演奏は最小限に抑えられました。
小室さんが上記インタビューで、デビュー当時はサポートが不可欠だったとか機材が壊れるとか言っているのは、こうした現実を踏まえたものです。
以後機材は発達し、コンピュータの安定度やシンセの音質も向上しましたが、ライブにふさわしい音をサポート無しで出すことは困難だったようです。
1988年「STARCAMP TOKYO」ではシンセベースが導入され、以後生ベースはサポートに参加しないことが常態となりますが、ギターとドラムは参加し続けます。
1990~91年の「Rhythm Red Tour」、2000~01年の「Tour Major Turn-Round」、2007年の「TM NETWORK -REMASTER-」のように、むしろ生演奏を強調する方向に向かうこともあり、3人のライブというこだわりは長い間忘却されてきました。
そのような中で画期として注目したいのが、2004年の「Double-Decade "NETWORK" in YOKOHAMA ARENA」「Double-Decade Tour」です。
この時はトランスを目指したこともあり生演奏へのこだわりは薄く、小室さんによるハードディスク内の音源のミックスがパフォーマンスの中心となりました。
サポートはギターの葛城哲哉さんのみで、4人というそれまでで最少人数によるライブでした。
当時エレキギターのひずみはシンセで表現できなかったため、ギターの参加は必要でしたが、それ以外のほとんどの音は小室さんが出していました。
このライブは全盛期のバンド形式のライブを期待していたファンから批判されましたが、実は最初期の構想に近い形態のライブがこの時に試みられたわけです。
2012年から始まる3人を中心とするライブは、長期的に見れば2004年のDouble-Decadeの延長上にあるものと言えます。
そしてこの方針が最終的に完成したのが2021年の「How Do You Crash It?」であり、生ライブで実現させたのが今回の「FANKS intelligence Days」だったということになります。
系譜を描けば、「Electric Prophet」―「Double Decade "NETWORK"」―「incubation Period」~「Quit30 Huge Data」―「How Do You Crash It?」―「FANKS intelligence Days」ということになるでしょう。
このように考えると、今回は1983年の結成から39年にして、ようやく小室さんの構想が完成したライブだったといえるのではないでしょうか。
人数を3人に絞ったことによって、今回のステージは楽器も人も少ないシンプルなものになりました。
それは観客からすれば、見るべきところが絞られる、見やすいステージになったということも言えます。
さらに今回は、ステージのセット自体もシンプルでした。
その背景にはavexから離れたことで予算が十分に取れなかったこともあるのでしょうが、演者に視点を集中させる意図もあったのかもしれません。
今回のステージの色は、白で統一されていました。
今回は開演前からステージが丸見えの状態だったのですが、その時点では天井から白い布が垂れ下がっていました。
下には白い斜面があり、要するにステージのセットは全部真っ白でした。
開演前はステージ全体に青い照明が当てられ、雲のようなものも映写されていました。
これはおそらく、夜の空を表現しているのでしょう。
斜面の真ん中には出入り口があり、TMの3人はここからステージに出入りします。
上の白い布の裏にはLEDモニターがあり、ライブ中はここに映像が映し出されます。
LEDモニターの下には白い斜面があり、前方にせり出していました。
この白いステージは、照明の映え方も意識したものだったと思われ、照明がきれいに映っていました。
LEDと白斜面の二つの舞台効果を活用しつつ、今回のステージ演出は行なわれました。
モニター映像や照明は日が進むごとに微妙に修正が加えられていたようです。
たとえばDay6名古屋公演では、「Kiss You」「I am」の映像がかなり大きく変わっていましたが、これはぴあアリーナ公演に引き継がれるのでしょうか。
今回はサポートがいないため、ステージには中央にウツ、客席から見て左が小室さんのシンセブース、右が木根さんのシンセブースとなっている他は、何もありません。
おそらく前にせり出した斜面は、ステージの無駄な空間を視覚的に減らす効果も狙ったものでしょう。
なお今回の3人の衣装はすべて黒で統一されていました。
「How Do You Crash It?」が白寄りの衣装だったのと対照的です。
おそらくステージの白と対照的な色合いにしたのだと思います。
ちなみに私は6公演も行ったのに、3人の表情や衣装の細かいところまで確認できる席には一度も巡り合わなかったので、衣装の細かいところについてのコメントは差し控えます。
今回ポイントになるのは、照明です。
何本もの派手な照明がステージや客席の周りをかけめぐりました。
特に音と連動して動く照明は迫力があり、ドラムやオーケストラヒットの音に合わせて照明が色や位置を変える様子は印象に残りました。
小室さんの知人と思われる方によれば、今回の照明は小室さんがプランを作ったとのことで、照明がライブの見せどころだったようです。
前にせり出した斜面状の舞台セットと、その真ん中にある出入口、そして派手な照明というと、私は連想してしまうものがあります。
1984年の「Electric Prophet」のステージです(特に12月5日のParco PartⅢ公演)。
デビュー当初から目指していた3人だけのライブが今回実現されたことを考えると、この初期ライブとの近似は偶然ではないように思います。
別の文脈からですが、小室さんは2021年に「How Do You Crash It?」を収録・配信するに当たり、「Electric Prophet」でも同様に無観客ライブを行なったことを思い出し、初期から無観客ライブを行なってきた話として頻繁に話題に出していました。
そのことを考えると、3人でのライブが実現した「FANKS intelligence Days」で、「Electric Prophet」を意識したステージを試みたという解釈は、あながち誤りではないでしょう。
「Electric Prophet」は、TM NETWORKが未来からやってきて現代人にメッセージを伝えに来るというコンセプトでした。
おそらくそのステージの斜面はタイムマシンの機体であり、真ん中の扉はその出入口であり、TMはタイムマシンからステージに出てきて未来の音楽を届けるという構想だったと考えられます。
「FANKS intelligence Days」のステージもこれを意識しているのならば、ステージの斜面も彼らの宇宙船の機体なのかもしれません。
ただし後述のように、このライブの設定は地上ではないようなので、出入口が擬されているのは機体内の部屋の扉となるでしょうか。
ここでステージの構想を、実際のライブの演出から考えてみましょう。
ただし「FANKS intelligence Days」では、30thのライブや「How Do You Crash It?」と異なり、ナレーションなどが一切ありません。
そこでここでは、ライブ唯一の演出らしい演出であるライブ冒頭部分を見てみます。
ライブの開演とともに、会場の照明は落とされ、無音の中でステージから客席に向けて一本の赤い光線が飛ばされます。
会場には激しいドラムの音に合わせて何本もの光の線が上下左右の方向に差し込みます。
上に吊るされていた白い布は上に上がり、LEDモニターが半分ほど見えるようになります。
この白い布にも照明が当てられ、雷雲風の演出がされます。
モニターにはうごめく光の束の中にうかぶTM NETWORKのバトンが映し出されます。
ドラム音・照明・ステージ上の雷雲風の布・モニターの光の束は、おそらく同じものを表現しています。
空に降り注ぐ雷の表現と見て間違いないでしょう。
バトンは雷の中で動いているわけです。
後述するように、バトンはこの後、地球から宇宙に飛んでいきます。
このシーンは、バトンが地上から放り出され、雷の鳴り響く中で大気圏を通過する様子を表現したものと考えられます。
そのことを踏まえると、冒頭の赤い光線は地上から宇宙へ届けられるバトンの軌跡を示しているのでしょう。
つまりこの軌跡を通じて、地上のFANKSから宇宙にいるTM NETWORKに情報=intelligenceが伝えられるわけです。
爆発音とともに白い布が下に落ち、布で覆われていたLEDモニターの全体が見えるようになります。
天井からは小室ブース・木根ブースとウツのマイクスタンドの場所に三角形の照明が降り注ぎ、3人がまもなく現れることを暗示します。
ステージには、事前にライブ1曲目と予告されていた「Please Heal The World」が流れます。
ここでは生歌・生演奏ではなく、事前に収録されたスタジオ音源が流れます。
NFTで販売された音源に冒頭部分が追加され、曲自体も2倍近く長くなっています。
この曲の間モニターには、バトンが地球を出て宇宙に飛んでいき、宇宙船に到達する様子が映し出されます。
きっとこの宇宙船には、TM NETWORKが乗っているのでしょう。
モニターには「PLEASE HEAL THE WORLD NOW」の歌詞が大きく映されますが、これはバトンを送り出したFANKSたち地球人のTMに対するメッセージでしょう。
文字の色も赤く、冒頭の赤い光線と同じ色になっています。
TMはこの地球人の願いを受け、地球に向かうことになると考えられます。
「Please Heal The World」が終わると、いよいよTM3人がステージに現れて、ライブ本番が始まります。
バトンを受け取ったTMが地球での活動を再開することを決め、機内でそのウォーミングアップを始めたというところでしょうか。
以後の照明やモニターには大して意味のない装飾的要素が多いですが、雲を表現した照明がしばしば見られます。
これは宇宙船が地球へ向かう最中に大気圏内で雲の中を移動していることを表現しているのでしょう。
ライブの最後の曲「Fool on the Planet」では、「Please Heal The World」の時と同様に、宇宙から見た地球の姿がモニターに映し出されました。
これは彼らが地球に接近していることを表現していると考えられます。
冷静に考えれば、大気圏に入って雲に囲まれている時点で地球を一望はできないはずなのですが、まあそこらへんは表現の形ということで、整合性を深く考える必要はないと思います。
彼らはまもなく地球に降り立つのでしょう。
ここで本ライブに先立つストーリーを、今一度復習してみましょう。
おおまかにまとめれば、以下のような物語がこれまで展開されてきました。
1. 2015年の「30th Final」で、TM NETWORKは潜伏者にバトンを託して地球を去っていった。
2. 2021年、潜伏者である一人の少女から送られたバトンを通じて、TMは現在の地球の危機的な状況を知る。
3. TMは地球へ向かう。
4. 地球に降りたウツ・木根はバーに潜入、受け取ったバトンから情報を得る。小室は横浜中華街を探索、1本のバトンを発見。
5. 少女がバトン(小室が見つけたもの?)を持って中華街を歩き、NFTショップで3つのチェスの駒を得る。
「FANKS intelligence Days」冒頭の展開をこのストーリーと絡めれば、少女のバトンを通じてTMが地球の現状を知るシーン2は、バトンが宇宙船に到達する「Please Heal The World」の映像に対応する(同じことを表現している)と考えられます。
シーン2に相当する「How Do You Crash It?」の本編では、TMが最後にステージ=宇宙船中の一室から姿を消しますが、これは地球へ向かうことを表現したものでしょう。
また「How Do You Crash It?」のエンディングでは、エピローグとして彼らが地球に舞い降りた様子を示しました(シーン4・5)。
今回「FANKS intelligence Days」で扱われたのは、その間に当たるシーン3であると考えることができます。
なお小室さんによれば、「FANKS intelligence Days」は潜伏者たちから情報を集めることを目的としており、小室さん自身「観客の皆さんには”ああ、だからインテリジェンスってことなんだ”っていうのを納得してもらえる内容のものを考えています」と言っていました(「B-PASS ALL AREA」vol.13)。
しかし名古屋公演までは、この発言に関わる演出はまったくありませんでした。
ぴあアリーナの追加公演で、何かの演出が追加されるのかもしれません。
演出といえば、「How Do You Crash It?」の目玉となっていた照明器具Dot Imageは、今回のステージでは使われませんでした。
ホールツアーで毎回使うには費用がかさみ過ぎるのかもしれませんが、あるいはぴあアリーナ公演では復活するかもしれません。
大きな会場の方が見栄えする気もしますし。
今回のライブは公演時間が1時間50分で、30thの間は守っていた2時間の公演時間を切ってしまいました。
ただしウツソロでは公演時間がすでに2時間未満となっていましたから、これはもう仕方がないのかもしれません。
ウツソロにあるインターバルやアンコール待ちの時間も入っていませんでしたから、実質的にはウツソロよりも長いライブだったということもできます。
もちろんかつてのTMライブと比べれば、時間が短いことは否定できないのですが、演奏が充実していたためか、私としては意外と短いという印象は受けませんでした。
演奏曲は、歌入りが13曲で、他は「Please Heal The World」と木根ソロ・小室ソロがありました。
曲数で言うと、4曲演奏して木根ソロ、4曲演奏して小室ソロ、5曲演奏して終演という形で、適度なタイミングでウツを休憩させるべくソロコーナーを入れていたようです。
このやり方は、昨今のウツのソロツアーのやり方を踏襲したものと思われます。
木根さんのシンセの裏にはウツ用の椅子が用意されており、ウツはステージにいる間でもここで小休止を取りました。
具体的に見ると、木根ソロ前・小室ソロ前とも、2曲を演奏した後は小室さんと木根さんの掛け合いによるセッションの時間が設けられ、ウツの着座時間となりました(次の「8月の長い夜」「it's gonna be alright」のフレーズを演奏)。
さらに小室ソロ後に「Get Wild」「We love the EARTH」を演奏すると、小室さんと木根さんがシンセで「Self Control」の新イントロを結構な時間演奏しますが、その間ウツは一時退場し、「Self Control」が終わるとまた小室さんのシンセプレイが入ります(ウツ着座)。
最後は「I am」「Fool on the Planet」を演奏して終演となります。
要するに、ウツが続けて歌うのは2曲までになるようにして、なおかつ曲の演奏が自然につながるように工夫されていました。
これによってTMの「30th Final」や最近のウツソロよりも、ライブの流れは格段によくなったと思います。
ウツは相変わらずよく歌えていました。
年齢を考えれば立派だと思います。
小室さんも見せ場ではよく弾いていましたし、コーラスも大変積極的に参加しました。
名古屋公演の「Kiss You」「I am」などでは、自ら手を振り上げて客を煽るという、最近では見ないしぐさも見せてくれました。
去年からのbillboard Liveが良いリハビリになったのでしょうか。
木根さんは、アコギ・エレキ・シンセをせわしなく弾いていました。
今回は曲の最中に木根さんのアコギソロが何回か設けられ、結構目立つ時が多かったです。
概して言えば、3人とも頑張っていたと思います。
「How Do You Crash It?」は演奏曲の半分弱がバラードかミディアム曲だったため、ウツの体力を考えれば今後のライブはバラードの割合が増えていくのだろうかと考えていました。
しかしいざ参加してみると、今回はラストの「Fool on the Planet」を除くと、バラードは「We Are Starting Over」のみで、むしろ平均的なライブよりもバラード率が低いライブとなりました。
バラードばかりになるのは微妙だなあと思っていたこともあり、この点は嬉しかったです。
木根ソロでは「How Do You Crash It?」で挑戦したルーパーによる演奏が今回もありました。
素人からすると、手拍子の中でリズムを取りながら演奏し録音するって難しそうに思えるんですが、一発本番のライブでやるなんて、なかなかすごいですね(まあ失敗した日もありましたけど)。
小室さんのソロは長めに取られました。
演奏の内容は後で書きますが、私にとっては至福の時間でした。
音の面では、「How Do You Crash It?」と比べて30thの雰囲気が薄れたことは、前回触れた通りです。
ただ音楽に詳しい方は別のご意見もあるかもしれませんが、私は30thで意識されたEDM的な音作り自体は、今回も逸脱していないと感じています。
音をほとんど小室さんのシンセのみで作り上げ、生ドラムをまったく加えていない今回は、アピールこそされていないものの、EDM的傾向をさらに強めているとも言えます。
つまり30thと同じくEDMの枠内で新たなアプローチを試みたのが今回であり、かつてのようにユーロビートからハードロック、プログレからトランスというような極端な転向はなかったと思われます。
今回新局面を開いたものに「Kiss You」があります。
このアレンジが鮮烈なのは、原曲にあった音をほとんど削った上、ドラムを徹底的に前面に出している点です。
シンセのキックドラムとオーケストラヒットの音に連動して動く派手な照明も、その音をいやが応にも意識させます。
今回ほど徹底的ではありませんでしたが、近いアプローチが行なわれたのは、やはりすべてのドラムをシンセが担当した2004年の「Double-Decade Tour」でした。
その点で今回のアレンジは2004年の再チャレンジの側面もあり、しかもそれはかなり成功したのではないかと思います。
他の曲を見るに、「あの夏を忘れない」「Kiss You」「Get Wild」が新アレンジ、「Self Control」「I am」に長いイントロが加わったところも注目されます。
「Be Together」「We love the EARTH」は、「How Do You Crash It?」で披露された新アレンジやその増訂版でした。
全体の半分くらいの曲は、2015年以前とは異なるアレンジで演奏されたことになります。
ライブの後半は定番曲が連発されましたが、前半はほぼ「How Do You Crash It?」とかぶらない選曲でした。
その中には夏の曲が含まれていますが、これは事前にほのめかされていました。
具体的には「あの夏を忘れない」「8月の長い夜」が演奏されました。
「8月の長い夜」は2013年「START investigation」で候補に挙げられながら演奏されなかった曲で、今回演奏されたのは嬉しかったです。
フルライブでは、実に1989年「CAROL Tour」以来の演奏でした。
これに対して「あの夏を忘れない」は、前回2015年の有観客ライブ「30th Final」でも演奏され、TMではないものの2020年に「Spin Off T-Mue-needs」でも演奏されたため、「またか」という感はぬぐえませんでした。
つうかこれ、夏ではなく秋の曲ですよね?
一方で夏の曲と言えば、絶対これはやるだろうと思っていた曲がありました。
「Dive Into Your Body」です。
夏のライブが少ないこともあり、2013年「START investigation」でメドレーの一部で演奏されたのを除くと、TMがこの曲の全体を演奏したのは2000年「Log-on to 21st Century」以来ありません。
そろそろ聞きたいと思っていたこの曲、またも焦らされてしまい残念です。
ぴあアリーナ公演で追加されると嬉しいのですが…。
セットリストを見ていつもの曲ばかりという印象を持たれた方も多いようですが、いろんな工夫が施されていたこともあり、実際に参加してみるとマンネリ感は意外となかったです。
まあ同じ曲を使いまわすよりは、いつもやらない曲をもっと増やしてほしいという気持ちは私も同じですが。
なおレア曲としては、「8月の長い夜」があった他、「it's gonna be alright」はTM史上で初めての演奏という、極めて貴重な選曲となりました。
「We Are Starting Over」も、この2曲ほどではなくても、TMでは珍しい選曲だったと思います。
今回の選曲で一つの基準となっていそうなのが歌詞です。
「君のいない一秒はまるで永遠のよう」と歌う「あの夏を忘れない」、「あの日それぞれ選んだ明日を試して君の場所に戻ってきた」と歌う「We Are Starting Over」、「どうしてこうやってつながっているんだろう 運命とかいわないけどときどき絆は感じる」と歌う「it's gonna be alright」などは、引退した小室さんがTMに戻り、TMが7年ぶりにファンの前に戻ってきてから最初のライブであることを意識して選んでいるのだと思います。
ここらへんは、聞いてぐっと来た方もいらっしゃったのではないでしょうか。
木根・小室ソロを除く演奏曲を発表時期別に分類すると、1985年1曲、1987~88年6曲、1991年2曲、1999年以後5曲です。
「終了」以前では87~88年が圧倒的に多く、しかもその選曲は「Kiss You」を除き、定番曲中の定番曲ばかりが並んでいます。
ここの固定状況はなんとか改めてほしいものです。
それとともに目を引くのは約1/3が再始動後の曲という点で、過去のヒット曲だけに頼っていない点は評価したいところです。
今回はDay1の三郷公演を除き、Day2~Day7のライブは各会場2公演ずつ用意されました。
この日程からは、セットリストが2種用意されている可能性を想定していた方も少なくなかったと思います(私も想定していました)。
しかし残念ながらセットリストの変更はありませんでした。
この点は少々残念でしたね。
今回のライブでは、コロナ禍対策で声出しが禁止されていました。
これはウツのソロライブではすでに定着していましたが、TMでは初めてのことです。
今回ライブグッズにペンライトが加わったのは、歓声に代わるステージへの意志表示の手段として取り入れたところもあるのでしょう。
同様の理由で目立つようになったのが手拍子です。
今回はメンバー側から積極的に手拍子を求めるところも多く見られました。
80年代の小室さんは手拍子を嫌う発言などもしていましたが、新しいライブ参加の形と言えるのかもしれません。
以上が今回のライブの総合的な感想です。
以下では具体的なライブの流れについて見ていきたいと思います。
すでに述べたように、冒頭では雷をイメージさせる照明がドラム音に連動してステージを照らします。
その後地球から宇宙船に向かうバトンの映像とともに「Please Heal The World」が流れます。
バトンは宇宙船に到達するとその内部へと入っていきますが、その過程でバトンに収められた情報も解析されていると考えられます。
ステージに電子音が鳴り響く中で、いよいよ扉から3人が登場。
実質的な1曲目としては予想外の「あの夏を忘れない」が始まります。
この曲は「30th Final」の時も「CLASSIX 1」の「Ano Natsu o Wasurenai (motion picture mix)」の音を入れて演奏されましたが、今回はその時以上に「motion picture mix」の音が前面に出ており、特に2番Aメロはほぼ「motion picture mix」でした。
なお木根さんのブースにはシンセが2台備えられており、この曲では客席から見て左側のシンセを演奏しました。
これは「Tour TMN EXPO」でこの曲の時に電子ピアノを担当したことを意識しているのかもしれません。
ついで「Be Together」。
1988年「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」の時のイントロを再現した部分が冒頭についた他は、「How Do You Crash It?」のアレンジに準じており、木根さんも「How Do You Crash It?」の時と同様にシンセを担当しました。
「How Do You Crash It?」の時もそうでしたが、今回も木根さんがシンセを弾いているため、ウツが木根さんに近づき一本のマイクで一緒に歌う2番Aメロの定番フォーマンスができませんでした。
コロナ禍の問題もあり、やめたのでしょう。
ウツは代わりに木根さんのシンセに近づいて歌いますが、「街に踏み出せ」のところではウツが足を木根さんのシンセの上に乗っけていました(私が気付いたのはDay4大阪公演以後なのでDay3以前はなかったかも)。
木根さんはこの曲の間、結構シンセをワイルドに弾いており、むしろ小室さんの方がおとなしめなほどでした。
なお「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」のイントロでは、ウツの「Welcome to the Fanks!」の掛け声で曲が始まりますが、Day1三郷公演のみ、ウツの「Welcome to the Fanks!」が「Fanks!」に変わっており、違和感を覚えました。
今回のツアーはこれで行くのかな?とも思ったのですが、Day2東京公演以後は普通に「Welcome to the Fanks!」になったので、おそらく三郷公演はウツがミスったのでしょう。
うっかりして「Welcome to」を言うタイミングを逃し、急いで「Fanks!」だけ言ったのだと思います。
(なお本記事のゆうにゃんさんと藤沢了さんのコメントによれば、Day7でも似たことがあった模様)
またDay4では、ウツが歌に入るところを間違えて、一瞬イントロの途中で「ゆれ…(てる君のdancing shadow)」と歌ってしまいました。
次は夏の曲2曲目、「8月の長い夜」です。
冒頭はアコギを持った木根さんと小室さんによるセッションで、この曲が演奏されます。
私は初日、もしやこの曲はこれだけで終わってしまうのか?と不安に陥りましたが、その後ちゃんと最初から歌入りでやってくれました。
先に述べたように、このセッションタイムはウツの休憩時間でしょうね。
この曲ではキックドラムが強く入っており、そこが原曲とはかなり異なる印象を受けます。
個人的にこの曲では強いキックを入れるよりは、歌メロをじっくりと聞かせてほしかったなあと感じます。
大阪初日8/10のDay4では、この曲の冒頭で少しおまけがありました。
SPEEDWAYの「Smile Again」のフレーズを、小室さんと木根さんで演奏したのです。
さらに翌日には、同じくSPEEDWAYの「Captain America」を木根さんがギターで演奏し、ウツがマイクを切って少しだけ歌いました。
これは前日の8/9にウツがtwitterで呟いたことと関わっています。
サエちゃんから1週間後 また同士が亡くなりました。 スピードウェイのギタリスト岩野(ワイ)。 せつない。。U2、、、
冒頭の「サエちゃん」は、ウツソロのサポートやU_WAVEのメンバーとして活動していた日永沙絵子さんのことで、ツアーリハーサル中の7/23にmagneticaのサイトで訃報が公表されました。
2016年から闘病していたそうで、まだ50代なのにお若いご逝去でした。
そしてその後SPEEDWAYの岩野光邦さんの訃報が伝えられたわけです。
岩野さんはTM3人だけでなくM-tresの中心メンバーとも面識がある方でしたから、関係者のショックも大きかったでしょう。
SPEEDWAYメンバーでは、ドラムの杉本ユウさんに次ぐ2人目のご逝去となります。
Day4の後、M-tresの石坂健一郎さんが大阪での打ち上げの写真をtwitterにアップし、「三郷の初日に空に帰ったワイ(岩野光邦)に古くからの数人で大阪で献杯!今日は卓席から見てもらえたよね」とつぶやきました。
ここからは、岩野さんのご逝去が7/29だったことが分かります。
情報がメンバーに伝わったのがいつだったのかは不明ですが、8/9には公表して良いことになったのでしょう。
また石坂さんが「卓席から見てもらえたよね」というのは、大阪公演ではPA機材に岩野さんの写真を飾っていたのでしょうか。
こういうことがあったため、3人は大阪で岩野さんを悼んでSPEEDWAYの曲を少しだけ演奏することにしたようです。
8/12の「TK Friday」によれば、このことはDay4開演直前に決めたとのことです。
しかし歌がないと聞いている方も分からないということで(実際にDay4には客席の反応がほとんどありませんでした)、Day5にはウツがオフマイクで歌を入れたとのことです(小室さんはウツの歌とかぶらないようにシンセを入れなかったとのこと)。
なんとも貴重な演奏ではありましたが、悲しい出来事でもありました。
次の曲は木根バラ枠で「We Are Starting Over」。
2004年「Double-Decade "NETWORK"」以来18年ぶりの演奏です。
この曲はオリジナルでは、2番の後はサビ繰り返しなどなくシンプルに終わりますが、今回は2番の後で木根さんのアコギソロと小室さんのシンセソロが入り、その後でサビを繰り返して終わりました。
なおDay6名古屋公演からは、木根さんのソロのところでハーモニカが入るようになりました(本記事と金さんコメント)。
以上4曲が終わると、ウツが「木根尚登」と言って小室さんとともに退場します。
木根さんは一人照明を浴びながら、アコギのボディを叩き始めます。
これは「How Do You Crash It?」で披露したルーパーを使った演奏パフォーマンスです。
今回は何度か演奏を重ねて「Girl Friend」の音を作り、最後はこれにハーモニカを重ねたり、少しだけサビの部分を歌ったりしていました。
この部分は木根曲→木根ソロというつながりで、木根さんのコーナーとして設けられたものでしょう。
なおDay3国際フォーラム公演では、木根さんが最初の方で一度失敗し、録音をやり直していました。
ウツと小室さんが登場して「Beyond The Time」が始まります。
モニターには、おそらくTMを象徴した空中の三角錐が輪に囲まれる様子が映し出されます。
この曲の見せ場は最後のサビ繰り返しの後の小室さんのシンセパフォーマンスで、今までにない派手な演奏を見せてくれました。
激しいオーケストラヒットの連発と、飛び交う赤の光線。
ツアーの注目曲「Kiss You」です。
ライブの変わり目で「Beyond The Time」「Kiss You」の2曲を続けて演奏するのは、「CAROL Tour」中期を意識したものかもしれません。
曲のアレンジについてはすでに述べたので割愛しますが、これまでの有数の「Kiss You」の中でも、随一の踊れる「Kiss You」になりました。
なおこの曲の2番冒頭では、ウツが立ち膝になって歌います(名古屋公演では1番冒頭に変更)。
また2番の後の「I Kiss You for Happy Christmas」以下のウツのセリフはありませんでした。
最後はオーケストラヒットが続き、ウツが一言「I Kiss You」とつぶやいて終わります。
ウツ、木根ブースの裏の椅子に座って休憩。
木根さんがアコギのボディを叩いてリズムを取り、客を煽ります。
鳴り響く手拍子の中、木根さんと小室さんのセッション。
最初は何の曲か分かりませんが、やがて聞いたことのあるフレーズが現れます。
ただ多くの方にはそれが何の曲かよく分かっていなかったようです。
TMでこれまで演奏したことのなかったレア曲「it's gonna be alright」のフレーズだったのです。
私も正直、あの曲に似ているけどまさかなと思いながら聞いていましたが、その後本当に「it's gonna be alright」が始まったのは驚きました。
観客もどのように乗るべきか、戸惑いが見えたように思います。
この後は新曲「How Crash?」に移ります。
私はこの部分の構成はそれなりに考えられたものだったと思います。
すなわち「it's gonna be alright」はCD作品としては1999年の再始動シングル「Get Wild Decade Run」のカップリングという微妙な位置づけではありますが、実は「Get Wild Decade Run」よりも早く作られた曲でした。
木根さんのところに来たヴェルディ川崎サポートソングの依頼をTMへの依頼に変更してもらい、小室さんを動かしてTM再始動のきっかけにしたという、いわく付きの曲でもあります。
つまり「it's gonna be alright」は、1994年のTMN「終了」後、TM NETWORKが再始動した時の記念曲というわけです。
そして次の「How Crash?」は、小室さん引退後、復帰を経て2021年にTMを再起動させた時に発表された楽曲でした。
ここではTMの歴史上節目になる曲を続けて演奏したことになります。
新曲「How Crash?」は、このたび初めてのステージでの生演奏となります。
アレンジはイントロもドラムパターンも「Studio Recording Ver.」に準じていますが、冒頭には女性の「How Crash」の声がSEとして加わっていました。
観客は「it's gonna be alright」と同様に初めて生で聞く曲だったはずですが、こちらはよく乗っていました。
この曲では客席も含めて照明が明るくなり、開放感が演出されました。
ウツが「小室哲哉」と言って木根さんとともに退場。
以後10分ほど小室さんのソロパフォーマンスが展開されます。
小室さんの復帰によって実現した新曲を演奏した後、小室さんのソロへとつなげたわけです。
小室さんは虹色の鮮やかな照明の中で、ピアノ音色で穏やかな曲を少しだけ演奏します。
(この曲、知っている気がするんですが、なんだか分かりません。ご存知の方教えてください)
なおこの部分、Day7名古屋公演のみEdvard Grieg「In the Hall of the Mountain King」に変わり、ロック調の演奏になったそうです。
照明もダークレッドだったとのことです。
これに続いて続けて聞き覚えのある曲を演奏します。
「How Do You Crash It?」のエンディングで使われたインスト曲です。
前半部分はblu-ray版では別のところで使われている曲ですが(「Invetigator and」「And investigator」)、「How Do You Crash It? three」の配信時にはエンディング曲と直接つなげて流されており、本来は一連の曲として作られたものと考えられます。
この曲の曲名について、小室さんは5/25「Hit Factory #1」(第2部)のMCでは、まだ正式には決まっていないとしながら「Ending Theme of How Crash?」と言っており、またこの曲をBGMに使ったNHK Eテレ「令和ネット論」の公式twitterアカウントでも6/18に同じ曲名で呼んでいます。
本ブログでは、正式な曲名が出るまでは「Ending Theme of How Crash?」の曲名を用いようと思います。
(前記事のコメント欄では「Ending of How Crash」と書いていましたが)
「Ending Theme of How Crash?」では鍵盤をきっちり弾いていましたが、これが終わると小室さんは攻撃的なパフォーマンスを披露します。
曲は「Give You A Beat」。
「Kiss You」とともに「Hit Factory #1」で演奏された曲です。
原曲と同様に次第にテンポを上げて高揚感を感じさせる作りですが、原曲以上に長くひっぱります。
神々しい照明も相まって、私は毎回この時間はまったく動くことができず、鳥肌を立てながら呆然と立ち尽くしていました。
歴代のシンセパフォーマンスの中でも、とりわけ私が感激したものの一つとなりました。
なお小室さんはDay2東京公演では、「Give You A Beat」の前に間違えてソロ最初の曲の音を出してしまい、つじつまを合わせながら消していました。
またDay6名古屋公演では、途中でフレーズが暴走したっぽい様子がありました。
8/19の「TK Friday」によれば「シンセが壊れた」とのことで、誤作動があったようです。
ただそのためもあってか、小室さんのパフォーマンスはそれまでよりも荒々しさを増し、ライブ感ある演奏を聴くことができました。
「Give You A Beat」の勢いが最高潮に達したタイミングで、なじみのある「ジャジャジャ」の音と火柱。
「Gorilla」の曲順に準じて「Nervous」に入るのかと思いきや、「Get Wild」につなげました。
今回はオリジナルのBメロの裏で鳴っているシンセ音を軸にイントロのフレーズを作っています。
「Quit30」から「How Do You Crash It?」の「Get Wild」は、木根さんのアコギソロやオリジナルの冒頭にある単音シンセによるサビのメロディをイントロの中に挟んできましたが、今回はこれらがなく、従来とは印象が異なるアレンジとなっています。
なおDay6名古屋公演では、「Get Wild」のイントロや間奏で、Day5まではなかったパーカッションが加わっていました。
これはぴあアリーナでも使われるのでしょうか。
続いて「How Do You Crash It?」の目玉だった「We love the EARTH」が、今回も同じアレンジで演奏されました。
生で聞いてみると、Bメロのキックが思ったより強かったんだと感じました。
ウツ、一時退場。
小室さんと木根さんによる演奏。
ウツの「しばられたアダムとイブ」の歌声のサンプリングフレーズが流れ、「Self Control」だと分かります。
なお木根さんはこの間、後ろにあるシンセをいじっているため、客席に背を向けることになります。
これ、「Incubation Period」と同じ形ですね。
しばらくすると「Self Control 2014」のイントロのフレーズが流れます。
以後の演奏でも、基本的には「Self Control 2014」に準じて演奏されました。
「DRESS 2」のリミックスに準じたライブ演奏は、基本的に「the beginning of the end」以外あまり行なわれなかったのですが、「Self Control 2014」のみは以後も「Quit30」「COUNT DOWN JAPAN 14/15」「How Do You Crash It?」で引き続き演奏され続けており、小室さんも特にお気に入りなのかもしれません。
ウツ、着座。
激しいドラムの音が響き渡った後、「I am 2013」のイントロが流れます。
その後はいつものように「I am」が演奏されますが、今回はこれまでのようにサビで観客の合唱ができません。
ただ観客は全力で手を振って、ステージに気持ちを伝えていました。
2番の後では一瞬曲が止まりステージが暗転しますが、その後はサビの繰り返しが入ります。
この間、モニターにはSONY時代・avex時代の映像が順番に映し出されます。
おそらく今度の「Live Historia Visualized」制作時に出てきた映像素材でしょう。
特にavex期については、見覚えのない映像がいくつか含まれていた気がします。
恒例の「Yes I am a human. We are human」のウツのセリフがないままで、曲は終わります。
その後は「Fool on the Planet」が始まります。
曲が終わると3人は中央に集まって客席に手を振り、スモークが焚かれた出入口から退場します。
なおDay3東京公演以後、この曲の冒頭で小室さんが神秘的な音のイントロを少し加えるようになりました。
ライブ用に作られたエンディング曲が流れる中、モニターには3人のライブ中の写真が映ります。
同様の演出は2014年「the beginning of the end」でも見られましたが、おそらくその時と同様に、ゲネプロの写真でしょう。
なおモニターには「based on a story & all produced by Tetsuya Komuro」のメッセージが出ますが、この英語、変じゃないですか!?
モニターには最後に「TM NETWORK」「TETSUYA KOMURO TAKASHI UTSUNOMIYA NAOTO KINE」、ついで「FANKS!×TM NETWORK」の文字が映し出されます。
その内「FANKS!」の「F」と「TM」の「T」の各頂点が合わさり、今回のライブロゴを形作ります。
あのライブロゴは、FANKSの情報をTMに提供するという協力関係を表現したものだということでしょう。

左の4点が「F」の頂点、右の3点が「T」の頂点
(一つの点はF・Tで共用)
(一つの点はF・Tで共用)
モニターに次回のライブ会場が表示されるとともに、エンディング曲が終わります。
ステージにはスタッフが現れて終演を告げます。
以後は混雑を避けるための規制退場のアナウンスが行なわれますが、その間にもステージにはBGMが流れます。
今回はオープニング曲・エンディング曲・退場のBGMなど、いろんな音源が用意されていました。
長文にわたりましたが、以上が「FANKS intelligence Days」のDay1~Day7の内容でした。
(Day7は参加していないので又聞き以上の情報はないですが)
公演ごとに進行は良くなっていた印象があり、おそらく細かいところで調整が行なわれていたのでしょう。
この流れは、Day8・9のぴあアリーナMM追加公演でどのように変わるのでしょうか。
あと2週間、楽しみに待っていようと思います。
それでは次は、Day9の後にお目にかかりましょう!
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この記事へのコメント
素敵なレポート&考察、本当にありがとうございました。
余談ですが、day7の「Be Together」は、ウツのマイクパフォーマンスで冒頭の掛け声が間に合わず「Welcome to the Fanks!」が「……Fanks!」のみになってしまい、ちょっとにんまりしてしまいました。
これからも更新楽しみにしておりますね。
とても読みごたえがありました
Be Togetherの「welcome to the FANKS!」ですがDay7では再び「FANKS!」になってました。
すごい早くコメントをありがとうございます!
Be Togetherの件、追記しておきます。
ありがとうございました。
Day7は色々あったんですねえ。参加すればよかった!
私は、ツアー途中で新型コロナウイルスに感染したため、予定していた公演のうちいくつかを断念しました。予定の半分しか見られませんでした。
ただ、序盤と終盤は見ることができました。
今回のツアーですが、最初に見た時は消化しきれなかったのですが、2回目からは味わうことができたような気がします。
今回のツアーは、これまでのどのツアーよりも「見せる」、「聞かせる」ものだったような気がします。ステージセットがシンプルだったこともあり、メンバーの存在感が際立っていましたし、音も素晴らしくて聞き逃すのがもったいない感じでした。音源だけでもいいので、早く発売して欲しいです。
また、このツアー中、私にとってとても嬉しいこともありました。地方公演の際に移動するメンバーと同じ新幹線に乗り合わせ、かなり近い席で数時間一緒に移動できました。
最後は、少しですが先生とお話することもでき、FANKS生活34年の中で忘れられない思い出になりました。まさに「あの夏を忘れない」です。
9月の横浜も楽しみですね。
ただ、今回のツアーではどうも席運が悪く、それだけが、、、
それでは、惑星様も感染等にはお気をつけて。
またお会いできることを楽しみにしています。
素晴らしいレポートありがとうございます。
私はDay7で初めてTMのライブに参加したのですがライブ映像と違いメンバーの仕草の一つ一つや演出、会場の雰囲気がとても素晴らしい体験でした。
これからもブログ応援させて頂きます。
思わず書き込んでみます。
同じライブを観ているのに、
事前に持っている情報量が違うと
こうも楽しめる範囲が広いのかと思いました。
深く楽しめて羨ましく感じます。
例えば、今回は地球に向かう途中だったのか、と。
3人だけの構成もついに初期TMが実現化した姿なのか、と。
などなど。
当方、大阪のDay5を観れました。
シンプルな3人だけのステージに非常に満足しました。
音も照明も構成も三人のスリムなスタイルもカッコよく、
TMらしさが保たれていて、とても60過ぎとは思えなかったです。
強いて言うならば、
願わくば、Dive into your bodyとMessageも聞きたかった。
どちらも今回のテーマに合いそうだったので。
40周年まで無事に活動してくれることを願うばかりです。
管理人様の記事はいつもTMについて知らない事を沢山知れて楽しませて頂いております。
私は中学生の頃に再始動で興味を持ってファンになったものでCDを買ってリアルタイムで聴いていた「it's gonna be alright」が生で聴けたのは感動モノでした。
MTRの頃と比べるとウツも年を重ねてセットリストも体調面など考えたものにしなくてはいけないと思うのですがこれからも少しでも長く健康的に歌い続けて欲しいと思いました。
横浜も存分に楽しまれて下さいね。
今回は特殊な演出や映像がほとんど無かったので考察する部分は余り無いかなと思いましたが、改めて惑星さんのレポートを読むと情報量の多いツアーだったんだなと痛感いたしました。
大阪、名古屋は観に行けなかったので公演毎に良くなっていくステージを体験できた方が本当に羨ましいです。
冒頭の映像で地球から宇宙に投げ出されたバトンですが、『How Do You Crash It』のBDのラスト映像で女の子がNFTショップに売りに来たバトンを、潜伏者であるショップの店員が地球から宇宙に飛ばしたのかと思っていましたが、特にそれを示唆する映像も無かったのでやはり惑星さんの考察の方が正筋が通っていますね。というかあのチェスの駒は結局なんだったんでしょう?。
「We are starting over」はウツソロ『Dragon the Carnival』ツアーで演奏されていたのでさほどレア感は感じませんでしたが、曲終わりのサビのリフレイン(何度泣いただろう〜♪のとこ)にはグッときてしまいますね。アレは何回聴いても泣きますよ…( ;∀;)。
あと、木根さん、小室さんソロに入る際のウツのメンバー紹介は三郷では確か無かったような…。
と色々もっと語りたいところですが、残す横浜2公演がどうなるか楽しみですねー。その時にまた惑星さんを始め、皆様とお会いできるのを心から楽しみにしておりまーす(^o^ゞ。
もう何年も前から興味深く読ませていただいております
どこよりも詳しく正確な情報をお持ちで考察もするどく分かりやすく非常に文才のある方だと感心しております
今回のライブは私も参加しましたがお陰様で惑星さんの豊かな感性によりライブの様子が鮮明によみがえりTMロスを軽減できました。
今までの記事も製本にしたら買いたい位信頼しております
こんな立派な文章を書かれている惑星さんに対して私のコメント力は乏しく苦手なので長年控えておりました。今後も読む専門になるとは思いますがこれからもコメントはなくとも楽しみに待っている人間がここにいることを忘れず頑張って下さい。
これからも楽しみに待っています。
これもう音楽雑誌に売ってお金とった方がよいのでは、と提案したくなるナイスレポをありがとうございます。
チケット取れなかった民としては大変助かります。
3人とも充実したパフォーマンスだったそうで、すごく嬉しいです。
歳をとった小室さんががんばって手弾きしている様は、想像しただけでワクワクしますね。もうミスタッチもアドリブがグダるのも全然ウェルカムです。
木根さんはマルチプレイヤーっぷりを存分に発揮されたようですね。
今からブルーレイが楽しみですが、昔のライブ音源の何かと埋もれがちな木根パートを、音量上げてイヤホンで拾うのが楽しみな身としては、
近年の木根さんの音がハッキリ聞こえる円盤は少し物足りない気もします(屈折した心理)
それはさておき
詳細なライブレポありがとうございます
Days7のBe Together
いつになくウツがマイクスタンドを掲げ上げ過ぎて「Welcome to the …」の所までにマイクスタンドをおろせずに「ゴニョゴニョ…FANKS!!」という流れのような感じでした
その後もマイクスタンドをもう1回激しく叩きつけてました
なんだか荒ぶったウツが見れたDays7でしたね
Days6は哲ちゃんがフットペダル踏み外してコケてシンセの上にもたれかかっていました
ライブBlu-rayもおそらく初回・通常の2パターンで出すだろうから、今から節約を心掛けようと思います。
大阪Day5、愛知Day6に参加しましたが
2回目参戦でWe Are Starting Overの2番終わり後に木根さんのハーモニカが加わったり、ゲワイのパーカッション部分とか
私でも明らかに音の変化が感じ取れたので
もっとチケット取りたかったなと思わせるライブでした。
Day5のCaptain Americaは手拍子が大きすぎて3階席では全く聞こえませんでしたが、「そういえばSPIN OFF 2007のMCで木根さんがいきなり
Captain Americaのイントロ弾きだしたなぁ」と思い出しました。
なんと、あのあとで大変なことになっていたんですね。
小室さんとお話できたこと、twitterで拝見しました。
遠征するとこういうおこぼれもあるものですねえ。
これからも思い出として大事に保存してください。
ついでに次に会ったら、「Fank! Bang The Gongの映像を商品化してください」と、必ずお伝えいただくようにお願い致します。
>Flameさん
はじめまして。
私は実に7年半ぶりのライブレポで、どうやって書けばよいかなかなか悩みました。
Flameさんは私が参加できなかったDay7だけ見たんですね。
コピーロボットのおでこタッチ機能で記憶を共有したいです。
>ERさん
初めまして。
そうですね。60代のおじいちゃんにはちょっと見えないですよね。
体力的な問題はあるけど、よくここまでやってくれていると思います。
ライブの内容、正直一見してもなかなかわかんなかったですよね。
CAROLツアー以来いつもそうでしたけど(笑)。
私も何回か見て、ああこのシーンはこういうことかなとか、考えたりしてまとめました。
DiveとMessage、私も見たいです!
>黎明さん
ゴナビーは驚きましたよね。
多分初めて会場で聞いた時、驚いた人か曲を知らない人かどちらかしかいなかったと思います。
永遠に聞けない曲と思っていたので、ツアーで何度も聞けたのは嬉しかったです。
>GAUZEさん
私もblu-rayの最後のシーンの続きと思ってみていたのですが、どうも違うぽいなあと思うようになりました。
結局のチェス駒は今後にお預けということになりますが、もう来年になったらなかったことになっているに1000ペリカ賭けます!
メンバー紹介はたしかに初日はありませんでした。
流れを微調整していたんでしょうね。
>ハチたん
初めまして。以前から読んでいただいているとのこと、ありがとうございます。
とっても褒めていただき、嬉しいです。
単純な間違いなどもあると思うので、気づいたらご指摘くださいね。
これからも40周年が終わるまでは追っていきます。
>はさまったらイヤだぜさん
多分雑誌のライブレポは横浜公演が終わったら出るんだと思います。
でもそれだと、ホールツアーの様子は分からないまま埋もれちゃいそうですよね。
あ、今度の写真集に入るんでしたっけ。
blu-rayは来年の発売でしょうかね。
今回はわりとちゃんと木根さんのパート聞こえると思いますよ。
口惜しさと楽しさをじっくり味わってくださいね!
>とびえもんさん
ウツ、マイクスタンドのパフォーマンスを加えようと思いついたけど、ちゃんと練習していなかったんですかね。
または昔の感覚でやったら、体がついていかなかったか。
横浜ではちゃんとやり遂げてほしいものです。
Day6の小室さん、なんかふらついていると思った時ありました!
あれ、こけてたんですね!
>haruさん
今後は毎回パンフ3冊出す流れになるんですかねえ。
それならBang The GongとかKiss Japanのパンフも今から作ってほしいなあ…(無茶)。
blu-rayは、また次のライブの先行予約シリアルを付けた初回盤が出そうな気がします。
>と金
長文お付き合いいただき、ありがとうございました。
We Are~のハーモニカ、そうでした。最初はありませんでした。
ご指摘ありがとうございます。加筆しておきますね!
Captain Americaは地声で歌っていたので、かなり耳を凝らさないとよく分からなかったですよね。
あそこは手拍子するんじゃなくてじっと聞くべきでした。
>多摩のたーぼさん
情報ありがとうございます。
大石コンタさんとは、かつての大石一(はじめ)さんぽいですね。
芸名を変えたんでしょうね。
どうもありがとうございました!
開演前のEPIC社員のノリには苦笑いし、本編の途中で数秒映像が止まったり音声が途切れることが2回ありましたが、それも含めて33年の時を経てクローズドサーキットを体感出来ました。ライブ終盤で撮り合っていたポラロイド写真を視聴者プレゼントにしようと告知していたことは初めて知りました。
チャットも表示していましたが最終的には3万弱の人々が視聴していて、もの凄い勢いで書き込まれていく様子が見れたのも自分にとっては楽しかったし新鮮でした。意外にも商品化あるいは再発して欲しいという書き込みが結構ありました。(個人的にはそれはもういいと思いますが…。)
冷静に見たらツッコみ処が多々あったり、所謂Z世代の人達には滑稽に映る部分もあるかもしれません。それでも80年代終盤、昭和から平成にかけて当時の技術でこれだけのライブを半年掛けてやり切ったことはホントにスゴいなと改めて感じました。
そして令和になった今でも新たなライブを行っていることも。
島根県の山の中で生活していた中3の自分には到底無理な話ですが、やっぱり会場でライブを見たかったなぁ…。
かなり前にどこかの記事で、一度だけglobeファンでコメントさせて頂きました。それからもずっと記事を愛読させて頂き、今回のエントリーで9/4のチケットがあるのを知り、初めてTMのLIVEに参戦いたします!(万一最後の可能性も捨てきれないので‥)
青い惑星さんのおかげさまです!本当にありがとうございます。
記事を読み進めていくうちに自分でももっと知りたくなり、過去雑誌の記事などを集めまくってファイル8冊ぐらいとなり、曲自体より座学の方がついてしまいました(^ ^)
9/4は青い惑星さんは参戦されますかね…?
LIVEより、もし会えたらそちらの方が楽しみだったり…もし会えたらご挨拶させてくださいませ。
これからも記事楽しみに拝見させて頂きます〜
深~く長~い考察、有り難うございます。
読み応え満点のこちらの記事も漸く読むことができました。
記事の執筆、改めてお疲れ様でした。
私は結局、コロナに感染して、本ツアーには参加できませんでした。
本ツアーと追加公演はセットリストは似てるけど、アレンジやらは多少アップデートされて、やはり違う印象。
ということで、ここを読む心も、とても新鮮な気持ちで読むことが出来ましたよ。
あと、3人だけでの演奏のところの考察、面白かったです。小室さんの当初の理想に今ようやくたどり着けたということですね。
ここを読む限り、本ツアー観れたら良かったのになあと悔やんでいます。仕方のないことですが。
ところで、記事ではあまり触れられていなかったのですが、Get Wildでは木根さんはエレキの特徴的なフレーズ(サポーターの人がいつも弾いてるパート)は弾いてたんですか?
全体的に、3人だからこそ、木根さんはファーストギターをしているのかなって印象を持ちましたが。
小室さんは要塞ですが、木根さんベースも砦っぽくなってる印象です。
ライブを観たからだと思いますが、今回の考察はイメージがしやすくて、読むのが楽しかったです。また過去との比較もとても参考になりました。
あと、執筆者の情熱も感じられましたよ。
良かったですv
あのポラロイドカメラの写真、会場では思い切りばらまいていますよね。
視聴者プレゼントは本当に行なわれたんだろうかと、以前から疑念を抱いています。
商品としてはラスグルとCAMP FANKSはもういい加減にしてほしいと私は思っているんですが、客寄せ用の無料公開に使うのは良いかもしれませんね。
でも今回騒いでいた人の多くはもうDVDやblu-rayを持っているんじゃないかなあとも思ったんですが。
>カスタムさん
9/4に参戦できてよかったですね。
とても良いライブだったと思います。
そして9/4は挨拶できなくてすみません。
私、9月初旬はとても忙しくて(そのため9/3もライブ開演に間に合いませんでした)、書き込まれた9/2からでは連絡を取り合う余裕もなく…。
またの機会がありましたら、可能でしたらもっと早めにご連絡をいただければと思います。
雑誌記事など集められているとのこと。
もしも私の書いたことで間違いがありましたら、是非ご指摘ください。
>みーこさん
intelligence daysが最後まで終わって、やっとここを見に来る方もいらっしゃったんですね。
よく1ヶ月間、欲望を断ち切れましたね!
またコロナの件、大変残念でしたね。よりによってこんな時に…て感じですね。
木根さんのギターはどうだったんでしょうか。
私は手元まで確認できるほど前の席には当たらなかったもので、ギターの音がHDDから出ているのか木根さんの生音なのか、判断できませんでした(注意もしていませんでした)。
ただ他の参加者が同趣旨のことをおっしゃっていたので、そうだったのかもしれません。
今回のライブに行けなかった自分としては、管理人さんのレポートがいつも楽しみです。
「It’s gonna〜」は、リリース時も今もそれほど好きではなく、車でシャッフル再生していても飛ばしてしまうことがあったりするほどです。
でもこうしてファイナル以外のセットリストに入っていたことを知ってから、歌詞カードをしっかりみながら聞いてみると、ぎこちない歌詞のなかに再始動にあたっての気持ちが込められていたことに改めて気づかされ、それ以後は聞き飛ばしてしまうこともなくなりました。
ライブでレア曲を歌ってもらうことには、魅力再発見という効果もあるので、これからも続けてほしいと思う一方、これがBlu-rayとして残されないというのが残念でなりません。
3人だけのライブというのは、自分にとっては1番望んでいたことです。
前にもどこかに書き込ませてもらいましたが、作曲編曲にメンバー以外がクレジットされるのが、曲の完成度などとは別に好きになれません(2004年前後が特に)。
また、小室さんが作詞したというだけで、自分の言葉で伝えようとしているという価値がついてくる気がして、好き度がアップしてしまいます。
ということで、演奏も同じくメンバーだけというのが理想だったので、そういう点で私は『SPEEDWAY』が大好きです。
それがライブで実現できるなんて、テクノロジーがついにTMに追いついたんだなあと感慨深いです。
こうやってライブでやってもらえると、曲も魅力が再認識される機会になりますね。
2004年では10 Years Afterがまさにそうでした。
おっしゃる通りblu-rayに入らないのは残念です。
多分今後二度と演奏されることはないでしょうから…
1年ほど前How Do You Crash It?ライブのエンディング曲がクリストファーっぽいのでご意見を伺った者です。大変おそくなりましたが、お返事いただき、ありがとうございました。よく考えたら、「再起動なのに新曲じゃないとかありえんやろ」と思い、お恥ずかしい限りで、御礼がこんなに遅くなってしまいました。あんなにかっこいい曲なのに…!すみません!!
昨年、初めてTMライブ参加できました。職場から外出自粛と言われていましたが、次のチャンスがあるかわからないと、思い切って参加しました。道中、駅のごみを拾って捨てるとか、謎の「コロナに罹らないためのゲン担ぎ」をしながら向かいました。
Day4で、「8月の長い夜」の始まりになんか違うメロディがあったのは、SPEEDWAYの曲だったんですね。
過去のライブ映像で、self controlで人差し指を挙げるとかの定番の振り(?)とか皆さんと一緒にできたのも感動でした。BDを何度もみて、感動を反芻しています。「あの夏を忘れない」のイントロで3人の登場シーンは毎回泣きそうになってます。
一緒に参加した人が「宇都宮さん、後ろに下がるとき(小室さん、木根さんソロに入るところかと思います)、ふらふらしてたけど大丈夫?」と心配していました。3人が揃ってこそなので、再起動後、みんな元気で長く活動してもらえるのを祈るばかりです。
小室さんのキャラクターでは、“長く”って難しいのかなあ。
クリストファー疑惑は、2013年START investigationのオープニングでもありました。
クリストファーは歌メロは木根さんですが、オケは小室さんが作っているんでしょうから、似たフレーズがよく出てくるんでしょうね。
セルコンのイントロ、初参加おめでとうございます。
あとはジャスワンのイントロに参加したいところですね(笑)。
ライブで観客が一体で動くやつは私はあまり好きじゃないんですが、イントロのやつは私も参加しています。
次のライブも楽しんで体験してくださいね。